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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W35
審判 全部申立て  登録を維持 W35
審判 全部申立て  登録を維持 W35
審判 全部申立て  登録を維持 W35
審判 全部申立て  登録を維持 W35
管理番号 1313250 
異議申立番号 異議2015-900251 
総通号数 197 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-05-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-07-29 
確定日 2016-03-25 
異議申立件数
事件の表示 登録第5761214号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5761214号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5761214号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,平成26年12月26日に登録出願,第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として,同27年4月10日に登録査定がされ,同年4月24日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,登録異議の申立ての理由において引用する登録商標は,以下の4件であり,いずれも現に有効に存続しているものである。(以下,これらをまとめて「引用商標」という。)
(1)登録第3322058号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲2のとおり,「MANGO」の文字を書してなり,平成7年1月9日に登録出願,第25類「被服(「和服」を除く。),ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物(「げた,草履類」を除く。)」を指定商品として,同9年6月13日に設定登録され,その後,同19年6月19日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第4105212号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲2のとおり,「MANGO」の文字を書してなり,平成8年3月22日に登録出願,第14類「貴金属製のがま口及び財布,貴金属製コンパクト,貴金属製喫煙用具,身飾品,時計」を指定商品として,同10年1月23日に設定登録され,その後,同20年1月29日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(3)登録第4105213号商標(以下「引用商標3」という。)は,別掲2のとおり,「MANGO」の文字を書してなり,平成8年3月22日に登録出願,第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ・つえ」を指定商品として,同10年1月23日に設定登録され,その後,同20年1月29日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(4)国際登録第787301号商標(以下「引用商標4」という。)は,別掲3のとおり,「MANGO」の文字を書してなり,2002年7月9日に国際商標登録出願,第18類「Leather and imitation leather, goods made thereof not included in other classes; animal skins and hides; trunks and suitcases; umbrellas; parasols and walking sticks; whips and saddlery.」を指定商品として,2003年10月24日に設定登録され,その後,2012年7月9日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号,同第15号及び同第19号に該当するから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第81号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標について
本件商標は,赤色の正方形の中に,白色で,「MANGO」及び「HOUSE」の各文字を2段に大きく表し,その下に「OKINAWA」の文字を小さく表してなる。各文字部分のうち,「OKINAWA」は,地名の「沖縄」を表した欧文字であり,本件指定役務との関係では,役務の提供場所が「沖縄」であることを認識させるに過ぎず,「OKINAWA」の文字部分には,役務の出所識別機能は認められない。
また,「HOUSE」の文字は,「家,ハウス」の意味で一般的に広く知られた英単語であり,さらに,「最新の高級服のメーカー」が「Fashion House」や「Maizon」(「家」という意味のフランス語)と呼ばれており(甲6?甲11),「ハウス」の語自体は,ファッションに関する分野で独創性の高い語ではない。ファッション関連商品の小売等役務との関係でも,「HOUSE(ハウス)」の文字を含む商標が116件も登録され(甲12),当該分野では,「HOUSE(ハウス)」の語が好んで採択されている。よって,本件商標の「HOUSE」の文字は,本件商標の指定役務との関係において,比較的ありふれた単語であり,役務の出所識別機能は極めて弱いといえる。
一方,本件商標において,果物の「マンゴ」を英語で表した「MANGO」の文字は,本件商標の指定役務との関係で独創性が高く,強い識別性を有することは明らかである。
したがって,「MANGO」,「HOUSE」及び「OKINAWA」の各文字部分からなる本件商標においては,「MANGO」の文字部分が要部となり,この部分から生じる称呼及び観念をもって取引に供されるというべきである。
(2)申立人及び引用商標の著名性について
ア 申立人及び申立人の「MANGO」ブランドの店舗数及び年間売上高
申立人は,被服,バッグ,アクセサリー,帽子,履物等のデザイン及び製造小売を行うスペインの世界的人気ブランド「MANGO」を管理する法人である。
「MANGO」のデザイン・製造・販売は,MANGO MNG HOLDING S.L.及びその子会社から構成されるMANGOグループ(以下「申立人会社」という。)が行っている。申立人会社は,1984年にスペインで「MANGO」1号店をオープンした(甲13)。「MANGO」ブランドは,開業から9年後の1993年にはスペイン国内第100号店がオープンし,都会的な洗練された女性のファッションブランドとして確固たる地位を築きあげた(甲17)。
また,申立人会社は,海外事業を積極的に推進しており,1992年にポルトガルで初の海外店舗をオープンして以降,シンガポール及び台湾(1995年進出),パリ(1997年進出),ロンドン(2000年進出),オーストラリア・ブルガリア・中国(2002年進出),米国(2006年進出)等多数の国に進出し,2007年度時点で「MANGO」の世界の店舗数は1000店舗を突破し,2010年度時点で,進出国数は100か国を超えるまでに拡大した(甲17)。1997年度の時点で,国外の売上高がスペイン国内の売上高を超えるまでに海外事業は拡大し,申立人会社は,スペインの繊維業界で第2位の輸出企業となった(甲16)。
「MANGO」ブランドの2007年度?2013年度の世界の進出国・店舗数及び売上高は総じて拡大を続けており,「MANGO」は,世界的なファッションブランドとして着実な成長を遂げている(甲15?甲18)。
なお,申立人会社の地域別売上比率は,約5割近くが欧州連合域内での売上であり,約2割がスペイン国内の売上であり,約3割が残りの国での売上となっている。このように,申立人の「MANGO」は,1984年にスペインで創業してから30年の間に,国際的なファッションブランドとして大きな成長を遂げた。
日本においても,「MANGO」ブランドは,女性に人気のファッションブランドとして人気を博している。申立人は,1996年春から日本に進出し,渋谷,福岡,北九州,新潟,及び滋賀県大津に「MANGO」の店舗をオープンし,自社ブランドの香水,女性用衣服,履物,バッグ,ベルト,スカーフ,サングラス等を販売した(甲19)。1999年頃には,「MANGO」の店舗は,全国23都市にまで拡大し,女性に人気のファッションブランドとなった(甲20)。また,店舗での販売と並行し(甲19?甲26),2014年10月からは「MANGO」ブランドの日本のオンラインショッピングサイトを開設し,女性用被服,アクセサリー,バッグ,財布,サングラス,帽子,手袋,傘等の小売販売を行っている(甲13)。なお,申立人の日本国内での「MANGO」ブランドの商品売上高は,2009年度には5億9300万円,2010年度には6億500万円,2011年度には7億1000万円,2012年度には6億9200万円,2013年度には6億4600万円,そして,2014年度には7億6900万円と上昇している。
イ 宣伝広告活動
申立人は,海外事業を展開し始めた1992年頃から,「MANGO」ブランドのキャンペーンモデルに,クラウディア・シファーやナオミ・キャンベル(甲27,甲28)等の世界的に著名なモデルや女優を起用し,現代的な都会の女性が日常的に着るファッションをコンセプトに,世界的な「MANGO」ブランドの浸透に尽力してきた。その後のキャンペーンモデルには,ミランダ・カー(甲17),ペネロペ・クルス(甲22),スカーレット・ヨハンソン(甲23?甲25),ケイト・モス(甲26),カーラ・デルヴィーニュ等,我が国でも広く知られた著名人が名を連ねている。
ウ 業界紙での評価・掲載記事
世界的なブランドコンサルティング会社であるInterBrandが毎年発表するランキングにおいて,「MANGO」ブランドは,「欧州の高実績小売りブランドランキング」で2008年度に第19位(甲59),2009年度及び2014年度に第17位(甲60,甲63)を獲得した。
日本においても,申立人会社が「MANGO」の旗艦店を都内に出店することが繊研新聞で掲載され,女性ファッション雑誌「ELLE Japon」(1999年12月号)において,旗艦店のマンゴ渋谷店とともに,「トレンドを取り入れながら,シックでコーディネートしやすいアイテムが人気のマンゴ。日本でも’96年春に上陸して以来,ファンを増やしている」と紹介されるなど,その動向は,被服業界でも常に注目されてきた(甲65,甲66)。
エ 「MANGO」ブランドの著名性を認定した海外の商標登録異議決定例
申立人は,「MANGO」ブランドの信用保護のため,海外の類似商標に対して積極的に異議申立を行っているところ,下記のように,欧州,台湾,トルコ,韓国,フランスで行った登録異議申立では,「MANGO」ブランドの著名性が認定され,第三者の類似商標を取り消す異議決定が下されている(甲73?甲81)。
オ 小括
以上のとおり,申立人会社の引用商標「MANGO」は,申立人会社が自らデザインし製造販売する被服,履物,帽子,かばん類,財布,ベルト,アクセサリー,傘等のファッション関連商品及びその小売業務に長年使用され,本国スペインや欧州はもちろんのこと,我が国においても,需要者及び取引者の間において,極めて広く知られた商標である。また,その周知著名性は,本件商標の出願時(平成26年12月26日)及び登録時(平成27年4月24日)にも維持されていたことは,上記で述べた事実からも明らかである。
(3)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標の称呼については,上述のとおり,本件商標は「MANGO」の文字部分を要部とすることから,「マンゴハウスオキナワ」という称呼の他,「マンゴ」の称呼をも生じるというべきである。
さらに,観念においては,本件商標の「MANGO」部分からは,果物の「マンゴ」という観念の他,ファッション及びファッション小売り分野において周知著名な申立人会社の「MANGO」という観念が生じる。
一方,引用商標からは,「MANGO」の文字より「マンゴ」の称呼を生じ,申立人の国際的なファッションブランドの「MANGO」という観念が生じる。
そうすると,本件商標と引用商標とは,称呼及び観念を同一にする商標であり,さらに,外観においても,「MANGO」という共通する文字を含む。
してみれば,時と所を異にして本件商標に接した需要者は,引用商標と出所について誤認混同するおそれがあることから,本件商標は,引用商標に類似する商標というべきである。
したがって,本件商標の指定役務は,引用商標の指定商品と類似するものであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標は,申立人がファッション関連商品及びその小売業務について使用する著名な引用商標「MANGO」を容易に想起させる商標であり,その指定役務は引用商標の指定商品と類似する。さらに,本件商標と引用商標の需要者及び取引者が共通することは明らかであり,本件商標がその指定役務に使用された場合,これに接する取引者・需要者は,恰も申立人会社と経済的若しくは組織的に何等かの関係がある者の業務に係る役務であるかの如く,その役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
(5)商標法第4条第1項第19号該当性について
本件商標は,世界的に著名な申立人会社のブランド「MANGO」の文字に,ありふれた「HOUSE」の文字と,役務としての識別力を有しない「OKINAWA」の文字を結合させたにすぎない商標である。
申立人は,本件商標の出願より20年前から日本で「MANGO」ブランドの店舗をオープンし,1999年頃からはファッション雑誌で「MANGO」ブランドの宣伝を大々的に行い,日本での「MANGO」ブランドの普及に鋭意努力してきた。その結果,本件商標の出願時(平成26年12月26日)には,申立人会社の「MANGO」は,多くのファッション情報サイトやインターネットニュース等で話題となるようになった。
かかる取引実情に鑑みれば,同じファッション業界にいる本件商標の出願人が,その出願時に著名であった引用商標の存在を知らなかったとはいい難く,本件商標は,引用商標に化体した高い名声と信用にフリーライドする意図で使用するものであるので,商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は,別掲1のとおり,赤色の四角形の図形内に白抜き文字で「MANGO」及び「HOUSE」の欧文字を二段に大きく表し,その下に「OKINAWA」の欧文字を小さく表した構成よりなるところ,当該文字部分中の「OKINAWA」の文字は,他の文字に比して小さく表されており,かつ,日本最南端の県である沖縄をローマ字表記したものと把握され,商品及び役務の産地,販売地等を表す語として認識し,自他商品・役務の識別標識としての機能を有しないか,極めて弱いものといえるものである。これに対し,「MANGO」及び「HOUSE」の文字は,上下二段に配しているとしても,同じ書体,同じ幅,同じ大きさをもって赤色の四角図形内にまとまりよく一体的に表され,その構成文字全体から生じる「マンゴハウス」の称呼も,よどみなく一連に称呼し得るものである。
しかして,その構成中,「MANGO」の文字は,「ウルシ科の常緑高木。代表的な熱帯果実。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)を意味し「果実としてのマンゴ」の意味合いを有し,また,「HOUSE」の文字は,我が国において,「家。住宅。」(前掲 広辞苑第六版)を意味する親しまれた英語であるとしても,本件指定役務との関係からみれば,該文字が役務の質等を表示するものとして捨象すべき理由を見いだすことはできないものである。
そうすると,該「MANGO/HOUSE」の文字部分は,その一体的に表された構成及びその称呼によれば,その構成文字が一体不可分のものとして認識,把握されるとみるのが相当である。
また,該「MANGO/HOUSE」の文字部分は,それぞれの文字の意味からすると,「マンゴの家」程の意味合いが看取されるとしても,これからは,直ちに特定の観念は生じないものというべきである。
してみれば,本件商標は,その構成文字全体に相応する「マンゴハウスオキナワ」の称呼のほか,「マンゴハウス」の称呼を生じるものであり,また,特定の観念は生じないものである。
イ 引用商標について
引用商標は,別掲2及び別掲3のとおり,レタリングされた「MANGO」の文字を書してなるところ,その構成文字に相応して「マンゴ」の称呼を生じ,「(果実としての)マンゴ」の観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較すると,外観においては,上記ア及びイのとおり,本件商標は,文字と図形の結合商標からなるものであり,引用商標は,欧文字のみであって,それぞれの構成態様に明らかな差異を有するものであるから,外観上,両者は判然と区別し得るものである。
称呼においては,本件商標から生ずる「マンゴハウス」及び「マンゴハウスオキナワ」の称呼と引用商標から生ずる「マンゴ」の称呼とは,構成音数の明らかな相違に加え,「ハウス」及び「ハウスオキナワ」の音の有無に差異を有するものであって,これらをそれぞれ一連に称呼したとしても,語調,語感が明らかに異なり,称呼上,両者は明確に聴別されるものである。
観念については,本件商標からは,特定の観念は生じないものであるのに対し,引用商標からは,「(果実としての)マンゴ」の観念を生じるから,観念上,両者は類似するところがないものである。
したがって,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点からみても,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
エ 申立人の主張について
申立人は,「HOUSE」の語が,ファッション関連商品分野では独創性が高い語ではなく,ありふれた単語であるから識別機能が極めて弱い旨主張する。
しかしながら,「HOUSE」の語が我が国で親しまれた英語であるとしても,直ちに役務の質等を表示するものとはいい難いものであり,また,本件商標は,その構成中「MANGO」の文字部分のみが取引者,需要者に対し,役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとする事情や,それ以外の部分を捨象すべき事情も見いだせないものである。
よって,申立人の上記主張は,採用することができない。
オ 小括
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の著名性について
(ア)申立人の提出する証拠及び同人の主張によれば,以下のとおりである。
a 申立人は,被服,バッグ,アクセサリー,帽子,履物等のデザイン及び製造小売を行う「MANGO」を管理する法人で,1984年にスペインで「MANGO」1号店をオープン(甲13)し,1993年にはスペイン国内第100号店がオープンした(甲17)。
b 申立人は,海外事業を積極的に進出し,2007年度時点で「MANGO」の世界の店舗数は1000店舗を突破し,2010年度時点で,進出国数は100か国を超えるまでに拡大した(甲17)。
c 申立人会社の地域別売上比率は,約5割近くが欧州連合域内での売上であり,約2割がスペイン国内の売上であり,約3割が残りの国での売上となっている。
d 1996年春から日本に進出,「MANGO」の店舗をオープンし,また,店舗での販売と並行し,2014年10月からは「MANGO」ブランドの日本のオンラインショッピングサイトを開設し,女性用被服,アクセサリー,バッグ,財布,サングラス,帽子,手袋,傘等の小売販売を行っている(甲13,甲19?甲26)。
e 申立人の日本国内での「MANGO」ブランドの商品売上高は,2009年度には5億9300万円,2010年度には6億500万円,2011年度には7億1000万円,2012年度には6億9200万円,2013年度には6億4600万円,そして,2014年度には7億6900万円である。
f 1992年頃から,「MANGO」ブランドのキャンペーンモデルに,大女優やスーパーモデルを起用している(甲17,甲22?甲36)。また,1999年から2011年の間に雑誌に掲載している(甲37?甲41,甲43,甲45,甲46)。
(イ)上記(ア)で認定した事実によれば,申立人は,被服,バッグ,アクセサリー,帽子,履物等の製造小売を行う企業であって,1984年にスペインで1号店をオープンし,1993年にはスペイン国内第100号店がオープンしている(甲13,甲17)。
そして,申立人は,海外事業に進出し,地域別売上比率は,約5割近くが欧州連合域内,約2割がスペイン国内,約3割が残りの国での売上となっていることからすると,引用商標は,同人の業務に係る商品「被服,バッグ,アクセサリー,帽子,履物」等を表示する商標として本件商標の登録出願時及び登録査定時には,主にスペインの取引者,需要者の間において,申立人の商品を表示するものとして広く認識されていたことは優に推認し得るところである。
一方,申立人は,我が国においては,上記(ア)dのとおり,1996年春から進出し,香水,女性用衣服,履物,バッグ,ベルト,スカーフ,サングラス等を店舗販売した。また,2014年10月からオンラインショッピングサイトを開設し,女性用被服,アクセサリー,バッグ,財布,サングラス,帽子,手袋,傘等の小売販売を行っており,国内での「MANGO」ブランドの商品売上高は,2014年度には7億6900万円である。
また,我が国向けの商品カタログや雑誌に,引用商標及び申立人の商品が掲載されていることが認められ(甲19?甲26,甲37?甲41,甲43,甲45,甲46),申立人の商品を取り扱う分野の取引者及び比較的若い世代を中心とした一般の消費者の間では,引用商標がある程度知られていたものと認めることができる。
しかし,国内のファッション分野における市場規模は相当なものといえるところ,上記のとおり,我が国における申立人の商品の販売額は,7億6900万円程度しかなく,提出された商品カタログの内容は,英文で表記されたものであって,その配布量を裏付ける証拠はないし,また,申立人の商品が雑誌に掲載されている事実はあるものの,引用商標を使用した宣伝,広告費についての証拠の提出もないから,提出された証拠をもって,使用商標の著名性を直ちに基礎付けることはできない。
なお,我が国でのショッピングサイトでの販売は認められるとしても,小売等商品の市場比率(シェア)なども明らかではないし,1999年?2011年にかけて雑誌に引用商標に係る商品が,掲載されているとしても,我が国に進出当初の1999年及び2008年の紹介記事が大部分であって,ごくわずかな期間であるといえる。
加えて,2014年度以外の商品売上高については,2009年度が5億9300万円,2010年度が6億500万円,2011年度が7億1000万円,2012年度が6億9200万円,2013年度が6億4600万円とさらに少なく,これが我が国において如何なる規模に当たるのかも定かでなく,その販売実績をもって市場比率(シェア)等の把握は容易でない。
そうすると,申立人の商品を取り扱う分野の取引者及び比較的若い世代を中心とした一般の消費者の間における引用商標の認知度について一定の推定をすることができても,一般的な需要者層における引用商標の認知度は,推し量ることができないものである。
その他,引用商標が,申立人商品を表示するものとして,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国の取引者,需要者の間に広く認識されていたと認めるに足りる証拠の提出もない。
以上を総合勘案すると,引用商標の周知,著名性は,提出された甲各号証をもってしては,主にスペインの取引者,需要者など限られた範囲にとどまるものといわなければならず,引用商標は,申立人商品を表示するものとして,本件商標の登録出願日及び登録査定日の時点において,我が国の取引者,需要者の間に広く認識されるに至っていたとまでは認めることができない。
イ 出所の混同について
上記アのとおり,引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,我が国の需要者に広く認識されていたとはいえないものであり,また,本件商標は,前記(1)のとおり,引用商標とは非類似であって別異のものとして認識,把握されるものといえることからすれば,本件商標をその指定役務に使用した場合,これに接する取引者,需要者が引用商標を連想,想起することはないというべきであり,その小売り等に係る役務が申立人又は同人と経済的,組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのごとく,その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第19号該当性について
本号は,「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって,不正の目的(不正の利益を得る目的,他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもって使用をするもの(前各号に掲げるものを除く。)」と規定されている。
そうすると,引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として主にスペインにおいて認識されているとしても,本件商標と引用商標とは類似するところのない別異のものであるから,本件商標は商標法第4条第1項第19号を適用するための要件を欠くものといわざるを得ない。
また,不正の目的についても,申立人は,引用商標が周知,著名であることを前提に,本件商標が引用商標の有する名声,信用,評判へのフリーライドを目的とするものである旨主張しているが,引用商標の周知,著名性は上記のとおりであり,申立人の提出に係る証拠によっては,本件商標の使用が引用商標に蓄積された名声や信用にフリーライドし,それらを毀損させるものというべき事実は見出し難いばかりでなく,他に,本件商標が不正の利益を得る目的,他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用するものであることを具体的に示す証拠はない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(4)結び
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号,同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標:色彩については原本参照)


別掲2(引用商標1?引用商標3)


別掲3(引用商標4)



異議決定日 2016-03-16 
出願番号 商願2014-110204(T2014-110204) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W35)
T 1 651・ 263- Y (W35)
T 1 651・ 261- Y (W35)
T 1 651・ 271- Y (W35)
T 1 651・ 222- Y (W35)
最終処分 維持 
前審関与審査官 谷村 浩幸 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 榎本 政実
井出 英一郎
登録日 2015-04-24 
登録番号 商標登録第5761214号(T5761214) 
権利者 有限会社マンゴハウス
商標の称呼 マンゴーハウスオキナワ、マンゴーハウス、マンゴー、ハウス、オキナワマンゴー 
代理人 松井 宏記 
代理人 宗助 智左子 
代理人 石上 和輝 
代理人 山田 威一郎 
代理人 田中 景子 
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