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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W11
審判 全部申立て  登録を維持 W11
審判 全部申立て  登録を維持 W11
審判 全部申立て  登録を維持 W11
管理番号 1309802 
異議申立番号 異議2015-900156 
総通号数 194 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-02-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-05-15 
確定日 2015-12-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第5741267号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5741267号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5741267号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成26年9月3日に登録出願、第11類「家庭用活水器,家庭用水素水生成器(電気式のものを除く。),その他の家庭用浄水器,シャワー器具,風呂用水素水生成器」を指定商品として、同27年1月15日に登録査定,同年2月13日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する登録商標は、以下の3件であり(これらをまとめていうときは、以下「引用商標」という。)、その商標権はいずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4454304号商標(以下「引用商標1」という。)は、「OASIS」の文字と「オアシス」の文字を二段に横書きしてなり、平成9年4月9日に登録出願、第11類「業務用ボトル式又は加圧式飲料水冷却装置,業務用ボトル式又は加圧式水飲み器,業務用飲料水浄水装置」を指定商品として、平成13年2月23日に設定登録され、その後、平成23年5月10日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第4537319号商標(以下「引用商標2」という。)は、「OASIS」の文字と「オアシス」の文字を二段に横書きしてなり、平成9年4月9日に登録出願された商願9-104824の商標法第10条の規定による新たな商標登録出願(分割出願)として、平成12年10月31日に登録出願、第11類「電気を利用した家庭用ボトル式又は加圧式飲料水冷却装置・家庭用ボトル式又は加圧式水飲み器及び家庭用飲料水浄水装置」を指定商品として、平成14年1月18日に設定登録され、その後、平成24年4月10日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
(3)登録第5600561号商標(以下「引用商標3」という。)は、「OASIS」の文字を標準文字で表してなり、平成24年8月17日に登録出願、第11類「家庭用又は業務用の電動式冷蔵装置を備えた電気冷水機並びにその部品及び附属品,キャビネットタイプの非冷蔵ボトル式飲料水用ディスペンサー並びにその部品及び附属品(家庭用又は業務用のもの。)(電気式のものに限る。),電気的に作動する加熱・冷凍・炭酸化装置を備えたボトル式電気冷水機及び電気式飲料水供給器並びにその部品及び附属品(家庭用又は業務用のもの。),噴水式飲み水器及び加圧式電気冷水機並びにその部品及び附属品(業務用のものに限る。),噴水式飲み水器又は加圧式電気冷水機用の浄水フィルター並びにその部品及び附属品(業務用のものに限る。),家庭用又は業務用のろ過浄水機能を有する電気式給水器並びにその部品及び附属品,電気的に作動する、凝縮により空気から湿度を除去する除湿機,電気的に作動する、部屋やその包囲の空気に水蒸気を供給する加湿器,冷凍機械器具,家庭用電熱用品類,暖冷房装置」を指定商品として、平成25年7月19日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由
(1)引用商標の周知性
申立人は、飲料水用機器類の製造販売を業とする米国法人であり、引用商標は、主としてその業務に係る商品「業務用水飲み機(ウォータークーラー、ウォーターサーバー)」(以下「申立人商品」という。)に、半世紀以上にわたり使用されてきた。我が国においても、引用商標は、申立人商品について長年使用され、その結果、我が国の業務用飲料水機器類の分野並びに同機器類の取引が頻繁に行われる建設業界の取引者、需要者の間に広く認識されている。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性
本件商標は、その構成中の「Hydro-bath」が「水素風呂」の意味合いを、また、「H」が商品の記号、符号等を表すものであるから、これらの文字部分は、自他商品識別力がなく、「oasis」の文字部分が支配的な印象を与える。
そうすると、本件商標は、周知な引用商標をその構成中に含むものであるから、引用商標とは、称呼及び観念において類似する商標である。
したがって、本件商標は、その指定商品中「風呂用水素水生成器」について使用した場合には、引用商標との間で出所の混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性
引用商標は、申立人商品を表示するものとして、我が国において周知である。そして、本件商標は、引用商標と称呼及び観念上類似する商標である。
また、申立人商品と本件商標の指定商品中の「家庭用活水器,家庭用水素水生成器(電気式のものを除く。),その他の家庭用浄水器」は、いずれも人の飲料用の水に関連のある商品であり、さらに、申立人商品と本件商標の指定商品中の「シャワー器具」は、いずれも建設業者を介して一般住戸や各施設の取り付けられることが多い、水回り製品という性質を有するものであるから、本件商標をその指定商品について使用するときは、該商品が申立人と何らかの関係がある者の業務に係る商品であると誤認されるおそれがあから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標と引用商標の類否
(ア)本件商標は、別掲のとおりの構成よりなるものであるところ、その構成中の「Hydro-bath」の文字部分は、「oasisH」の文字部分に比べ、小さく表されていることに加え、全体として「水素の入浴」、「水素の風呂」なる意味合いを表したと認識されるものであるから、指定商品中の「風呂用水素水生成器」との関係から考察すると、自他商品の識別機能は弱いものといえる。これに対し、本件商標中の「oasisH」の文字部分は、本件商標において大きく表され、看者の注意を強く引く部分であるといえるところ、構成文字全体をもって親しまれた成語を表すものではなく、そのうちの「oasis」の文字部分は、「砂漠の中で常に水が湧き、樹木の茂るところ」を意味し、転じて「いこいの場」を意味する語として、我が国においてよく知られているといえるから、本件商標に接する需要者は、その構成中の「oasis」の文字部分に強く印象付けられるとみるのが相当である。
してみると、本件商標は、その構成文字に相応して、「ハイドロバスオアシスエイチ」の称呼のほか、強く支配的な印象を与える「oasis」の文字部分より、単に「オアシス」の称呼をも生ずるものであって、これより「砂漠の中で常に水が湧き、樹木の茂るところ」ないし「いこいの場」の観念を生ずるものと認める。
(イ)引用商標1及び2は、前記2(1)及び(2)のとおり、いずれも「OASIS」の文字と「オアシス」の文字を二段に横書きしてなるものであるから、これより「オアシス」の称呼及び「砂漠の中で常に水が湧き、樹木の茂るところ」ないし「いこいの場」の観念を生ずるものである。
また、引用商標3は、前記2(3)のとおり、「OASIS」の文字を標準文字で表してなるものであるから、引用商標1及び2と同様、「オアシス」の称呼及び「砂漠の中で常に水が湧き、樹木の茂るところ」ないし「いこいの場」の観念を生ずるものである。
(ウ)本件商標と引用商標との対比
以上(ア)及び(イ)によれば、本件商標と引用商標は、それぞれの構成全体の外観は相違するものの、「オアシス」の称呼及び「砂漠の中で常に水が湧き、樹木の茂るところ」ないし「いこいの場」の観念を同じくするものといえる。
したがって、本件商標は、引用商標と称呼及び観念において類似する商標といわなければならない。
イ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否
(ア)本件商標の指定商品中の「風呂用水素水生成器」は、出願人(本件商標の商標権者)が、審査段階における平成27年1月14日に提出した意見書によれば、「その過程において何らの電熱系処理を伴うものではなく、マグネシウムコアとクエン酸を用いた化学的手法により水素水を生成させるもの」である旨の記載が認められ、また、同意見書において示された風呂用水素水生成器の取扱説明書によれば、該商品は、比較的小型の容器(本体)内に、マグネシウムコアをセットし、容器の蓋をしてから、蓋の中央にある穴から専用クエン酸を約2g程度入れ、これに湯を溢れない程度に入れると水素が発生し、これを浴槽にしずめるといった手順により浴槽内で水素が発生する器具であって、上記のとおり、容器(本体)の形状が小型であることをはじめ、使用方法(手順)が比較的簡単であること、使用上の注意等の記載内容を総合すると、家庭用の商品であって、主たる需要者を一般の消費者とし、当該需要者が自ら使用の準備(商品のセット)をし、自宅の浴槽内に設置する商品と判断するのが相当である。
したがって、本件商標の指定商品中の「風呂用水素水生成器」は、第11類に属する「浴槽類」(類似群コード:19B57)の範ちゅうに属する商品と認めることができる。
(イ)引用商標1の指定商品は、前記2(1)のとおりであるところ、該商品は、いずれも業務用の商品である。
してみると、引用商標1の指定商品と本件商標の指定商品中の「風呂用水素水生成器」とは、商品の用途、目的、構造等が明確に異なるばかりでなく、生産者、流通系統、販売場所、需要者等も異なるものであるから、非類似の商品と認められる。
(ウ)引用商標2の指定商品は、前記2(2)のとおりであるところ、いずれも電気を利用した商品であり、「家庭用電熱用品類(美容用又は衛生用のものを除く。)」(類似群コード:11A06)の範ちゅうに属する商品である。
してみると、引用商標2の指定商品と本件商標の指定商品中の「風呂用水素水生成器」とは、商品の用途、目的、構造等が明確に異なるばかりでなく、生産者、流通系統、販売場所等も異なるものであるから、非類似の商品と認められる。
(エ)引用商標3の指定商品は、前記2(3)のとおりであるところ、その指定商品と本件商標の指定商品中の「風呂用水素水生成器」とは、商品の用途、目的、構造等が明確に異なるばかりでなく、生産者、流通系統、販売場所等も異なるものであるから、非類似の商品と認められる。
(オ)その他、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが類似するとみるべき特段の事情は見いだせない。
ウ したがって、本件商標は、引用商標とは商標において類似するものの、その指定商品は、引用商標の指定商品とは非類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する商標と認めることができない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出する証拠(甲第9号証ないし甲第91号証、甲第98号証ないし甲第104号証、甲第106号証、甲第107号証及び甲第117号証)を総合すると、引用商標は、主として申立人商品(「業務用水飲み機(ウォータークーラー、ウォーターサーバー)」)等について長年使用され、申立人商品は、我が国においては、昭和56年に株式会社北栄(以下「北栄」という。)により輸入され販売されたこと(甲9、甲11)、また、北栄は、申立人商品に関し、建設関係の雑誌や飲料関係の雑誌等を通じて盛んに宣伝広告をしたり(甲12?甲74)、カタログを頒布したこと(甲10、甲76、甲77)、その結果、申立人商品の我が国における売上高は、平成2年には1億円を超え、その後も売上実績を伸ばしたこと(甲12、甲78、甲86?甲88)、その後、申立人商品の日本における輸入販売は、株式会社OGSコーポレーションに引き継がれたこと(甲117)、そして、申立人商品の日本における納入数は、現在までに約7000箇所の施設に納入されたこと(甲80?甲85、甲117)、などを認めることができる。
上記で認定した事実によれば、引用商標は、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願日(平成26年9月3日)には既に、業務用水飲み機を取り扱う分野ないし申立人商品の設置作業を行う建設関連の分野において、その取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることができ、その状態は、本件商標の登録査定日(平成27年1月15日)においても継続していたものと推認することができる。
しかし、本件商標の指定商品は、申立人商品とは、商品の用途、目的、構造等において著しく相違するばかりでなく、商品の生産者、取引系統、販売場所、需要者等においても明確に相違するものであるから、単に水に関係する商品であるという事実のみをもって、両商品が密接に関連する商品であると認めることはできないし、また、引用商標の周知性が業務用水飲み機や建設関連の分野を越えてなお本件商標の指定商品を取り扱う分野にまで及ぶものとは認めることができない。
してみると、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が、該商品について、申立人又はこれと業務上何らかの関係を有する者のの取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと認めることができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する商標と認めることはできない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(本件商標)



異議決定日 2015-12-04 
出願番号 商願2014-74056(T2014-74056) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W11)
T 1 651・ 263- Y (W11)
T 1 651・ 271- Y (W11)
T 1 651・ 261- Y (W11)
最終処分 維持  
前審関与審査官 岩崎 安子 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 前山 るり子
中束 としえ
登録日 2015-02-13 
登録番号 商標登録第5741267号(T5741267) 
権利者 株式会社シー・シー・アール
商標の称呼 ハイドロバスオアシスエイチ、ハイドロバスオアシスエッチ、ハイドロバス、ハイドロ、オアシスエイチ、オアシスエッチ、オアシス 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 藤倉 大作 
代理人 中村 稔 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 苫米地 正啓 
代理人 辻居 幸一 
代理人 松尾 和子 
代理人 田中 伸一郎 
代理人 八鍬 昇 

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