• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W20
管理番号 1318184 
審判番号 不服2016-515 
総通号数 201 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-01-13 
確定日 2016-07-28 
事件の表示 商願2015-18923拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,「盆の送り火」の文字を標準文字で表してなり,第20類「愛玩動物のための盆祭り用装飾品,その他の愛玩動物用葬祭用具,つい立て,びょうぶ,炭を主たる原材料とし盆祭りの送り火用の燃焼補助効果を有する装飾品,その他の葬祭用具」を指定商品として,平成27年3月3日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は,「盆の送り火」の文字を標準文字で表してなるところ,「盆」は「盂蘭盆(うらぼん)の略」であり,「送り火」は「盂蘭盆(うらぼん)の最終日に,祖先の精霊(しょうりょう)を送るためにたく火」の意味を有する語であるから,本願商標をその指定商品中「盂蘭盆(うらぼん)の最終日に,祖先の精霊(しょうりょう)を送るためにたく火に関する商品」に使用する場合には,単に商品の品質(内容)を表示するにすぎない。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記商品以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから,同法第4条第1項第16号に該当する。

3 当審における証拠調べ
本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて,職権に基づく証拠調べを実施した結果,別掲に示すとおりの事実を発見したので,同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,請求人に対し,意見を申し立てる機会を与えるべく,相当の期間を指定して,平成28年3月18日付けで証拠調べの結果を通知したところ,請求人からは,何らの回答もなかった。

4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は,上記1のとおり,「盆の送り火」の文字を標準文字で表してなるところ,本願商標の構成中,「盆」の文字は「盂蘭盆(うらぼん)の略」を,「送り火」の文字は,「盂蘭盆(うらぼん)の最終日に,祖先の精霊(しょうりょう)を送るためにたく火」を意味する語であるから(広辞苑第6版),本願商標全体としては,「盂蘭盆の最終日に,祖先の精霊を送るための火」との意味合いを認識させるとみるのが自然である。
そして,上記3のとおり,当審において職権で調査したところ,別掲のとおり,葬祭用具を取り扱う業界において,盆の時期の送り火のための商品として,おがら,たいまつ,台などの葬祭用具が,単品又はセットで販売されている事実が認められる。
そうすると,本願商標をその指定商品中「愛玩動物のための盆祭り用装飾品,その他の愛玩動物用葬祭用具,炭を主たる原材料とし盆祭りの送り火用の燃焼補助効果を有する装飾品,その他の葬祭用具」(以下「葬祭用具関連商品」という。)に使用した場合には,これに接する取引者,需要者は,本願商標全体から看取される「盂蘭盆の最終日に,祖先の精霊を送るための火」の意味合いから,商品の用途を表示したものと認識,理解するというのが相当である。また,本願商標は標準文字で表されたものであるから,態様上顕著な特徴は認められない。
以上から,本願商標は,商品の用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるといわざるを得ない。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は,本願商標は「『盆』の『送り火』」と看取されるものの,盆行事として広く知られ,文字の配置順も含めて共通して用いられる「盆送り」という語の存在のため,その輪郭がぼやけ,必ずしもただちに中身表示である「盂蘭盆の最終日に祖先の精霊を送るためにたく火に関する商品」との認識とはならず,観念として盆行事を連想させても「盆送り」の存在による希釈化のため,具体的に内容を表示するものとはなっていない旨主張する。
しかしながら,本願商標をその指定商品中の葬祭用具関連商品に使用した場合においては,これに接する取引者,需要者は,別掲に示した取引の実情により,本願商標を商品の用途表示であると認識するというのが相当であることは,上記(1)のとおりであり,また,「盆送り」の語の存在によって,本願商標全体から看取される「盂蘭盆の最終日に,祖先の精霊を送るための火」との意味合いが希釈化するとの根拠は見いだせない。
したがって,請求人の主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するから,これを登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲(平成28年3月18日付けの証拠調べ通知により開示した事実)
1 「仏事と葬儀ものしり事典」(新人物往来社)188頁の「送り火」の項に,「盆十三日の迎え火に対して,盆の最後の日(七月十六日あるいは八月十六日)の夕方ごろ,祖先の霊を送り返すために焚かれる火のこと。(中略)また,葬送の出棺の際に,死者の亡骸を送るために門前で焚く火も送り火です。」との記載がある。
2 「広辞苑第6版」の「盆」の項に,「盂蘭盆の略。盂蘭盆の前後数日の称。」との記載があり,「送り火」の項に,「盂蘭盆の最後の日に,祖先の精霊を送るためにたく火。」との記載がある。
3 楽天市場内の「お仏壇百貨店」のウェブサイトにおいて,商品「お盆セットA」の説明中,「迎え火・送り火セット」について,「サイズ:直系24cm 材質:皿(セト素焼) 薪(約10本入っています)」,「先祖をお迎えする時,またはお送りする夕方お皿の上でおがら(薪)を燃やします。」との記載とともに,皿と薪をセットにした商品の写真がある。
(http://item.rakuten.co.jp/gonkiya/10003213/)
4 楽天市場内の「明りと香り本舗」のウェブサイトにおいて,「お盆の『迎え火・送り火』」について,「現代のライフスタイルに合った 新しい『迎え火・送り火』のご提案です オガラや木片を使えない環境で コンパクトに迎え火と送り火を行えます 『迎え火・送り火』は約3分間で燃えきり 後片付けもラクにできます」,「セット内容」,「器 1枚」,「『迎え火』,『送り火』各1個」,「マッチ 1個」,「ご使用方法」,「価格600円(税込 648円)」との記載とともに商品の写真がある。
(http://item.rakuten.co.jp/akaritokaori/akari-163-03/)
5 YAHOO!ショッピング内の「庵心堂」のウェブサイトにおいて,商品「迎え火台『排掌』」について,「お盆の仏需品!たいまつを燃やす際に使用。」「お盆とは・・・祖先の霊を我が家に迎えて供養を捧げ,また仏の浄土に送り返す行事の事。そして,その間,自らも善根功徳を積むように心がける意味で日本古来より受け継がれてきた大切な行事です。その中でも,『迎え火・送り火』はとても重要です。迎え火と送り火の際に火を安定して燃やせる台, 迎え火台『排掌』です。価格2160円(税込)」との記載とともに商品の写真がある。
(http://store.shopping.yahoo.co.jp/ansindo/ko-499450101.html)
6 楽天市場内の「仏縁堂」のウェブサイトにおいて,商品「ほうろく 麻がら セット」について,「お盆に欠かせない素焼きのお皿と麻がらのセット」,「お盆の迎え火・送り火に」,「価格820円(税込)」,「あたたかく懐かしさを感じるきめの細かい質感の,質素な素焼きの陶器皿 お盆に麻がらやたいまつを乗せて焚き,迎え火・送り火として使う素焼きのお皿が,ほうろく(焙烙)です こちらは,ちょうど良くほうろくに収まる,麻がら10本がついた,お得で便利なセットになります お盆の入りには迎え火を焚いてご先祖様をお迎えし,お盆の明けには送り火を焚いて送り出します」との記載とともに商品の写真がある。
(http://item.rakuten.co.jp/butuendo/bg-0079-8a/)
7 楽天市場内の「京都の仏具屋さん 香華堂」のウェブサイトにおいて,商品「迎え火/送り火用 麻木(おがら)又はたいまつ単品1束」について,「価格100円(税込み 108円)」,「迎え火・送り火用の麻木(おがら)又はたいまつです。」,「お盆明けには,家に迎えた精霊の足元を照らし,気を付けて帰ってもらうよう,送り火を焚きます。迎え火と同じ場所で15日(又は16日)に麻木やたいまつを積み重ねて燃やします。」との記載とともに商品の写真がある。
(http://item.rakuten.co.jp/kokadou/q423/)



審理終結日 2016-05-26 
結審通知日 2016-05-31 
審決日 2016-06-13 
出願番号 商願2015-18923(T2015-18923) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W20)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 板谷 玲子小松 里美 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 今田 三男
冨澤 武志
商標の称呼 ボンノオクリビ 
代理人 田邊 義博 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ