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審決分類 審判 判定 その他 属する(申立て成立) W30
管理番号 1318270 
判定請求番号 判定2016-600007 
総通号数 201 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標判定公報 
発行日 2016-09-30 
種別 判定 
2016-03-04 
確定日 2016-08-16 
事件の表示 上記当事者間の登録第5779719号商標の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 商品「弁当」に使用するイ号標章は、登録第5779719号商標の商標権の効力の範囲に属する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5779719号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成25年10月11日に登録出願、第30類「弁当」を指定商品として、同27年7月17日に設定登録されたものである。

第2 イ号標章
請求人が商品「弁当」について使用する標章(以下「イ号標章」という。)は、別掲2のとおりの構成からなるものである。

第3 請求人の主張
請求人は、請求人が商品「弁当」に使用するイ号標章は、本件商標の商標法第25条に規定する商標権の効力の範囲に属する、との判定を求め、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
1 判定請求の必要性
請求人は、本件商標の専用使用権者である(甲1及び甲2)。
請求人は、本件商標権者であるJFE東日本ジーエスとの間で、本件商標につき、地域「日本全国」、期間「本商標権の存続期間中(平成37年7月17日迄)」、内容「指定商品全て」とする専用使用権設定契約を締結し、平成27年9月2日、その登録を受けている。
請求人は、イ号標章(甲3)について、イ号標章の使用態様を示す資料(甲4)及び請求人のホームページ(甲5)の態様で、商品「弁当」を販売するにあたり使用し、その広告をするにあたり使用している。
そこで、請求人は、専用使用権者の立場で、自己が使用している範囲が商標法第25条で規定する本件商標の商標権の専用権の範囲に属する行為か否かについて、専門的知識をもって中立的立場から判断される判定を特許庁に求め、商標権の効力範囲について確認を求めることとした。
自己の権利範囲(効力範囲)を確認するための判定請求は、自己の業務のうち、商品「弁当」を販売する業務にイ号標章を使用する行為が、商標登録第5779719号の商標法第25条に規定する商標権の効力の範囲に属するか、属さないかにより、然るべく区分並びに指定商品及び指定役務に、イ号標章を商標登録する必要性があるか否かを検討する材料にもなるものである。
2 イ号標章の説明
(1)イ号標章は、「まごころ」及び「弁当」の各文字が上下二段に手書き風に書されてなるものであり、その背景に、ハートを内包する弁当箱を両手で把持した図形が配されてなるところ、「まごころ」及び「弁当」の文字部分より、「マゴコロベントウ」の称呼を生じ、「真心のこもった弁当」の観念が生じる。
(2)イ号標章は、弁当の包装用容器に添付されるメニュー表に付され、広告用ウェブサイトに付されるものである(甲4、甲5)。
すなわち、イ号標章は、使用商品「弁当」に関する広告、価格表又は取引書類に付され、該広告等は展示され、又は頒布されるものであり(商標法第2条第3項第8号)、また、イ号標章は、使用商品「弁当」に関する広告、価格表又は取引書類を内容とする情報に付され、該情報は電磁的方法により提供されるものである(商標法第2条第3項第8号)。
3 イ号標章が本件商標権の効力の範囲に属するとの説明
本件商標は、「まごころ」及び「弁当」の各文字が上下二段に手書き風に書されてなるものであり、その背景に、ハートを内包する弁当箱を両手で把持した図形が配されてなるところ、「まごころ」及び「弁当」の文字部分より、「マゴコロベントウ」の称呼を生じ、「真心のこもった弁当」の観念が生じる。
イ号標章も、本件商標と同一の外観構成からなり、「マゴコロベントウ」の称呼を生じ、「真心のこもった弁当」の観念が生じる。
したがって、両商標は、外観、称呼及び観念を共通にする同一の商標であり、また、本件商標に係る指定商品第30類「弁当」とイ号標章の使用商品「弁当」とは、同一の商品である。
それゆえ、請求人がイ号標章を使用して「弁当」を販売し、その広告をする行為は、商標法第25条に規定する本件商標に係る商標権の効力の範囲に属するものである。

第4 当審の判断
本件判定の請求人は、本件商標権の専用使用権者である(甲2)。
1 本件商標とイ号標章について
本件商標は、別掲1のとおりの構成からなり、また、イ号標章(甲3)は、別掲2のとおりの構成からなるものであり、いずれも、重なり合って配された大小のハート型が表面に描かれた直方体を両手で支えていると思しき図形に、「まごころ」、「弁当」の各文字を上下二段に書してなるものであるから、当該文字部分から、「マゴコロベントウ」の称呼を生じ、「真心のこもった弁当」程の観念を生じるものである。
そして、本件商標とイ号標章は、その外観において同一とみて差し支えない態様からなるものであり、その構成文字から生じる称呼及び観念においても同一のものである。
したがって、本件商標とイ号標章とは、外観、称呼及び観念を同じくする同一の商標と認められる。
2 本件商標の指定商品とイ号標章を使用する商品について
(1)甲第4号証について
ア 甲第4号証の写真3(弁当1)は、弁当の容器に添付されたメニュー表であり、色彩はモノクロであるもののイ号標章に酷似する図形が表示されており、同書証の写真4(弁当2)は、「弁当」である。
イ 甲第4号証の写真5は、領収書の写真であり、「¥550 但 お弁当代として」及び「まごころ弁当 新宿店」の記載がある。
ウ 以上からすると、イ号標章を使用する商品は、「弁当」であるということができ、当該商品は、本件商標の指定商品「弁当」に含まれる商品である。
しかしながら、請求人の提出した書証からは、請求人と「まごころ弁当 新宿店」との関係が不明であるから、本件商標権の専用使用権者である請求人が、イ号標章を商品「弁当」に使用しているものと認めることはできない。
(2)甲第5号証について
ア 甲第5号証は、ホームページ(の写し)であり、イ号標章と同一とみて差し支えない態様からなる文字及び図形が表示され、「お弁当は『小町』『普通食』『カロリー調整食』『低たんぱく食』『ムース食』の5種類をご用意しています。」、「小町 こまち 美味しさそのまま、低カロリー・低塩分のお手頃弁当」、「普通食 一般のご高齢者様向け 和食中心、一般のご高齢者様向けのお弁当です。」、「ムース食 食べ物を噛むことや、飲み込むことが困難な方向け」、「まごころ弁当の美味しさのヒミツ・・・2 ご高齢者様向けに食べやすく調理」と記載されている。
イ 以上からすると、請求人がイ号標章を使用する商品は、主に高齢者を対象とした「弁当」であるということができ、当該商品は、本件商標の指定商品「弁当」に含まれる商品である。
そして、甲第5号証の最終頁には、「Copyrightc2013 Silver Life co Ltd」の記載があることから、株式会社シルバーライフのホームページといえるものであり、上記アの記述は、本件商標権の専用使用権者である請求人が、イ号標章を商品「弁当」の広告に使用しているものとみることができる。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標とイ号標章は、同一の商標(標章)と認められるものであり、請求人がイ号標章を使用する商品は、主に高齢者を対象とした「弁当」であり、当該商品は、本件商標の指定商品に含まれる商品である。
したがって、請求人が商品「弁当」について使用するイ号標章は、本件商標の商標法第25条に規定する商標権の効力の範囲に属するものである。
よって、結論のとおり判定する。
別掲 別掲1(本件商標)
(色彩は原本参照。)


別掲2(イ号標章)
(色彩は甲第3号証及び甲第5号証参照。)

判定日 2016-08-03 
出願番号 商願2013-79644(T2013-79644) 
審決分類 T 1 2・ 9- YA (W30)
最終処分 成立  
前審関与審査官 矢澤 一幸平澤 芳行 
特許庁審判長 青木 博文
特許庁審判官 板谷 玲子
田中 亨子
登録日 2015-07-17 
登録番号 商標登録第5779719号(T5779719) 
商標の称呼 マゴコロベントー、マゴコロ 
代理人 飯島 紳行 

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