• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商4条1項10号一般周知商標 登録しない W35
管理番号 1314515 
審判番号 不服2014-25252 
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-12-09 
確定日 2016-05-06 
事件の表示 商願2013-50076拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「breeze」の欧文字を標準文字で表してなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成25年6月28日に登録出願され、その後、指定役務については、当審における同27年2月6日受付の手続補正書により、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、兵庫県神戸市中央区三宮町2丁目4-1 所在の株式会社F・O・インターナショナルが、『子供用被服・子供用かばん等の小売等役務』について使用し、本願商標の登録出願前より取引者、需要者間に広く認識されている商標『BREEZE』と同一又は類似であり、かつ、前記役務と同一又は類似の役務に使用するものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第4条第1項第10号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、下記の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知し、意見を求めた。
(証拠調べ通知書の内容)
本願商標は、「breeze」の文字を標準文字で表してなるものである。そして、職権調査及び刊行物等提出書によれば、「breeze」を大文字で表した「BREEZE」の文字が、「株式会社F・O・インターナショナル」が子供服を販売する直営店の店舗名であること、並びに「BREEZE」及び「株式会社F・O・インターナショナル」が、本願の指定役務に含まれる子供服の小売業について、需要者に広く知られていることを示す実情については、以下の事実が認められる。
なお、平成25年11月5日付け刊行物等提出書を「刊行物1」、平成26年1月17日付け刊行物等提出書を「刊行物2」、平成26年2月21日付け刊行物等提出書を「刊行物3」という。
1 書籍、情報誌における「BREEZE」又は片仮名で表記した「ブリーズ」に関する記載について(下線は合議体による。以下同じ。)
(1)「こども市場総覧2015(ボイス情報株式会社)」の70頁に、「13年度子供服 小売売上高ランキング上位50社」の「順位」の「7位」に、「F・O・インターナショナル」の記載、「子供服小売売上高(百万円)」として、「16,393」の記載がある。
また、同71頁に、「◆小売企業・卸売企業ランキングからみる動向」の見出しのもと、「小売企業ランキングを見ると、前年と比較ができる企業95社の総売上高は前年比0.2%増の4625億4000万円という結果となっている。・・・コージィコーポレーション(5.2%増)やブランシェス(7.6%増)、F・O・インターナショナル(8.4%増)などの製造小売業の伸びが大きい。」の記載がある。
さらに、同202頁に、「●事業内容」として、「株式会社F・O・インターナショナル(以下、F・O・インターナショナル)は兵庫県に本社を置き、製造から卸・小売業まで行っている子供服企業。・・・小売業の中心となっているのが直営店での展開で『BREEZE(ブリーズ)』、『apres les cours(アプレ レ クール)』、『ALGY(アルジー)』の3業態で直営店を展開している。」の記載、同206頁及び207頁に、「●事業の現状」として、「■子供服・洋品市場におけるF・O・インターナショナルの立ち位置」の見出しのもと、「しかしこのような状況の中、F・O・インターナショナルの売上高は年々増加傾向にある。設立10年目となる2008年には100億円を超える売上高を記録しており、さらにそこからも堅実に売上高を拡大、2012年には200億円を超え、2014年には250億円を突破している。」の記載、及び「■各ブランドの状況」の見出しのもと、「特に売上の4割ほどを占める『JUNK STORE』は直営店『BREEZE』のみでの展開であり、直営店の占める割合の大きさが伺えるだろう。」の記載がある。
(2)「るるぶ こどもとおでかけ関西(JTBパブリッシング)」の76頁に、「三井ショッピングパークららぽーと甲子園」の見出しのもと、「子育て世代に人気のショッピングモール」の記載及び「おすすめSHOP」として、「☆BREEZE」の記載がある。
(3)「ファッション販売2012.2(株式会社商業界)」の76頁及び77頁に、「企業研究 F・O・インターナショナル」の見出しのもと、「アウターを販売するようになった頃、神戸・三宮に直営店『ブリーズ』の1号店(後に元町店に移設)を開設。・・・アメカジテイストのブリーズはジャンクストアー、ビッツなどのウエアブランドと雑貨を加えた構成。・・・前期末の店舗数はブリーズ131店舗、アプレ・レ・クール24店。前期売上高154億2900万円のうちブリーズ92億4400万円、アプレ・レ・クール10億3000万円、卸販売39億9100万円。主力のブリーズは25?30坪の売場面積で年商7000万?7500万円。」の記載がある(刊行物2、甲48)。
(4)「YanoNews ヤノニュースvol.1704(株式会社矢野経済研究所)」の13頁に、「1.ブランド、及びショップの概要」の見出しのもと、「F.O.インターナショナルでは計8ブランドの展開、4業態直営ショップを出店・運営している。詳細は以下のとおり。」の記載、及び「展開ショップ一覧」の表中に、「業態名(ショップ名)」として、「BREEZE(ブリーズ)」の記載がある(刊行物2、甲50)。
2 新聞記事における「BREEZE」に関する記載について
(1)2004年9月23日付け日本経済新聞42頁
「『ベルモール』来月5日開業、支配人に聞く??『子ども向け』照準、生活密着で特色。」の見出しのもと、「外食の宮グループは十月五日、宇都宮市陽東にショッピングセンター(SC)「ベルモール」を開業する。・・・【表】栃木県内初進出の主要テナント ▽ファッション グローブ、・・・BREEZE、・・・」の記載がある。
(2)2009年3月4日付け日本繊維新聞1頁
「今春、新業態立ち上げ相次ぐ」の見出しのもと、「F・O・インターナショナル(神戸市、小野行由社長)は6月から、女児向けの新業態「マーブルスピンショップ」の出店に乗り出す。・・・主軸の男児向けSPA(製造小売業)ショップ「BREEZE」と2核を成す業態への育成を目指す。」との記載がある。(刊行物2、甲49の6)
(3)2010年3月22日付け神戸新聞地方版27頁
「旧居留地でファッションフェス 子どもモデルさっそう 私たちが流行の最先端!」の見出しのもと、「中央区・旧居留地から最新の流行を発信する『ファッションフェスティバルin神戸旧居留地』が開かれており、21日、子ども服店『BREEZE(ブリーズ)神戸元町店』でファッションショーがあった。」の記載がある。
(4)2010年3月23日付け大阪読売新聞朝刊の32頁
「イオンモール高知一新 9店舗新加入、16店舗が改装=高知」の見出しのもと、「開店10周年を迎えるイオンモール高知(高知市秦南町)が、新装オープンした。・・・県内初出店の子ども服店「BREEZE(ブリーズ)」など春物セールを行う店もあり、人気を集めていた。」の記載がある。
(5)2015年4月12日付け神戸新聞朝刊の13頁
「<経営 新潮流 トップインタビュー>(11)子ども服メーカー F・O・インターナショナル 社長 小野行由さん 業界の常識にとらわれない かわいくて安価を実現」の見出しのもと、「子育て世代から絶大な支持を受ける子ども服メーカー、F・O・インターナショナル(神戸市中央区)。・・・<DATA>1998年創業。2003年、神戸・三宮に直営店『BREEZE』をオープン。」の記載がある。
3 インターネット情報における「BREEZE」又は片仮名で表記した「ブリーズ」に関する記載
(1)「財経新聞」のウェブサイトにおいて、「アメカジ子供服ショップ『BREEZE』公式通販サイトがリニューアルオープン」の見出しのもと、「子供服・服飾雑貨の製造及び販売事業を展開する株式会社F・O・インターナショナル(本社:兵庫県神戸市)は、子供服ショップBREEZE公式通販サイト『and BREEZE』を、1月5日にリニューアルオープンした。」の記載がある。
(http://www.zaikei.co.jp/article/20120106/91477.html)
(2)「@Press」のウェブサイトにおいて、「ディズニー・コレクション キッズ&ベビー服の『BREEZE』で9月14日からデビュー」の見出しのもと、「アメカジキッズ&ベビー服ショップ、「BREEZE(ブリーズ)」を運営する株式会社F・O・インターナショナル(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:小野 行由)は、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社の商品ライセンス部門であるコンシューマ・プロダクツ(ゼネラルマネージャー:中澤 一雄、東京・目黒区)とのライセンス契約に基づき、9月14日(金)からディズニー・コレクションを発売する。」の記載がある。
(https://www.atpress.ne.jp/news/29722)
(3)「繊研plus」のウェブサイトにおいて、「存在感光るSCの子供服専門店 」の見出しのもと、「■『ブリーズスクエア』イオンモール和歌山店(F・O・インターナショナル)他店の参考になる店めざす」の記載及び「F・O・インターナショナルの『ブリーズスクエア』イオンモール和歌山店は、3月16日にオープンした。・・・03年に1号店を出した『ブリーズ』業態は、1着1900円でワクワクするような子供服が買える店として消費者に認知され、坪効率の高い店舗として商業施設からも高評価を得て、多店舗化してきた。・・・ブリーズスクエアは、そのブリーズの進化版だ。」の記載がある。
(http://www.senken.co.jp/news/%E3%80%90%E7%89%B9%E9%9B%86%E3%80%91%E5%AD%98%E5%9C%A8%E6%84%9F%E5%85%89%E3%82%8Bsc%E3%81%AE%E5%AD%90%E4%BE%9B%E6%9C%8D%E5%B0%82%E9%96%80%E5%BA%97/)
(4)「流通ニュース」のウェブサイトにおいて、「イオンモール/新居浜SCを11月に増床リニューアル 店舗/2010年11月04日」の見出しのもと、「イオンモールは11月26日、愛媛県新居浜市のショッピングセンター(SC)『イオンモール新居浜』を一新し、増床リニューアルオープンする。・・・キッズゾーンでは、リーズナブル・アメリカンテイストの子供服ショップ『ブリーズ』、少しおませで生意気なヨーロピアン『BERRY KISS』、『Pep-pits』など5店舗を揃えた。」の記載がある。
(http://ryutsuu.biz/backnumber/store/12667.html)
(5)「繊維月報 vol.564」のウェブサイトにおいて、「座談会」の見出しのもと、「【出席者】(株)F・O・インターナショナル 社長 小野 行由氏」の記載、「小野 ・・・98年に同社が自主クローズしたのを機に、F・O・インターナショナルを設立しました。」の記載及び「小野 4年前から『BREEZE』などの直営店62店舗を展開し、6月の今期末には70店舗になる予定です。」の記載がある。
(http://www.itochu-tex.net/geppo/070401.htm)
4 刊行物等提出書及びその提出者の主張によって認められる事実
(1)株式会社F・O・インターナショナルは、平成10年6月29日に設立された株式会社であり、子供服の製造販売を事業としている(刊行物1、甲1)。
(2)株式会社F・O・インターナショナルの小売店名称は「BREEZE」であり、その店舗数は、平成25年6月末時点で全国で149店舗である(刊行物1、甲2、甲6)。
(3)株式会社F・O・インターナショナルの第16期(平成24年7月1日から平成25年6月末日まで)の広告予算は、年間約1.2億円である(刊行物2、甲46)。
(4)「BREEZE」の第16期(同上)の売上高は、約130億円である(刊行物2、甲47)。
(5)株式会社F・O・インターナショナルの店舗(BREEZE)において、店舗の入口の店舗名を表示する箇所、店舗内サインボード、ベビーコーナーの表示、店舗内のセール割引率の表示、ギフトセットサンプル手書きタグ、ギフトサンプルラッピングバッグ及びリボン止めシール及び領収書に、「BREEZE」の文字が使用されている(刊行物3、甲1)。
(6)請求人が提出した「ファッションブランドの認知に関する調査-調査結果報告書-2014年11月4日」によると、「ブリーズ(BREEZE)」を知っていると回答した者の数は、1043名中の267名であり、アンケート回答者全体における認知率は、25.6%である(平成27年2月9日受付の手続補足書、甲6)。

第4 証拠調べ通知に対する意見書の要旨
請求人は、前記第3の証拠調べ通知に対して、平成28年1月8日受付の意見書において、以下のように意見を述べている。
1 証拠調べ通知書では、書籍や情報誌について4点を示しているが、「るるぶ」を除き、いずれも業界誌を推測されるものであり、当該4点によって、引用商標が需要者に広く知られているということはできない。
2 国内アパレルの市場規模は、2011年小売金額ベースで9兆502億円に達し、カジュアル衣料専門店の市場においても2012年度で1兆1,477億円の市場規模に達することから、2013年度の子供服の小売売上高が163億9,300万円である株式会社F・O・インターナショナルの売上が高いものであるとはいえない。さらに、この売上高には引用商標以外のブランドによるものも含まれている。
3 証拠調べ通知書で引用した新聞記事は、2004年に1回、2009年に1回、2010年に2回、2015年に1回に過ぎず、需要者に広く知られているということはできない。さらに、日本経済新聞や業界紙である日本繊維新聞は、一般的な子供服の需要者に対するものではなく、地方版や地方新聞は配付エリアも限られるから、需要者が目にする機会も低いため、引用商標の周知性に与える影響が低い。
4 証拠調べ通知書で引用したインターネット情報は、「財形新聞」や「繊研plus」など、一般的な需要者を対象にするものではなく、需要者が目にする機会も低いため、引用商標の周知性に与える影響が低い。
5 「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」にかかる「被服」を取扱う事業所としては、「衣料品専門店」、「衣料品スーパー」、「衣料品中心店」を合わせて、160,973の事業所が存在する。このことから、「BREEZE」の店舗数(平成25年6月末時点で全国149店舗)は、多いとはいえない。
6 株式会社F・O・インターナショナルの第16期(平成24年7月1日から平成25年6月末日まで)の広告予算は、年間約1.2億円であるところ、ファーストリテーリング社の2013年度の広告費525億1,900万円に比べ、特段に多いとはいえない。
以上のように、証拠調べ通知書で引用された資料を参酌したとしても、引用商標は、需要者の間に広く認識されている商標とはいえないから、本願商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものではない。

第5 当審の判断
1 商標法第4条第1項第10号該当性について
(1)引用商標「BREEZE」の周知性について
株式会社F・O・インターナショナル(以下「F・O・インターナショナル社」という。)は、平成10年6月29日に設立された子供服等の製造販売を事業とする株式会社であり、引用商標「BREEZE」を、子供服を販売する直営店の店舗名に使用しているものである。(http://www.fo-kids.co.jp/brand/)
そして、前記第3の証拠調べ通知に記載した事実によれば、F・O・インターナショナル社の売上高は設立10年目となる平成20年には100億円、同24年には200億円を超え、同26年には250億円を突破しており、同社の第16期(平成24年7月1日から同25年6月末日まで)の広告予算は、年間約1.2億円である。
また、同社が使用する引用商標は、同社における主力ブランドであって、店舗名にも使用されているものであり、その店舗数は、本願商標の登録出願時である平成25年6月末時点で、全国で149である。さらに、それらは直営店のほか、イオンモール、ららぽーとなどの大手ショッピングセンターや百貨店へ出店している。加えて、同社及び引用商標については、新聞記事情報等に多数取り上げられるなど、子供服等の製造販売に関する業界においては、全国的にも広く知れ渡っているものというのが相当である。
してみると、引用商標は、本願商標の登録出願時(平成25年6月28日)はもとより、現在においても、F・O・インターナショナル社の業務に係る子供服の製造販売に関する役務を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されている商標と認められるものである。
(2)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、前記第1のとおり、「breeze」の欧文字からなるところ、該文字は、「そよ風、微風」等の意味を有する英語であり、その構成文字に相応して「ブリーズ」の称呼を生じ、「そよ風、微風」の観念を生ずるものである。
一方、引用商標は、「BREEZE」の欧文字を書してなるところ、該文字は、上記(1)のとおり、その構成文字に相応して「ブリーズ」の称呼を生じ、「そよ風、微風」の観念を生ずるものである。
そこで、本願商標と引用商標を比較すると、外観においては、本願商標と引用商標は、小文字で表しているか大文字で表しているかの差異はあるものの、文字の綴りが同じであるから、近似した印象を与えるものである。
称呼においては、本願商標は「ブリーズ」の称呼を生じ、引用商標も「ブリーズ」の称呼を生ずるものであるから、両商標は称呼を同一にするものである。
観念においては、本願商標は「そよ風、微風」の観念を生じ、引用商標も「そよ風、微風」の観念を生ずるものであるから、両商標は観念を同一にするものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において近似した印象を与え、称呼及び観念を同一にするものであるから、互いに紛らわしい類似の商標と認められる。
(3)本願の指定役務と引用商標の役務の類否について
本願の指定役務は、前記第1のとおり、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」であるところ、これは、引用商標に係る子供服の小売等の役務である「子供服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と、同一又は類似する役務である。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、F・O・インターナショナル社の子供服の店舗名(小売業)を表示するものとして、本願商標の登録出願時に需要者の間に広く認識されていた引用商標「BREEZE」と類似の商標であって、他人の業務に係る「子供服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に類似する役務について、使用をするものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、意見書において種々述べているところ、特に、国内アパレル市場の小売売上高の規模や大手アパレル企業の広告費とF・O・インターナショナル社の小売売上高や広告費とを比較すると、同社の小売売上高や広告費は、特段、多いものであるとはいえないから、引用商標は周知でない旨主張する。
しかしながら、F・O・インターナショナル社は、子供服等製造販売を事業とする会社であって、乳幼児から小学生までの子供服を取り扱っているものであるところ、全国にある店舗も149店にのぼり、我が国の子供服を中心とする業界においては、2013年の子供服・洋品市場が全体で7,485億円であり、そのうち、同社の2013年度の子供服の小売売上高は、約163億円で、第7位に位置しているものである(前記「第3 1(1)」のこども市場総覧2015の67頁参照)。
そうすれば、F・O・インターナショナル社が子供服市場において子供服の小売売上高のランキングの上位に位置し、その子供服市場の多くの需要者によって、同社の商品が購買されている事実が認められるものであるから、同社が使用する引用商標は、当該子供服等の分野における需要者に広く知られているというのが相当である。
そして、その周知性は査定時においても継続していることは上記1のとおりであるから、請求人の主張は採用することができない。
3 結論
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2016-02-22 
結審通知日 2016-02-23 
審決日 2016-03-24 
出願番号 商願2013-50076(T2013-50076) 
審決分類 T 1 8・ 25- Z (W35)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中束 としえ旦 克昌 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 榎本 政実
清棲 保美
商標の称呼 ブリーズ 
代理人 特許業務法人 ユニアス国際特許事務所 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ