• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W293043
管理番号 1317252 
異議申立番号 異議2015-900370 
総通号数 200 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-08-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-12-07 
確定日 2016-07-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第5788489号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5788489号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5788489号商標(以下「本件商標」という。)は、「PESCA」の欧文字を標準文字で表してなり、平成27年3月23日に登録出願、第29類「オリーブオイル,その他の食用油脂,ヨーグルト,乳酸飲料,バター,チーズ,その他の乳製品,野菜の缶詰及び瓶詰,果実の缶詰及び瓶詰,野菜の漬物,果実の漬物,乾燥野菜,乾燥果実,ジャム,加工野菜及び加工果実,豆腐を主材とする洋風惣菜,豆乳,こんにゃく,豆腐,玉子又は加工卵を主材とする惣菜,加工卵」、第30類「コーヒー及びココア,アイスクリーム,フローズンヨーグルト,ゼリー,クッキー,ケーキ,デザート菓子,その他の菓子,パン,サンドイッチ,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,冷凍ピザ,ドレッシング,ホワイトソース,グレービーソース,その他の調味用ソース,調味料,オリーブオイルを加味した香辛料,その他の香辛料,スパゲッティの麺,ピザ生地,冷凍ピザ生地,その他の穀物の加工品,弁当,ラビオリ」及び第43類「イタリア料理の提供,その他の飲食物の提供,レストラン施設を有する宿泊施設の提供,その他の宿泊施設の提供」を指定商品及び指定役務として、同年8月3日に登録査定、同月28日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由として引用する国際登録第905201号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、2012年(平成24年)5月29日に国際商標登録出願(事後指定)、第29類「Fish, tinned, dried and cooked fish, prepared dishes made from fish.」を指定商品として、平成25年1月8日に登録査定、同年3月15日に設定登録されたものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。
なお、申立人は、本件異議申立書の「申立ての理由」において、「本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同項第11号に該当する。詳細な理由及び証拠は追って補充する。」旨述べているが、その理由及び証拠についての補充(補正書)は提出していない。
1 商標の比較
本件商標は、下記(1)及び(2)より引用商標と相紛れるおそれがある。
(1)称呼上の観点
ア 本件商標及び引用商標から生じる称呼
本件商標は欧文字「PESCA」からなるところ、該語は一般の英和辞書等には掲載されていない造語である。また、引用商標は、欧文字「PESCAMAR」からなるところ、該語も一般の英和辞書等には掲載されていない造語である。このような語の場合、我が国で親しまれた英語読み又はローマ字読みされるのが自然である。よって、ローマ字読みに従って、本件商標からは「ペスカ」、引用商標からは「ペスカマー」の称呼が生じるのが自然である。
イ 本件商標と引用商標から生じる称呼の類否
両商標は、語尾の「マー」音の有無という相違を有するが、称呼上重要な語頭の3音が共通する。
(2)外観上の観点
本件商標は、欧文字「PESCA」の標準文字から構成される。一方、引用商標は、欧文字「PESCAMAR」が太くかつ大きく書され、その背景に魚等が描かれた円状の図形がある。このように、両商標は、外観上相違するものの、以下の点において共通又は類似する。
ア 両商標の構成文字は、欧文字の大文字により横一列に配している。
イ 両商標は、需要者等の注意をひく最初の5文字である。
ウ 上記円状図形はあくまで「PESCAMAR」の文字の背景として描かれており、文字と図形に一体性がなく、文字のみを認識し得る。
2 申立人の業務に係る商品について
申立人は、1961年にスペインで缶詰工場の事業を始めた。主力商品である「PESCAMAR」シリーズの魚介類の缶詰商品は、最新の生産ラインを誇り、世界最高基準の品質要件を厳守しつつ、柔軟かつ迅速なサービスを提供し、ヨーロッパ、北アフリカ、アメリカ大陸、日本等、世界各国で販売され、世界的企業となっている(甲3、甲4)。
また、日本最大級のインターネットショッピングサイトである「AMAZON」及び「楽天市場」において、引用商標が付された申立人製品が取り扱われており、また「PESCAMARムール貝の煮込み」のように「PESCAMAR」の語が使用されている(甲5、甲6)。このように、引用商標が付された申立人商品が、全国各地の需要者が利用するインターネットショッピングサイトで広く取り扱われていることから、日本全域において、申立人製品「PESCAMAR」ブランドが広まっているといえる。
3 出所の混同について
(1)引用商標「PESCAMAR」の周知度(広告、宣伝等の程度又は普及度)
引用商標「PESCAMAR」の使用状況に関する以下アないしウの証拠より、引用商標「PESCAMAR」についての需要者の認識の程度は極めて高く、周知・著名であるといえる。
ア インターネットショッピングウェブサイトでの取引の一部
(ア)「AMAZON」、「楽天市場」等のインターネットショッピングウェブサイトにおいて取り扱われている申立人製品の一部(甲5?甲7)
(イ)日本の製品を取り扱う外国のインターネットショッピングウェブサイトにおいて取り扱われている申立人製品の一部(甲8)
イ 取引書類における使用の一部
2011年から2015年における我が国企業に対する請求書、船荷証券等の一部(甲9)
ウ 引用商標「PESCAMAR」が掲載されている出版物
カタログにおける引用商標「PESCAMAR」の掲載(甲10)
(2)引用商標「PESCAMAR」が創造標章であるかどうか
引用商標は、一般の英和辞書等には掲載されていない語であることから、造語と認識されるものであるため、申立人が創作した創造標章である。
(3)引用商標「PESCAMAR」がハウスマークであるかどうか
引用商標「PESCAMAR」は、申立人が営業主体を表す商標として長年使用してきた申立人製品の代表的なシンボルマークである。
(4)商品間、役務間又は商品と役務間の関連性
本件商標の指定商品(第29類及び第30類)及び引用商標の指定商品(第29類)は、すべて食品又は食材であり、この点において共通し、関連する。
また、本件商標の指定役務(第43類)の内、「イタリア料理の提供」、「その他の飲食物の提供」及び「レストラン施設を有する宿泊施設の提供」は、食品の提供に関する役務であり、引用商標の指定商品(第29類)と、食品という点において、関連する。
4 まとめ
以上からすれば、引用商標と紛らわしい本件商標が、引用商標の指定商品と関連性の強い指定商品及び指定役務に使用された場合、その商品及び役務の需要者が、周知・著名である申立人の引用商標に係る商品及び役務であると誤認して、出所について混同するおそれがあることは明らかである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

第4 当審の判断
申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたと主張しているので、以下、検討する。
1 引用商標の周知著名性
(1)甲各号証について
申立人が提出した以下の甲各号証によれば、以下のような事実を認めることができる。
ア 甲第3号証及び甲第4号証
甲第3号証及び甲第4号証は、申立人の会社概要が記載された文書(写)といえるところ、これらによれば、申立人は引用商標を使用して、水産加工品について世界において30を超える国で事業展開をしており、我が国においても水産加工品の取引があることが推認できる。
イ 甲第5号証及び甲第6号証
甲第5号証及び甲第6号証は、2016年2月29日時点のAMAZON及び楽天市場のウェブページの印刷物であるところ、これらによれば、我が国において「PESCAMAR」の語が使用された水産加工品が取り扱われていることが確認できる。
ウ 甲第7号証
甲第7号証は、食品の総合商社であるアシストバルールの2016年3月2日時点のウェブページの印刷物であるところ、これによれば、引用商標を使用した水産加工品が取り扱われていることが確認できる。
エ 甲第8号証
甲第8号証は、JAPONPOP.comのウェブページの印刷物であるところ、引用商標が使用された水産加工品が、2013年1月23日にこのウェブページに掲載されていることが確認できる。
オ 甲第9号証
甲第9号証は、申立人と静岡県三島市在の「FL JAPAN CO.,LTD」ほかの、2011年から2015年における取引書類等であるところ、これらの取引において、引用商標が使用された取引があったことが推認できる。
カ 甲第10号証
甲第10号証は、引用商標が使用された水産加工品の外国語によるカタログと認められる。
キ 甲第5号証ないし甲第7号証は、いずれも外国語による書面であり、さらに、甲第3号証ないし甲第10号証の内容に関し、申立人から詳細な説明もないところ、提出された甲第3号証ないし甲第10号証においては、引用商標が使用された水産加工品について、我が国における取扱地域や販売時期(期間)、売上高や市場シェアなどの事業規模、宣伝広告の程度など、本件商標の登録出願時及び登録査定時における引用商標の周知性の程度を推測できる、取引の実情についての記載は見いだせない。
(2)判断
上記(1)によれば、申立人は、引用商標を使用して、水産加工品について30を超える国で事業展開をしているといえるものの、提出された証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時における引用商標の周知性の程度を把握ないし推測することはできない。
そうすると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表すものとして、我が国の取引者、需要者の間で広く認識されていたと認めることはできないといわざるを得ない。
さらに、職権をもって調査したが、引用商標が我が国で周知性又は著名性を有していると認めるに足る事実を発見することはできなかった。
2 本件商標と引用商標の類否(類似の程度)
本件商標は、「PESCA」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字に相応して「ペスカ」の称呼が生じるものである。そして、該文字は、我が国で親しまれて使用されている語ということはできないから、特定の観念は生じないものである。
他方、引用商標は、「PESCAMAR」の欧文字を横書きし、その背景に魚等が描かれた円状の図形を配してなるところ、その構成中の「PESCAMAR」の文字部分が独立して自他商品識別機能を有するといえ、該文字に相応して「ペスカマー」の称呼が生じるものである。そして、該文字は、我が国で親しまれて使用されている語ということはできないから、特定の観念は生じないものである。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観においては、それらの全体をみれば、図形の有無により明らかに相違し、また、本件商標と引用商標の文字部分のみを比較しても、文字構成の違いにより、相紛れるおそれのないものである。そして、称呼においては、本件商標の称呼「ペスカ」と引用商標の称呼「ペスカマー」は、称呼尾部の「マー」の音の有無により大きな差異があるから、相紛れるおそれはない。さらに、本件商標と引用商標は、共に特定の観念を生じないものであるから、観念においても相紛れるおそれはない。
してみれば、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標といわざるを得ない。
3 出所の混同のおそれ
上記1及び2のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表すものとして、我が国の取引者、需要者の間で広く認識されていたと認めることはできないものであって、かつ、本件商標と引用商標は、別異の商標というべきものであるから、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤認することはなく、その出所について混同を生じるおそれはないと判断するのが相当である。
3 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するとはいえないから、同法第43条の3第4項に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲 引用商標(色彩は原本参照)



異議決定日 2016-06-28 
出願番号 商願2015-26491(T2015-26491) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W293043)
最終処分 維持 
前審関与審査官 田崎 麻理恵 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 原田 信彦
大森 健司
登録日 2015-08-28 
登録番号 商標登録第5788489号(T5788489) 
権利者 株式会社PESCA
商標の称呼 ペスカ 
代理人 特許業務法人 クレイア特許事務所 
代理人 特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ