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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない W3536
審判 査定不服 外観類似 登録しない W3536
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W3536
管理番号 1315787 
審判番号 不服2015-22874 
総通号数 199 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-12-26 
確定日 2016-05-23 
事件の表示 商願2015-51379拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第35類「不動産及びそれらの設備又は施設に関する広告,不動産投資に関する市場調査及びその分析並びに情報の提供」及び第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,不動産投資に関する助言,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,生命保険情報の提供,損害保険及び生命保険に関する情報の提供及びコンサルティング」を指定役務として、平成27年5月30日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録第5532218号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成24年4月27日に登録出願、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」を指定役務として、同年11月2日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、赤色で「R」の文字から伸びた線が、該文字を囲うように描かれた図形と、その下に近接して「STORE」の文字が書されており(以下「図形部分」という。)、また、その右側には、「R-STORE」の文字を大きく顕著に表してなり、その右側に、「株式」及び「会社」の文字を上下2段書きで書してなる構成からなるものである。
そして、上記構成によれば、図形部分とその他の文字部分とは、視覚上、明確に分離して看取されるものであり、これらを常に一体不可分のものとしてのみ認識しなければならない格別の事情があるとはいえず、図形部分とその他の文字部分とは、それぞれ独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。
また、文字部分において、「株式」及び「会社」の文字部分は、法人の組織形態(「株式会社」)を表したものであるから、自他役務の識別標識として機能しないものである。
以上のことからすれば、本願商標が常に一体不可分のものとして認識されるものとまではいえず、本願商標の構成中、中央に配した「R-STORE」の文字部分も、独立して取引に資されるというのが相当である。
してみれば、本願商標は、その構成中の「R-STORE」の文字に相応して、「アアルストア」の称呼が生じるが、該文字は、一般に親しまれた意味を有する成語とはいえないことから、一種の造語として理解されるものであり、これより特定の観念は生じないものといえる。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、上段に山型の図形を配し、その下方に大きく顕著に、「R-STORE」の文字を書してなり、その下方に、小さい文字で、「REAL ESTATE BOUTIQUE」の文字を書してなるところ、中央に表された「R-STORE」の文字は、商標全体の半分ほどの大きさで、太いゴシック体で書されてなり、強く支配的な印象を与えるものであり、看者の注意を相当強くひくものというのが相当である。
そうとすると、引用商標は、該「R-STORE」の文字に相応して、「アアルストア」の称呼が生じるが、該文字は、一般に親しまれた意味を有する成語ということはできないことから、一種の造語として理解されるものであり、これより特定の観念は生じないものといえる。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標との類否について検討するに、外観においては、本願商標と引用商標は、その構成全体を比較すれば、構成を異にするものの、本願商標と引用商標の要部である「R-STORE」の文字部分においては、その綴りを共通にするものであるから、外観において、類似するものといえる。
そして、称呼においては、本願商標と引用商標からは、共に「アアルストア」の称呼が生じるものであり、両者は、その称呼を同一にするものである。
また、観念においては、本願商標と引用商標からは、共に特定の観念を生じないから、比較することができないものである。
そうすれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観において類似し、称呼を同一にするものであるから、これらを総合的に勘案すれば、両商標は、類似の商標というべきである。
エ 本願の指定役務と引用商標の指定役務の類否について
本願の指定役務中、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,不動産投資に関する助言」と、引用商標の指定役務とは、同一又は類似するものと認められる。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標と引用商標に接する取引者及び需要者は、「R-STORE」の文字部分のみが独立して自他役務の識別標識としての機能を果たすとみるのは相応しくなく、構成全体をもって、自他役務の識別標識としての機能を果たすとみるのが相当である旨主張するとともに、本願の指定役務の取引者、需要者は、「土地の売買」や「建物の管理」等の比較的金銭的負担が大きい取引を行うにあたり、信頼できる情報を多く提供してくれる会社か否かを入念に調査し、検討するのが通常であり、専門の担当者と店舗や自宅等において対面で相談しながら時間をかけて内容を決定し、契約に至ることが多いものである。このような事情を考慮すると、取引者、需要者は単に商標の構成中、中央に大きく書された「R-STORE」の文字のみに着目して拙速に取引に資することは極めて稀であり、むしろ、纏まりのよい外観を有する特異な本願商標及び引用商標の全体構成に注意深く着目し、取引に資するとみるのが相当である旨を主張する。
しかしながら、本願商標と引用商標は、その構成全体で、常に一体不可分のものとして看取されるとはいえず、その構成中、「R-STORE」の文字部分が独立して、取引に資され得ることは、上記(1)ア及びイのとおりであり、「R-STORE」の文字部分のみを抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、許されるというべきであって、上記(1)ウのとおり、本願商標と引用商標は類似するものである。
よって、請求人の主張はいずれも採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1本願商標(色彩については、原本を参照。)


2引用商標(登録第5532218号)



審理終結日 2016-03-23 
結審通知日 2016-03-25 
審決日 2016-04-05 
出願番号 商願2015-51379(T2015-51379) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W3536)
T 1 8・ 263- Z (W3536)
T 1 8・ 261- Z (W3536)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 齋藤 貴博 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 大井手 正雄
中束 としえ
商標の称呼 アアルストア、ストア、アアル 
代理人 海野 徹 

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