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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201516550 審決 商標
不服20154723 審決 商標
不服201513171 審決 商標
不服20159631 審決 商標
不服201516548 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W30
管理番号 1317070 
審判番号 不服2015-15454 
総通号数 200 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-08-20 
確定日 2016-06-13 
事件の表示 商願2014-98569拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「地中海」の文字を標準文字で表してなり、第30類「調味料,香辛料」を指定商品として、平成26年11月21日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『ヨーロッパ南岸・アフリカ北岸およびアジア西岸に挟まれた海』を意味する『地中海』の文字を標準文字で書してなり、指定商品の産地又はその原材料の産地を表すものである。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、地中海周辺地域産の商品又は地中海周辺地域産の原材料から成る商品であること、すなわち、商品の産地、品質(原材料産地)を表示してなるものというのが相当であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、本願商標を構成する「地中海」の文字が「ヨーロッパ南岸・アフリカ北岸およびアジア西岸に挟まれた海」の意味を表すもの及び当該意味で本願の指定商品をはじめとする飲食料品関係に使用されている事実を発見したので、該事実について、別掲1及び2のとおり、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成28年2月1日付け証拠調べ通知書によってこれを開示し、期間を指定して、これに対する意見を求めた。

4 請求人の意見
請求人は、上記証拠調べ通知に対し、所定の期間を経過するも、何ら意見を述べていない。

5 当審の判断
本願商標は、「地中海」の漢字を標準文字で表してなるから、これは、普通に用いられる方法で表示したものである。
そして、「地中海」の文字は、前記3の証拠調べ通知で示した別掲1の事実を踏まえると、「ヨーロッパ南岸・アフリカ北岸およびアジア西岸に挟まれた海」であることを一般に認識させるといえるものである。また、「地中海」の文字は、同じく証拠調べ通知で示した別掲2の事実から、本願の指定商品をはじめとする飲食料品関係の分野における使用においても、「ヨーロッパ南岸・アフリカ北岸およびアジア西岸に挟まれた海」であることを容易に認識させるといえるものであり、地中海周辺地域産の商品や地中海周辺地域産の原材料を有する商品に使用されていることが認められる。
そうすると、本願商標は、その指定商品に使用するときは、取引者、需要者に、「ヨーロッパ南岸・アフリカ北岸およびアジア西岸に挟まれた海」の「地中海」の周辺地域産の商品であること、すなわち、商品の産地、または、当該「地中海」の周辺地域産の原材料を有する商品であること、すなわち、商品の品質を認識されるにとどまるものとみるのが相当であるから、商品の産地、品質を表示するにすぎないものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商品の産地、品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 「地中海」の文字が「ヨーロッパ南岸・アフリカ北岸およびアジア西岸に挟まれた海」の意味であることを表している事実
(1)「広辞苑(第六版) 岩波書店発行」の「地中海」の項に「(Mediterranean Sea)ヨーロッパ南岸・アフリカ北岸およびアジア西岸に挟まれた海。」との記載がある。
(2)「大辞泉(増補・新装版) 小学館発行」の「地中海」の項に「(Mediterranean Sea)ヨーロッパ・アフリカ・アジアの三大陸に囲まれた海。」との記載がある。
(3)「大辞林(第三版) 三省堂発行」の「地中海」の項に「(Mediterranean Sea)ヨーロッパ・アジア・アフリカの三大陸に囲まれた、東西に細長い内海。」との記載がある。
(4)「国語大辞典(新装版) 小学館発行」の「地中海」の項に「ヨーロッパ・アジア・アフリカの三大陸に囲まれ、東はスエズ運河により紅海・インド洋に、西はジブラルタル海峡により大西洋に通じる海域。」との記載がある。
(5)「コンサイス外国地名事典(第3版) 三省堂発行」の「地中海」の項に「Mediterranean Sea 北と西はヨーロッパ、南はアフリカ、東はアジアにより囲まれる地中海。」との記載がある。
(6)2014年6月16日の「日本食糧新聞」の7ページに「関西中元ギフト特集:百貨店動向=“和食”企画が増加 ユネスコ無形文化遺産登録で」の見出しの下、「●そごう神戸 全店共通としてPB「食源探訪」で、ギリシャ・イタリア・スペインの地中海3国のオリーブオイル13点を大きく特集。神戸店・西神店限定の「神戸グルメギフト」は昨年より6点多い143点を展開。カタログでは播州ハム4点と揖保乃糸6点で1ページの播州特集を組んでいる。 神戸店では5月28日に、それら6品目の試食やサンプル配布などのPRイベントを催した。早割対象点数も昨年から16点拡充している。」との記載がある。
(7)2012年2月18日の「東京読売新聞(夕刊)」の3ページに「魚介のトマト煮込み 異国の港町思いつつ」の見出しの下、「地中海やアドリア海など、三方を海に囲まれたイタリアは魚介類が豊富。港町には魚をメーンにしたレストランが多く、代表的な料理が魚介のトマト煮込みだという。」との記載がある。
(8)2010年9月9日の「朝日新聞(夕刊)」の6ページに「博物館で地中海の旅 26日まで東京都内で特別展」の見出しの下、「オリーブとワイン。古代の地中海世界で育まれ、さまざまな文化の中で愛好されてきた2種の飲食物をテーマにした特別展「地中海古代クルーズ」が、東京・池袋のサンシャインシティにある古代オリエント博物館で開かれている。 土器やガラス器、コイン、壁画など二百数十点。入り口を通ると、倉庫に見立てた復元住居に、シリアやフランスなど地中海周辺から出土したアンフォラ(ワインなどを入れた容器の一種)が並ぶ。展示は紀元前3000年ごろのギリシャのキクラデス文化から2?3世紀のシリアのパルミラまで数千年を概観する。一時の旅行気分にひたれる展覧会だ。」との記載がある。
(9)「JTBグランドツアー」のウェブサイトに、旅行の見出しとして「ギリシャからイタリアへ 地中海クルーズ11日間」との記載がある。
(http://www.jtb-grandtours.jp/tour/western_europe/greece/2015a8319.html)
(10)「近畿日本ツーリスト」のウェブサイトに、「地中海クルーズ 東京発」の見出しの下、「地中海クルーズへ行こう! 開放感あふれる南欧ムードを満喫するなら、地中海クルーズがおすすめ。高級すぎることもなく、カジュアルすぎることもなく、ほどよいリラックス感が人気の秘密のようです。ジェノバ発着やベニス発着のものがあり、イタリアのほかギリシアやトルコ、フランス、スペインなど近隣の国に立ち寄るプランなど様々なルートで運航されています。」との記載がある。
(http://holiday.knt.co.jp/b/2100300311/)
(11)「Cruise Planet」のウェブサイトに、「地中海・エーゲ海クルーズ一覧」の見出しの下、「地中海いちおしコース」の旅行プランとして「コスタディアデマ 美しき南フランスとスペイン・イタリア周遊地中海クルーズ10日間」との記載がある。
(http://www.cruiseplanet.co.jp/tiikitityuukai.htm)
(12)「BS-TBS」のウェブサイトに、「地球バス紀行」の2014年3月13日に放送された「バルセロナ発 地中海の味巡り」の番組紹介のページにおいて、「スペイン第2の都市・バルセロナ」見出しの下、「チュロスをおいしく頂いた後、チュロス屋の店主に、地中海の新鮮な魚介が食べられる海沿いの町『ロセス』を勧められます。」、「地中海の港町・ロセス」の見出しの下、「おいしい魚介料理を求めてロセスの港に行くと、地中海料理レストランのシェフと出会います。」、「ワインの町・ベジエ」の見出しの下、「ベジエの周辺は古くからワインの産地として知られていますが、そこに地中海が育てたおいしい白ワインがあるというのです。・・・その地中海ワインはワイナリーで直売しているとのこと。・・・そこで、地中海ワインを飲ませてもらえることに。・・・牡蠣と地中海ワインの相性はバッチリ。素敵な食べ合わせを教えてもらいました。」及び「ブイヤベース発祥の町・マルセイユ」の見出しの下、「地中海のおいしさを堪能しながら、旅を締めくくります。」との記載がある。
(http://www.bs-tbs.co.jp/bus/150.html)

別掲2 本願の指定商品及び飲食料品の関係の商品で、「地中海」の文字が「ヨーロッパ南岸・アフリカ北岸およびアジア西岸に挟まれた海」の意味として使用されている事実
(1)「厳選食品 安心堂」のウェブサイトに、「スペイン・イビサ島から生まれたブランド『POSIDONIA』 地中海一きれいな海の塩」の商品の紹介において、「複合遺産の島 イビサ島」の見出しの下、「地中海一美しいと言われる透き通るキレイな海と、輝く太陽、心地良い風により作り出されるイビサ島のお塩はほどよく水分を含んでおり、まるで雪のような柔らかさと、やさしい海の香り、純粋で鮮烈な雑味のない味わいが特徴です。」との記載がある。
(http://www.anshindo-d.jp/item_search/rootCategoryId,464/)
(2)「a-soken アレルギー生活改善総合研究所」のウェブサイトに、「地中海のミネラル塩」の見出しの下、「地中海のミネラル塩の商品説明」の項目に「南イタリアの海水を、現地の伝統的な入浜式塩田で長時間かけて乾燥、結晶化したこだわりの自然塩です。」との記載がある。
(http://www.a-soken.com/item/NO-110070.html)
(3)「楽天市場」のウェブサイト内における「ビーライフショップ」のページに、商品「地中海の天日塩 700g 創健社」の紹介において、「南イタリアの海水を現地の伝統的な天日塩田で長時間かけて天日乾燥・結晶化した、まろやかなうまみの塩」との記載がある。
(http://item.rakuten.co.jp/blife/a_sk_110898/)
(4)「epicerie arcane Online Store」のウェブサイトに、商品「カマルグ フルール・ド・セル(塩) 125g」の紹介において、「地中海の海水を塩田に引くと春から夏にかけて太陽と風によって海水が濃縮されます。塩田の水面に現れた結晶を伝統にならって手作業で採塩しました。」及び「原産国 : フランス」との記載がある。
(http://www.arcane-jpshop.com/shop/item_list?category_id=107568)
(5)「楽天市場」のウェブサイト内における「よかいち 楽天市場店」のページに、商品「地中海産トマト粉末100% 100g 【ユニマットリケン】」の紹介において、「『地中海産トマト粉末100% 100g』は、イタリア・スペイン等の地中海沿岸で収穫された完熟トマトをゴールドスプレードライ製法により粉末にした、とまと100%の粉末です。」との記載がある。
(http://item.rakuten.co.jp/yoka1/4903361670164/)
(6)「オーガニックスパイスの専門店 VOXSPICE」のウェブサイトに、「SPICE STORY スパイス物語」の項目内において、「●【スパイスの魅力】古代ローマの料理家も認めたオレガノ」の見出しの下、「■オレガノは地中海生まれのスパイス」として「オレガノとはヨーロッパの地中海沿岸地方が原産のシソ科の多年草、およびそれから作られるスパイスのことで、香辛料として以外にハーブやアロマオイルとしても使われています。」との記載がある。
(http://voxspice.jp/spicestory/column11.php)
(7)「地中海フーズ」のウェブサイトに、「【INAUDI】アンチョビフィレ 190g」の商品の紹介において「商品特徴:」として「地中海で獲れたカタクチイワシを厳選し、職人技による丁寧な手作業で仕上げました。瓶詰の際に使われる塩はシチリアの海塩を使用しております。」及び「原産国:イタリア」との記載がある。
(http://www.chichukaifoods.com/c10344/)
(8)「Mマート」のウェブサイトに、「■【不定貫】地中海産天然本マグロ天身 サク取り納品【こだわりの逸品】」の見出しの下、「生(原)産地:スペイン」との記載がある。
(https://www.m-mart.co.jp/search/item.php?type=buybuyc&id=harasuisan&num=40)
(9)「TFOODS.COM」のウェブサイトに、商品「バラル/ブラックオリーブ(ギリシャ風)120g」の紹介において、「バラル社製オリーブ製品」の見出しの下、「ギリシャ風に加工した黒オリーブの瓶詰め。地中海沿岸で栽培された大粒の黒オリーブを贅沢に使用した逸品です。」及び「■生産国:フランス」との記載がある。
(http://store.tfoods.com/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=21038)
(10)「ワタル株式会社」のウェブサイトに、「Food Bussiness 食品事業」の項目内において、「Rocca Antica/ロッカアンティカ(イタリア)」の見出しの下、「そして、紀元前の歴史の中で、現在のイタリア、スペイン、トルコ、チュニジア、モロッコ、ポルトガルなど地中海沿岸一帯に広がりました。・・・現在、地中海沿岸では、さまざまな品種のオリーブをその地域の気候や土質にあわせ栽培しています。・・・ロッカアンティカは、地中海沿岸(トルコ、ギリシャ、スペイン、イタリアなど)のエキストラヴァージン オリーブと精製オリーブオイルをブレンドした、ピュア オリーブオイルです。」との記載がある。
(https://wataru.co.jp/category/food/ra/)
(11)「日欧商事株式会社」のウェブサイトに、「ワイナリーの紹介」の項目内において、「セッテソリ SETTESOLI」の見出しの下、「シチリアの中心地である、アグリジェント県メンフィの丘陵地に位置するセッテソリ協同組合は、1965年の設立。セッテソリ社の造るワインは力強くかつ繊細な香りとフレッシュで調和の取れた味わいが特徴で、地中海産ワインの中でも独特の特徴を持つものとして知られている。これらのワインはシチリアの照りつける太陽の下で自然に成熟したブドウを厳選して造られる。」との記載がある。
(http://www.jetlc.co.jp/brand/winery_info/w_introduction?WineryM_SEQ=27)

審理終結日 2016-04-12 
結審通知日 2016-04-15 
審決日 2016-04-26 
出願番号 商願2014-98569(T2014-98569) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 平澤 芳行鈴木 雅也 
特許庁審判長 青木 博文
特許庁審判官 原田 信彦
高橋 幸志
商標の称呼 チチューカイ 
代理人 秋元 輝雄 
代理人 吉澤 大輔 

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