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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W35
管理番号 1315927 
異議申立番号 異議2014-900274 
総通号数 199 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-07-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-09-29 
確定日 2016-06-06 
異議申立件数
事件の表示 登録第5680601号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5680601号商標の商標登録を取り消す。
理由 第1 本件商標
本件登録第5680601号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおり,「老行家」の文字を毛筆体風に書してなり,平成26年1月23日に登録出願,第35類「商取引の受注管理,広告,郵便による広告物の配布,事業に関する情報の提供,事業の調査,事業の管理及び組織に関する指導及び助言,事業の管理に関する援助,他人の商品及びサービスのライセンスに関する事業の管理,消費者のための商品購入に関する助言と情報の提供,商業又は工業の管理に関する援助,輸出入に関する事務の代理又は代行,マーケティング,市場調査,コンピュータネットワークにおけるオンラインによる広告,商業又は広告のための展示会の企画・運営,商業又は広告のための見本市の運営,商品の販売目的のための通信媒体を利用したプレゼンテーションの企画・運営又は実施,販売促進のための企画及び実行の代理」を指定役務として同年6月12日に登録査定,同月27日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおり,「老行家」の文字を毛筆体風に書してなり,商品「インスタント感覚で食することができる燕の巣,これにアロエを添加した商品,真珠パウダー,これを用いた化粧品(マスク),月餅」に使用しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,登録異議の申立てにおいて,本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当するから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第184号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 他人の外国における周知商標について
本件事件の申立人(老行家國際燕▲ウォ▼股▲ふん▼有限公司)またはその関連会社である老行家燕▲ウォ▼量販有限公司(申立人のライセンシー)は,引用商標及びこれと実質的に同一の商標を使用し,1997年ごろから現在にわたり,香港,台湾において,美容健康食品を製造販売してきた(甲5,甲6)。
香港では,2000年以来ほぼ毎年,各種雑誌におけるランキング等で,有名ブランドに選出されている(甲5)。
また,台湾では,2002年に申立人の直営店舗が30店舗を超え,百貨店への出店も開始された(甲6)。具体的には,2013年までに,台湾の主要都市を中心に36店舗の直営店を有し,そのうち複数の店舗は,台湾内でも人気のある百貨店である新光三越,SOGO,TESCO内に出店されている(甲8?甲11等)。
また,申立人が製造販売する美容健康商品は,引用商標の下,インスタント感覚で食することができる燕の巣,これにアロエを添加した商品,真珠パウダー,これを用いた化粧品(マスク),月餅等を中心とし,2011年から2014年にかけて,台湾で発行されている美容健康雑誌において,150種以上の広告が掲載されている(甲7?甲127)。
さらに,申立人は,遅くとも2013年には,台北MRT(地下鉄)台北駅構内に巨大な看板を出す他(甲128?甲130,甲134?甲140,甲143?甲146),2013年には,台北MRTの主要路線である5番路線(台北市を通る路線)において,車両広告を実施する等(甲131?甲133,甲141,甲142,甲147),台湾内において,極めて広く広告を行っている。
以上の状況から見て,引用商標は,申立人の商標として,遅くとも2013年までには香港において周知となっており,台湾においては著名となっていることは明らかである。
2 本件商標と引用商標との同一・類似性
本件商標と引用商標は,その構成文字要素,ロゴデザインを含む外観において,実質的に同一である。
これらの商標の構成は造語であり,かつオリジナルロゴデザインを有するものであり,偶然に同一とはなりえないものである。
3 不正の目的について
ところで,本件商標に係る商標権者(ロン ホング カ(ホンコン)リミテッド)の責任者である郭煕氏は,従前,申立人の関連会社の従業員(総経理職)であった。
申立人及びその関連会社である「老行家燕▲ウォ▼量販有限公司」の代表者は,何れも「李成壽」である(甲1,甲2)。
郭煕氏は,2006年ないし2008年にかけて,「老行家燕▲ウォ▼量販有限公司」で,総経理職として,雇用されていた(甲2)。
郭煕氏が老行家燕▲ウォ▼量販有限公司を退職した後についての経歴は明らかでないものの,2014年9月24日の時点で,郭煕氏は,本件商標権者(ロン ホング カ(ホンコン)リミテッド,中国語名:老行家(香港)有限公司)において,総経理職の役職の下,外部からの連絡責任者となっている(甲3,甲4)。
ところで,本件商標権者(ロン ホング カ(ホンコン)リミテッド,中国語名:老行家 (香港)有限公司)は,郭煕氏が「老行家燕▲ウォ▼量販有限公司」を退職した後である,2009年に設立されている(甲3,甲4)。
以上の事実から,郭煕氏は,「老行家燕▲ウォ▼量販有限公司」を退職した後,「ロン ホング カ(ホンコン)リミテッド」の設立に何らかの関わりをもっていた蓋然性が高く,「ロン ホング カ(ホンコン)リミテッド」において,従前勤務していた「老行家燕▲ウォ▼量販有限公司」,ないしは,当該会社の関連会社である申立人の事業において形成されてきた同社の信用にただ乗りしようとして,本件商標を出願することを「ロン ホング カ(ホンコン)リミテッド」において指導したことが容易に推察される。
仮に,郭煕氏が,本件商標権者において,本件商標の出願を指導していなかったとしても,遅くとも2013年までには,引用商標は,香港で周知であったこと,台湾では著名であったこと,そして,本件商標権者の社名には引用商標と同一の「老行家」(造語である)の文字を含めていること,等から見て,ロン ホング カ(ホンコン)リミテッドは,引用商標の存在,及びその香港・台湾での周知著名性を知って本件商標の出願に至ったことは疑いの余地がない。
ところで,海外商品を他国に輸出販売し,普及させるためには,通常,その輸入,広告,マーケティング等において,日本の代理店の存在が重要となる。
そして,本件商標の指定役務の内容から見て,本件商標権者は,将来,申立人が日本へ進出しようとする際に,自らが申立人の正規代理店であるかの如く消費者に誤認させ,申立人が築いてきた信用にただ乗りする目的か,あるいは,申立人に対し,日本での代理店的地位を強要する目的か,いずれにしろ不正の目的で,本件商標を出願したことが容易に推認できる。
申立人は,本件商標の出願より前に,台湾,シンガポール,マレーシアに加え,日本においても,第3類の化粧品の分野,第5類のサプリメントの分野,第29類の加工食品の分野,第32類の飲料の分野で,引用商標を含む商標を出願し,登録を受けている(登録第5641359号商標)。
本件商標の出願日は,申立人の上記商標にかかる出願日より半年程後であり,本件商標の出願に際して,本件商標権者は,申立人の商標登録出願にかかる公開公報を確認したものと推察される。その際に,本件商標権者は,日本において第35類といういわゆる広告等の間接的業務について,申立人が商標登録出願をしていないことを知ったと推察される。そして,本件商標権者は,これを奇貨として,不正の目的をもって本件商標を出願したことが明らかである。
このように,本件商標は,他人の業務に係る商品を表示するものとして外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一の商標であって,不正の目的をもって使用をするものに該当することが明らかである。
4 結び
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当する。

第4 本件商標に対する取消理由
本件商標権者に対して,平成27年9月18日付けで通知した本件商標の取消理由(要旨)は,次のとおりである。
1 商標法第4条第1項第19号該当性について
(1)申立人の提出した証拠によれば,以下の事実が認められる。
ア 甲第2号証は,申立人と従業員の「雇用契約書」であるところ,本件商標権者と関係のある郭熙氏は,申立人の従業員として,総経理の職を2006年2月22日から2008年2月8日までの2年間,勤務地を香港として契約がされたものである。
イ 甲第3号証は,本件商標権者のウェブページであるところ,「老行家(香港)有限公司」について,「連絡先」として「郭熙様」の記載,「創立年」として「2009年」の記載,「製品/サービス」として「ツバメの巣(インスタント・ツバメの巣)」の記載がある。
ウ 甲第4号証は,「ICRIS-Mobile」のウェブページであるところ,「会社情報閲覧」において,「公司名称(会社名称)」として「LO HONG KA(HONG KONG)LIMITED/老行家(香港)有限公司」の記載,「創立」として「2009年9月9日」の記載がある。
エ 引用商標及び「老行家」の文字が使用された申立人に係る「即席食品燕の巣」等の商品の宣伝広告が,「BODY美體日誌」,「TVBS週刊」,「女人變有錢」,「BEAUTY 大美人」,「壹週刊」,「媽媽寶寶」などの美容健康雑誌へ掲載された広告データにより,本件商標の登録出願前に台湾の雑誌においてなされていることが推認できる(甲11,甲13,甲15,甲16,甲18?甲22,甲26?甲28,甲30,甲31,甲33,甲37,甲39?甲45,甲60,甲64,甲72,甲74,甲76,甲77,甲80,甲81,甲83?甲87,甲89,甲91?甲99,甲101?甲105,甲112,甲113,甲125,甲153,甲160)。
オ 引用商標及び「老行家」の文字が使用された申立人に係る「即席食品燕の巣」等の商品の宣伝広告が,「自由時報」,「蘋果日報」,「太平洋日報」,「台灣時報」,「聯合報」などの新聞により,本件商標の登録出願前に台湾の新聞においてなされている(甲58,甲114?甲124,甲126,甲127)。
カ 引用商標及び「老行家」の文字が使用された商品「食用の燕の巣」の宣伝広告が,本件商標の登録出願前に台湾の駅構内にある広告板等においてなされている(甲128?甲130,甲134?甲140,甲144?甲146)。
キ 引用商標及び「老行家」の文字が使用された商品「食用の燕の巣」の宣伝広告が,本件商標の登録出願前に台湾において電車の車体に広告がなされている(甲131?甲133,甲141,甲142,甲147)。
ク 申立人の商品「即席食品燕の巣」等が,台湾の雑誌「健康」の読者選出ランキングにおいて,2009年から2013年まで5年連続して,健康食品のブランドとして第1位を獲得している(甲15,甲16,甲18,甲19,甲40)。
ケ 2005年,2007年,2008年,2014年の広告データによれば,申立人の商品を取り扱う店舗が台湾において,38店?46店存在している(甲8,甲9,甲11,甲87,甲93)。
(2)引用商標の周知性について
上記(1)及び申立の全趣旨によれば,申立人は,台湾において,引用商標及び「老行家」の文字を使用した商品「即席食品燕の巣」等を1997年以降継続して販売してきたものであり(甲6),その販売店舗は,台北を中心に38店舗以上にも上り,台湾における各地域でも取り扱われている。
また,申立人の商品は,雑誌,新聞,駅構内等において宣伝広告がなされ,その結果,台湾の健康雑誌の読者選出ランキングにおいて2009年から2013年の5年間連続して健康食品のブランド第1位として選出されているものである。
そうとすれば,引用商標は,商品「即席食品燕の巣」等について使用された結果,本件商標の登録出願日である2014年1月13日以前に,台湾における需要者の間において広く認識され,これが現在も継続しているということができるものである。
(3)本件商標と引用商標の類似性について
本件商標と引用商標は,ともに「老行家」の文字からなるところ,両者は,その書体においてほぼ同一といえるほどに酷似している。
(4)不正の目的について
申立人の引用商標は,商品「即席食品燕の巣」等について使用された結果,台湾における需要者の間において広く認識されているものであり,また,本件商標と引用商標とは,ほぼ同一といえるほどに酷似した態様のものである。
そして,本件商標権者(ロ ホング カ(ホンコン)リミテッド)である「LO HONG KA(HONG KONG)LIMITED/老行家(香港)有限公司」は,2009年9月9日に設立されており(甲3,甲4),同社の連絡者は郭煕氏である。また,同氏は,2006年2月22日から2008年2月8日までの間,申立人の従業員として,勤務地が香港の総経理の職として雇用されていたことが認められる(甲2)。
そうとすれば,本件商標権者は,引用商標が台湾において需要者の間で広く認識されていることを知っており,あるいは郭煕氏から,引用商標が台湾において需要者の間で広く認識されていることを聞き及び,引用商標が我が国で登録されていないことを奇貨として,引用商標の周知性と,それに化体した営業上の信用を利用するという不正の目的をもって,本件商標を登録出願して権利を得たと推認し得るものである。
そして,本件商標と引用商標がほぼ同一といえるほど酷似していることに鑑みれば,これが偶然の一致とはいえず,上記の推認は相当というべきである。
(5)まとめ
以上によれば,本件商標は,その登録出願時において,申立人の業務に係る商品「即席食品燕の巣」等を表示するものとして台湾における需要者の間に広く認識されている引用商標とほぼ同一の商標であって,不正の目的をもって使用をするものというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものといわなければならない。

第5 本件商標権者の意見
本件商標について,上記第4の取消理由を通知し,相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが,本件商標権者は,何ら意見を述べるところがない。

第6 当審の判断
本件商標についてした前記第4の取消理由は,妥当なものと認められるものである。
したがって,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第19号に違反してなされたものであるから,同法第43条の3第2項により,その登録を取り消すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標)




異議決定日 2016-01-25 
出願番号 商願2014-4245(T2014-4245) 
審決分類 T 1 651・ 222- Z (W35)
最終処分 取消 
前審関与審査官 久保田 正文 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 田中 亨子
井出 英一郎
登録日 2014-06-27 
登録番号 商標登録第5680601号(T5680601) 
権利者 ロ ホング カ(ホンコン)リミテッド
商標の称呼 ローギョーカ、ローコーカ 
代理人 稲垣 仁義 
代理人 辻田 朋子 
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