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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W43
管理番号 1318216 
審判番号 不服2016-2997 
総通号数 201 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-02-29 
確定日 2016-08-12 
事件の表示 商願2015- 30522拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第30類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として平成27年4月1日に登録出願、その後、指定商品及び指定役務については、原審における同年9月10日付けの手続補正書により、第43類「そばの提供,うどんの提供,丼物の提供,天ぷらの提供,おにぎりの提供,いなりずしの提供,飲食物の提供」とされたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『小諸そば』の文字を毛筆風の書体で表してなるものであり、この程度の毛筆風の書体、変体仮名、くずし字、また、これらを組み合わせた表現方法は、そばに関連した分野においては、文字を強調するために通常行われている表現方法のひとつにすぎないものと認められる。また、構成中の『小諸』の文字部分は、『長野県東部、浅間山南西麓の市』程の意味合いを表すものである。さらに、長野県小諸市周辺地域において、そばが生産・提供されている実情があり、そばは小諸市の名物の一つとなっている。そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者等は、該役務が『長野県小諸市産のそばを主とする飲食物の提供』程の意味合いを認識するにとどまり、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎず、自他役務の識別標識としては認識しないとみるのが相当である。したがって、この本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、「長野県東部、浅間山南西麓の市。」(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)の地域名を表す「小諸」の文字と、変体仮名で表した「そば」の文字とを組み合わせて、筆文字風の書体で「小諸そば」の文字を横書してなるものである。
そして、本願の指定役務の業界において、「そば」の文字を変体仮名で表したり筆文字風に表すことは普通に行われているものであり、そのことは、別掲2のそば屋の暖簾や看板への「そば」の文字の使用例からもうかがい知ることができる。
そうとすると、本願商標は、その指定役務の業界においては、普通に用いられる方法の範囲内で表されているものというのが相当である。
してみれば、本願商標は、これをその指定役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者がこれを「小諸市で製造、販売されたそばの提供」であることを表示したもの、すなわち役務の質又は提供の用に供するものを表示したものと認識するにすぎないものというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
(2)請求人の主張について
請求人は、「本願商標は、『そ』の変体仮名等と異なり、『代』という漢字をイメージできる形状を有する『創作文字』を含み、その『創作文字』は、『そばに関連した分野において、文字を強調するために通常行われている表現方法』のレベルを超えたものになっていることから、本願商標は、『本願に係る役務の生産・提供場所等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標』に該当しない。」旨、主張する。
しかしながら、本願の指定役務の業界において、変体仮名が店舗の看板に使用されていることは、別掲2の使用の実情から明らかであり、また、該使用例においても、文字の形状は、それぞれ少しづつ相違しているものであって、常に同一の形状の文字が使用されるとはいえないものである。
そして、本願の指定役務の需要者は、老若男女幅広い一般的な需要者であるから、普段あまり接していない変体仮名文字におけるその違いを、明確に把握し、その差異を認識できるとはいい難いものであり、本願商標は、上記(1)のとおり、その指定役務の業界においては、普通に用いられる方法で「小諸そば」の文字を表したものというのが相当であるから、請求人の主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 本願商標


2「そば」の変体仮名文字の使用例について
(1)「鎌倉市役所」のウェブサイトにおいて、「鎌倉お店紹介ーそば処よしむら」の見出しの下、「きそば」の変体仮名文字の看板の写真が掲載されている。
(https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/shoukou/omise2006/data/0481.html)
(2)「そば処 日の出屋」のウェブサイトにおいて、「生そば」の変体仮名文字の暖簾の写真が掲載されている。
(http://www.soba-hinodeya.com/)
(3)「フードボイス連載シリーズ」のウェブサイトにおいて、「第103話 蕎麦屋の暖簾には変体仮名がよく似合う」の見出しの下、「そば」等の文字の変体仮名文字の暖簾の写真が掲載されている。
(http://fv1.jp/chomei_blog/?p=1961)
(4)「生そばの看板でGo!Go!」のウェブサイトにおいて、「生そば看板コレクション」の見出しの下、変体仮名文字を使用した看板の写真が多数掲載されている。
(http://kisoba.go-go-ponta.com/)


審理終結日 2016-06-10 
結審通知日 2016-06-14 
審決日 2016-06-28 
出願番号 商願2015-30522(T2015-30522) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W43)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 早川 真規子 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 中束 としえ
大井手 正雄
商標の称呼 コモロソバ 
代理人 岡本 敏夫 

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