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審決分類 審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) W30
審判 全部無効 称呼類似 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) W30
審判 全部無効 外観類似 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) W30
審判 全部無効 観念類似 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) W30
管理番号 1318214 
審判番号 無効2015-890020 
総通号数 201 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-09-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2015-03-09 
確定日 2016-08-08 
事件の表示 上記当事者間の登録第5603460号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5603460号の指定商品中、第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」についての登録を無効とする。 その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。 審判費用は、その2分の1を請求人の負担とし、2分の1を被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5603460号商標(以下「本件商標」という。)は、「チョコっとコロン」の文字を標準文字で表してなり、平成25年2月8日に登録出願され、第30類「茶,コーヒー,ココア,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,即席菓子のもと」を指定商品として、同年5月31日に登録査定、同年8月2日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
1 請求の趣旨
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書及び無効審判事件弁駁書において、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第28号証(枝番を含む。)を提出した(以下、甲各号証及び乙各号証の枝番の全てを引用するときは、枝番を省略して記載する場合がある。)。

2 審判請求書における主張
(1)商標法商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 引用商標について
請求人の引用する登録商標は、次のとおりであり、現に有効に存続している(以下、引用各商標を「引用商標1」などといい、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)。
(ア)商標登録第866376号(引用商標1)
商標 「コロン/COLLON」
指定商品 第30類「菓子,パン」
登録出願日 昭和43年2月17日、設定登録日 昭和45年7月25日
(イ) 商標登録第866377号(引用商標2)
商標 「クリームコロン」
指定商品 第30類「クリーム入り菓子,クリーム入りパン」
登録出願日 昭和43年2月17日、設定登録日 昭和45年7月25日(ウ)商標登録第1798704号(引用商標3)
商標 「チョコレートコロン」
指定商品 第30類「チョコレート、チョコレートを加味した菓子及びパン」
登録出願日 昭和58年10月6日、設定登録日 昭和60年8月29日 (エ) 商標登録第2431290号(引用商標4)
商標 「COLLON」
指定商品 第30類「菓子,パン」
登録出願日 平成1年7月26日、設定登録日 平成4年6月30日
(オ)商標登録第2502375号(引用商標5)
商標 「コロン」
指定商品 第30類「菓子,パン」
登録出願日 平成2年3月9日、設定登録日 平成5年2月26日
(カ)商標登録第3347461号(引用商標6)
商標 「いちごコロン」
指定商品 第30類「菓子及びパン」
登録出願日 平成7年4月11日、設定登録日 平成9年9月19日
(キ)商標登録第4469558号(引用商標7)
商標 「バナナのコロン」(標準文字)
指定商品 第30類「バナナ風味の菓子及びパン」
登録出願日 平成12年3月24日、設定登録日 平成13年4月20日
(ク) 商標登録第4767283号(引用商標8)
商標 「あんこのコロン」(標準文字)
指定商品 第30類「餡の風味を有してなる菓子及びパン」
登録出願日 平成15年7月4日、設定登録日 平成16年4月23日
(ケ)商標登録第5348593号(引用商標9)
商標 「Collon」(標準文字)
指定商品 第30類「コーヒー及びココア,菓子及びパン,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと,糖類又は糖アルコールを主原材料とする錠剤状・粒状・顆粒状・粉末状・ゲル状・ゼリー状・ペースト状・シロップ状・液状・タブレット状・カプセル状・球状・スティック状・ビスケット状・ブロック状の加工食品」
登録出願日 平成21年11月19日、設定登録日 平成22年8月27日
イ 指定商品の同一性について
本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、「菓子,パン」において同一である。
ウ 商標の類似性 について
(ア)「チョコっと」の部分の識別性が弱いことについて
本件商標の構成中の「チョコっと」という表現は、菓子業界では「チョコレート製品」あるいは「チョコレートを素材としていること」を示すために使用されており(甲4、甲5の1?11)、さらに「チョコっと」の語は「少しばかり。ちょっこり」の意味を有する成語「ちょこっと」(甲6)をも同時に想起させる。
「コロン」の語は、請求人が1970年に販売を開始し、2013年当時において43年間、現時点で45年間の長きにわたって請求人が販売し続けている焼き菓子(以下「請求人商品」という場合がある。)の定番商品として知名度を獲得しかつ維持している商品名「コロン」を容易に指称するものである。
したがって、「チョコっと」と「コロン」とでは、識別力に差異がある。
(イ)「コロン(Collon)」の周知性について
1971年に請求人が販売を開始した「コロン(Collon)」という名称の菓子(巻き煎餅の中央にクリームを詰めたもの。)は、2012年の時点での累計販売額は約900億円を超える額に達しており、2013年の売上げは約23億円に達している(甲7)。「コロン(Collon)」は、製品の斬新さも相まって1970年の発売後の1976年には50億円を売り上げる製品となっており、その獲得された知名度を維持するために2009年まで度々テレビCMを提供し、1994年から1997年にかけて「プチセブン」で「Collon Press」という特集記事が組まれた(甲9)。その他、いくつかの雑誌においても「コロン(Collon)」は取り上げられ(甲10)、最近でも、発売時から2013年までの年代毎の「コロン(Collon)」の製品群の紹介がされている(甲11)。
その他に「コロン(Collon)」を取り上げている新聞記事等がある(甲12)。
請求人は獲得された「コロン(Collon)」の知名度を維持しかつ発展させるために、「クリームコロン」などの主要アイテムをそのままに、1971年から2013年までさまざまな味の「コロン(Collon)製品」を開発し、毎年、市場に投入している(甲11、甲13)。
さらに、請求人は1998年からご当地のお土産をイメージした「京都宇治抹茶コロン」、「信州あんずコロン」などの「地域限定コロン」を「コロンシリーズ」として市場に提供している(甲11、甲14)。
かかる請求人による「コロン(Collon)シリーズ製品」の市場への絶え間のない投入により、「コロン(Collon)」は、請求人の焼き菓子ブランド名として2013年当時は勿論のこと現時点でも確固とした地位を築いている。
毎年発表される「日本食糧新聞 ビスケット特集:主要メーカーの動向」においても、「コロン(Collon)」が請求人の主要商品であるとされているし(甲15)、2012年及び2013年の2回にわたってテレビ朝日系列で放送された「お菓子総選挙(クッキー・ビスケット)」において、各々、7位、12位に選ばれている(甲16)。
最後に、2010年ないし2013年にかけて、ネット上のブログ等で「コロン(Collon)」が取り上げられているウェブページのいくつかを提出する(甲17)。
(ウ)本件商標と引用商標との類否について
引用商標は、いずれもその構成中に「コロン」又は「Collon」が含まれており、これらの部分が単独で自他商品識別力を発揮する。
本件商標は、「チョコっと」と「コロン」との結合商標であり、その構成中の「コロン」の部分が単独でも商標として機能する。
本件商標の構成中の「コロン」と引用商標の構成中の「コロン」及び「Collon」とは、いずれも称呼は同一であり、片仮名「コロン」を共通に有する引用商標1ないし引用商標3、引用商標5ないし引用商標9と本件商標とは外観上も類似し、観念については、「コロン(Collon)」が周知・著名性を獲得していることから、本件商標と引用商標とは類似する。
エ まとめ
以上より、本件商標と引用商標とは、類似し、かつ、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは類似することから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 本号の引用商標について
引用商標1及び引用商標3ないし引用商標5(以下、これらの引用商標をまとめていうときは、「引用商標A」という。)は、いずれも周知・著名商標であり、かつ、創造標章である。
イ 本件商標と引用商標Aの類似性について
本件商標と引用商標Aとは、称呼「コロン」が生じ、観念及び外観も類似することから、両者は類似するものであり、取引者・需要者は、両者から共通した印象ないしはイメージを感受する。加えて、引用商標Aを構成する「コロン」及び「Collon」は、いずれも特定の観念を生じさせない造語であり、独創性の高い商標である。
このように造語より構成される創造商標については、一般に強い識別力が認められ、他人がその商標と類似する商標を使用した場合には、既成語から構成される商標よりも、需要者に対する印象、記憶、連想作用等から出所の混同が生じる幅は広いというべきである。
ウ 本件商標が引用商標Aのシリーズ商標であるかのごとく誤認されることについて
請求人が、「コロンシリーズ製品」を数多く市場に提供していることから、本件商標は、引用商標Aとの関係で、商標法第4条第1項第15号にいう「他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標」に該当するものである。
したがって、本件商標をその指定商品中、特に「ビスケット類」に使用した場合には、それがあたかも請求人の「コロンシリーズ」商標に係る個別商品であるか、又は、これと何らかの関連性を有する商品であるかのごとく誤認され、あるいは、その商品の出所について、組織的又は経済的に請求人と何らかの関係がある者の商品であるかのごとく混同されるおそれがあるものである。
エ 「コロン」の信用力の希釈化について
被請求人が本件商標をその指定商品について使用する行為は、「コロン」が有する信用力(ブランド価値)にただ乗りするものであり、かかる信用力(ブランド価値)を希釈化させるものであるから、競業秩序の維持の観点からも容認されるべきではない。
オ まとめ
以上より、本件商標をその指定商品について使用すると、それがあたかも請求人の「コロンシリーズ」に係る個別商品であるか、または、これと何らかの関連性を有する商品であるかのごとく誤認され、あるいは、その商品の出所について、組織的又は経済的に請求人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品、関連商品やシリーズ商品であるかのごとく誤信し、その出所について混同するおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 平成27年11月12日付け無効審判事件弁駁書における主張
(1)被請求人は、「チョコっと」と「コロン」とを分断する理由がないことを証明する証拠資料として、乙第2号証ないし乙第12号証を提出しているが、これらの乙号証をもってしても、本件商標は、周知・著名商標である「コロン」をその構成要素中に有する結合商標であり、「チョコっと」と「コロン」とでは、本件商標の指定商品である「菓子」との関係では各々の有する識別力に大きな差異があることから、引用商標と本件商標とは類似し、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
ア 本件商標の構成要素中の「チョコっと」の部分について
(ア)乙第2号証の1ないし28、乙第5号証の1ないし6について
被請求人は、乙第2号証の1ないし28をもって、「チョコっと」をその構成要素中に含む登録商標を証拠資料として提示することで、「『チョコッとっと』の標章が、取引者あるいは需要者において、『チョコレート製品』あるいは『チョコレートを素材としていること』を示すために普通に使用されているとは理解されていない」ということを証明しようとしたと思料する。
しかしながら、乙第2号証の11ないし14、19、21及び24の各登録商標については、審査段階での拒絶理由通知により又は出願時から指定商品が「チョコレート製品」あるいは「チョコレートを素材としていること」を示す商品表示となっているし、商標登録第4942017号商標「チョコっとガーリック」も審査段階で「チョコっとガーリック」全体で「チョコレートとにんにくを使用してなる菓子及びパン」を認識させるとの拒絶理由通知が出され、審査段階でかかる指定商品表示に補正をした上で登録されている(甲19)。
さらに、被請求人は、「チョコっと」が含まれる商品名称につき、「チョコレートを素材としている」商品であることを訴求していない事例として、乙第5号証の1ないし5を提出するが、これら各乙号証の商品はいずれもチョコレートを素材として使用していることが明示されているし(甲20の1ないし6)、乙第2号証の23「チョコっときばいやんせ」(甲20の7)も「チョコレートを素材としている」菓子であるとの記載が認められる。
その他、商品名中に「チョコっと」が含まれている商品名称として、先の請求書にて提示した商品名称以外にも「チョコレートを素材としている菓子」として、例えば、商品名「あげチョコっと」(甲21の1)、商品名「チョコっとねったば」(甲21の2)、商品名「チョコっとどら」(甲21の3)が存在する。
このように、被請求人の主張にもかかわらず、本件商標の構成要素中の「チョコっと」の部分は菓子を扱う業界においては「チョコレートを素材としている菓子」であることを示す語として普通に使用されている。
(イ)乙第3号証の1ないし9について
被請求人は、「片仮名『チョコツト』が登録されていることから日本語の成語『ちょこっと』に『少しばかり。ちょっこり』の意味合いがあったとしても、自他商品の識別力並びに登録要件を有すると判断されたものである」と主張するが、これら各乙号証は「ちょこっと」の語と結合している各語が識別力のない指定商品の普通名称であるもの、「ちょこっと」の語が結合する各語を形容することで全体で統一的な観念が生じるものであるもの等、識別性の弱い「チョコっと」と識別力の強い「コロン」との結合商標である本件商標とは全く結合態様を異にするものである。
(ウ)小括
これまで述べたことから、被請求人提出に係る上記乙各号証は、本件商標の構成要素中の「チョコっと」の部分が商品「菓子」との関係では識別力は弱いとの請求人の主張を覆すに足りるものではない。
イ 本件商標の構成要素中の「コロン」の部分について
(ア)被請求人は、乙第6号証の1ないし乙第8号証の2の各登録商標が、請求人提出に係る甲第3号証の1ないし9の称呼「コロン」が生じる登録商標と併存登録されている事実をもって、本件商標と請求人所有に係る称呼「コロン」が生じる登録商標とは非類似で有る旨主張している。
しかしながら、乙第6号証の2、3、5及び8の各登録商標は、同書同大同間隔で表示されており、外観上の一体性が認められること、乙第6号証の4、8及び10の構成要素はいずれも造語と解せられること、乙第6号証の7及び9はいずれも片仮名が二段併記の下段に表示された構成からなっており、その片仮名部分が造語と解せられかつ各々の登録商標から生じる称呼を特定していると解せられること、乙第6号証の11は片仮名部分が併記されているキャラクター名を表示していると解せられることから、いずれも、称呼「コロン」が単独では生じにくく、「チョコっと」の部分の識別性が弱い本件商標とはその構成態様を異にするものである。
また、乙7の1ないし8の多くは、外観構成上一体的に認識され、その全体から生じる称呼自体も冗長とはいえずかつその構成全体で独自の統一的な観念が生じることから、上述の要部観察に関する判例の趣旨からも要部観察にはなじみにくく、本件商標とは別異の構成からなるものである。
そして、乙第8号証の2は、キャラクター図形と文字との結合商標である点で本件商標とはその構成を異にしており、かつ、当該文字部分がキャラクター名を特定していると解せられることから、その構成全体でのみ商標として機能すると解せられる点でも本件商標とは異なっている。
(イ)「コロン」及び「collon」の著名性について
被請求人は、登録商標「コロン」及び「collon」の各々には造語性がなくかつ周知・著名性を獲得していないとして、特許情報プラットフォームにおいて検索した請求人の周知・著名商標の結果一覧表及び商標公報(乙9の1?7)及び北海道小樽市に本店がある「株式会社あまとう」のクッキー「マロンコロン」に関する証拠資料(乙10?乙12)を提出している。
a 乙第9号証の1ないし7について
請求人は、甲第7号証ないし甲第17号証の8をもって「コロン」及び「collon」が周知・著名性を獲得していることを証明しており、特許情報プラットフォームの日本国周知著名商標に「コロン」及び「collon」が含まれていないこと並びに「コロン」及び「collon」が防護標章登録されていないことは、それのみで「コロン」及び「collon」の周知・著名性を認定する妨げとはならない。
かかる請求人の主張と同旨の裁判例として「オルガノ事件(知財高裁平成26年(行ケ)第10268号)」が存在する。
b 乙第10号証1ないし乙第12号証について
また、被請求人は、請求人が商品名称「コロン(collon)」を採択するに当たり「ころんころんころがる」というイメージをこめて「コロン」という名称を採択した事実及び請求人の「コロン(collon)」の発売10年前に小樽市に本店が所在する「株式会社あまとう」がクッキーについて「コロンコロンとした栗のイメージ」という商品名「マロンコロン」を採択し、発売している事実をもって請求人の「コロン」及び「collon」の造語性が低い旨主張している。
しかしながら、「コロン」又は「コロンコロン」といった成語が存在せず(甲23の1、2)、「コロン」単独では「ころんころんころがる」あるいは「ころんころんとした」といったイメージを直接的には想起せしめないことから、片仮名「コロン」は造語であり、まして、欧文字「collon」の造語性は疑いがない。
かかる請求人の主張は、指定商品の「品質等」を間接的に表示する商標は識別性があるとの特許庁の審査基準(甲24)にも合致しており、また、特許情報プラットフォームにおいて、称呼「マロンコロン」につき商品「菓子(30A01)」で検索を行っても、当該商品名称は商標登録もされていない(甲25)し、ネット上のお菓子の知識、新製品情報、各種マーケティング調査結果、お菓子に関する情報満載の一般流通菓子に関するポータルサイト「お菓子クラブ」において、「マロンコロン」のキーワード検索を行ってもヒットしなかった(甲26の1、2)。
そもそも請求人には、この「マロンコロン」という商品の存在をもって何故に請求人の「コロン」及び「collon」の周知・著名性が否定されるのかが不明である。
最後に、被請求人は甲第18号証において登録商標「パフコロン」から「コロン」の部分が要部となると判断されたことにつき、「パフ」の部分の識別性がないことのみが理由であるかのように述べているが、当該異議事件では、「コロン」及び「collon」の周知・著名性も認めていることを請求人は改めて指摘する。
(ウ)小括
被請求人提出に係る乙各号証は、請求人の「コロン」及び「collon」のいずれも造語性があり、かつ、周知・著名性を獲得していることを否定するものではない。
ウ 以上述べてきたことから、本件商標は、「チョコっと」と「コロン」との結合商標であり、識別力はその構成全体で生じる他に、「チョコっと」と「コロン」の各々が有する識別力に大きな差異があること、甲第11号証にて示されている「コロン」及び「collon」を中心とした請求人の年代別の様々な「コロン」及び「collon」製品の存在、さらには、請求人が登録商標「チョコレートコロン」(甲3の3)を販売している事実からも、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
かかる請求人の主張は、被請求人が答弁書本文にて言及している乙第13号証の6の平成22年(行ケ)第10335号判決における「請求対象登録商標『天使のチョコリング』がその構成要素中の「チョコリング」の部分の識別性が弱く、『天使のチョコリング』の他に『天使』の部分についても称呼、観念が生じるものということができる」との判断と合致しているし、「全体の構成から一定の外観、称呼又は観念が生じることがなく、又は、語の間に識別力に強弱があったり、語の中の一部が需要者に特に印象付けられたりする場合には、要部というべき一部を分離ないし抽出してその部分が有する外観、称呼又は観念による商標の類否判断を行うべきである」と判旨している「CAREER JAPAN事件」(平成14年(ワ)第13569号)とも合致している。
(2)被請求人は、本件商標と請求人の登録商標「コロン」及び「collon」とは類似しないことから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当しない旨、主張しているが、上述したように、本件商標と請求人の登録商標「コロン」、「collon」及び「チョコレートコロン」とは類似する。
さらには、甲各号証からも明らかなように請求人の永年に渡る営業活動、「コロン(collon)」の幾つものシリーズ商品の販売等により、請求人の「コロン」及び「collon」は、菓子業界において確固とした地位を築いており、その築かれた地位に伴う信用の維持・発展のために様々なプロモーション活動を行っていることは、甲各号証からも明らかである。
したがって、本件商標の存在は、その類似性により、請求人の「コロン」及び「collon」に化体した信用の希釈化を招来するおそれが十分にあることから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条1項第11号又は同項第15号に違反して登録されたものであるから、商標法第46条第1項の規定により、その登録は無効とすべきである。

第3 被請求人の主張
1 答弁の趣旨
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、答弁の理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第13号証(枝番を含む。)を提出した。

2 答弁の理由要旨
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 商標の構成中に共通する要素を含む先登録商標
(ア)請求人は、本件商標の構成中の「チョコっと」という表現が「チョコレート製品」あるいは「チョコレートを素材としていること」を示すために使用されており、さらに「チョコっと」の語は「少しばかり。ちょっこり」といった意味合いを有する語として一般的にも広く親しまれている日本語の成語「ちょこっと」をも同時に想起させるものであると主張する。
そこで、この点について、先登録商標を特許情報プラットフォームにおいて検索してみると、商標の構成中に「チョコっと」の標章を含むものが本件商標を含めて28件、「ちょこっと」の標章を含むものが25件、「チョコット」の標章を含むものが5件ある(乙2?乙4)。
商標の構成中に「チョコっと」の標章を含む先登録商標28件のうち、登録第4684055号「ぬれ甘チョコっと」第30類「菓子及びパン」、登録第5059920号「あげチョコっと」第30類「菓子、パン」、登録第5344613号「もちっとチョコっと」第30類「チョコレート、チョコレートを加味した菓子・パン」、登録第5389322号 「チョコっともなか」第30類「もなか」及び登録第5521983号「北海道の図形とキャラっと!チョコっと!」第30類「キャラメル、チョコレート」については、Webあるいはカタログ等に、現に使用されている商品が掲載されており、いずれも自他商品の識別標識として有効に機能していると解される(乙5の1?5)。
また、登録第1990471号「チョコっと魔女」第30類「菓子及びパン」(乙2の2)と登録第4354883号の「魔女/MAJO」」第30類「菓子及びパン」(乙2の2-1)とは、互いに非類似の商標として登録されている。
「チョコっと」の語は、「少しばかり。ちょっこり」の意味を有する「ちょこっと」をも同時に想起させるとの請求人の主張は、片仮名の「チョコット」の商標が、商標登録第5160755号第30類「アイスクリーム用凝固剤、家庭用食肉軟化剤、ホイップクリーム用安定剤、菓子及びパン」を指定商品として登録されていることから(乙4の2)、日本語の成語の「ちょこっと」に「少しばかり。ちょっこり」の意味合いがあったとしても、自他商品の識別力及び登録要件を有すると判断されて登録されている。
商標の構成中に「ちょこっと」の標章を含む先登録商標25件のうち、登録第4958666号「ちょこっとバームクーヘン」、登録第5693306号「ちょこっとエクレア」については、Webあるいはカタログ等に掲載され、現に使用されている(乙5の6、7)。
(イ)商標の構成中に「コロン」の標章を含む先登録商標
商標の構成中に「コロン」の標章を含む先登録商標を特許情報プラットフォームにおいて検索してみると、「コロン」の標章を含むものが57件、「ころん」の標章を含むものが17件、「CORON」の標章を含むものが13件あり(乙6?乙8)、その中で、本件商標と同様に結合商標と思われる商標は19件である。そして、該登録商標は、引用商標とは非類似の商標と判断されて登録されたものである。登録第5463157号「かりん ころん」第30類「…、菓子及びパン、…」については、Webにおいて商品等が掲載され、現に使用されている(乙5の8)。
イ 請求人の引用商標の周知・著名性について
日本国周知・著名検索によれば、請求人の周知・著名商標については、6件の登録商標が含まれているが、「コロン(Collon)」の商標は含まれていない(乙9)。
小樽市に所在の株式会社あまとうは、「コロンコロンとした栗のイメージ」から「クッキー」について「マロンコロン」の商標を採択して昭和35年に発売を開始し、今も人気商品として全国的に支持されている(甲10)。該「マロンコロン」は、請求人の「コロン(Collon)」の発売された1971年よりも約10年前から販売されており、現在においても小樽市を含む少なくとも北海道において、良く知られた一定の周知性を有する商品名であることは容易に推認し得る。そもそも、請求人が主張するように「コロン(Collon)」が周知・著名商標であるならば、上述した登録商標の構成中に「コロン」、「ころん」、「CORON」の標章を含んだ結合商標が登録されるようなことはない。
商標登録第4664949号商標「パフコロン」に対し「コロン」との類似を理由として異議決定によりその登録が取り消された件については、該異議決定理由は、構成中前半部の「パフ」の部分は、「ふくらませた菓子」を指称する語として各種菓子に普通に使用されていることが認められ、該「パフ」の語は商品の品質を表示したものといわなければならないというものであり、自他商品の識別標識として機能する本件商標の「チョコっと」の部分とは軌を一にするものではなく、また申立人は、1969年(昭和44年)以来「コロン」又は「COLLON」の文字からなる商標を永年使用していることを考慮すると、との記載はあるものの、「コロン」又は「COLLON」の文字からなる商標が周知・著名であるとの記述は見当たらないことからも、「コロン」又は「COLLON」の文字からなる商標は、直ちに、周知・著名商標と認識されているものではない。
ウ 小括
以上のように、本件商標は、標準文字で表された「チョコっとコロン」であって、本件商標に接する取引者、需要者等は、社会通念上外観、称呼及び観念の点において一体不可分の造語標章として認識し把握すると解される。
したがって、本件商標は、引用商標とは類似するものではなく、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
本号適用の判断に当たっては、当該商標と他人の表示との類似性の程度に重きがあるように思われ、当該商標の指定商品又は指定役務の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断されるべきものであることからすれば、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念の点において相違することから、取引者及び需要者において普通に払われる注意力をもって十分に区別して認識し得るものである。
よって、本件商標をその指定商品について使用した場合であっても、請求人の商品と出所の誤認混同を生じるおそれはなく、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)結論
上述したように、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものではない。

第4 当審の判断
1 「コロン(Collon)」商標の周知性について
甲各号証によれば、次のような事実が認められる。
(1)請求人商品の販売等について
ア 請求人は、昭和45年(1970年)1月に広島県で請求人商品「クリームコロン」をスナック菓子としてテスト販売し、同46年2月から京阪神地区において本格発売した。同菓子について、コロコロとした形の特徴からコロン(円柱)と名付けた(甲8、甲13)。
イ 初代に「クリームコロン」がバニラ風味で発売された後、昭和50年に第2のフレーバーとなる「カカオコロン」、その後、チョコレート、いちご、バナナ、マロン、ラズベリーなど様々なフレーバーの請求人商品が発売されている(甲11?甲13)。
ウ 平成10年(1998年)にご当地のお土産をイメージした「地域限定コロン」の発売を開始した。
「地域限定コロン」には、「京都宇治抹茶コロン」(近畿地区限定)、「信州あんずコロン」(信州地区限定)、「沖縄パインコロン」(沖縄地区限定)、「つがる林檎コロン」(東北地区限定)、「銀座かすたあどコロン」(東京限定)、「あんこコロン」(北陸地区限定)、「北海道カマンベールチーズコロン」(北海道限定)、「神戸珈琲コロン」(近畿地区限定)、「ポンジュースコロン」(四国地区限定)及び「とちおとめ苺コロン」(関東地区限定)などがあり(甲10の1?3、甲11、甲13、甲14)、各地域の主要な空港、駅、高速SA、観光地の売店などでも販売されている。
エ 平成20年ないし同23年にロングサイズの「かぶりつきコロン」が節分の時期に限定して発売された(甲11)。
オ 平成21年にコロンの焼き菓子部分を格子模様のワッフル柄に変更し、同時に味と食感をも改良した(甲13)。
カ 請求人商品の包装箱には、発売当初より、「Collon」の文字が大きく目立つような態様で表示され(甲11、甲13等)、商品ごとに、「cream」、「Cacao」、「BLUEBERRY」、「STRAWBERRY」、「CHOCOLATE」などの文字が表記されている(甲11、甲16等)。
(2)請求人商品の売上高について
請求人が「コロン(Collon)」商標を使用して本格発売を開始した昭和46年の請求人商品の売上高は、7億円程度であったが、発売開始後5年を経過した同51年は、50億円に達した。最低の年でも10億円を下ることはなく、平成23年ないし同25年については20億円前後で推移している。平成24年の時点での累計販売額は、約900億円を超えている(甲7)。
(3)雑誌、新聞等への広告、掲載について
ア 小学館から毎月2回1日及び15日に発行されていた10代少女向けファッション雑誌、情報誌である「プチセブン」には、平成6年ないし同9年に「Collon Press(vol.1?18)」の題名で「コロン」に関する記事が掲載された(甲9の1?3及び5?7)ほか、女子中高生向けファッション情報誌「セブンティーン」(平成6年、甲9の4)などにも「コロン」に関する記事が掲載されている。
イ 株式会社エンターブレインが平成25年9月20日に発行した月刊雑誌「オトナファミ」(平成25年、甲11)には、「コロン」及び「Collon」の商標の使用をした昭和46年の発売当初から平成25年までの「コロンシリーズ」製品が年代別に掲載され、また「コロンのご当地限定マップ」として「地域限定コロン」が掲載されているほか、「コロンCMギャラリー」として、昭和51年に薬師丸ひろ子、同60年に芳本美代子、平成1年に桜井幸子、同3年に山本リンダ、同4年に南流石、同8年に広瀬なお、同9年に浅井恵理名、同12年に末永遥、同18年に緑友利恵などが出演してCMが作成されたことが紹介されている。
ウ 業界紙「日本食糧新聞」には、平成18年9月27日付け及び同19年10月19日付けで「ダブルチョコ コロン」(全国発売)(甲12の1?3)、同19年8月3日付けで「プリンコロン」(全国発売)(甲12の2)、同20年7月23日付けで「コロン&夏のお菓子セット」(全国発売)(甲12の6)、同21年7月17日付け、同年8月28日付け及び同年10月9日付けで「主なブランドごとの戦略、クリームコロンについては、生地表面を格子模様にし、製品の割れを減少させるなどの改良を行った」(甲12の11、13、14)、同年8月21日付けで「チョコレートコロン・・・格子模様のワッフル柄になって、味も見た目もおいしくなった。」(甲12の12)、同23年9月8日付けで「お菓子を入れたリフレッシュボックスを職場において販売するオフィスグリコ・・・プリッツやビスコ、コロンなど定番商品を中心に10種24個入っており、・・・」(甲12の15)、同22年9月1日付けで「メープル コロン」(全国発売)(甲12の17)、同年11月24日付けで「11月23日から、ビスコ、コロン、カプリコミニの期間限定ウインターパッケージの大箱、大袋商品群を発売」(甲12の18)、同24年8月24日付けで「カスタードプリン コロン」の発売(全国発売)(甲12の24)、同25年3月15日付けで「濃厚抹茶コロン」の発売(全国発売)(甲12の25)などが掲載されている。
エ 土産品新聞(1998年、甲10の1)及び雑誌「月刊 茶の間 爽秋号」(平成10年、甲10の2)で「京都宇治抹茶コロン」、朝日小学生新聞(平成12年、甲10の3)で「沖縄パインコロン」、読売新聞(平成20年、甲12の4)、産経新聞(平成20年、平成21年、甲12の5及び10)、朝日新聞(平成21年、同23年、甲12の8・9・19)で「かぶりつきコロン」の発売、読売新聞(平成21年)で地域限定お土産菓子「信州あんずコロン」、朝日新聞及び毎日新聞(平成24年)で「冷え冷えコロン」(甲12の22、23)の発売などが掲載され、さらに、共同通信(平成21年)で「かぶりつきコロン」(甲12の7)が報じられ、テレビ朝日平成24年1月30日スーパーJチャンネル報道/ニュース/ニュースで「かぶりつきコロン」(甲12の7)が放送されている。
オ 業界紙「日本食糧新聞」の「ビスケット特集:主要メーカー動向」(平成11年?同24年の各年)に請求人会社が取り上げられ、「コロン」に関する記事概要は次のとおりである。
(ア)平成11年11月29日付けで、「前年に大幅なリニューアルを実施した主力の『プリッツ』『コロン』や、・・・の育成に努めた。」(甲15の1)。
(イ)平成12年11月29日付けで、「昨年度は・・・『コロン』『ビスコ』が堅調であった・・・、今年度は・・・『コロン』『ビスコ』は、やや低調気味・・・、ビスコ、コロンの手帳が当たるキャンペーンもここ五年で定着してきており、消費者に好評である、今後の戦略としては、『プリッツ』『ビスコ』『コロン』を、二世ブランドとして、食シーンでの拡大を図る。」(甲15の2)。
(ウ)平成13年11月30日付けで、「同社の売上げ上位は、『コロン』『ビスコ』など別表どおりである、今期は、・・・5月から7月にかけて大幅にリニューアルした『コロン』『ビスコ』が好調に推移している・・・、『コロン』と『ビスコ』は二世ブランドとして、ターゲット、食シーンの拡大を図る方針である。」(甲15の3)。
(エ)平成14年11月29日付けで、「『コロン』『フレンドベーカリー』は前年度並み推移。」(甲15の4)。
(オ)平成15年12月1日付けで、「『コロン』グループは核商品の『クリームコロン』のほか年に二回季節にあった味の『コロン』を投入、拡大推移。商品育成は、主力品の『ビスコ』『コロン』『キティーランド』や『フレンドベーカリー』の販促を強化、『ビスコ』『コロン』『キティーランド』200円タイプのパッケージを冬バージョンに切り替え数量限定で展開、年末買い置き需要を喚起する。」(甲15の5)。
(カ)平成16年11月29日付けで、「売れ筋は『プリッツ』を筆頭に、『ビスコ』『コロン』など左表どおり、『ビスコ』『コロン』『キティランド』の三ブランド共通で6月、11月、2月の年三回の販促実施、『コロン』はクリームコロンをベースに120円、200円タイプともにペアの新味を定期的に投入し、ブランド情報発信を強化。」(甲15の6)。
(キ)平成17年11月28日付けで、「売れ筋は『プリッツ』を筆頭に、『ビスコ』『コロン』『毎日果実』『キティランド』の順。」(甲15の7)。
(ク)平成18年11月24日付けで、「同社の売れ筋商品は『プリッツ』『ビスコ』『コロン』の順、育成商品は『プリッツ』と『コロン』で、・・・『コロン』は06年4月にパッケージの形状、デザインを大幅リニューアルを実施し、男性も含めた幅広いターゲットに支持されるブランド育成を図る方針。」(甲15の8)。
(ケ)平成19年11月26日付けで、「同社の売れ筋商品は『プリッツ』『ビスコ』『コロン』の順、今後期待する製品や分野については、ロングセラーブランドである『ビスコ』『コロン』では、ユニークな企画商品を提案し、ブランド全体を盛り上げていく構え。」(甲15の9)。
(コ)平成20年11月28日付けで、「ビスコ・コロンは堅調に推移。」(甲15の10)。
(サ)平成21年11月25日付けで、「『コロン』『フレンドべーカリー』は堅調に推移した。・・・好調の『コロン』は、基幹商品の焼き菓子部分を格子柄のワッフル模様にし、嗜好(しこう)面と品質面を強化、さらにパッケージを変更するなどリニューアルを行った。」(甲15の11)。
(シ)平成22年11月24日付けで、「ビスケットカテゴリー上期実績は、微減で推移した、『ビスコ』『コロン』の苦戦が影響した。今期新製品は、・・・11月23日からビスコ、コロン、カプリコミニの期間限定ウインターパッケージの大箱・大袋商品群を発売する。」(甲15の12)。
(ス)平成23年11月21日付けで、「上期実績(4?9月)は、・・・『コロン』『フレンドべーカリー』『Shall we?』も2桁増と好調に推移した。」(甲15の13)。
(セ)平成24年11月21日付けで、「『コロン』は前年並みで推移、新製品は・・・11月13日に・・・『クリームコロン』『カスタードプリンコロン』を発売。」(甲15の14)などと掲載されている。
(ソ)上記雑誌や新聞等に申立人商品が掲載される場合には、そのほとんどのものに、申立人のハウスマークである「Glico」や「グリコ」、あるいは、申立人の略称である「江崎グリコ」の文字が併記されている。
(4)テレビ朝日が実施したお菓子の人気アンケート調査について
テレビ朝日が平成24年10月27日に放送した「お願い!ランキングGOLD」の番組において実施した「第1回お菓子総選挙 クッキー・ビスケット部門」の人気アンケート調査結果によれば、請求人の「クリームコロン」が第7位(当審においてウェブサイトを確認した。)に選ばれている(甲16の1)。
また、平成25年5月4日に放送した同番組で実施した「第2回お菓子総選挙 クッキー・ビスケット部門」の人気アンケート調査結果によれば、請求人の「クリームコロン」が第12位(当審においてウェブサイトを確認した。)に選ばれている(甲16の2)。
なお、上記ランキングは、いずれも全国1万人のアンケートで決定し、アンケートは10代、20代、30代、40代、50代以上の5世代から、男女1000人ずつの1万人から集計している。
(5)まとめ
以上のことからすれば、請求人は、(a)昭和46年2月から現在に至るまで40数年間の長期にわたり請求人商品に「コロン」及び「Collon」の商標を使用してきたこと、(b)「コロン」及び「Collon」の商標を使用した請求人商品は、全国で販売され、多数の商品が継続的に開発されて市場に出されたこと、(c)請求人商品の売上高は、発売開始後5年を経過した昭和51年は50億円に達し、その後、最低の年でも10億を下ることはなく、平成23年ないし同25年については20億円前後で推移していること、(d)請求人商品は、主として新商品が発売されるに際してその都度、業界紙「日本食糧新聞」はもとより、一般紙や雑誌等において多数掲載されていること、(e)請求人商品は、日本食糧新聞に、菓子メーカーとしての申立人の動向に関する記事の中で申立人の代表的な商品の一つとして掲載されたこと、(f)テレビ朝日が平成24年10月27日の放送に際して実施したお菓子クッキー・ビスケット部門の人気アンケート調査では第7位に選ばれ、また平成25年5月4日の放送に際して実施したお菓子クッキー・ビスケット部門の人気アンケート調査では第12位に選ばれていること、(g)上記雑誌や新聞等に申立人商品が掲載される場合には、そのほとんどのものに、申立人のハウスマークである「Glico」や「グリコ」、あるいは、申立人の略称である「江崎グリコ」の文字が併記されていることなどを認めることができる。
これらを総合して考察すれば、「コロン」及び「Collon」の商標は、遅くとも本件商標が登録出願時までには、請求人の業務に係る「焼き菓子(請求人商品)」を表示するものとして、我が国における菓子の取引者、需要者の間に広く認識されていたというのが相当である。そして、その周知性は、本件商標の登録査定時まで継続していたものと認められる。

2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、「チョコっとコロン」の文字を標準文字で表してなるものである。
そして、本件商標の構成中の「コロン」の文字は、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、請求人の業務に係る「焼き菓子」について使用する商標として我が国における菓子の取引者、需要者の間に広く知られているものである。
さらに、本件商標の構成中の「チョコ」の文字は、「チョコレート」の略称として広く知られている語であり、また、菓子を取り扱う業界において、「チョコっと」の文字がチョコレートを素材とする商品に使用される実情が少なからず認められる(例えば、甲4、甲5、甲20、甲21)から、本件商標中の「チョコっと」の文字部分は、識別力が強いとはいえないものである。
そうすると、我が国における菓子の取引者、需要者の間に広く知られている「コロン」の文字を有する本件商標は、識別力が強いとはいえない「チョコっと」の文字が捨象されて、「コロン」の文字部分が着目されるといえるから、「コロン」の文字部分に相応して、「コロン」の称呼を生じ、請求人が請求人商品に使用する焼き菓子のブランドとしての「コロン」の観念を生じるものといえる。
(2)引用商標について
引用商標1は「コロン」及び「COLLON」の文字、引用商標4は「COLLON」の文字、引用商標5は「コロン」の文字及び引用商標9は「Collon」の文字からなるものであり、また、引用商標2は「クリームコロン」、引用商標3は「チョコレートコロン」、引用商標6は「いちごコロン」、引用商標7は「バナナのコロン」及び引用商標8は「あんこのコロン」の文字からなるものである。
ア 引用商標1、4、5及び9は、その構成文字に相応して、「コロン」の称呼を生じ、また、上記1のとおり、「コロン」及び「COLLON」の文字が請求人商品について請求人の使用する商標として、我が国における菓子の取引者、需要者の間に広く認識されていることから、請求人が請求人商品に使用する焼き菓子のブランドとしての「コロン」の観念を生じるものである。
イ 引用商標2、3、6ないし8は、商品の原材料を表すものと認識される「クリーム」などの語と「コロン」の文字からなるものであるから、「コロン」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえる。
そうすると、引用商標2、3、6ないし8は、構成文字全体から生じる「クリームコロン」、「チョコレートコロン」等の称呼の他、「コロン」、「COLLON」又は「Collon」の文字に相応して「コロン」の称呼をも生じ、また、上記1のとおり、「コロン」及び「COLLON」の文字が請求人商品について請求人の使用する商標として取引者、需要者の間に広く認識されていることから、請求人商品に使用する焼き菓子のブランドとしての「コロン」の観念をも生じるものである。
(3)本件商標と引用商標の類否につて
本件商標と引用商標とは、全体の外観においては相違するものであり、また、本件商標の要部「コロン」と「コロン」の文字からなる引用商標5及び「コロン」の文字を有する引用商標(引用商標1?3、6?8)とは、「コロン」の構成文字を共通にしているから、外観において近似するといえるものであり、本件商標の要部「コロン」と「COLLON」又は「Collon」の文字からなる引用商標4及び9とは、外観において相違するものである。
そして、本件商標と引用商標は、いずれも「コロン」の称呼を共通にするから、両者は称呼において相紛らわしいものである。
さらに、本件商標と引用商標は、いずれも請求人が請求人商品に使用する焼き菓子のブランドとしての「コロン」の観念を共通にしているから、両者は観念において相紛らわしいものである。
そうすると、本件商標と引用商標1ないし3及び5ないし8とは、外観において近似し、称呼及び観念においても相紛らわしいものであるから、類似の商標というべきものであり、また、本件商標と引用商標4及び9とは、外観において相違するものの、称呼及び観念においても相紛らわしいものであるから、類似の商標というべきものである。
(4)指定商品の類否につて
引用商標の指定商品と本件商標の指定商品中、「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」は、同一又は類似の商品であり、「茶,コーヒー,ココア,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,即席菓子のもと」は、非類似の商品である。
(5)まとめ
以上からすると、本件商標は、指定商品「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」については、商標法第4条第1項第11号に該当し、「茶,コーヒー,ココア,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,即席菓子のもと」については、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

3 商標法第4条第1項第15号該当性について
請求人は、「引用商標A(引用商標1及び引用商標3ないし5)は、いずれも周知・著名商標であり、本件商標は、引用商標Aとの関係で、商標法第4条第1項第15号にいう『他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標』に該当する」旨主張しているところ、本件商標は、その指定商品中、「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」については、上記2のとおり、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、それ以外の指定商品「茶,コーヒー,ココア,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,即席菓子のもと」に関して、本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について検討する。
本件商標は、「チョコっとコロン」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、同一の書体をもって一連に書され、これより「チョコットコロン」の称呼を生じるものである。
そして、本件商標は、これを「茶,コーヒー,ココア,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,即席菓子のもと」について使用するときは、その構成中、「チョコっと」の文字が自他商品の識別力が弱いといえるような取引の実情は見いだせない。
そうすると、本件商標が一連に表されているばかりでなく、これより生じると認められる「チョコットコロン」の称呼もよどみなく一気に称呼し得るものであることをも考慮すると、本件商標は、構成全体として一体のものと把握、認識されるものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、その構成文字に相応して「チョコットコロン」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものといえる。
他方、引用商標1は「コロン」及び「COLLON」の文字、引用商標3は「チョコレートコロン」の文字、引用商標4は「COLLON」の文字及び引用商標5は「コロン」の文字からなるところ、上記2(2)のとおり、構成文字全体から生じる「チョコレートコロン」の称呼及び「コロン」の称呼を生じ、請求人が請求人商品に使用する焼き菓子のブランドとしての「コロン」の観念を生じるものである。
そこで、商標の類否についてみると、本件商標と引用商標Aとは、それぞれの構成文字が異なるから、外観において相紛れるおそれはないものであり、また、本件商標の「チョコットコロン」の称呼と引用商標Aの構成全体から生じる「チョコレートコロン」及び「コロン」の称呼とは、いずれも構成音及び音数の違いにより、称呼において相紛れるおそれはないものである。そして、本件商標は、特定の観念を生じないものであるから、焼き菓子のブランドとしての「コロン」の観念を生じる引用商標Aとは、観念においても相紛れるおそれはないものである。
してみれば、本件商標と引用商標Aとは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない、類似しない別異の商標である。
さらに、「コロン」及び「Collon」商標の周知性は、請求人商品(焼き菓子)について認められるものであって、請求人商品と本件商標の指定商品中、「茶,コーヒー,ココア,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,即席菓子のもと」とは、生産部門、販売部門、原材料等が必ずしも共通するとはいえないことからすれば、本件商標を「茶,コーヒー,ココア,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,即席菓子のもと」について使用するときは、本件商標に接する取引者、需要者は、ことさらに「コロン」の文字部分に着目するとはいえず、請求人商品を表すものとして使用され、取引者、需要者の間に広く認識されている「コロン」ないし「Collon」の表示を想起又は連想するとはいい難い。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品中、「茶,コーヒー,ココア,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,即席菓子のもと」について使用しても、取引者・需要者において該商品が請求人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じるおそれのある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。

4 まとめ
以上のとおり、本件商標は、その指定商品中の「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効にすべきものである。
しかしながら、本件商標は、その指定商品中の「茶,コーヒー,ココア,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,即席菓子のもと」については、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反して登録されたものでないから、無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2016-05-31 
結審通知日 2016-06-02 
審決日 2016-06-30 
出願番号 商願2013-12457(T2013-12457) 
審決分類 T 1 11・ 261- ZC (W30)
T 1 11・ 262- ZC (W30)
T 1 11・ 263- ZC (W30)
T 1 11・ 271- ZC (W30)
最終処分 一部成立 
前審関与審査官 日向野 浩志 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 原田 信彦
土井 敬子
登録日 2013-08-02 
登録番号 商標登録第5603460号(T5603460) 
商標の称呼 チョコットコロン 
代理人 浜田 廣士 
代理人 工藤 莞司 
代理人 小暮 君平 
代理人 長谷川 芳樹 
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