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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W0305
審判 全部申立て  登録を維持 W0305
審判 全部申立て  登録を維持 W0305
審判 全部申立て  登録を維持 W0305
審判 全部申立て  登録を維持 W0305
管理番号 1312095 
異議申立番号 異議2015-900351 
総通号数 196 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-11-06 
確定日 2016-03-04 
異議申立件数
事件の表示 登録第5783861号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5783861号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5783861号商標(以下「本件商標」という。)は、「リプレアEX」の文字を標準文字で表してなり、平成27年2月6日に登録出願、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品」及び第5類「薬剤,サプリメント」を指定商品として、同年7月14日に登録査定、同年8月7日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てにおいて引用する商標は、以下の登録商標(以下、これらを総称する場合は「引用商標」という。)であって、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4542585号商標(以下「引用商標1」という。)は、「リフレア」の片仮名を標準文字で表してなり、平成12年11月9日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,洗濯用柔軟剤,つや出し剤,靴クリーム,塗料用剥離剤」及び第5類「薬剤,歯科用材料,医療用腕環,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,人工受精用精液,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,乳児用粉乳,乳糖,はえ取り紙,ばんそうこう,包帯,包帯液,防虫紙,胸当てパッド」を指定商品として、同14年2月8日に設定登録されたものである。
(2)登録第4549844号商標(以下「引用商標2」という。)は、「refrea」の欧文字と「リフレア」の片仮名を2段に横書きしてなり、平成13年2月8日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,ウエットティッシュに浸み込ませた化粧水,その他の化粧品,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,洗濯用柔軟剤,つや出し剤,靴クリーム,塗料用剥離剤」及び第5類「薬剤,歯科用材料,医療用腕環,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,人工受精用精液,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,乳児用粉乳,乳糖,はえ取り紙,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド」を指定商品として、同14年3月8日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由
申立人は、本件商標について、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その証拠方法として甲第1号証ないし甲第37号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、「リプレア」の片仮名と「EX」の欧文字とを横一列に配してなるものであって、片仮名の部分と欧文字の部分とが常に一体に観察されるべきものでない。薬剤や医薬部外品の分野においては、商標に「EX」の欧文字が後置きして付加されることが多くみられ、その「EX」の欧文字が「特別な、格上の、特別上等の」を意味する「extra」の略語であって、かかる意味で形容詞的な意味で用いられており、商品の品番、型番を表す記号として一般的に使用されているから、商品の識別力がないものである。
したがって、本件商標は、片仮名の文字部分より「リプレア」の称呼が生ずる。
他方、引用商標は、「リフレア」の片仮名の文字部分より、「リフレア」と称呼されることは明らかである。
本件商標より生ずる「リプレア」の称呼と引用商標より生ずる「リフレア」の称呼は、第2音の半濁音「プ」と清音「フ」の違いにすぎず、称呼上相紛れるおそれがある。また、両商標は、外観上も「プ」の右上の丸の有無にすぎないから、相紛らわしいといわざるを得ない。
したがって、本件商標と引用商標は、称呼及び外観上類似する商標である。
そして、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは同一又は類似する商品である。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
ア 引用商標1の周知性
引用商標1は、申立人の業務に係る商品「制汗剤」(以下「申立人商品」という。)について、2000年(平成12年)4月の発売以来、今日に至るまで使用されている。申立人商品の発売から2015年(平成27年)11月までの販売数量は27,770,895個で、販売額は約187億円である(甲15)。
申立人は、申立人商品に関し、発売以来、パンフレットによる広告(甲16?甲20)やテレビコマーシャル等を行ってきた(甲21?甲26)。申立人商品のGRP(Gross Rating Point)からみると、約16億円程度のコストをかけていることが分かり、累計のテレビコマーシャルの費用は約24億円に昇る。
2003年(平成15年)から2015年(平成27年)を通して、申立人商品の数量シェアは2%前後であり、金額シェアは3%前後であり(甲27、甲28)、2015年(平成27年)11月に、15歳から59歳までの女性を対象に行った制汗剤の認知度において、申立人商品は5位であった(甲29)。
さらに、インターネット上で行われる商品の売れ筋等のランキングにおいて上位に位置している(甲30?甲36)。
したがって、引用商標1は、制汗剤の業界において広く知られているものである。
イ 出所の混同のおそれ
引用商標1は、前記アのとおり、制汗剤の業界において広く知られているものであること、本件商標中の「EX」は、制汗剤の分野において、「特別な、格上の、特別上等の」等を意味し、自他商品の識別機能がないものであること、本件商標の要部「リプレア」と引用商標1は類似する商標であることから、本件商標をその指定商品について使用するときは、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生じさせるおそれがある。
ウ 小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
本件商標は、前記1のとおり、「リプレアEX」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、同書、同大、同間隔に表されてはいるが、片仮名と欧文字という異なる種類の文字からなるものであるから、「リプレア」の片仮名と「EX」の欧文字を結合したものと直ちに把握、理解されるものであり、外観上、「リプレア」の文字部分と「EX」の文字部分とに分離して看取されるものである。
ところで、医薬品や化粧品等を取り扱う分野においては、従来から販売している自己の製品をもとに、新たな成分等を配合し、従来製品より効能の向上や異なる効能が付加された新製品を開発・発売する場合があるところ、その際、従来製品に使用していた商標に、該効能、品質、規格等を表す記号、符号として、欧文字1字ないし2字を付加して表示することが普通に行われている実情にあるといえる。そして、このような取引の実情に照らすと、本件商標に接する需要者は、その構成中の「EX」の文字部分についても、前述の効能、品質、規格等を表す記号、符号の類型の一つ程度として認識するとみるのが相当である。
してみると、本件商標は、その構成文字全体のほか、当該「EX」の文字部分を除いた「リプレア」の片仮名部分を要部として捉えて、商取引に当たる場合も少なくないといえる。
したがって、本件商標は、構成文字全体を読んだ場合の「リプレアイーエックス」の称呼のほか、「リプレア」の文字部分より、単に「リプレア」の称呼をも生ずるというべきであって、観念については、構成文字全体としても、また、「リプレア」の文字部分のみを捉えた場合にしても、特定の意味合いを有しない造語を表したと理解されるものである。
イ 引用商標
引用商標1は、前記2(1)のとおり、「リフレア」の片仮名を標準文字で表してなるものであり、また、引用商標2は、前記2(2)のとおり、「refrea」の欧文字と「リフレア」の片仮名を2段に横書きしてなるものであるから、引用商標は、その構成文字に相応して、いずれも「リフレア」の称呼を生ずるものであって、これらの文字は、特定の意味合いを有しない造語よりなるものと認められる。
ウ 本件商標と引用商標との対比
(ア)称呼の対比
本件商標より生ずる「リプレア」の称呼と引用商標より生ずる「リフレア」の称呼は、第2音の「プ」と「フ」の音に差異を有するところ、「プ」の音が、両唇を合わせて破裂させる無声子音「p」と母音「u」との結合した音節であり、比較的力の入る音であるから、明瞭に響く音といえるのに対し、「フ」の音が、両唇を接近させて、その間から発する無声摩擦音「f」と母音「u」との結合した音節であり、呼気と共に発音される弱音といえるから、明瞭に響く音とはいえないものである。そして、4音構成という簡潔な称呼にあっては、該差異音が全体の称呼に与える影響は決して小さいということができないから、それぞれの称呼を一連に称呼しても、互いに聞き誤るおそれはないとみるのが相当である。
次に、本件商標より生ずる「リプレアイーエックス」の称呼と引用商標より生ずる「リフレア」の称呼は、構成音数、音質、音感等の差異により、明瞭に聴別し得るものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼上、相紛れるおそれがあるということはできない。
(イ)外観の対比
本件商標は前記ア、引用商標は前記イのとおりの構成からなるところ、それぞれの構成に徴すれば、本件商標と引用商標とは、その構成全体においては、外観上、明らかに相違するものである。
さらに、本件商標の要部である「リプレア」の片仮名部分と引用商標1、さらには、引用商標2の「リプレア」の片仮名とは、第2文字において「プ」と「フ」の文字の差異を有するところ、いずれも片仮名4文字という簡潔で、慣れ親しまれている種類の文字にあっては、需要者は容易に該差異を把握、認識し得るといえるから、外観上、互いに紛れるおそれはないとみるのが相当である。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観上、相紛れるおそれがあるということはできない。
(ウ)観念の対比
本件商標と引用商標は、いずれも造語よりなるものであり、特定の観念を生じないものであるから、両商標の観念を比較することはできない。
したがって、本件商標と引用商標とは、観念上、相紛れるおそれがあるということはできない。
(エ)小括
以上のとおりであるから、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
エ まとめ
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号について
ア 引用商標1の周知性
甲第15号証ないし甲第23号証、甲第25号証ないし甲第28号証、甲第30号証ないし甲第32号証及び甲第34号証によれば、引用商標1は、申立人商品について、2000年(平成12年)4月の発売から少なくとも2015年(平成27年)11月まで使用され、その期間における申立人商品の販売数量は約2777万個で、販売額は約187億円であったこと(甲15)、申立人は、申立人商品に関し、パンフレットによる広告(甲16?甲20)やテレビを介した広告(甲21?甲23、甲25、甲26)等を行ってきたこと、2003年(平成15年)から2015年(平成27年)を通して、申立人商品の数量シェアは2%前後であり、金額シェアは3%前後であったこと(甲27、甲28)、また、「デオドラント・制汗剤売れ筋ランキング/2007年6月30」のウェブサイトにおいて申立人商品は3位であり(甲30。ただし、当該ランキングは、いずれの売れ筋を基準にしているのかは不明。)、「デオドラントグッズ(制汗剤)売れ筋ランキング/2006年7月30」のウェブサイトにおいて申立人商品は2位(甲31。ただし、当該ランキングは、いずれの売れ筋を基準にしているのかは不明。)、「夏に欠かせない!売れてるデオドラント商品ランキング(ケンコーコム2014年 デオドラント商品・売れ筋ランキング 調査期間:2013/6/1?2014/5/31)」のウェブサイトにおいて申立人商品は8位(甲32)、「価格.com テレビ紹介情報『ランク王国』2008年8月17日(日)放送内容」のウェブサイトの「RANKIN F 制汗・デオドラント剤売上げTOP10(5月19日?6月29日付けNEEDS-SCAN調べ)」において申立人商品は10位(甲34)、さらに、「デオドラント・制汗剤ランキング(最新口コミ情報)-@cosme(アットコスメ) 集計期間:2015/8/26?2015/11/25」においては、本件商標の登録査定直後の集計期間ではあるが15位であったこと(甲36)、などが認められる。
しかし、申立人が作成したパンフレットは、いずれもその表紙に「薬局・薬店様用」又は「販売店様用資料」との記載があり、申立人商品の主たる需要者である一般の消費者の目に触れるような方法で薬局等に配置されたかは明らかでないばかりか、配布部数や配布地域も明らかになっていない。さらに、上記パンフレットやテレビを介した申立人商品の広告においては、「メンソレータム リフレア」などの表記のように、引用商標1は、そのほとんどが「メンソレータム」の文字よりなる商標とともに使用されていたり、あるいは、「MENTHOLATUM」の文字を円輪郭内に書し、その内側に看護婦姿の少女の図形を描いてなる商標とともに使用されているものであり、また、インターネットにおける売れ筋ランキングにおける表示においても、上記と同様に、「MENTHOLATUM」や「メンソレータム」の文字等よりなる商標とともに表記されている場合が多く、これら商標が周知な商標であることをも勘案するならば、直ちに引用商標1が単独で需要者に強い印象を与えているということはできない。さらに、申立人商品の2003年(平成15年)から2015年(平成27年)を通しての数量シェア2%前後及び金額シェア3%前後についても、9位(1位ないし4位は、いずれも10%以上である。甲28)であるから、それ自体高いものとはいい難いばかりか、「MENTHOLATUM」の文字及び看護婦姿の少女の図形よりなる商標とともに表示されている使用態様を勘案するならば、その需要者が引用商標1に惹かれて商品を選択したとは必ずしもいうことができないから、申立人商品の数量シェア及び金額シェアが直ちに引用商標1の周知性を基礎付けるものということもできない。加えて、インターネットにおける売れ筋ランキングにしても、本件商標の登録出願時及び登録査定時の状況を見ると、申立人商品が上位に位置していたと認めることもできない。
以上によれば、申立人の提出した証拠をもってしては、引用商標1が申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願日(平成27年2月6日)及び登録査定日(平成27年7月14日)の時点において、その需要者の間に広く認識されていたということはできない。
イ 本件商標と引用商標1の類似性
前記(1)認定のとおり、本件商標と引用商標1は、その外観、称呼及び観念のいずれの点についても、互いに紛れるおそれのない非類似の商標である。
ウ 本件商標が使用される商品と引用商標1が使用される商品
甲第14号証によれば、本件商標は、平成27年11月時点において、薬用育毛剤について使用されていることを認めることができる。
してみると、薬用育毛剤と引用商標1が使用される制汗剤とは、商標法上、いずれも薬剤の範ちゅうに属する商品であるとしても、これらは、その用途、目的、効能等において著しく相違するものであり、また、生産者をも相違する場合が多い商品といえるから、両商品の関連性は低いということができる。
エ 小括
前記ア及びイのとおり、引用商標1は周知、著名な商標ということはできないものであり、しかも、本件商標と引用商標1とは非類似の商標である。
これに加えて、前記ウの事情をも勘案するならば、本件商標は、その指定商品に使用しても、その需要者をして、引用商標1や申立人を想起又は連想させるものではなく、該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるということもできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当する商標ということはできない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同項第10号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2016-02-23 
出願番号 商願2015-10911(T2015-10911) 
審決分類 T 1 651・ 25- Y (W0305)
T 1 651・ 261- Y (W0305)
T 1 651・ 262- Y (W0305)
T 1 651・ 263- Y (W0305)
T 1 651・ 271- Y (W0305)
最終処分 維持  
前審関与審査官 橋本 浩子 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 林 栄二
平澤 芳行
登録日 2015-08-07 
登録番号 商標登録第5783861号(T5783861) 
権利者 株式会社愛しとーと
商標の称呼 リプレアイイエックス、リプレア 
代理人 本夛 伸介 
代理人 特許業務法人深見特許事務所 

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