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審決分類 審判 全部無効 外観類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 03
審判 全部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 03
審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 03
審判 全部無効 観念類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 03
管理番号 1309793 
審判番号 無効2014-680001 
総通号数 194 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-02-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 2014-02-28 
確定日 2015-12-03 
事件の表示 上記当事者間の国際商標登録第1136305号商標の商標登録無効審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 国際商標登録第1136305号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件国際登録第1136305号商標(以下「本件商標」という。)は,「KATE’S WORLD」の欧文字を横書きしてなり,2012年(平成24年)2月14日に英国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,同年8月1日に国際商標登録出願,第3類「Non-medicated toilet preparations;cosmetic preparations for skin care;body and beauty care preparations;powders,creams and lotions,all for the face,hands and body not for medical purposes;nail polish;nail polish remover;cosmetics;soaps;shower and bath cosmetic preparations;preparations for cleaning,moisturising,colouring and styling the hair;preparations for cleaning the teeth;shaving and aftershave preparations;perfumes,toilet waters,eau-de-Cologne;deodorants and anti-perspirants for personal use;essential oils (cosmetic);all the aforesaid being alone,in combination and/or in gift sets comprised of some or all of these items.」(参考仮訳:「医療用でない化粧品,皮膚の手入れ用化粧品,身体用及び美容用化粧品,パウダー・クリーム及びローション(全て顔用・手用及び身体用のもので医療用でないもの。),ネイルエナメル,ネイルエナメル除去液,化粧品,せっけん,シャワー用及び浴用化粧品,毛髪の洗浄用・保湿用・染色用及びスタイリング用剤,歯の清浄用剤,ひげそり用及びひげそり後用剤,香水,化粧水,オーデコロン,身体の防臭用及び制汗用化粧品,精油(化粧品),上記の全ての商品は単独か、いくつか又は全てからの組み合わせ及び/又はギフトセットとしてなるものである。」)を指定商品として,平成25年4月10日に登録査定,同年7月12日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
請求人が本件商標の無効の理由に引用する登録商標は,以下の(1)及び(2)のとおり(以下,これらをまとめていうときは「引用各商標」という。)であって,いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4113982号商標(以下「引用商標1」という。)は,「KATE」の欧文字と「ケイト」の片仮名を上下二段に横書きしてなり,平成8年8月23日に登録出願,第3類「せっけん類,香料類,化粧品」を指定商品として,同10年2月13日に設定登録されたものである。
(2)登録第5398458号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成22年12月13日に登録出願,第3類「せっけん類,化粧品,香料類,つけづめ,つけまつ毛」及び第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」を指定商品として,同23年3月11日に設定登録されたものである。
第3 請求人の主張
請求人は,結論と同旨の審決を求めると申立て,その理由を要旨次のように述べた。
1 無効理由の要点
本件商標は,以下のとおり,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから,同法第46条第1項第1号により無効にされるべきである。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は,その構成中に請求人及びその子会社である株式会社カネボウ化粧品(以下,「カネボウ」といい,請求人と総称していう場合には「請求人ら」という。)の営業表示及び請求人の業務に係る商品「化粧品」等に使用される商標として,周知・著名な引用各商標「KATE」を含むものであり,本件商標出願日前の商標登録出願に係る請求人の先行登録商標である引用各商標と類似する商標である。
また,本件商標は,引用各商標に係る指定商品と同一又は類似の指定商品について使用する商標である。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
請求人らが商品「化粧品」等に使用して周知・著名な引用各商標と称呼・観念において類似する本件商標が,その指定商品について使用された場合には,これに接する需要者,取引者は,周知・著名な引用各商標と関連のある商品であるかのごとく,その商品の出所について混同するおそれが極めて高いといえる。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
2 具体的理由
(1)化粧品ブランド「KATE」の著名性について
ア 「KATE」の市場への登場について
請求人は,1940(昭和15)年5月に設立され(なお,請求人の前身である「長瀬商店」の創業は,1887(明治20)年である。),化粧品,スキンケア・ボディケア製品,ヘアケア製品やヘアスタイリング剤,健康機能性食品・飲料,サニタリー製品,オーラルケア製品,入浴剤,衣料用洗剤や柔軟仕上げ剤等のファブリックケア製品,食器用洗剤,住居用洗剤等のホームケア製品を中心に扱う,我が国で屈指の総合日用品メーカーである。同時に,これら日用品に加えて,油脂関連製品をはじめ,それを原料とする,油脂誘導体や界面活性剤,高機能ポリマー,香料など,多岐にわたる工業用製品も扱い,幅広い事業を展開する巨大企業である。
また,カネボウは,1949(昭和24)年に設立した鐘淵化学工業株式会社が前身である化粧品全般の開発,製造,販売を主な業務内容とする,2004(平成16)年5月7日に設立された日本を代表する大手化粧品メーカーである。その後,カネボウは,2006(平成18)年に請求人の完全子会社となっている。
「KATE」は,1997(平成9)年2月に化粧品ブランドとしてカネボウにより発売が開始された。「KATE」ブランドは,20歳前後の女性をコアターゲットとし,クールでシャープな独自の世界観をもったメイクアップブランドとして,発売から17年を経過した現在においても圧倒的な支持を継続している。
イ 「KATE」商品の人気について
「KATE」商品は,発売当時から流行を取り入れたクールでシャープな独自の世界観を貫き,手ごろな価格設定と商品の高品質・高性能もあいまって圧倒的な人気を獲得し,その人気は現在も継続している。
「KATE」商品は,目元を強調するためのお勧めの化粧品ブランドとして人気女性誌や化粧品のクチコミサイトにも数多くとりあげられており,中でも,「KATE」のアイブロウは,人気ランキングの1位にランクされるほどの人気商品である。
また,「KATE」商品に関する売上高は,2008(平成20)年には160億円超,その後も年々売上げが増加しており,2013(平成25)年には200億円超の売上げを記録していることからも,人気の高いブランドであることが理解できる。
さらに,「KATE」商品は,2013(平成25)年9月の時点において,東京だけでも1,675店舗,そして,日本全国では16,568もの店舗が取り扱っている。
ウ 「KATE」ブランドに関する広告宣伝活動
請求人らは,「KATE」商品を1997(平成9)年に発売以降,20歳前後の女性をコアターゲットにした全国規模でのテレビCM,新聞,ウェブサイト等に「KATE」商品を掲載し,精力的に広告宣伝活動を行ってきた。
(ア)テレビCM
テレビCMは,関東地区において,2003(平成15)年では1700GPR・・・,2010(平成22)年では4704.2GRP,2011(平成23)年では5851.1GRP,2012(平成24)年では4766GRPを記録している。
なお,GRPとは,「グロス・レイティング・ポイント」の略であり,ある期間中に放送したテレビCMの各回の世帯視聴率の合計である。例えば,関東地区で225GRPを獲得するには2250万円程度のコストがかかることを考慮すれば,請求人らが10年以上の長期間にわたって,「KATE」に莫大な広告費をかけてきたことは明らかである。
(イ)ウェブサイトによる広告
請求人らは,ウェブサイト上でも「KATE」商品の紹介を行っている。
(ウ)イベント協賛による広告
請求人らは,他企業とのイベントの場でも「KATE」商品の広告,サンプル配布などにより,積極的に販売促進に努めてきた。
(エ)有名企業とのコラボレーション
請求人らは,「KATE」に関し,株式会社ユニクロ,株式会社セガ等の有名企業とコラボレーションを行うなど斬新な試みも行っている。
エ 引用各商標のブランド評価
マーケティングリサーチを専門とする調査会社「株式会社インテージ」によると,「KATE」商品は,2003(平成15)年から2013(平成25)年の各期においてセルフメイクカテゴリーで金額販売シェア連続1位を記録している。セルフメイクカテゴリーとは,株式会社インテージによる属性定義上,「店舗がメーカーの管理下になく,美容部員が存在せず,消費者が自由に商品を手にし選ぶことのできるメーカー」が属する分類のことをいい,主にスーパーマーケットやドラッグストア等で取り扱われている化粧品ブランドがこれに該当する。このようなセルフメイクカテゴリーに属する化粧品ブランドは,流行に左右されやすく,短命に終わるブランドが少なくない。このようなセルフメイク市場の実情を考慮すれば,「KATE」商品が11年連続して金額販売シェア1位をキープしていることは,「KATE」商品のコストパフォーマンスと品質の良さが市場において極めて高く評価されていることの証である。
さらに,株式会社ビデオリサーチによる「KATE」ブランドの認知度調査によれば,2009(平成21)年から2013(平成25)年までの5年間で,20代女性の平均値が通年80%以上,30代女性においては2010(平成22)年以降80%以上の認知度を記録している。また,認知度の最高値は,20代女性に至っては通年90%以上と極めて高く,30代女性も通年85%以上とのデータが計上されており,「KATE」ブランドが周知・著名であることを示している。
オ 小括
このように,「KATE」は,発売当初から注目を受け,さらには,巨額の広告費用を投じた宣伝活動を実施し,そのブランドカを,一般業界誌でも高く評価され,市場でも絶大な人気を誇っていることを考慮すれば,本件商標の出願時である平成24(2012)年2月14日当時には,引用各商標は,請求人らの化粧品等に使用される標章として,日本において高い周知・著名性を有するものとなっていたことは明らかである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
本件商標は,「KATE‘S WOLRD」の欧文字よりなるところ,前半の「KATE」部分は,請求人らが商品「化粧品」等に使用して周知・著名な引用各商標と同一の文字からなることに加え,後半の「WORLD」部分は,英語で「世界,?界」との意味で,日本人にもとてもよく親しまれた,辞書にも記載された英語であって,場所や範囲などを表す抽象的な言葉であるといえ,その指定商品との関係において自他商品識別機能を有さず,出所識別標識としての称呼,観念は生じないことから,本件商標においては,前半の「KATE」部分が取引者,需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える要部であるといえる。
また,請求人らの「KATE」は,一貫してクールでシャープな独自の世界観を強調してきたことから,本件商標の「KATE‘S WORLD」からは,請求人らが商品「化粧品」等に使用して周知・著名な「KATE」のクールでシャープな世界観を容易に想起させるといえる。
したがって,本件商標からは,その構成全体で「ケイツワールド」との称呼及び「KATEの世界」といった観念が生じるほか,その要部である前半部の「KATE」の部分から,「ケイト」の称呼及び請求人らが商品「化粧品」等に使用して周知・著名な「KATE」との観念が生じるものである。
イ 引用各商標
引用商標1は,欧文字の「KATE」及び片仮名の「ケイト」との二段書きからなり,引用商標2は,「KATE」の欧文字を横書きしてなるものであるから,引用各商標は,いずれも「ケイト」の称呼が生じ,請求人らが商品「化粧品」等に使用して周知・著名な「KATE」との観念が生じる。
ウ 本件商標と引用各商標の類否について
結合商標である本件商標は,その構成中,前半の「KATE」部分が要部となり,そこから「ケイト」の称呼をも生ずるだけでなく,そこから請求人らが商品「化粧品」等に使用して周知・著名な「ケイト」との観念が生じることから,請求人らが商品「化粧品」等に使用して周知・著名な引用各商標と称呼・観念において類似するものである。
エ 指定商品の類否について
本件商標に係る指定商品中「Non-medicated toilet preparations;cosmetic preparations for skin care;body and beauty care preparations;powders,creams and lotions,all for the face,hands and body not for medical purposes;nail polish;nail polish remover;cosmetics;shower and bath cosmetic preparations;preparations for cleaning,moisturising,colouring and styling the hair;shaving and aftershave preparations;perfumes,toilet waters,eau-de-Cologne;deodorants and anti-perspirants for personal use」は,引用商標1及び2に係る指定商品中「化粧品」と類似する。また,本件商標に係る指定商品中「soaps」は,引用商標1及び2に係る指定商品中「せっけん類」と類似する。さらに,本件商標に係る指定商品中「essential oils (cosmetics)」は,引用各商標に係る指定商品中「香料類」と類似する。
オ 小括
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法4条第4項第15号について
ア 引用各商標の著名性
上記で述べたとおり,引用各商標は,1997(平成9)年から,請求人らの業務に係る商品「化粧品」の名称「KATE」として使用され,「KATE」は,クールでシャープという独特な世界観を有し,その手ごろな価格設定及び商品の高品質・高性能もあいまって,ターゲット層の10?20代はもちろん,40,50代の女性にも愛される人気商品となっている。
以上のとおり,引用各商標は,遅くとも,本件商標の出願時である2012(平成24)年2月14日までには,我が国の取引者・需要者の間で周知・著名となっていた。
イ 本件商標と引用各商標との類似性の程度
商標法第4条第1項15号は,同じく混同防止規定の趣旨に出た同項10号ないし14号の規定と異なり「類似」を法文上の要件から敢えて外すことにより,個別具体的な状況下で出所の混同のおそれがあると認められる商標の登録をより広く排除する趣旨に出たものである。そうすると,15号の該当性を考慮するにあたって「類似性の程度」を他の判断基準よりも過度に重視すべきではない。
上記で述べたとおり,本件商標は,引用各商標と称呼・観念において類似するというべきである。
さらに,上述したとおり,請求人らの「KATE」は,クールでシャープな独自の世界観を有していることから,本件商標の「KATE‘S WORLD」に接した需要者は,請求人らが商品「化粧品」等に使用して周知・著名な「KATE」の持つクールでシャープな世界観を容易に想起させ,「KATE」と関連のある商品であるかのごとく,その商品の出所について混同するおそれが極めて高い。
また,仮に,本件商標が引用各商標との関係において,商標法第4条第1項第11号における類似の要件を満たすほどの類似性を有するものではないとしても,なお「KATE」の部分が共通するのであり,少なくとも,その類似性の程度は極めて高いというべきであり,このことを前提として出所混同のおそれの存否を判断しなければならない。
なお,周知・著名な商標と同一の文字と自他商品識別機能を発揮しない文字との結合商標では,当該周知・著名商標との誤認・混同のおそれが高いということは,他の審決例においても認められているとおりであるから,本件商標と引用各商標との混同のおそれについても,同様に是認されて然るべきである。
ウ 本件商標と引用各商標との指定商品の関連の程度等
上記(2)エのとおり,本件商標と引用各商標との指定商品は類似するから,指定商品については,非常に高い関連性を有する。
エ 小括
以上によれば,引用各商標と称呼・観念において類似する本件商標を,その指定商品について使用した場合には,これに接する需要者・取引者は,周知・著名な引用各商標と関連のある商品であるかのごとく,その商品の出所について混同するおそれが極めて高い。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)結論
以上のことから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するというべきであって,同法第46条第1項第1号により,その登録を無効とすべきである。
第4 被請求人の答弁
被請求人は,請求人の主張に対して,何ら答弁していない。
第5 当審の判断
1 引用各商標の著名性について
証拠及び請求人の主張によれば,以下の事実が認められる。
(1)認定事実
ア 新メイクアップシリーズ化粧品「KATE」の市場への登場について
(ア)請求人は,1940(昭和15)年5月に設立され(なお,請求人の前身である「長瀬商店」の創業は,1887(明治20)年である。),化粧品,スキンケア・ボディケア製品,ヘアケア製品やヘアスタイリング剤,健康機能性食品・飲料,サニタリー製品,オーラルケア製品,入浴剤,衣料用洗剤や柔軟仕上げ剤等のファブリックケア製品,食器用洗剤,住居用洗剤等のホームケア製品を中心に扱う,我が国で屈指の総合日用品メーカーである。同時に,これら日用品に加えて,油脂関連製品をはじめ,それを原料とする,油脂誘導体や界面活性剤,高機能ポリマー,香料など,多岐にわたる工業用製品も扱い,幅広い事業を展開する巨大企業である(甲6)。
(イ)カネボウは,1949(昭和24)年に設立した鐘淵化学工業株式会社が前身である化粧品全般の開発,製造,販売を主な業務内容とする,2004(平成16)年5月7日に設立された日本を代表する大手化粧品メーカーである。カネボウは,2006(平成18)年に請求人の完全子会社となった。
(ウ)カネボウは,1997(平成9)年2月,20歳前後の女性をコアターゲットとし,流行のアイテムやカラーを敏感にとらえた新メイクアップシリーズ化粧品「KATE」(ケイト)を発売した(甲7)。なお,標章「KATE」は,当該商品若しくはその包装又は当該商品に関する広告等に付される場合には,引用商標2に係るロゴタイプのものが,活字体で表されるときは,「KATE」又は「ケイト」が用いられている。
イ 「KATE」商品の売上高及び販売店舗について
「KATE」商品に関する売上高は,2008(平成20)年には160億円超,2009(平成21)年には約170億円,2010(平成22)年には170億円超,2011(平成23)年には180億円超,2012(平成24)年には190億円超,2013(平成25)年には200億円超を記録し,年々売上げが増加している(甲8)。
さらに,「KATE」商品は,2013(平成25)年9月の時点において,東京だけでも1,675店舗,そして,日本全国(47都道府県)では16,568もの店舗が取り扱っている(甲8)。
ウ 「KATE」に関する広告宣伝活動
(ア)テレビCM
「KATE」商品に関するテレビCMは,関東地区において,2003(平成15)年では1700GPR,2004(同16)年では2042.5GRP,2005(同17)年では3288.9GRP,2006(同18)年では2065GRP,2007(同19)年では2137.7GRP,2008(同20)年では1705.8GRP,2009(同21)年では3382GRP,2010(同22)年では4704.2GRP,2011(同23)年では5851.1GRP,2012(同24)年では4766GRPを記録している(甲8)。なお,GRPとは,「グロス・レイティング・ポイント」の略であり,ある期間中に放送したテレビCMの各回の世帯視聴率の合計である。例えば,関東地区で22GRPを獲得するには2250万円程度のコストがかかる(甲16)。
(イ)ウェブサイトによる広告
請求人らは,ウェブサイト上でも「KATE」商品の紹介を行っており,黒色の背景を基調とした構成で,「KATE」ブランドのクールでシャープな世界観の普遍性を象徴したものとなっている(甲17)。
(ウ)イベント協賛による広告
a 2009(平成21)年8月3日,東京・新木場において開催された,株式会社講談社ViVi編集部の主催・企画によるイベント「ViVi Night 2009 ?Girl’s Summer Festival?」において,「KATE」商品を自由に使用し試すことができる場を提供した(甲18)。
b 2009(平成21)年8月,東京,大阪,名古屋の繁華街において,「KATE」のロゴやイメージキャラクターを印刷したフィルムを車体に貼り付けたラッピング車両を走らせることにより新商品の告知を行った(甲19)。
c 2009(平成21)年8月29日,イーグルノース主催,人気女性誌「SEDA」の協賛によるイベント「ミス原宿グランプリ」において,「KATE」新商品の展示,「KATE」うちわの提供,「KATE」新作メイク紹介等を行った(甲20)。
d 2010(平成22)年7月,東京,大阪,仙台,横浜,広島,福岡を含む全国24か所において,大型看板及び大型ビジョンによる「KATE」の広告を行った(甲21)。
e 2012(平成24)年7?8月,映画「BRAVE HEARTS 海猿」及び「アメイジング・スパイターマン」が上映された全国56か所の映画館で,上映前に「KATE」商品の広告を流し,館内で「KATE」商品のサンプル6,000部を配布した(甲22,23)。「BRAVE HEARTS 海猿」については1週間,「アメイジング・スパイターマン」については2週間の間,「KATE」商品の広告が上映されたが,その間に283,200人が来場した(甲24)。
f 2012(平成24)年7月17日付東京中日スポーツ,日刊スポーツ及びサンケイスポーツにおいて,女優「黒木メイサ」が「KATE」の新CMキャラクターに起用されたことが掲載された(甲25)。
g 2012(平成24)年7月,東京の新宿駅及び渋谷駅,名古屋の栄駅,大阪の梅田駅にて,「KATE」の大型ポスター広告が掲載された(甲26)。
h 2013(平成25)年1?2月に,映画「ストロベリーナイト」が上映された全国24か所の映画館で,上映前に「KATE」商品の広告が上映された(甲27)。「KATE」商品の広告が上映された1週間の間,この映画には,103,796人が来場した(甲28)。
i 2013(平成25)年2月,前年同様,東京の新宿駅及び渋谷駅,名古屋の栄駅,大阪の梅田駅において,「KATE」の大型ポスター広告が掲載された(甲29)。
(エ)有名企業とのコラボレーション
a 2011(平成23)年,服飾メーカーで有名なUNIQLOとのコラボレーションTシャツの企画・販売を行った(甲30)。
b 2013(平成25)年,ゲームメーカーで有名な株式会社セガが運営する大阪の「梅田ジョイポリス」において,プリントシール機の利用者に「KATE」商品を貸し出すサービスを行った(甲31)。
c 2011(平成23)年2月25日付けの日経流通新聞には,写真シール機最大手のフリューと組んで,シール機のモニター画面に「KATE」のCMを流すほか,「KATE」のロゴやフレームが入った特製シールを提供する旨が掲載された(甲32の1及び2)。
エ 「KATE」の著名性に関する事実
(ア)2001(平成13)年10月1日発行の女性誌「CanCan」において,同誌の読者200人が選ぶ「安くて,かわいくて,高性能!安かわコスメ新作博覧会」で,「KATE」のアイシャドウ「フラッシュクラッシュ」がアイシャドウ部門の第1位に選ばれた(甲36)。
(イ)2002(平成14)年11月7日発行の女性誌「SEDA」において,東京・恵比寿のドラッグストアKポート(エクセレント店)でのアイカラー部門で,「KATE」のアイシャドウ「パーリィクラッシュ」が第1位に選ばれた(甲43)。
(ウ)2003(平成15)年2月1日発行のコスメ雑誌「美的/BITEKI」において,「発表!美的読者1,256人の自分史上最愛コスメランキング」のアイシャドウ部門で,「KATE」のアイシャドウ「スパイシーアイズ」が第1位に選ばれた(甲46)。
(エ)2004(平成16)年1月発行の女性誌「CUTIE」において,クチコミコスメランキングで,お気に入りアイシャドウとして「KATE」が第1位に選ばれた(甲54)。
(オ)2005(平成17)年8月1日発行の女性誌「ar」において,「読者1000人に部門別アンケート 熱狂的コスメランキング」で,「KATE」のアイシャドウ及びアイライナーが第3位,ネイルカラーが第5位に選ばれた(甲64)。
(カ)2006(平成18)年1月1日発行の女性誌「PINKY」において,「ビューティーアワード2005 PINKIES最愛コスメベスト3発表!」で,「KATE」のアイシャドウ「グラディカルアイズ」が第2位に,「アイブロウペンシル」が第1位に選ばれた(甲68)。
(キ)2007(平成19)年8月1日発行の女性誌「VoCE(ヴォーチェ)」において,「さすがは,ベストコスメ!」との特集で,アイブロウ部門では「KATE」の「デザイニングアイブロウ」が第1位に選ばれ,アイシャドウ部門及びアイライナー部門でもそれぞれ第3位及び第2位に選ばれた(甲72)。
(ク)2011(平成23)年1月1日発行の女性誌「Domani」において,「2010/2011年度 Domani調べ美容国勢(この1年間でDomani読者が選んだベストコスメランキング!)」で,「KATE」のアイシャドウ「グラディカルアイズ」が第3位に選ばれた(甲95)。
(ケ)2013(平成25)年1月1日発行の女性誌「VoCE(ヴォーチェ)」において,「2012年下半期『VOCEベストコスメ』発表!」で,「KATE」のアイブロウ「デザイニングアイブロウ」が第1位に選ばれた(甲140)。
(コ)2013(平成25)年6月1日発行の女性誌「bea’s up(ビーズアップ)」において,「2013年上半期買って良かった!コスメTOP5発表!」で,アイブロウ部門では「KATE」の「デザイニングアイブロウ」が第1位に選ばれた(甲151)。
オ 引用各商標のブランド評価
(ア)マーケティングリサーチを専門とする調査会社「株式会社インテージ」の調査結果によれば,「KATE」ブランドは,2003(平成15)年から2013(同25)年の各期においてセルフメイクカテゴリー(「店舗がメーカーの管理下になく,美容部員が存在せず,消費者が自由に商品を手にし選ぶことのできるメーカー」が属する分類のことをいい,主にスーパーマーケットやドラッグストア等で取り扱われている化粧品ブランドがこれに該当する。今回の対象は,沖縄県を除く全国のスーパーマーケット1100店,コンビニエンスストア750店,ホームセンター/ディスカウントストア200店,ドラッグストア1060店の合計3110店。)で金額販売シェア連続1位を記録している(甲163)。
(イ)株式会社ビデオリサーチによる「KATE」ブランドの認知度調査(首都圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)在住の満15?59歳の女性500sを対象)によれば,2009(平成21)年から2013(同25)年までの5年間で,20代女性の平均値(隔月で行っている調査データの年間平均値)が通年80%以上,30代女性においては2010(平成22)年以降80%以上の認知度を記録している。また,認知度の最高値(隔月で行っている調査データの年間最高値)は,20代女性に至っては通年90%以上と極めて高く,30代女性も通年85%以上とのデータが計上されている(甲164)。
(2)判断
前記(1)の認定事実によれば,2006(平成18)年に請求人の完全子会社になったカネボウは,1997(同9)年2月,20歳前後の女性をコアターゲットとして,流行のアイテムやカラーを敏感にとらえた新メイクアップシリーズ化粧品「KATE」(ケイト)を発売して以降,引用商標2に係るロゴタイプ及び「KATE」又は「ケイト」の文字を使用して,少なくとも2003(同15)年頃からは,テレビCM,ウェブサイト,イベント協賛,有名企業とのコラボレーションなどによる広告宣伝活動を全国規模で行い,「KATE」商品に関する売上高も,2008(同20)年には160億円超,その後も年々売上げが増加しており,2013(同25)年には200億円超の売上げを記録しているほか,「KATE」商品は,化粧品ブランドとして女性誌にも数多くとりあげられており,中でも,2001(同13)年?2013(同25)年までの間,ほぼ毎年,アイシャドウ,アイブロウなどの目元の化粧品分野では,人気ランキングの第1位に選ばれていること,引用各商標のブランド評価でも長年にわたり高い評価を得ていることが認められる。
そうすると,引用各商標は,本件商標の登録出願時には既に,請求人らの業務に係る化粧品ブランドとして,我が国の取引者,需要者の間に広く認識されて周知・著名な商標となっており,本件商標の登録査定時及びそれ以降も,そのようなものとして継続していたと認めることができる。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は,前記第1のとおり,「KATE’S WORLD」の欧文字を横書きしてなるものであるところ,「KATE’S」と「WORLD」との間には,1文字分の空白が設けられていることから,両者は視覚的に分離して看取されること,また,前半の「KATE’S」部分も,アポストロフィー(’)を介してなることから,「KATE」に所有格(「…の」)を表す「’S」が付されたものであることは,容易に理解できるものである。そして,「WORLD」は,「世界」を意味する平易な英語である。
そうすると,本件商標は,構成全体として,「ケイツワールド」との自然称呼が生じるとともに,「『KATE』の世界」といった意味合いを認識させるものである。
ところで,本件商標の指定商品は,前記第1のとおりであって,「化粧品」関係のほか,これと関連深い商品といえる「せっけん,歯の清浄用剤,精油(化粧品)」からなるものであるところ,前記1(2)のとおり,引用各商標(「KATE」)は,本件商標の登録出願時には既に,請求人らの業務に係る化粧品ブランドとして,我が国の取引者,需要者の間に広く認識されて周知・著名な商標となっており,本件商標の登録査定時及びそれ以降も,そのようなものとして継続していたと認めることができるから,上記指定商品に使用する本件商標中の「KATE」とは,その取引者,需要者をして,請求人らの業務に係る化粧品ブランドである「KATE」を認識させるものであるといえる。
したがって,上記「『KATE』の世界」とは,「化粧品ブランドとして周知・著名な『KATE』の世界」といった意味合いで認識されるものであるといえるから,本件商標の要部は,「KATE」であるというべきである。本件商標からは,要部である「KATE」に応じた「ケイト」との称呼及び「化粧品ブランドとして周知・著名な『KATE』」との観念も生じる。
(2)引用各商標
引用各商標は,それぞれ,前記第2のとおりの構成からなる。すなわち,引用商標1は,「KATE」の欧文字と「ケイト」片仮名を上下二段に横書きしてなるものであり,引用商標2は,別掲のとおり,「A」の横棒を省略したデザイン化された「KATE」の文字からなるものである。
引用各商標は,前記1(2)のとおり,請求人らの業務に係る化粧品ブランドとして周知・著名な商標であるから,これらからは「ケイト」との称呼及び「化粧品ブランドとして周知・著名な『KATE』」との観念が生じる。
(3)本件商標と引用各商標との類否
本件商標の要部「KATE」と引用各商標とを対比すると,「ケイト」との称呼及び「化粧品ブランドとして周知・著名な『KATE』」との観念が同一であり,外観も欧文字部分のつづりを共通にするから,両者は互いに類似する。したがって,本件商標と引用各商標も,互いに類似する商標であると認められる。
(4)本件商標と引用各商標との指定商品の類否
ア 本件商標の指定商品中「Non-medicated toilet preparations;cosmetic preparations for skin care;body and beauty care preparations;powders,creams and lotions,all for the face,hands and body not for medical purposes;nail polish;nail polish remover;cosmetics;shower and bath cosmetic preparations;preparations for cleaning,moisturising,colouring and styling the hair;shaving and aftershave preparations;perfumes,toilet waters,eau-de-Cologne;deodorants and anti-perspirants for personal use」は,引用各商標の指定商品中,第3類「化粧品」と同一又は類似の商品であると認められる。
イ 本件商標の指定商品中「soaps」は,引用各商標の指定商品中,第3類「せっけん類」と同一又は類似の商品であると認められる。
ウ 本件商標の指定商品中「essential oils (cosmetics)」は,引用各商標の指定商品中,第3類「香料類」と同一又は類似の商品であると認められる。
エ 本件商標の指定商品中「preparations for cleaning the teeth」は,引用商標2の指定商品中,第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」に含まれる「歯ブラシ」と類似の商品であると認められる。
(5)小括
したがって,本件商標と引用各商標とは類似の商標であり,かつ,本件商標の指定商品と引用各商標の指定商品とは同一又は類似の商品であるから,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 結語
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから,その余の無効理由について判断するまでもなく,同法第46条第1項の規定に基づき,その登録を無効にすべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2015-03-11 
結審通知日 2015-03-16 
審決日 2015-07-29 
審決分類 T 1 11・ 271- Z (03)
T 1 11・ 261- Z (03)
T 1 11・ 263- Z (03)
T 1 11・ 262- Z (03)
最終処分 成立 
前審関与審査官 池田 光治 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 網谷 麻里子
田村 正明
登録日 2012-08-01 
商標の称呼 ケイトズワールド、ケートズワールド、ケートズ、ケート、ワールド、ケーツワールド 
代理人 田中 克郎 
代理人 中村 勝彦 
代理人 村上 晃一 
代理人 春田 まり子 
代理人 佐藤 俊司 
代理人 穂坂 道子 
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