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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X18
管理番号 1317085 
審判番号 取消2015-300384 
総通号数 200 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-08-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2015-05-28 
確定日 2016-06-20 
事件の表示 上記当事者間の登録第5486110号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第5486110号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5486110号商標(以下「本件商標」という。)は,「magnani」の欧文字を標準文字で表してなり,平成23年10月31日に登録出願,第18類「かばん,財布,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘」を指定商品として,同24年4月13日に設定登録されたものである。
なお,本件審判の請求の登録日は,平成27年6月15日である。

第2 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求め,審判請求書において,その理由を要旨次のように述べ,甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,その指定商品について,継続して3年以上日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
被請求人は,買掛金支払明細書(以下「乙第1号証」という。)を証拠として提出することにより,本件商標が,本件審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間内」という。)に日本国内において本件商標権者により指定商品について使用されていると主張している。
しかし,以下のように,使用の時期,使用に係る商品,使用に係る商標のいずれも立証されておらず,商標法第2条第3項各号に規定される「使用」のいずれも証明されていない。
(1)乙第1号証の発行日は「2014年1月15日」であるが,商品が譲渡等された時期は,不明である。
(2)乙第1号証には「紳士雑貨」と記載されるのみで,使用に係る商品が不明である。
(3)乙第1号証には本件商標が表示されておらず,使用に係る商標が不明である。
(4)商標法第2条第3項各号に規定される「使用」のいずれも,証明されていない。
以上のことから,被請求人が提出した証拠によっては,本件商標が,要証期間内において,本件商標権者により指定商品について使用されていることは証明されていない。

第3 被請求人の主張
被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求める,と答弁し,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証を提出した。
最近の使用時期は,平成25年12月に,製造実演販売で使用している。
それ以前にも販売済みである。

第4 審尋
当審において送付した,平成28年2月16日付けの審尋した内容は,要旨以下のとおりである。
1 審判事件答弁書についての審判合議体の暫定的な見解について
(1)商標法第50条第2項は,同条第1項の審判の請求があった場合は,その審判の請求の登録前3年以内(本件の場合は,平成24年6月15日ないし同27年6月14日。)に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれか(以下「商標権者等」という。)がその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明するか,または,その登録商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを被請求人が明らかにしない限り,商標権者は,その商標登録の取消しを免れない旨定めている。
そして,被請求人は,審判事件答弁書において,「平成25年12月に製造実演販売で使用している。それ以前にも販売済みである。」と主張し,乙第1号証を提出している。
しかしながら,被請求人が提出した乙第1号証をもってしては,以下のアないしオの理由により,要証期間内に日本国内において,商標権者等が,本件の指定商品のいずれかについて本件商標の使用をしていたと認めることができないから,被請求人は,商標法第50条第2項に定める登録商標の使用を証明したということができない。
ア 乙第1号証は,株式会社そごう・西武が被請求人に宛てた「買掛金支払明細書」であって,商標権者等が頒布等をしたものではないから,商標法第2条第3項第8号が定める「使用」に当たる「取引書類」ということができない。
イ 乙第1号証には,商標権者等が使用している商標が表示されておらず,本件商標の使用を確認することができない。
ウ 乙第1号証の「仕入形態」の欄に「紳士雑貨」の記載があるが,その具体的商品が把握できないため,商標権者等が商標の使用をしているとする商品が本件商標の指定商品のいずれであるかを確認することができない。
エ 乙第1号証には,「月日」の欄に「1213」の記載はあるが,該日付が何の日付であるのか明らかでない。
オ 商標法第2条第3項により商標の「使用」をしたといえるのは,商品又は商品の包装に商標を付すこと,商品又は商品の包装に商標を付されたものを譲渡,引渡し,譲渡若しくは引渡しのために展示等をすること,商品の広告,価格表,取引書類等に商標を付したものを展示,頒布等をすることと定められているところ,乙第1号証では,そのいずれの使用をしているのかを把握することができない。
2 回答書の内容について (被請求人に対して)
(1)下記ア及びイを証明する証拠方法がある場合は,それを提出し,説明されたい。
ア 上記1において,商標法第50条第2項に定める登録商標の使用を証明したとは認められない理由として示したアないしオの事項について,新たな証拠方法を提出して,証明されたい。
イ 上記1で示した暫定的な見解及び請求人が提出した審判事件弁駁書に対し,意見があれば,その意見を裏付ける証拠方法とともに,その意見を述べられたい。
(2)審判事件答弁書における主張や証拠方法のほかに,新たな主張や証拠方法があれば,それを提出し,説明されたい。

第5 審尋に対する被請求人の回答
前記審尋に対し,被請求人からの回答はない。

第6 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠について
乙第1号証は,2014年1月15日を発行日とする,株式会社そごう・西武から本件商標権者に宛てた,2013年12月1日ないし同月31日締分の「買掛金支払明細書<今回発生明細>」(写し)であり,これには,「当月のお支払高と相殺内容をご通知いたします。」の記載があり,「お支払日」に「2014年1月31日」,「お支払高」に「89,775」の記載がある。
そして,「支払対象高(イ)」に「90,090」,「控除内訳(ロ)」に「315」及び「お支払高(イ-ロ)」に「89,775」の記載がある。
また,「仕入形態」の欄に「消化買掛/紳士雑貨」の記載,「月日」の欄に「1213」の記載,及び,「仕入金額(税込)」に「90,090」の記載がある。
これによれば,株式会社そごう・西武は,2013年12月1日ないし同月31日の間に,本件商標権者から,消費税込みで90,090円の「紳士雑貨」を仕入れたものであり,該取引についての「買掛金支払明細書<今回発生明細>」を,2014年1月15日に発行した。
しかしながら,上記審尋に記載のとおり,乙第1号証は,株式会社そごう・西武が発行したものであって,本件商標権者が頒布等をしたということができない。
そして,商標法第2条第3項第8号にいう「使用」に当たる「取引書類」とは,商品等の取引に際し,その事実や内容等を証するために当事者間で受け渡される,例えば,「注文書」,「納品書」,「送り状」等であるところ,該「買掛金支払明細書」は,株式会社そごう・西武が,2014年1月31日に本件商標権者に支払う金額が「89,775」であることの内容についての通知というべきであるから,「取引書類」ということができない。
また,乙第1号証には,使用に係る商標が表示されておらず,「仕入形態」の欄に「紳士雑貨」の記載があるが,その具体的商品を把握することができない。
その他,本件商標が,本件商標権者等によって,その指定商品について,商標法第2条第3項にいう使用をされた事実を示す証拠はない。
以上からすれば,被請求人が提出した証拠からは,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,本件商標権者,通常使用権者又は専用使用権者のいずれかが,本件指定商品のいずれかについて,本件商標を使用していることを証明したものということができず,かつ,本件指定商品について,本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかでない。
2 むすび
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条第1項の規定により,取り消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2016-04-07 
結審通知日 2016-04-13 
審決日 2016-04-27 
出願番号 商願2011-78194(T2011-78194) 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (X18)
最終処分 成立  
前審関与審査官 鈴木 斎白鳥 幹周 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 平澤 芳行
田中 亨子
登録日 2012-04-13 
登録番号 商標登録第5486110号(T5486110) 
商標の称呼 マグナニ、マニャーニ 
代理人 ▲吉▼川 俊雄 

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