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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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不服200615124 | 審決 | 商標 |
不服201513478 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 査定不服 観念類似 登録しない W30 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W30 審判 査定不服 外観類似 登録しない W30 |
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管理番号 | 1319284 |
審判番号 | 不服2016-5455 |
総通号数 | 202 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2016-10-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-04-13 |
確定日 | 2016-09-02 |
事件の表示 | 商願2015-58155拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「スリム」の片仮名及び「SLIM」の欧文字を2段に横書きしてなる構成からなり、第30類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成27年6月19日に登録出願され、指定商品については、原審における同年11月2日付け手続補正書をもって、第30類「菓子,パン」と補正されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5385525号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成22年5月7日に登録出願、第30類「調味料,香辛料,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類」を指定商品として、同23年1月21日に設定登録されたものである。 3 当審の判断 (1)本願商標 本願商標は、「スリム」の片仮名と「SLIM」の欧文字を2段に横書きしてなるところ、その構成中上段の「スリム」の片仮名は、下段の「SLIM」の欧文字の読みを表してなると認められるものである。 そして、「スリム」及び「SLIM」の文字は、「細い、ほっそりした」等を意味する我が国において慣れ親しまれた外来語である。 そうすると、本願商標は、普通に用いられる方法で2段に横書きされた「スリム」及び「SLIM」の文字に相応し、「スリム」の称呼を生じ、「細い、ほっそりした」ほどの観念を生じるものである。 (2)引用商標 引用商標は、「SLIM」の欧文字を緑色で普通に用いられる方法で横書きしてなり(該文字の下には黒色の細い直線が描かれている。)、その右側に緑色の太線の円内に薄緑色地に白抜きで葉と思しき図形を描き、中央上部に「ZERO」の欧文字を灰色で大きく横書きし、下部に「Low Carbo Style」の欧文字を緑色の筆記体で小さく横書きしてなるロゴ(以下「ロゴ部分」という。)を配してなるものである。 してみると、引用商標は、「SLIM」の欧文字とロゴ部分の二つの部分が結合した構成からなるものであると直ちに認識し得るものであり、視覚上、明確に分離して看取されるものである。 そこで、引用商標より生じる称呼については、欧文字は通常左上より読みをするものであるから、引用商標の構成全体より「スリムゼロローカーボスタイル」の称呼を生じるほか、構成中大きく表されている文字である「SLIM」及び「ZERO」の文字を一連に「スリムゼロ」の称呼をも生じるといえるものである。 さらに、引用商標は、上述のとおり、「SLIM」の欧文字とロゴ部分を結合した構成と認識し得るところ、ロゴ部分に表された「ZERO」の欧文字は、「無,少しもないこと」(「ベーシック ジーニアス英和辞典」大修館書店発行)の意味を有するところ、例えば、「カロリーゼロ」及び「糖質ゼロ」のように、該語を片仮名書きした語が飲食料品との関係において、「(当該成分等が)無いこと、含まれていないこと」を表すものとして使用されている実情があることからすると、自他商品の識別力の弱い部分であるといえるものであり、また、「Low Carbo Style」の欧文字は、全体として「炭水化物を低くした種類のもの」ほどの意味合いを生じるものであるから、該文字部分も本願の指定商品との関係では、自他商品の識別力の弱い部分であるといえるものである。 そうすると、引用商標は、「ZERO」及び「Low Carbo Style」の欧文字部分以外の「SLIM」の欧文字部分が強く支配的な印象を与える部分であるといえるものであって、上述のとおり、両構成部分が、視覚上、明確に分離して看取されるという外観における特徴をも考慮するならば、「SLIM」の欧文字部分をもって取引に資される場合も少なくないとみるのが相当であるから、該文字部分に相応し「スリム」の称呼をも生じるものである。 そして、観念については、引用商標の構成全体より特定の観念を生じるとはいい難いものであるが、独立して商品の出所識別標識としての機能を有する「SLIM」の欧文字部分より「細い、ほっそりした」ほどの観念を生じるものである。 (3)本願商標と引用商標の類否について 本願商標と引用商標の類否について検討すると、外観においては、両商標は引用商標におけるロゴ部分の有無から、全体として異なる部分があるといえるとしても、引用商標の構成中独立して商品の出所識別標識として機能する「SLIM」の欧文字部分は、本願商標の欧文字部分と同じ綴りからなるものであり、極めて近似した印象を与えるといえるものである。そして、両商標は、「スリム」の称呼及び「細い、ほっそりした」の観念を共通にするものである。 そうすると、本願商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの観点からも、相紛れるおそれがある類似の商標であるといわなければならない。 (4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について 本願の指定商品「菓子,パン」と引用商標の指定商品中「サンドイッチ,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」とは、類似する商品と認められる。 (5)小括 以上のことから、本願商標は、引用商標に類似する商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と類似する商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (6)請求人の主張 請求人は、引用商標は全体として一体的な構成であること、引用商標が商標権者により飲料品において「スリムゼロウォーター」や「スリムゼロ緑茶」のように一連一体の商標として使用されていること、及び、過去の審決事例を挙げて、本願商標と引用商標とは非類似とされるものである旨主張する。 しかしながら、引用商標は、上記(2)のとおり、その構成中の「SLIM」の欧文字部分が強く支配的な印象を与える部分であり、該欧文字部分が独立して商品の出所識別標識として機能を有するとみるのが相当である。 したがって、請求人の上記主張は採用することができない。 (7)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(引用商標)(色彩は原本参照。) |
審理終結日 | 2016-06-22 |
結審通知日 | 2016-07-01 |
審決日 | 2016-07-13 |
出願番号 | 商願2015-58155(T2015-58155) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
Z
(W30)
T 1 8・ 262- Z (W30) T 1 8・ 261- Z (W30) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 早川 真規子 |
特許庁審判長 |
青木 博文 |
特許庁審判官 |
原田 信彦 高橋 幸志 |
商標の称呼 | スリム |
代理人 | 梅村 莞爾 |