• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1315921 
異議申立番号 異議2015-900404 
総通号数 199 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-07-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-12-25 
確定日 2016-06-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第5794650号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5794650号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5794650号商標(以下「本件商標」という。)は,「LEGOO PREMIUM」の欧文字を標準文字で表してなり,平成27年4月24日に登録出願,第25類「被服,靴下,ストッキング,パンティストッキング,ガーター,タイツ,レギンス,スパッツ,下着,洋服」を指定商品として,同年9月1日に登録査定,同月18日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する登録商標は,以下のとおりである。
(1)登録第520470号商標(以下「引用商標1」という。)は,「LEGO」の欧文字を横書きしてなり,昭和32年8月6日に登録出願,第65類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同33年5月21日に設定登録され,その後,平成20年10月1日に,指定商品を第20類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。
(2)登録第1406148号商標(以下「引用商標2」という。)は,「レゴ」の片仮名を横書きしてなり,昭和48年12月11日に登録出願,第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同55年1月31日に設定登録され,その後,平成22年5月19日に,指定商品を第9類,第15類,第20類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。
(3)登録第1621483号商標(以下「引用商標3」という。)は,「レゴ」の片仮名と「LEGO」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり,昭和55年3月24日に登録出願,第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同58年10月27日に設定登録され,その後,平成16年3月24日に,指定商品を第14類,第18類,第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。
(4)登録第2708189号商標(以下「引用商標4」という。)は,「レゴ」の片仮名と「LEGO」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり,昭和54年4月10日に登録出願,第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成7年6月30日に設定登録され,その後,同18年10月18日に,指定商品を第20類,第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。
(5)登録第4087539号商標(以下「引用商標5」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,平成8年7月15日に登録出願,第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同9年11月28日に設定登録されたものである。
(6)国際登録第869258号商標(以下「引用商標6」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,2005年(平成17年)11月11日に国際商標登録出願,第9類,第16類,第25類,第28類及び第41類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成20年5月9日に設定登録されたものである。
(以下,引用商標1?6をまとめていうときは,単に「引用商標」という。)

3 登録異議申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は,その構成文字に相応して,「レゴープレミアム」の称呼が生ずるほか,その構成中の「PREMIUM」の文字部分は,「上質の」を意味するものとして広く一般に用いられており,自他商品の識別機能が極めて弱い部分であるから,その要部である「LEGOO」の文字部分から「レゴー」の称呼をも生ずる。
他方,引用商標は,その構成文字に相応して,「レゴ」の称呼が生ずる。
してみると,本件商標と引用商標は,称呼上相紛れるおそれのある類似の商標である。
また,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は,同一又は類似する。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は,1932年に創業し,ブロック玩具を中心とした世界第3位の売上げを誇るデンマークの玩具製造販売会社である。
我が国では,申立人の日本法人であるレゴジャパン株式会社(以下「レゴジャパン」という。)を通じて,その業務に係るブロック玩具を中心とする各種玩具が販売されているところ,レゴジャパンは,これらの商品について,「LEGO」や「レゴ」の文字よりなる商標(両者を併せ,以下「使用商標」という。)を表示したカタログを頒布したり,少年又は少女向けの漫画雑誌等に宣伝広告を行っている。その結果,申立人の業務に係るブロック玩具は,世界のみならず,我が国においてもその売上げを伸ばし,これに使用される使用商標も,我が国において,申立人の業務に係るブロック玩具を表示するものとして,また,申立人のハウスマークとして広く一般に知られるに至っている。
前記(1)のとおり,本件商標と使用商標とが類似すること,申立人が引用商標を付した被服を販売している事実(甲23,甲24)があることを勘案すると,本件商標に接する取引者,需要者は,本件商標を付した商品が,申立人と何らかの関係がある者の業務に係る商品であると誤認し,商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものであるから,取り消されるべきものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
本件商標は,前記1のとおり,「LEGOO PREMIUM」の欧文字を標準文字で表してなるものであるところ,構成文字全体をもって親しまれた熟語的意味合いが生ずるものではない。また,本件商標中の「PREMIUM」の文字部分は,名詞として「特別賞与,奨励金」などを意味し,形容詞として「(商品が)品質がよくて高価な,高級な」などを意味する英単語であって,我が国の各種商品・役務を取り扱う業界においては,「上質の,高級な」などの意味合いをもって,商品の品質,役務の質を表示するものとして普通に使用されている実情にあるといえる(甲8の1?4)から,本件商標の指定商品との関係からみても,自他商品の識別機能を有しないか,極めて弱いものということができる。これに対して,本件商標中の「LEGOO」の文字部分は,我が国においては,特定の意味合いを有しない造語を表したと理解されるものであるから,本件商標にあって,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分であるといえる。そして,該「LEGOO」の文字部分(語)は,上記のとおり,造語を表したと理解されるものであるから,その読み方も特に定まったものがないといえるところ,我が国では,英語の普及率が他の外国語の普及率に比べ高い実情にあることからすると,本件商標に接する需要者は,「LEGOO」の文字部分を英語風の読みをもって商品の取引に当たる場合が多いとみるのが相当であって,例えば,英単語「shampoo」を「シャンプー」と,同じく「kangaroo」を「カンガルー」と,同じく「zoo」を「ズー」と,それぞれ発音するように,「oo(OO)」の部分を「u:」と発音する例に倣い,「LEGOO」の文字部分についても「レグー」と称呼する場合が多いとみるのが相当である。
そうすると,本件商標は,構成文字全体から「レグープレミアム」の称呼を生ずるほか,その要部といえる「LEGOO」の文字部分から「レグー」の称呼をも生ずるものであって,特段の観念を生じないものと認める。
イ 引用商標
前記2のとおり,引用商標1は,「LEGO」の欧文字を横書きにしてなり,引用商標2は,「レゴ」の片仮名を横書きにしてなり,引用商標3及び4は,いずれも「レゴ」の片仮名と「LEGO」の欧文字とを上下二段に横書きにしてなり,引用商標5及び6は,いずれも別掲1及び2のとおり,赤色で塗られた正方形内に,白抜きで丸みを帯びた「LEGO」の文字を横書きし,該文字全体が黄色の縁取りがされているものである。
したがって,引用商標は,それぞれの構成文字に相応して,「レゴ」の称呼を生ずるものであって,いずれも特定の意味合いを有しない造語を表したものといえる。
ウ 本件商標と引用商標との対比
(ア)外観
本件商標と引用商標は,それぞれの構成よりみて,外観上明らかに相違するものである。
したがって,両商標は,外観上類似するものとはいえない。
(イ)称呼
本件商標より生ずる「レグープレミアム」の称呼と引用商標より生ずる「レゴ」の称呼は,構成する音数の相違等により,それぞれの称呼を全体として称呼した場合においても,その語調,語感が著しく相違するものであるから,明瞭に聴別し得るものである。
また,本件商標より生ずる「レグー」の称呼と引用商標より生ずる「レゴ」の称呼は,語頭において「レ」の音を同じくするものであるとしても,これに続く音において「グー」と「ゴ」の差異を有するものであるから,該差異音が極めて短い音構成よりなる両称呼全体に及ぼす影響は大きく,それぞれの称呼を全体として称呼した場合においても,その語調,語感が相違したものとなり,互いに紛れるおそれはない。
したがって,本件商標と引用商標は,称呼上類似するものとはいえない。
(ウ)観念
本件商標と引用商標は,いずれも特定の観念が生ずるものではないから,観念上比較することはできず,観念において類似するものとはいえない。
(エ)したがって,本件商標と引用商標は,その外観,称呼及び観念のいずれの点についても,互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
エ 以上のとおりであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 使用商標の著名性について
証拠及び申立人の主張によれば,以下の事実を認めることができる。
(ア)申立人は,デンマークの玩具製造会社であり,1934年に,社名を「LEGO」とし,プラスチック製の組立て玩具の製造を開始した。申立人は,1949年頃から,プラスチック製のブロック玩具を開発し,1953年に,これを「LEGO Bricks(レゴブロック)」と名付けた。また,申立人は,1960年代頃から様々な乗りものを当該ブロックで作れように部品の開発をし,当該ブロックのシステム・オブ・プレイ(遊びのシステム)には50以上のセットができた。1970年代頃から,申立人は,その業務に係るブロック玩具を世界各国に進出させた。我が国においては,1962年(昭和37年)に,販売代理店を介してブロック玩具の販売が開始され,その後,申立人は,1978年(昭和53年)に,日本法人であるレゴジャパンを設立し,販路の拡大を図った(甲10)。
(イ)申立人の業務に係るブロック玩具には,主として引用商標5又は引用商標6と同一の構成よりなる商標(単独でいう場合は,以下「LEGOロゴ」という。)及びその片仮名表記である「レゴ」の文字よりなる商標(使用商標)が表示されており,使用商標のうち,LEGOロゴは,日本国周知・著名商標に掲載されている(甲10,甲12,甲22等)。
(ウ)レゴジャパンの売上高は,2012年(平成24年)12月期で約75億円であり,2013年(平成25年)12月期で約81億円であった(甲18)。
(エ)また,申立人(レゴジャパン)は,全国の幼稚園や保育園に,ブロック玩具等の提供を行っており,全国の幼稚園や保育園の半数近くに同玩具が導入されたほか,「レゴ スクール」(申立人が教育用に開発した教材とカリキュラムを使用した教室)等のスクール事業も手掛けている(甲18)。
(オ)さらに,申立人(レゴジャパン)は,その業務に係るブロック玩具について,使用商標を表示した「2015レゴ製品カタログ〈1月?12月〉」(甲12)を,本件商標の登録出願日(平成27年4月24日)前に頒布したと推認することができる。
(カ)以上によれば,使用商標は,申立人の業務に係る商品「ブロック玩具」を表示するものとして,本件商標の登録出願日には既に,我が国の玩具を取り扱う分野の取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることができ,その著名性は,本件商標の登録査定日(平成27年9月1日)においても継続していたものといえる。
イ 出所の混同について
前記アのとおり,使用商標は,申立人の業務に係る商品「ブロック玩具」を表示するものとして,本件商標の登録出願日及び登録査定日の時点において,我が国の玩具を取り扱う分野の取引者・需要者の間に広く認識されていたことを認めることができる。
しかしながら,前記(1)の認定のとおり,本件商標は,引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点についても相紛れるおそれのない非類似の商標であるから,使用商標とも非類似の商標というべきである。
してみると,本件商標に接する取引者・需要者は,本件商標から使用商標を想起又は連想することはないというべきであるから,本件商標をその指定商品について使用しても,申立人又は同人と業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生ずるおそれはないものと認める。
なお,申立人は,本件商標と使用商標とが類似すること,申立人が引用商標を付した被服を販売していること(甲23,甲24)を勘案すると,本件商標をその指定商品について使用した場合は,出所の混同が生ずるおそれは高い旨主張するが,本件商標と使用商標とが非類似の商標であることは前記(1)の認定のとおりである。また,引用商標が申立人の業務に係る商品「被服」を表示するものとして,本件商標の登録出願日前より,我が国の取引者・需要者の間に広く認識されていた事実を認めるに足りる証拠の提出はなく,本件商標と引用商標とが非類似の商標であることを勘案すれば,本件商標の指定商品と引用商標が使用される被服の需要者等が共通することを考慮しても,本件商標は,これに接する取引者・需要者に対して,引用商標を想起又は連想させて商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものとは考えられないから,申立人の上記主張は理由がない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲
1 引用商標5(登録第4087539号商標)

(色彩については,原本参照のこと。)

2 引用商標6(国際登録第869258号商標)

(色彩については,原本参照のこと。)



異議決定日 2016-06-08 
出願番号 商願2015-40196(T2015-40196) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W25)
T 1 651・ 261- Y (W25)
T 1 651・ 263- Y (W25)
T 1 651・ 262- Y (W25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 松田 訓子 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田村 正明
堀内 仁子
登録日 2015-09-18 
登録番号 商標登録第5794650号(T5794650) 
権利者 香川シームレス株式会社
商標の称呼 レグープレミアム、レッグープレミアム、レゴープレミアム、レグー、レッグー、レゴー、プレミアム 
代理人 特許業務法人山内特許事務所 
代理人 岡部 讓 
代理人 田中 尚文 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ