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審決分類 審判 全部無効 商4条1項10号一般周知商標 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W27
管理番号 1318203 
審判番号 無効2015-890095 
総通号数 201 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-09-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2015-11-25 
確定日 2016-08-08 
事件の表示 上記当事者間の登録第5707948号商標の商標登録無効審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第5707948号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5707948号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成よりなり,平成26年5月28日に登録出願,第27類「畳類,畳,畳表,畳べり,畳床,畳表を用いた敷物」を指定商品として,同年9月16日に登録査定,同年10月3日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
本件商標の登録の無効の理由として引用する商標は,請求人が2008年から製造,販売している商品「発光機能付畳」について使用をしている,「光畳」,「HIKARI-TATAMI」ないし「光畳 HIKARI-TATAMI」の各文字を横書きしてなる商標である(以下,これらをまとめて「引用商標」という。)。

第3 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第14号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,商標法第4条第1項第10号,同項第15号及び同項第19号に該当するから,同法第46条第1項第1号に基づき,その登録は無効にすべきである。
2 具体的な理由
(1)引用商標について
請求人は,引用商標を付した「発光機能付畳」を2008年(平成20年)から製造,販売している。
「光畳」は,「光」と「畳」という2つの名詞を結合した造語であり,また,「HIKARI-TATAMI」は,「光畳」の称呼をローマ字で表記したものであり,更に,すべてのアルファベットを大文字で表記するという特徴を有するものである。
「発光機能付畳」とは,畳の内部に発光システムを内蔵し,透光性素材とイグサを一緒に織り込んだ畳表から光があふれ出す畳製品である。
(2)引用商標の周知性又は著名性について
上記のとおり,請求人は,引用商標を付した発光機能付畳の販売を2008年(平成20年)から開始し,現在まで同一の商標を使用している。また,請求人は,当該発光機能付畳を全国的に広告し,首都圏や近畿圏の住宅や飲食店,九州の自動車,横浜の茶室等に使用された実績を有している。さらに,当該発光機能付畳は,新聞,テレビなどでも紹介された。
これらの事実を総合勘案すれば,引用商標は,請求人の業務に係る商品(発光機能付畳)を表示するものとして日本国内における需要者の間に広く認識されているといえる。
(3)商標法第4条第1項第10号該当性
ア 商標の類否について
本件商標は,手裏剣様の図形標章,並びに,「光って安心」,「光畳」及び「HIKARI TATAMI」の文字を上下方向4段に並べて構成されているところ,各要素は離れて配置され,その大きさも統一されていないことから,外観構成がまとまりよく一体に表されたものではない。そして,「光畳」は,略中央に配置され,高さ,横幅とも最も大きく強調して表記されていることから,本件商標の主要部であるといえる。
ここで,本件商標の主要部である「光畳」と引用商標の「光畳」を対比すると,両者は外観,称呼及び観念において同一であると認められる。
したがって,本件商標は,引用商標と同一又は類似する商標である。
イ 商品の類否について
本件商標の指定商品は,第27類「畳類,畳,畳表,畳べり,畳床,畳表を用いた敷物」であり,「発光機能付畳」と用途,需要者の範囲が一致する。
したがって,本件商標の指定商品は,請求人の業務に係る商品と同一又は類似するものである。
ウ よって,本件商標は,周知の引用商標と同一又は類似する商標であって,その指定商品も請求人の業務に係る商品と同一又は類似するものであるから,商標法第4条第1項第10号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性
ア 引用商標は,上記のとおり,造語であり,請求人の業務に係る商品「発光機能付畳」に使用される商標として,全国的に知られたものである。そして,本件商標は,引用商標を一部に有する商標である。
イ 以上の引用商標の著名性等を総合的に勘案すると,仮に,本件商標が全体の構成として引用商標と類似しないと認められる場合であっても,被請求人が自己の業務に係る商品(例えば,畳類)に本件商標を使用した際に,その商品に接する需要者が,請求人に係る商品であると誤認し,商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
ウ よって,本件商標は,請求人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるから,商標法第4条第1項第15号に該当する。
(5)商標法第4条第1項第19号該当性
ア 引用商標は,上記のとおり,造語であり,請求人の業務に係る商品「発光機能付畳」に使用される商標として,全国的に知られたものである。そして,本件商標は,引用商標と同一又は極めて類似するものである。
イ また,引用商標は,特許技術を実施した商品「発光機能付畳」について使用するものとして広く知られており,信用が化体しているといえる。そして,被請求人が,特許技術を実施していない畳類に本件商標を使用した場合には,引用商標に化体した信用を毀損させるおそれがある。
ウ このような状況を勘案すれば,本件商標は,全国的に周知な引用商標を不正の目的をもって使用するものと推認されることから,商標法第4条第1項第19号に該当する。

第4 被請求人の答弁
被請求人は,本件審判の請求に対し何ら答弁していない。

第5 当審の判断
1 引用商標の周知性等について
(1)証拠及び請求人の主張によれば,以下の事実を認めることができる。
ア 「日経BP社 ケンプラッツ」のウェブサイトにおいて,2009年6月15日付け「光る畳で住宅や飲食店を演出,村上産業」の見出しの下,「光る畳が,首都圏や近畿圏の住宅や飲食店などを中心に三十数件に使われ,注目を集めている。畳表の卸を手がける村上産業(熊本県八代市)が開発した『光畳(HIKARI TATAMI)』だ。」の記載がある(甲6)。
イ 「LED NEXT STAGE」のウェブサイトにおいて,2009年9月8日付け日本経済新聞(夕刊)の記事紹介として,「光る畳に照らされて,お点前もキラリ(中略)4畳半の空間に敷き詰められているのは,LED(発行ダイオード)で発光する『光畳』だ。畳表の卸業『村上産業』(熊本県八代市)が,国産イグサの新しい需要を開拓しようと研究開発し,2008年から飲食店や住宅向けに販売を開始した。」の記載がある(甲5)。
ウ 2010年2月頃から同年7月頃にかけて,西日本新聞,産経新聞及び読売新聞において,請求人の取扱いに係る商品「発光機能付畳」を表示するものとして,発光する畳の写真とともに,「光畳」又は「光畳 HIKARI-TATAMI」の標章が表示された新聞記事又は新聞広告が掲載されている(甲2?4)。
エ 「価格.com」のウェブサイトにおいて,「HIKARI-TATAMI 光畳」の標章を付した請求人の取扱いに係る商品「発光機能付畳」が,テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」(2009年10月16日)及び同局「Newsモーニングサテライト」(同月20日)の番組において紹介された旨を示す記載がある(甲8)。また,「So-netブログ」において,「光畳-HIKARITATAMI」の標章を付した請求人の取扱いに係る商品「発光機能付畳」が,NHK「まちかど情報室」(2013年3月21日)の番組において紹介された旨を示す記載がある(甲9)。
オ 「NIKKEI MESSE」のウェブサイトにおいて,連載コラム「第20回 LED Next Stage 2010を視察して(その1)[2010年4月1日]」の見出しの下,「LED Next Stage 2010」が3月9日?12日に東京ビックサイトにおいて開催され,83,826名の来場者を集めた旨の記載があり,同展示会に出展された製品の一つとして,「光畳」の標章の標章を付した請求人の取扱いに係る商品「発光機能付畳」が,発光する畳の写真とともに紹介されている(甲7)。
カ トヨタ自動車九州株式会社製の自動車「輝匠」のパンフレットにおいて,当該自動車の車内天井に,「光畳」の標章を付した請求人の取扱いに係る商品「発光機能付畳」が採用されている旨,及び,当該自動車が平成26年1月24日から4日間,福岡市で開催された「福岡モーターショー2014」に展示された旨の記載がある(甲10)。
キ 「Takeblog?たけぶろ?」のウェブサイトにおいて,2013年11月11日付け「幻想空間を醸しだす『光畳 Hikari-Tatami』」の見出しの下,「光畳 Hikari-Tatami」の標章を付した請求人の取扱いに係る商品「発光機能付畳」が記載されており,また,同畳が2010年度グッドデザイン賞を受賞した神奈川県横浜市に所在する茶室「SHUHALLY」に施工されたものである旨の記載があり,当該茶室で発光する畳の写真が掲載されている(甲11)。
(2)以上の事実を総合すれば,請求人は,畳表の卸業を営む熊本県にある会社であり,本件商標の登録出願前である2008年(平成20年)から,自社の製造に係る商品「LEDで発光する畳(発光機能付畳)」に引用商標を付して販売しており,とりわけ,当該商品は首都圏及び近畿圏の住宅や飲食店などを中心に施工されており,その中にはグッドデザイン賞を受賞した茶室にも採用された例があること,また,当該商品は,全国紙を含む新聞並びにNHK及びテレビ東京のテレビ番組などで紹介されたほか,大規模な展示会にも出展されたことを総合的に勘案すれば,引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,請求人が製造・販売する商品「発光機能付畳」を表示するものとして,需要者の間に広く認識されていたと認めることができる。
2 本件商標と引用商標との類否
(1)商標の類否について
本件商標は,別掲のとおり,中央上部に四稜星状の図形を配し,その下に「光って安心」,「光畳」及び「HIKARI TATAMI」の各文字を,それぞれ異なる大きさで3段に横書きしてなるものであるが,文字部分については,2段目にある「光畳」の2文字が一際大きく表示され,この文字幅の長さにほぼ合わせるようにして,1段目の「光って安心」及び3段目の「HIKARI TATAMI」の文字を配してなる。
このように,本件商標の構成する「光畳」の文字は,外観構成上,一際大きな文字で読みとりやすく表示されていることに加え,その下段に小さく表示された「HIKARI TATAMI」の欧文字が,「光畳」の読みをローマ字で併記したものであると容易に理解でき,また,「光畳」の文字からは「光る畳」程の意味合いを容易に認識させるから,その上段に小さく表示された「光って安心」の文字は,「光畳」を修飾する宣伝文句として理解できること,さらに,本件商標の図形部分からは,出所識別標識としての称呼,観念を生じることはないと見るのが相当であるから,「光畳」及び「HIKARI TATAMI」の文字部分と本件商標の他の構成部分とは,それらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえない。
したがって,本件商標においては,「光畳」及び「HIKARI TATAMI」の文字部分も取引者,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるというべきであるから,この部分を要部として抽出し,他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許されるものといえる。
そうすると,本件商標は,その文字部分全体から生じる「ヒカッテアンシンヒカリタタミ」の称呼のほか,「光畳」及び「HIKARI TATAMI」の文字部分に相応して,「ヒカリタタミ」の称呼及び「光る畳」の観念も生じるものである。
他方,引用商標からは,「ヒカリタタミ」の称呼及び「光る畳」の観念を生じるものである。
そこで,本件商標と引用商標とを比較するに,本件商標の要部である「光畳」及び「HIKARI TATAMI」と引用商標とは,同一の文字よりなるものであるから,外観において近似した印象を与えるものである。
また,本件商標の要部から生じる「ヒカリタタミ」の称呼及び「光る畳」の観念は,引用商標から生じる称呼及び観念と同一である。
そうすると,本件商標の要部と引用商標とは,外観において近似し,その称呼及び観念も同一であるから,これらを総合的に判断すれば,本件商標と引用商標とは互いに類似する商標というべきである。
(2)商品の類否について
本件商標の指定商品である「畳類,畳,畳表,畳べり,畳床,畳表を用いた敷物」は,いずれも引用商標の使用商品である「発光機能付畳」と類似する商品であると認められる。
(3)小括
以上によれば,本件商標は,請求人の業務に係る商品「発光機能付畳」を表示するものとして需要者の間に広く認識されている引用商標と類似するものであって,かつ,本件商標の指定商品は,いずれも上記商品と類似する商品であると認められるから,商標法第4条第1項第10号に該当するといわざるを得ない。
3 むすび
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものであるから,その余の請求の理由について判断するまでもなく,同法第46条第1項の規定に基づき,その登録を無効とすべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本件商標)


審理終結日 2016-06-14 
結審通知日 2016-06-17 
審決日 2016-06-28 
出願番号 商願2014-42920(T2014-42920) 
審決分類 T 1 11・ 25- Z (W27)
最終処分 成立 
前審関与審査官 齋藤 貴博 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田村 正明
小林 裕子
登録日 2014-10-03 
登録番号 商標登録第5707948号(T5707948) 
商標の称呼 ヒカッテアンシンヒカリタタミ、ヒカッテアンシン、ヒカリタタミ、ヒカリ 
代理人 谷水 浩一 
代理人 浅見 保男 
代理人 比留川 浩介 
代理人 山田 威一郎 
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