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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y12
管理番号 1319294 
審判番号 取消2015-300187 
総通号数 202 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-10-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2015-03-13 
確定日 2016-06-01 
事件の表示 上記当事者間の登録第413148号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第413148号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、昭和24年2月25日に登録出願、第20類「自転車及び其の各部」を指定商品として、同27年6月26日に設定登録され、その後、5回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、また、平成16年3月17日に指定商品を第12類「自転車並びにそれらの部品及び付属品,自転車のベアリング,自転車の歯車,自転車のブレーキ」とする指定商品の書換登録がされたものである。
そして、本件審判の請求の登録が平成27年3月26日にされたものである。
2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
請求人が調査したところによると、本件商標は、その指定商品である第12類「全指定商品」について、本件商標の商標権者によって継続して3年以上日本国内において使用されておらず、現在も使用されている事実は見いだせない。加えて、商標登録原簿上において、通常使用権及び専用使用権の設定登録がなされておらず、使用権者が使用していることも考えられない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定に基づき取り消されるべきである。
3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第36号証を提出した。
(1)本件商標又はこれと社会通念上同一の商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者及び通常使用権者である有限会社大前事務所によって、「自転車並びにそれらの部品及び付属品」に使用されている(商標法第2条第3項第1号、第2号及び第8号)。
よって、本件商標登録は商標法第50条第1項の規定に該当せず、本件審判の請求は認められないものである。
(2)本件商標の商標権者(被請求人)による使用について
本件商標の商標権者であるアルプス自転車工業株式会社は、「A」の文字をデザイン化しているが本件商標と社会通念上同一のものである「ALPS」を刻印した、自転車の車体フレームとハンドルを結合させる自転車の部品であるハンドルステム(乙1,2,14,15)を、株式会社日東(埼玉県川口市在)に製造依頼している。なお、乙第1号証及び乙第2号証は、通常使用権者である有限会社大前事務所が運営する店舗内で撮影された複数のハンドルステム写真(写し)である。同様に、乙第14号証及び乙第15号証は、通常使用権者である有限会社大前事務所が運営する店舗内で撮影された自転車の車体フレームとハンドルを結合させるために取り付けた状態のハンドルステム拡大写真(写し)である。
そして、当該株式会社日東から、本件商標と社会通念上同一のものが刻印された多数のハンドルステムを受け取り、通常使用権者である有限会社大前事務所に譲渡している。当該使用行為は、自転車の部品である商品(ハンドルステム)に標章を付する行為に該当し(商標法第2条第3項第1号)、かつ自転車の部品である商品(ハンドルステム)に標章を付したものを有限会社大前事務所に譲渡、引き渡しする行為に該当するものである(商標法第2条第3項第2号)。
また、アルプス自転車工業株式会社は、自転車のフレームに張り付ける本件商標と社会通念上同一である全体をデザイン化した縦書きの「ALPS」のシール(乙3)を、株式会社富士マーク製作所(東京都千代田区在)に多数製作依頼している。そして、当該シールを株式会社富士マーク製作所から受け取り有限会社大前事務所に譲渡している。
なお、有限会社大前事務所は、商標権者が以前造った自転車、通称「ALPS自転車」の中古の自転車販売、当該自転車の部品、付属品を修理販売しており、その際に上記ハンドルステム、シールを使用し、在庫がなくなり次第、本件商標権者に連絡し、商標権者が株式会社日東、株式会社富士マーク製作所に注文し、有限会社大前事務所に随時譲渡しているものである。
したがって、商標権者は本件商標と社会通念上同一の商標を自転車の部品に付し、当該部品を譲渡しているものである(商標法第2条第1項第1号及び同第2号)。
(3)本件商標の通常使用権者による使用について
商標権者であるアルプス自転車工業株式会社(乙4)は、本件商標に係る全指定商品に関して、平成23年10月1日付けで有限会社大前事務所(乙5)と使用許諾の覚書を締結している(乙6)。当該事実から、有限会社大前事務所は、本件商標権の通常使用権者であることが明らかである。なお、アルプス自転車工業株式会社の取締役である萩原浩氏と有限会社大前事務所の代表である大前仁氏は、当該覚書の締結後現在に至るまで、基本的に毎月月末に現状報告などの打合せを行い当該覚書の内容は継続しているものである。
また、上記の通常使用権の許諾について補足する資料として、乙第7号証は、株式会社山と渓谷社が2007年2月15日付けで発行した雑誌「自転車人」の表紙及び抜粋ページ写しであり、当該抜粋ページから2007(平成19)年頃には、既に有限会社大前事務所の大前仁氏が、アルプス自転車工業株式会社の三代目である取締役の萩原浩氏と良好な関係を構築している事実が容易にうかがえる。
乙第8号証は、株式会社グラフィック社が2012(平成24)年11年25日付けで発行した雑誌「CYCLO TOURIST」の表紙及び抜粋ページ写しであり、同様に、平成24年11月頃においても大前仁氏が、萩原浩氏と良好な関係が継続している事実が容易にうかがえる。
乙第9号証は、株式会社A(木偏に世からなる漢字である。以下同じ。)出版社が平成27年5月10日付けで発行した雑誌「旅する自転車ランドナー&スポルティーフの本」の表紙、裏表紙及び抜粋ページ写しであるが、当該出版社から雑誌の掲載記事について依頼を受けたのは約2か月前であり審判請求の登録前3年以内であり、同様に、平成27年3月頃においても大前仁氏が萩原宏氏と良好な関係を継続している事実が容易にうかがえる。
通常使用権者である有限会社大前事務所の大前仁氏は、アルプス自転車工業株式会社の萩原浩氏から自転車及びその部品等に関するノウハウを細部に亘るまで徹底的にたたき込まれ、上記覚書を締結後の約一年後の平成24年11月1日付けでオオマエジムショ(東京都台東区在)を開店した経緯がある。当該オオマエジムショでは、自転車及び自転車の部品、付属品などを販売するほかに、商標権者が造った自転車のハンドルステムなどの自転車部品を修理、又は商標権者から譲渡された新しいハンドルステムへの交換することはもちろんであるが、商標権者が造った自転車を買取り、本件商標と社会通念上同一の商標を刻印したハンドルステム(乙第1、2号証)を新たに取り付けなど(乙14,15)オーバーホールして「アルプス○○」の名称の中古自転車として販売などを行っている。
乙第10号証ないし乙第12号証は、上記したオオマエジムショの店舗を外から撮影した写真(写し)であり、乙第13号証は、オオマエジムショの店舗内を撮影した写真(写し)であり、有限会社大前事務所がオオマエジムショの店舗において自転車、自転車の部品、付属品を修理、販売等している事実が明らかである。なお、乙第13号証の右端の奥に展示してある黄色のフレームの自転車は、商標権者が造った自転車の修理などをしているものである。当該行為は、商品に標章を付したものを譲渡若しくは引渡しのために展示する行為に該当する(商標法第2条第3項第2号)。
上記乙第8号証の株式会社グラフィック社が2012(平成24)年11年25日付けで発行した雑誌「CYCLO TOURIST」の抜粋(126ページ写し)には、有限会社大前事務所の大前仁氏が、自転車について本件商標と社会通念上同一の「アルプス」を宣伝広告し、また本件商標と社会通念上同一である「ALPS」が自転車前方のフレームに取り付けられた拡大写真を掲載し宣伝広告している。さらに、127ページの右下には、上記した本件商標と社会通念上同一の「ALPS」が刻印された自転車の部品であるハンドルステム、及び本件商標と社会通念上同一の「ALPS」が付された自転車の付属品であるサドルバッグの写真が掲載され宣伝広告している。
同様に、乙第9号証の株式会社A出版社が平成27年5月10日付けで発行した雑誌「旅する自転車ランドナー&スポルティーフの本」(52ページ?59ページ)に、有限会社大前事務所の大前仁氏が、自転車に関して本件商標「ALPS」、社会通念上同一である「アルプス」、本件商標「ALPS」が刻印された自転車部品の写真(53ページ中央下の写真)、上記した乙第3号証のシール(53ページ左下の写真)及び当該シールを自転車のフレームに貼り付した自転車全体の写真(56、57ページなどの写真)を掲載している。
これらの行為は、商品に関する広告に標章を付して頒布する行為に該当するものである(商標法第2条第3項第8号)。
乙第14号証及び乙第15号証は、本件商標と社会通念上同一の商標「ALPS」を刻印した自転車の車体フレームとハンドルを結合させる自転車の部品ハンドルステムを取り付けた拡大写真写しである。乙第16及び乙第17号証は、本件商標と社会通念上同一である全体をデザイン化された縦書きの「ALPS」のシール(乙3)を自転車のフレームに張り付けた状態を示す拡大写真(写し)である。
これらの行為は、商品に標章を付す行為、商品に標章を付したものを譲渡若しくは引渡しのために展示する行為に該当するものである(商標法第2条第3項第1号及び同第2号)。
乙第18号証は、平成27年2月2日付けの有限会社大前事務所が発行した御見積書(写し)であり、件名には「アルプス・オーバーホール一式(2台)」と記載されており、本件商標の商標権者が造った自転車をアルプスと称して、修理、部品の交換等している事実が明らかである。
乙第19号証は、平成26年8月18日付けの有限会社大前事務所が発行した御見積書(写し)であり、件名には「アルプス事故車修理一式」と記載されており、前記同様に本件商標の商標権者が造った自転車をアルプスと称して、自転車の色の塗替え、部品の交換をしている事実か明らかである。なお、商品名の欄の「アルプス貼りマーク」とは上記乙第3号証のシールを貼る作業を指すものである。
乙第20号証は、平成26年4月28日付けの有限会社大前事務所が発行した御見積書(写し)であり、件名には「ALPSオーバーホール一式」と記載されている。
乙第21号証は、平成26年3月27日付けの有限会社大前事務所が発行した御見積書(写し)であり、件名には「アルプス24inオーバーホール」と記載されている。
乙第22号証は、平成25年6月2日付けの有限会社大前事務所が発行した御見積書(写し)であり、件名には「ALPS改装一式」と記載されている。
乙第23号証は、平成25年4月20日付けの有限会社大前事務所が発行した御見積書(写し)であり、件名には「アルプス・事故車お見積もり」と記載されている。
乙第24号証は、平成24年11月16日付けの有限会社大前事務所が発行した御見積書(写し)であり、件名には「ALPSディーラー回り調整一式」と記載されている。
乙第25号証は、平成24年11月11日付けの有限会社大前事務所が発行した御見積書写しであり、件名には「ALPS改装一式」と記載されている。
上記乙第18号証ないし乙第25号証に係る行為は、有限会社大前事務所が、自転車に「アルプス」又は「ALPS」を付したものを譲渡、引き渡しする行為に該当するものである(商標法第2条第3項第2号)。なお、補足すると、商品名の欄に「交換部品、交換パーツ」と記載されているのは本件商標の商標権者が造った自転車、通称「アルプス自転車」の部品の交換を意味するものであり、具体的には上記の本件商標と社会通念上同一の「ALPS」が刻印されたハンドルステム等を交換するものである。
乙第26号証は、平成26年12月25日、平成27年2月11日付けのライジンワークスがオオマエジムショに宛てた請求書(写し)であり、品名の欄に「ALPSFキャリア」、「ALPSフレーム改造」、「ALPS 芯チェック」等の記載があるが、それぞれ、「ALPS自転車のフロントキャリア(荷台フレーム)」、「ALPS自転車のフレームの改造」、「ALPS自転車全体が左右に傾いていないかをチェック」することを意味するものである。したがって、有限会社大前事務所がライジンワークスに「ALPS」自転車、「ALPS」自転車の部品、フレームの修理などを依頼している事実が明らかである。
乙第27号証は、平成26年12月27日付けの株式会社本所工研が有限会社大前事務所に宛てた納品書(写し)であり、品番・品名の欄に記載の「MudFlap“Alps”type」とは、自転車「ALPS」タイプの泥除けを意味し、当該泥除け50セットを有限会社大前事務所が株式会社本所工研に依頼している事実が明らかである(乙36)。
乙第28号証は、平成26年9月15日、平成27年1月13日付けのZ-WORKSがオオマエジムショに宛てた納品書(写し)であり、自転車「ALPS」のフレームを一度剥離して新たに塗装し、上記「ALPS」シール(乙3)をフレームに貼り付したものを納品したことを意味するものであり、有限会社大前事務所がZ-WORKSに自転車「ALPS」のフレームなどの塗装を依頼している事実が明らかである。
乙第29号証は、平成26年9月20日付けの株式会社ミルキーウェイが有限会社大前事務所に宛てた請求書(写し)であり、有限会社大前事務所が株式会社ミルキーウェイに自転車のフレームなどの塗装を依頼している事実が明らかである。
乙第30号証は、上記ライジンワークスが、平成24年11月頃から現在に至るまで、有限会社大前事務所から自転車「ALPS」の部品について製造依頼を受け、製造した自転車「ALPS」の部品を有限会社大前事務所に納品している事実を証明する陳述書である。
乙第31号証は、上記株式会社本所工研が、平成24年11月頃から現在に至るまで、有限会社大前事務所から自転車「ALPS」の泥除けなどについて製造依頼を受け、製造した自転車「ALPS」の泥除けなど自転車部品を有限会社大前事務所に納品している事実を証明する陳述書である。
乙第32号証は、上記Z-WORKSが、平成26年9月頃から現在に至るまで、有限会社大前事務所から自転車「ALPS」のフレームに「ALPS」のシール(乙3)を貼り付しての塗装、単なる塗装の依頼を受け、塗装した自転車「ALPS」のフレーム、自転車部品を有限会社大前事務所に納品している事実を証明する陳述書である。
乙第33号証は、上記株式会社ミルキーウェイが、平成25年7月頃から現在に至るまで、有限会社大前事務所から自転車「ALPS」のフレームに「ALPS」のシール(乙3)を貼り付しての塗装、単なる塗装の依頼を受け、塗装した自転車「ALPS」のフレーム、自転車部品を有限会社大前事務所に納品している事実を証明する陳述書である。
乙第34号証は、有限会社大前事務所のホームページのコンセプトサイトの写しであり、「アルプス」を始めとするツーリング車のメンテナンス・オーバーホールを業務としていることを宣伝広告している事実が明らかである。
乙第35号証は、有限会社大前事務所のホームページのオーバーホールサイトの写しであり、自転車「アルプス」を宣伝広告している事実が明らかである。
乙第36号証は、有限会社大前事務所のホームページのBLOGの抜粋(サイト写し)であり、2015年2月1日付けのブログには、自転車「アルプス」のオーバーホールの依頼が多数ある旨の記事を掲載している。2015年1月24日付けのブログでは、名車「アルプス」のオーバーホールの依頼が多い旨の記事を掲載している。2014年12月27日付けのブログには、上記本所工研に依頼したアルプスタイプのマットフラップ(泥除け)の記事を掲載している。2014年8月26日付けのブログには、自転車アルプスのオーバーホールが完了した旨の記事を掲載している。2014年8月18日付けのブログにも自転車アルプスのオーバーホールする旨の記事を掲載している。2013年8月22日付けのブログには、自転車「アルプス・クライマー」の中古自転車が店頭に展示してある旨、並びに当該中古自転車が売約済になった旨の記事を掲載している。
上記事実から、有限会社大前事務所は、アルプス自転車工業株式会社が造った自転車、即ち、通称アルプス自転車を中古車として販売し、また、当該自転車のオーバーホール、修理、自転車の部品交換、フレームなどの色の塗替えをして、新調した自転車を組立て客に譲渡しており、かつ本件登録商標と社会通念上同一の「アルプス」を自転車に付し、自転車部品に本件登録商標及び社会通念上同一のものを付して宣伝広告している事実が明らかである(商標法第2条第3項第1号、第2号及び第8号)。
したがって、本件商標の商標権者、及び通常使用権者である有限会社大前事務所が、本件商標若しくは本件商標と社会通念上同一の商標を「自転車並びにそれらの部品及び付属品」に付しており(商標法第2条第3項第1号)、本件商標を付した「自転車並びにそれらの部品及び付属品」を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのためにオオマエジムショの店舗内で展示している事実が明らかである(商標法第2条第3項第2号)。また、通常使用権者である有限会社大前事務所が商品に関する広告に標章を付して頒布、電磁的方法により提供している事実も明らかである(商標法第2条第3項第8号)。
(4)上記により、本件商標の商標権者であるアルプス自転車工業株式会社及び本件商標の通常使用権者である有限会社大前事務所によって、本件商標又はこれと社会通念上同一の商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、指定商品「自転車、自転車の部品及び付属品」に使用されていることが明らかである。
(5)結語
以上のとおり、本件商標又はこれと社会通念上同一の商標は、商標権者及び使用権者によって、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件登録商標に係る指定商品「自転車、自転車の部品及び付属品」について使用されている(商標法第2条第3項第1号、第2号及び第8号)。
4 当審の判断
(1)被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 商標権者(被請求人)は、自転車及び自動車並びに機械工具類の修理及び販売を業とする株式会社である(乙4)。
イ 有限会社大前事務所(東京都世田谷区在)は、出版物の編集・制作・発行、自転車の製造販売及び輸出入、自転車部品の製造販売及び輸出入等を業とする有限会社である(乙5)。
ウ 商標権者と有限会社大前事務所とは、本件商標をその全指定商品について、前者が後者に通常使用権を許諾する旨の「商標権についての覚書」を平成23年10月1日付けで締結している(乙6)。
エ 乙第3号証は、商標権者が、株式会社富士マーク製作所(東京都千代田区在)に製作を依頼し、有限会社大前事務所に譲渡している自転車のフレームに張り付けるシールであるとするものであり、そこには、ややデザイン化された縦書きの「ALPS」の文字(以下「使用商標」という。)が表されている(該号証においては「ALPS」の文字が裏面から見たものとなっている。)。そして、乙第16号証及び乙第17号証は、「ALPS」のシールを自転車フレームの貼り付した拡大写真(写し)とするものであり、そこには使用商標が表されているシールが貼り付けられた自転車フレームの一部が写されている。
オ 雑誌「旅する自転車 ランドナー&スポルティーフの本」(株式会社A出版社、2015年5月10日発行)において、「40年前企画 その1 1975年の輪行ツーリング車を代表する名車 アルプス・クイックエースを組み上げる」の見出しの下、「2007年に惜しまれながら店を閉じた、東京・神田の名店、スポーツサイクル・アルプス。・・・今回は1975年製のアルプス・クイックエースを組み上げることになった。浅麓堂の・・・氏が『いつか完成車に』と温めていたフレームがオオマエジムショに届けられ、マンダリン・イエローに塗り替えられたのだ。じつをいうとオオマエジムショには、アルプスのフレームに貼る転写マークが受け継がれている。そして国内のパーツメーカー、日東や本所工研なども、アルプス専用モデルだったいくつかの商品を、当店に向け再生産してくれている。・・・」との記載がある(乙9)。
カ ライジンワークス(群馬県桐生市在)が有限会社大前事務所に宛てた平成26年12月25日付け請求書(写し)には、「品名」欄に「ALPS Fキャリア」、「数量」欄に「1」、「金額」欄に「9000」などの記載がある(乙26)。そして、ライジンワークスは、「弊社は、平成24年11月頃から本日現在に至るまで、自転車『ALPS』の荷台などの自転車部品を製造し、有限会社大前事務所に納品している。」旨の平成27年4月23日付け陳述書を提出している(乙30)。
キ 株式会社本所工研(東京都墨田区在)が有限会社大前事務所に宛てた2014(平成26)年12月27日付け納品書(写し)には、「品番・品名」欄に「MudFlap“Alps”type.OMAE-SET.」、「数量」欄に「50」、「単価」欄に「680」などの記載がある(乙27)。そして、株式会社本所工研は、「弊社は、平成24年11月頃から本日現在に至るまで、自転車『ALPS』の泥よけなどの自転車部品を製造し、有限会社大前事務所に納品している。」旨の平成27年4月23日付け陳述書を提出している(乙31)。
ク Z-WORKS(東京都足立区在)が有限会社大前事務所に宛てた平成26年9月15日付け及び平成27年1月13日付けの納品書(写し)には、「品名」欄に「マーク貼り」、「金額」欄に「1000」などの記載がある(乙28)。そして、Z-WORKSは、「弊社は、平成26年9月頃から本日現在に至るまで、自転車のフレームに『ALPS』のシールを貼り付して塗装し、また自転車部品を塗装して、当該フレームや自転車部品を有限会社大前事務所に納品している。」旨の平成27年4月30日付け陳述書を提出している(乙32)。
ケ 有限会社大前事務所のホームページには、「コンセプト」サイトにおいて、「CYCLE TOURING オオマエジムショにできること」の項に「・『アルプス』を始めとするツーリング車のメンテナンス・オーバーホール」との記載、「オーバーホール」サイトにおいて、「当店ではツーリング車のオーバーホールを主力業務の一つとしています。・・・問題となるのは年代物のツーリング車、そして名車アルプスのように独自の設計・機能を持ったパーツを使用した自転車です。・・・」との記載があるほか、「BLOG」サイトにおいて、2014(平成26)年12月27日付けの「・・・今はなきアルプスで用意していたマッドフラップの形状に範を取った、本所工研製、アルプスタイプのマッドフラップです。・・・H47やH50の泥よけにジャストフィットします。・・・2枚入り、1600円です。」の記載や2013(平成25)年8月22日付けの「店頭に、アルプス・クライマーの中古車が到着しています!・・・もちろん、販売いたします。・・・何分にも中古ですので、現況を優先させていただくほか、恐縮ですが価格やコンディションなどについてメールや電話でのお問い合わせはお断り申し上げます。・・・→売約済みとなりました。」の記載がある(乙34?36)。
(2)上記(1)で認定した事実を総合してみれば、有限会社大前事務所は、本件商標についての通常使用権者であると認められ、商標権者が製造、販売した本件商標に係る自転車のオーバーホールを行っていることが認められる。そして、有限会社大前事務所は、本件審判の請求の登録(平成27年3月26日)前3年以内である平成25年8月頃に日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品に含まれる「自転車の中古品」についても、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を表示し、販売していたものと推認することができ、その行為は、「商品・・・に標章を付する行為」、「商品・・・に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、・・・する行為」(商標法第2条第3項第1号及び同項第2号)に該当するものと認めることができる。
なお、請求人は、前記3の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。
(3)むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者がその指定商品中の「自転車」について、本件商標(社会通念上同一のものを含む。)の使用をした事実を証明したものと認めることができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】

審理終結日 2016-04-21 
結審通知日 2016-05-02 
審決日 2016-04-21 
出願番号 商願昭24-2715 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Y12)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 酒井 福造
堀内 仁子
登録日 1952-06-26 
登録番号 商標登録第413148号(T413148) 
商標の称呼 アルプス 
代理人 川浪 薫 
代理人 特許業務法人三枝国際特許事務所 
代理人 川浪 圭介 
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