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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W09
審判 全部申立て  登録を維持 W09
管理番号 1317243 
異議申立番号 異議2014-685005 
総通号数 200 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-08-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-03-31 
確定日 2016-04-08 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第1126040号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 国際商標登録第1126040号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
国際登録第1126040号商標(以下「本件商標」という。)は、「BLADE」の欧文字を横書きしてなり、2011年10月18日にSingaporeにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2012年(平成24年)4月17日に国際商標登録出願の、第9類「Computer displays;computer monitors;computer peripherals;controllers adapted for computers for playing computer games;computer mice;computer keyboards;computer keypads;electronic pens for use with computers;computer joysticks;computer trackballs;controllers in the shape of flight yokes adapted for computers for playing computer games;controllers in the shape of accelerator pedals and brake pedals adapted for computers for playing computer games;controllers in the shape of guns adapted for computers for playing computer games;controllers with motion sensors adapted for computers for playing computer games;parts and spare parts of the aforementioned goods as far as included in this class;computer and video game software;computer mice mats.」を指定商品として、平成25年9月30日に登録査定、平成26年1月10日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。
(1)「BLADE」、あるいは、その片仮名表記である「ブレード」は、コンピュータの分野においては、プロセッサーやメモリー、ネットワーク接続インターフェースなどを搭載したモジュール等を指す(甲2?甲5)。したがって、ブレードに使用されるコンピュータ周辺機器やコンピュータソフトウェア等、ブレードに関連する商品に「BLADE」の語を使用した場合には、単に商品の品質を表しているに過ぎず、自他商品識別力を発揮し得ない。
そして、本件商標は、国際商標登録出願で日本国を指定するものであるが、他の国においても辞書等を引用して自他識別力がないとの拒絶理由が通知されており、韓国ではすでに本件商標全体に対して拒絶査定が確定している(甲6、甲7)。商標の自他識別力については、各国毎に判断されるべきではあるが、コンピュータ用語については英語がそのまま片仮名表記となることが多く、諸外国における拒絶例は、「BLADE」の語が国内外を問わず、当該業界においては自他識別力を発揮し得ない言葉であることの一証左である。
(2)また、本件商標は、我が国においても、審査の過程で商標法第3条第1項第3号及び第4条1項16号に該当するという拒絶理由が通知され、出願人は「Computers」等の一部の指定商品については削除し、登録されたが、上記のとおり、「ブレード」は単にコンピュータのハードウェアそのものを指す言葉ではなく、モジュール(システムの一部を構成するひとまとまりの機能を持った部品群)を指す言葉であり、現在登録となっているコンピュータに関する指定商品についても、単に商品の品質を表したにすぎない。
(3)以上のとおり、本件商標は、「BLADE」の文字を普通に用いられる書体で表したものであり、現在登録となっている商品も全てコンピュータに関するものであるため、本件商標に接する我が国の需要者、取引者は、単に商品の品質を表しているにすぎないものと捉え、自他識別力を発揮し得ない。
(4)そして、本件商標は「ブレード」に関連する商品という商品の品質を普通に用いられる標章のみからなる商標なので、当該商品以外に使用するときには品質の誤認を生じるおそれがある。
(5)したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、本件商標を「ブレード」に関する商品以外に使用した場合には品質の誤認を生じるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当し、商標登録を受けることができないものであるから、本件商標登録は同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。
3 当審の判断
本件商標は、上記1のとおり、「BLADE」の文字からなるところ、申立人が提出した証拠によれば、情報技術の分野において、「BLADE」は、ブレードサーバの筐体に挿入して使用する、何らかの機能を実装する基板部品(甲2?甲5)を表すものであると認められる。
ところで、本件商標の指定商品は、上記1のとおりであり、ブレードサーバ及びその基板部品等が含まれていないものであるから、本願商標は、これがブレードサーバの筐体に挿入して使用する基板部品を表すものであるとしても、その指定商品に使用された場合、その需要者等は、商品の品質を具体的に表すものとして理解するとはいい難い。また、本件商標を構成する文字が、本件商標の指定商品の品質を表するものとして普通に使用されている実情は認められない。
そうとすれば、本件商標は、その指定商品との関係において、直ちに特定の商品の品質を直接的、かつ、具体的に表示するものとして一般に認識、把握されているものではなく、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、また、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
なお、申立人は、現在登録となっているコンピュータに関する指定商品についても、単に商品の品質を表し、本件商標を使用した場合には、単に商品の品質を表しているに過ぎない旨、主張するが、職権により調査するも、上記商品について、本件商標が商品の品質を表示するものとして普通に使用されている実情は認められないものであるから、本件商標が、その指定商品との関係において、自他商品識別力を有しないものということはできない。
また、申立人は、国際商標登録出願である本件商標についての外国の事情を述べているが、国際商標登録出願の商標の保護は、属地主義が採用されていることから、我が国と法制度が相違する外国の商標登録の事例により、本件の判断が左右されるものではない。
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2016-04-05 
審決分類 T 1 651・ 13- Y (W09)
T 1 651・ 272- Y (W09)
最終処分 維持  
前審関与審査官 赤澤 聡美竹之内 正隆 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 藤田 和美
堀内 仁子
登録日 2012-04-17 
権利者 RAZER (ASIA-PACIFIC) PTE LTD
商標の称呼 ブレード 
代理人 中熊 眞由美 
代理人 佐久間 剛 
代理人 川口 嘉之 
復代理人 塚田 晴美 
代理人 石塚 勝久 
代理人 柳田 征史 
代理人 古井 かや子 

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