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審決分類 審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 取り消して登録 W20
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 W20
管理番号 1314505 
審判番号 不服2015-15882 
総通号数 198 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-06-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-08-27 
確定日 2016-05-24 
事件の表示 商願2014-45393拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第20類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成26年6月4日に登録出願されたものである。
そして、その指定商品については、原審における平成27年2月12日受付及び審判請求と同時に提出した同年8月27日受付の手続補正書により、第20類「パン製品の袋やパン製品の包装をとじるためのプラスチック製クリップ,パン製品の包装用プラスチック製袋口止め具,パン製品の袋用プラスチック製口止具」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、別掲のとおりの立体形状からなるところ、その指定商品の用途、機能から予測し難いような特異な形態や特別な印象を与える装飾的形状等を備えているものとは認められず、取引者、需要者は、本願商標から、その指定商品である『食品の袋や食品の包装をとじるためのプラスチック製クリップ,食品の包装用プラスチック製袋口止め具,食品の袋用プラスチック製袋口止具』の形状そのものを認識するにとどまり、その形状自体が自他商品の識別力を有するものとは認められないから、指定商品の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、出願人が提出した証拠によっては、本願商標がその指定商品全般において、使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているとはいえないため、商標法第3条第2項の要件を具備しない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、別掲のとおり、中央にU字状の穴を有する矩形の板であり、その外側から中央の穴に向かって切り込みが入り、切り込み部分は中央の穴に向かってフックのように内側に入り込んだ形状となっている。また、右上の隅及び左下の隅、右下部及び左上部には凸部を有し、右上隅凸部の下及び左下隅凸部の上に凹部を有する形状からなるところ、当該形状は、本願の指定商品である「パン製品の袋やパン製品の包装をとじるためのプラスチック製クリップ,パン製品の包装用プラスチック製袋口止め具,パン製品の袋用プラスチック製口止具」においては、袋や包装を束ねるための中央の穴と袋や包装を前記穴に通すための通路となるべき切り込み部分からなることから、商品に一般に採用されている形状の一形態を表したものと認識されるものである。そして、本願商標の左右にある凹凸部分についても、機能上又は美感上の理由により選択された形状を脱し得ないものといえる。
そうすると、本願商標の立体的形状は、未だ商品の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解するのが相当であり、本願商標の指定商品の形状として、需要者の予測可能な範囲内のものというべきである。
したがって、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、単に商品の形状を普通に用いられる方法で表示したにすぎないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)商標法第3条第2項について
ア 請求人(出願人)は、本願商標が、仮に、商標法第3条第1項第3号に該当するものであっても、同条第2項に規定する、使用された結果需要者が何人かの業務に係る商品であると認識することができる旨主張し、甲第1号証ないし甲第10号証を提出しているので、以下、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するものであるかについて検討する。
(ア)商標の同一性、使用開始時期等
出願人と持ち株会社を同一にする兄弟会社であるクイック・ロック・ジャパン株式会社(以下「出願人の日本法人」という。)は、平成19年から現在に至るまで継続して、日本国内において、本願商標と同一の態様の立体的形状からなる「パン製品の袋やパン製品の包装をとじるためのプラスチック製クリップ,パン製品の包装用プラスチック製袋口止め具,パン製品の袋用プラスチック製口止具」(以下「本願商品」という。)を製造、販売しているものである(甲2、3、7、8)。そして、当審における職権調査では、本願商標と同一の形状からなるパン製品の袋用の口止め具について、出願人の日本法人以外が製造、販売している事実は見当たらなかった。
(イ)販売実績等
出願人の日本法人による、本願商品の我が国における販売実績は、平成19年から製造、販売が開始され、これまでに180億個以上販売されているものであり、平成20年度から平成25年度の平均では、年間26億個以上が販売され、毎年8?10億円の売り上げがある(甲2)。また、本願商品は、製パン業界の主要三社である山崎製パン株式会社、敷島製パン株式会社及びフジパン株式会社の各社における全国の工場に納品され、三社の合計数でも年間約19億4千万個(甲3)に達する。
そして、上記本願商品の販売数は、出願人の算出による、食パンの生産量の推計や、提出された新聞や雑誌の記事によれば、パン製品の袋用の口止め具における本願商品のシェアは、食パンについては100パーセントに近く、パン製品全体でもほぼ独占的なものと推認できる(甲4、5、8)。
(ウ)宣伝広告等
出願人の日本法人は、「FOOMA JAPAN」や「日本国際包装機械展」等の食品機械や包装機械、包装資材等の業界向けの展示会に平成19年度から平成26年度までに25回出展し、本願商品について、毎回100部から1000部のカタログやチラシを配布していることが認められる(甲6)。また、提出された資料によれば、本願商品が出願人の日本法人の取り扱いに係る商品であることについて少なくとも新聞や雑誌に4回、テレビに7回取り上げられているものである(甲8、9)。
(エ)アンケート結果
出願人の日本法人が、本願商標の需要者である、パン製品を製造、販売するメーカーの担当者を中心に行ったアンケートによれば、本願商品を見た回答者の9割が出願人の日本法人の取り扱いに係る商品であることを認識しており、残りの1割についても他の企業名を回答した者は1人も存在していない(甲10)。
イ 小活
上記アによれば、出願人の日本法人によって平成19年から現在に至るまでの約9年間にわたって、継続的に本願商品が製造され、日本全国へ毎年26億個程度販売されているものであり、食パン製品の袋用の口止め具においては、100パーセント近いシェアを有しているものと認められる。また、本願商品の宣伝広告も業界向けの展示会に出店するなど継続的になされてきたものであり、その主たる需要者である、パン製品を製造、販売するメーカーにおける認知度も9割に達している。
そうすると、本願商標は、その指定商品「パン製品の袋やパン製品の包装をとじるためのプラスチック製クリップ,パン製品の包装用プラスチック製袋口止め具,パン製品の袋用プラスチック製口止具」について、出願人の日本法人により、長年の間、継続的に使用をされた結果、需要者が、出願人の業務に係る商品であることを認識するに至ったものというのが相当である。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するとしても、同条第2項の要件を具備するものであり、商標登録を受けることができるものであるから、原査定は取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本願商標)


審決日 2016-05-10 
出願番号 商願2014-45393(T2014-45393) 
審決分類 T 1 8・ 17- WY (W20)
T 1 8・ 13- WY (W20)
最終処分 成立 
前審関与審査官 山ノ内 智晴吉野 晃弘椎名 実 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 豊泉 弘貴
酒井 福造

代理人 山口 朔生 
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