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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X03
管理番号 1317137 
審判番号 取消2015-300180 
総通号数 200 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-08-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2015-03-10 
確定日 2016-06-27 
事件の表示 上記当事者間の登録第5328741号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5328741号商標(以下「本件商標」という。)は、「ダイヤフォース」の片仮名と「Diaforce」の欧文字を2段に横書きしてなり、平成21年10月20日に登録出願、第3類「化粧品,育毛料,せっけん類,歯磨き,香料類」を指定商品として、同22年6月11日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、平成27年3月25日である。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきものである旨を主張した。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し何ら弁駁するところがない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証(枝番号を含む。なお、以下、枝番号のすべてをいうときは、枝番号の記載を省略する。)を提出した。
1 商標の使用者
本件商標は、通常使用権者である「株式会社アイアンドエスパートナーズ・ジャパン」(以下「アイアンドエス社」という。)及び「株式会社Dina Dina」(以下「ディナディナ社」という。)が、その指定商品中の「化粧品」の範疇に属する商品「目元用化粧品」について、少なくとも2013年3月31日から今日まで継続的に使用しているものであり、商品の包装に本件商標を付し、それを譲渡し、その商品に関する取引書類に本件商標を付して頒布させて使用しているものである。
(1)乙第2号証の1は、平成23年(2011年)7月11日付で本件商標権者とアイアンドエス社(東京都港区南青山2-2-15)との間で交わされた商標使用許諾書であって、本件商標をアイアンドエス社が使用することを許諾したものである。
したがって、アイアンドエス社は、本件商標の通常使用権者である。
(2)乙第2号証の2は、平成24年(2012年)6月1日付で本件商標権者とディナディナ社(東京都港区南青山2-2-15)との間で交わされた商標使用許諾書であって、本件商標をディナディナ社が使用することを許諾したものである。
したがって、ディナディナ社は、本件商標の通常使用権者である。
2 本件商標が付された商品及び取引実情
(1)乙第3号証について
商品の容器及び包装箱の写真には、商標「DIAFORCE」が大きく付されている。そして、「Hydro-Gel eye patch」、「部分用マスク」、発売元「株式会社センティリオンシステム」、製造販売元「株式会社ファインケメティツクス」、全成分、使用方法が表示されていることから、この商品が化粧品であることは明らかである。
株式会社ファインケメティックスが薬事法上の製造販売元、株式会社センティリオンシステム(以下「センティリオンシステム社」という。)が発売元、ディナディナ社が販売総代理店である。そして、ディナディナ社が山本美材株式会社、株式会社ルクソスジャパン、株式会社宇津木産業、雅ファーマシー株式会社、株式会社エフプランニング、株式会社アイデープロジェクト、株式会社きくや美粧堂、株式会社GAMO、株式会社ヴィジーン・トレーディング、株式会社コスモといった問屋、小売店等と取引している。これらの事実は、乙第4号証の発注書、請求書等の取引書類から確認することができる。
また、ジュピターショップチャンネル株式会社へは、アイアンドエス社を介して取引しており、この事実は、アイアンドエス社からディナディナ社宛の支払明細書で確認することができる。
(2)乙第5号証について
商品の容器及び包装箱の写真には、商標「DIAFORCE」が大きく付されている。そして、「Hydro-Gel eye patch」、「部分用マスク」、製造販売元「株式会社クリスラボ」、全成分、使用方法が表示されていることから、この商品が化粧品であることは明らかである。
株式会社クリスラボが薬事法上の製造販売元並びに発売元、ディナディナ社が販売総代理店である。そして、ディナディナ社が株式会社小学館集英社プロダクション、株式会社GAMO、株式会社アイデープロジェクト、株式会社コスモ、有限会社いつも、株式会社ヴィジーン・トレーディング、株式会社世界文化社といった問屋、小売店等と取引している。これらの事実は、乙第6号証の発注書、納品書、請求書等の取引書類から確認することができる。
また、ジュピターショップチャンネル株式会社へは、アイアンドエス社を介して取引しており、この事実は、アイアンドエス社からディナディナ社宛の支払明細書で確認することができる。
(3)乙第7号証について
商品の容器及び包装箱の写真には、商標「DIAFORCE」が大きく付されている。そして、「Hydro-Gel eye patch」、「アイマスクR(部分用美容液マスク)」、製造販売元「株式会社ジャパンギャルズ」、全成分、使用方法が表示されていることから、この商品が化粧品であることは明らかである。
株式会社ジャパンギャルズが薬事法上の製造販売元、株式会社グローバルマーケティングが発売元、ディナディナ社が販売総代理店である。
なお、ジュピターショップチャンネル株式会社へは、アイアンドエス社を介して取引しており、この事実は、アイアンドエス社からディナディナ社宛の支払明細書で確認することができる。
(4)乙第9号証について
各種雑誌等の媒体に商品「DIAFORCE」が掲載されており、通常使用権者であるアイアンドエス社及びディナディナ社の名称が表示されているから、実際に取引されていることは明らかである。
3 まとめ
以上により、通常使用権者であるアイアンドエス社及びディナディナ社が、商標「DIAFORCE」を「化粧品」の範疇に属する商品「目元用化粧品」に付して、少なくとも2013年3月以降、今日まで継続的に日本国内の顧客向けに出荷(販売)している。
したがって、本件商標と使用に係る商標は社会通念上の同一性を有しており、しかも、本件商標は、その指定商品について継続して3年以上不使用であったものではない。

第4 当審の判断
1 被請求人の提出に係る乙各号証及びその主張を総合勘案すれば、以下の事実を認めることができる。
(1)乙第2号証の2は、本件商標権者とディナディナ社の間で締結された、平成24年6月1日付けの商標使用許諾書であるところ、同書には、「イエナ商事株式会社(以下『甲』という。)と、株式会社Dina Dina(以下『乙』という。)とは、甲が所有する商標登録第5328741号『ダイヤフォース/Diaforce』(以下『本商標』)について以下のとおり合意した。」として「甲は、乙が本商標を使用することを許諾します。」の記載がある。
(2)乙第3号証は、被請求人が、「目元用化粧品」とする商品(容器入りのもの)及び包装箱の写真であるところ、該包装箱について、その2葉目には、「ダイヤフォース」と「DiAFORCE」の文字(以下「本件使用商標」という。)が表示され、3葉目には、「気になる部分を豊かなうるおいで包み込んで、イキイキとしたツヤのある素肌に導く、部分用のフェイスマスクです。<ご使用方法>◇化粧水・乳液または美容液の後、スパチュラで容器から取り出し、目元や口元など乾燥の気になる部分にのせて密着させてください。15?20分間のご使用が効果的です。それ以上の時間のご使用はお避けください。◇シートを外したらお肌に残った美容液はかるく手でなじませてください。」と商品の説明が記載されており、4葉目には、「発売元」として「株式会社センティリオンシステム」の記載がある。そして、化粧品の容器には、「DiAFORCE」の文字の表示がある。
(3)乙第4号証の1について
ア 第1葉目は、2013年3月31日を発行日とする、ディナディナ社に宛てたセンティリオンシステム社の「御請求書」であり、摘要の欄に「ダイヤフォースゴールド 1320個」の記載がある。
そして、「摘要」及び「数量(個)」の欄に、その納品先について、発注番号:DDG-250301 山本美材(株)200個、発注番号:DDG-250303 (株)ルクソスジャパン40個、発注番号:DDG-250304 SLC中部ロジスティックセンター320個、発注番号:DDG-250305 (株)宇津木産業120個、発注番号:DDG-250306 豊興サービス(株)200個、発注番号:DDG-250307 カンダコーポレーション(株)120個、発注番号:DDG-250308 山本美材(株)200個、発注番号:DDG-250310 雅ファーマシー(株)80個」の記載がある。
イ 第2葉目は、平成25年3月1日を発行日とする、ディナディナ社とセンティリオンシステム社との間の取引書類(「株式会社DinaDina」から「株式会社センティリオンシステム御中」とする「発注書」と印字されていたものが、手書きによって、「株式会社センティリオンシステム」から「株式会社DinaDina御中」とする「発注請書」に訂正されている。)である「発注請書」であり、「発注番号:DDG-250301」、「品名および明細」の欄に「ダイヤフォースゴールド」、「数量(個)」の欄に「200」、「納品日」の欄に「H25年3月5日AM必着でお願い致します。」、「納入先」には、山本美材株式会社の記載があり、これら発注番号、品名、数量及び納入先は、第1葉の「摘要」の記載と一致するものである。
ウ 第4葉目は、平成25年3月7日を発行日とする、ディナディナ社とセンティリオンシステム社との間の取引書類(上記イと同様に訂正されている。)である「発注請書」であり、「発注番号:DDG-250303」、「品名および明細」の欄に「ダイヤフォースゴールド」、「数量(個)」の欄に「40」、「納品日」の欄に「H25年3月11日AM到着でお願い致します。」、「納入先」には、株式会社ルクソスジャパンの記載があり、これら発注番号、品名、数量及び納入先は、第1葉の「摘要」の記載と一致するものである。
エ 第11葉目は、平成25年3月21日を発行日とする、ディナディナ社とセンティリオンシステム社との間の取引書類(上記イと同様に訂正されている。)である「発注請書」であり、「発注番号:DDG-250304」、「品名および明細」の欄に「ダイヤフォースゴールド」、「数量(個)」の欄に「320」、「納品日」の欄に「H25年3月25日AM必着でお願い致します。」、「納入先」には、SLC中部ロジスティックセンターの記載があり、これら発注番号、品名、数量及び納入先は、第1葉の「摘要」の記載と一致するものである。
オ 第13葉目は、平成25年3月21日を発行日とする、ディナディナ社とセンティリオンシステム社との間の取引書類(上記イと同様に訂正されている。)である「発注請書」であり、「発注番号:DDG-250305」、「品名および明細」の欄に「ダイヤフォースゴールド」、「数量(個)」の欄に「120」、「納品日」の欄に「H25年3月22日納品でよろしくお願い致します。」、「納入先」には、(株)宇津木産業の記載があり、これら発注番号、品名、数量及び納入先は、第1葉の「摘要」の記載と一致するものである。
カ 第15葉目は、平成25年3月21日を発行日とする、ディナディナ社とセンティリオンシステム社との間の取引書類(上記イと同様に訂正されている。)である「発注請書」であり、「発注番号:DDG-250306」、「品名および明細」の欄に「ダイヤフォースゴールド」、「数量(個)」の欄に「200」、「納品日」の欄に「H25年3月25日AM必着でよろしくお願い致します。」、「納入先」には、豊興サービス株式会社の記載があり、これら発注番号、品名、数量及び納入先は、第1葉の「摘要」の記載と一致するものである。
キ 第17葉目は、平成25年3月21日を発行日とする、ディナディナ社とセンティリオンシステム社との間の取引書類(上記イと同様に訂正されている。)である「発注請書」であり、「発注番号:DDG-250307」、「品名および明細」の欄に「ダイヤフォースゴールド」、「数量(個)」の欄に「120」、「納品日」の欄に「H25年3月25日AM必着でよろしくお願い致します。」、「納入先」には、カンダコーポレーション(株)の記載があり、これら発注番号、品名、数量及び納入先は、第1葉の「摘要」の記載と一致するものである。
ク 第20葉目は、平成25年3月22日を発行日とする、ディナディナ社とセンティリオンシステム社との間の取引書類(上記イと同様に訂正されている。)である「発注請書」であり、「発注番号:DDG-250308」、「品名および明細」の欄に「ダイヤフォースゴールド」、「数量(個)」の欄に「200」、「納品日」の欄に「H25年3月23日AM必着でお願い致します。」、「納入先」には、山本美材株式会社の記載があり、これら発注番号、品名、数量及び納入先は、第1葉の「摘要」の記載と一致するものである。
ケ 第23葉目は、平成25年3月28日を発行日とする、ディナディナ社とセンティリオンシステム社との間の取引書類(上記イと同様に訂正されている。)である「発注請書」であり、「発注番号:DDG-250310」、「品名および明細」の欄に「ダイヤフォースゴールド」、「数量(個)」の欄に「80」、「納品日」の欄に「H25年3月29日AM必着でお願い致します。」、「納入先」には、雅ファーマシー株式会社の記載があり、これら発注番号、品名、数量及び納入先は、第1葉の「摘要」の記載と一致するものである。
2 以上の事実を総合すれば、以下のとおり判断することができる。
(1)使用者について
上記1(1)によれば、本件商標権者は、平成24年6月1日付けでディナディナ社との間で本件商標について商標使用許諾契約を締結していることから、ディナディナ社は、本件商標の通常使用権者と認められる。
(2)本件商標と本件使用商標の同一性について
上記1(2)によれば、本件商標は、「ダイヤフォース」の片仮名と「Diaforce」の欧文字を2段に横書きしてなるものであり、一方、目元用化粧品の包装箱に表示された本件使用商標は、「ダイヤフォース」の片仮名と「DiAFORCE」の欧文字からなるものであるから、本件商標と書体のみに変更を加えた同一の文字からなる社会通念上同一の商標と認められる。
(3)本件審判の請求に係る商品と本件使用商標に係る商品について
上記1(2)及び被請求人の主張を総合勘案するならば、本件使用商標が使用されている商品は、目元部分などに密着させて使用する部分用マスク状の目元用化粧品であるから、該商品は、本件審判の請求に係る指定商品中の「化粧品」の範疇に含まれるものと認められる。
(4)商標の使用について
ディナディナ社は、目元用化粧品の包装箱に本件使用商標を付した本件使用商品を発売元であるセンティリオンシステム社に、1,320個発注したものであり、そのうち、平成25年3月5日に山本美材株式会社へ200個、平成25年3月11日に株式会社ルクソスジャパンへ40個、平成25年3月25日にSLC中部ロジスティックセンターへ320個、平成25年3月22日に株式会社宇津木産業へ120個、平成25年3月25日に豊興サービス株式会社へ200個、平成25年3月25日にカンダコーポレーション株式会社へ120個、平成25年3月23日に山本美材株式会社へ200個、平成25年3月29日に雅ファーマシー株式会社へ80個それぞれ販売したことが認められる。
そして、当該平成25年3月5日ないし同月29日は、要証期間内に当たる。
(5)小括
したがって、本件商標の通常使用権者は、要証期間内に、本件審判の請求に係る指定商品中の「化粧品」に含まれる商品「目元用化粧品」の包装に本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を付したものを譲渡又は引き渡した(商標法第2条第3項第2号)と認められる。
3 まとめ
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において通常使用権者がその請求に係る指定商品中の「目元用化粧品」について本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきではない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2016-01-29 
結審通知日 2016-02-03 
審決日 2016-02-18 
出願番号 商願2009-79363(T2009-79363) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (X03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 飯田 亜紀 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 平澤 芳行
田中 亨子
登録日 2010-06-11 
登録番号 商標登録第5328741号(T5328741) 
商標の称呼 ダイヤフォース、ダイアフォース 
代理人 福田 伸一 
代理人 加藤 恭介 
代理人 福田 賢三 
代理人 黒瀬 勇人 

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