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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X35 |
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管理番号 | 1310780 |
審判番号 | 取消2015-300359 |
総通号数 | 195 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2016-03-25 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2015-05-19 |
確定日 | 2016-01-12 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5491502号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5491502号商標(以下「本件商標」という。)は、「SENKO」の欧文字を横書きしてなり、平成19年6月29日に登録出願、「飲食料品(菓子及びパン・茶・コーヒー及びココア・ぎょうざ・サンドイッチ・しゅうまい・すし・たこ焼き・肉まんじゅう・ハンバーガー・ピザ・べんとう・ホットドッグ・ミートパイ・ラビオリ・酒かすを除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成24年5月11日に設定登録されたものである。 そして、本件審判の請求の登録は、平成27年6月3日である。 第2 請求人の主張 請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定役務中、第35類「飲食料品(菓子及びパン・茶・コーヒー及びココア・ぎょうざ・サンドイッチ・しゅうまい・すし・たこ焼き・肉まんじゅう・ハンバーガー・ピザ・べんとう・ホットドッグ・ミートパイ・ラビオリ・酒かすを除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、本件商標は、その指定役務中、上記に記載のとおりの本件審判の請求に係る指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきである旨主張している。 なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。 第3 被請求人の主張 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし第4号証を提出した。 1 本件商標の使用者 本件商標の使用者は、被請求人の子会社であり、本件商標の通常使用権者であるセンコー商事株式会社(以下「センコー商事」という。)である。 (1)乙第1号証は、被請求人の平成26年4月1日?平成27年3月31日を対象とする有価証券報告書の一部の写しであり、第9頁「4 関係会社の状況」欄の表の筆頭にセンコー株式会社の欄が設けられており、「議決権の所有割合」欄には、被請求人が、センコー商事の議決権を100%所有していることが示されている。また、「議決権の所有割合」の右横の「役員の兼任」の欄には、センコー商事の役員のうち、8名が被請求人の役員又は職員の兼任であることが示されている。 さらに、第52頁「5 役員の状況」欄には、被請求人の取締役副社長執行役員が、平成21年6月より現在に至るまでセンコー商事の代表取締役社長に就任していることが示されている。 (2)乙第2号証は、乙第1号証の前年度の有価証券報告書の一部の写しであり、第9頁に示す「議決権の所有割合」、「役員の兼任」、第51頁被請求人の役員がセンコー商事の取締役社長を兼任している点のいずれについても同じ状況が示されている。 (3)本件商標の使用者であるセンコー商事は、その社名に被請求人の社名「センコー」を冠している。本件商標は、被請求人の社名を「SENKO」と欧文字表記したものであり、被請求人が「センコー」の名を冠するセンコー商事に、本件商標「SENKO」の使用を許諾していないとは考えられず、本件商標の許諾は間違いなく存在するとみるべきである。 (4)後述する乙第3号証及び乙第4号証に記載されたセンコー商事の注文先・問合せ先住所は、被請求人の本社所在地と住居表示の号数まで同じであり、このことも、本件商標の使用者と被請求人との分かちがたい関係を示している。 (5)上述のとおり、本件商標の使用者であるセンコー商事は、被請求人から本件商標について、黙示の許諾を受けている通常使用権者である。 2 本件商標の使用 (1)乙第3号証は、センコー商事が顧客に対して頒布した2014年夏のカタログである。表紙左上に示された使用商標は、本件商標と色も同じであり社会通念上同一といえる態様で、「SENKO」と記載(以下「使用商標」という。)されており、また、表紙下方の「お盆前の届けのご注文締切日;2014年7月30日」の記載から、本件審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間内」という。)に頒布されたものであることがわかる。 そして、裏表紙左下には、「センコー商事株式会社 通販事業部」と本件商標の使用権者とその部署の名前と連絡先・問合せ先が示されており、裏表紙の上方には、左から「ゆずドリンク」、「野菜ジュース・果実ジュースセット」及び「みかんジュース」が掲載されている。 これらは、本件審判の請求に係る指定役務に含まれる「清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の使用を示しているものである。 他に、表紙裏の第2?3頁には、本件審判の請求に係る指定役務に含まれるメロン等の「果実」を取扱商品とする小売等役務「果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての使用が、第5頁には、「牛肉」や「豚肉」等が掲載されており、「食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に関する使用が示されている。 (2)乙第4号証は、「ワイン」及び「ビール」を取扱商品とする「酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の使用を示すリーフレットである。 その表面左下に、使用商標が示されており、「ご注文締切日 2013年8月20日(火)事務局必着」とある記載から、その使用は要証期間内に行われており、また、裏面下には、注文先、問い合わせ先として、センコー商事とその住所、電話番号が記載されている。 3 むすび 以上のように、本件商標の通常使用権者であるセンコー商事が、要証期間内に、本件審判の請求に係る指定役務中の「清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」、「果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」、「食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び「酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」等について、本件商標と社会通念上同一の商標である使用商標を表示したカタログ及びリーフレットを日本国内において頒布していることから、被請求人は、本件商標の通常使用権者が、本件商標と社会通念上同一の商標を本件審判の請求に係る指定役務について使用していることを証明し得たものと考える。 したがって、本件商標は商標法第50条第1項により取り消されるべきものではない。 第4 当審の判断 1 被請求人の提出に係る乙各号証及びその主張によれば、以下の事実を認めることができる。 (1)乙第1号証は、事業年度を平成26年4月1日ないし平成27年3月31日とする商標権者の「有価証券報告書」であるところ、その2葉目の「事業の系統図」には、子会社の一つとして「センコー商事(株)」の記載があり、また、3葉目の「関係会社の状況」には、「センコー商事(株)」の「議決権の所有割合(%)」として、「100.0」の記載、さらに、4葉目の「役員の状況」には、商標権者の「取締役副社長執行役員」の略歴の欄に「平成21年6月 センコー商事(株)代表取締役社長就任(現在)」の記載がある。 (2)乙第3号証は、「SUMMER GIFT 2014」及び「美食誌」の表題のある果物、食肉等の各種食品のカタログであるところ、その表紙の左上部には、「SENKO」の文字が表示されており、「ご注文締切日は8月20日(水)事務局必着です!」及び「商品のお届け2014年6月25日(水)?8月31日(日)まで。」等の記載がある。 また、第14頁には、「お申し込み方法 HOW TO」として、「システムの流れ・・・3.お客様はカタログよりお好みの品をお選びになり、3通りの方法でお申し込みいただきます。」の記載があり、「1.インターネットで」、「2.FAXで」及び「3.お申し込みハガキで」の記載がある。 さらに、その裏表紙には、注文問い合わせ先として「センコー商事株式会社 通販事業部」及び「大阪府大阪市北区大淀中1-1-30-1400(梅田スカイビル タワーウエスト14階)」の記載があり、そのカタログ中には、商品「ゆずドリンク」、「野菜ジュース・果物ジュースセット」及び「えひめのみかんジュース」が掲載されている。 2 上記事実によれば、以下のとおり判断できる。 (1)使用者について 有価証券報告書(乙1)によれば、センコー商事について、その議決権の全てを商標権者が有し、その代表取締役社長は、商標権者の取締役副社長執行役員が兼任する商標権者の子会社である。さらに、乙第3号証のカタログのセンコー商事の通販事業部の住所と商標権者の住所とが住居表示の号数まで同一であって、親会社が子会社に対して商標の使用を許諾することが一般に行われていることからすれば、センコー商事は、本件商標の使用について商標権者から黙示の許諾を受けていた通常使用権者であるとみて差し支えないものである。 (2)使用時期について カタログ(乙3)の表紙に、事務局の注文締切日として8月20日、商品を届ける期間として2014年6月25日?8月31日の記載があることからみて、当該カタログは、2014年(平成26年)6月から同年8月頃に頒布されたものであると推認されるところ、当該期間は、要証期間内と認められる。 (3)使用役務、使用商標について カタログ(乙3)に掲載されている「ゆずドリンク」、「野菜ジュース・果物ジュースセット」及び「えひめのみかんジュース」は、本件審判の請求に係る指定役務中の「清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に係る商品であって、そのカタログの内容は、「ご注文締切日は8月20日(水)事務局必着です!」、「お客様はカタログよりお好みの品をお選びになり、3通りの方法でお申し込みいただきます。」として「インターネットで」、「FAXで」及び「お申し込みハガキで」の記載並びに「センコー商事(株)通販事業部」の記載からして通信販売用であると認められるものである。 そうすると、通常使用権者であるセンコー商事は、通信販売によって「清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を行っていたものであって、当該役務は、本件審判の請求に係る指定役務「飲食料品(菓子及びパン・茶・コーヒー及びココア・ぎょうざ・サンドイッチ・しゅうまい・すし・たこ焼き・肉まんじゅう・ハンバーガー・ピザ・べんとう・ホットドッグ・ミートパイ・ラビオリ・酒かすを除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうに含まれる役務である。 。 そして、当該カタログの表紙の左上に表示されている「SENKO」の文字は、本件商標と同一の商標と認められるものである。 (4)小括 上記(1)ないし(3)によれば、本件商標の通常使用権者は、要証期間内にその請求に係る指定役務の範ちゅうに含まれる「清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に係るカタログに、本件商標と同一と認められる商標を付して頒布した(商標法第2条第3項第8号)と推認することができる。 3 むすび 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者がその請求に係る指定役務の範ちゅうに含まれる役務について本件商標の使用をしていることを証明したといわなければならない。 したがって、本件商標の登録は、その請求に係る指定役務について、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2015-11-13 |
結審通知日 | 2015-11-18 |
審決日 | 2015-12-01 |
出願番号 | 商願2007-72677(T2007-72677) |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(X35)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
井出 英一郎 |
特許庁審判官 |
中束 としえ 榎本 政実 |
登録日 | 2012-05-11 |
登録番号 | 商標登録第5491502号(T5491502) |
商標の称呼 | センコー、センコ |
代理人 | 向井 尚子 |
代理人 | 大久保 秀人 |
代理人 | 特許業務法人 ナカジマ知的財産綜合事務所 |