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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201322500 審決 商標
不服20152722 審決 商標
不服201511739 審決 商標
不服20156335 審決 商標
不服201511740 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない W32
管理番号 1309695 
審判番号 不服2015-3338 
総通号数 194 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-02-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-02-23 
確定日 2015-12-24 
事件の表示 商願2013-84356拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「健やかで活動的な毎日のために」の文字を標準文字で表してなり、第5類、第29類及び第32類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成25年10月28日に登録出願され、その後、本願の指定商品については、当審における同27年2月23日付け手続補正書をもって、第32類「青汁を含有するビール,ビール,青汁を含有するビール風味の麦芽発泡酒,ビール風味の麦芽発泡酒,飲料用青汁,飲料用青汁のもと,青汁を含有する清涼飲料,清涼飲料,青汁を含有する清涼飲料のもと,清涼飲料のもと,青汁を含有するビール風味の清涼飲料,ビール風味の清涼飲料,青汁を含有する果実飲料,果実飲料,青汁を含有する果実飲料のもと,果実飲料のもと,青汁を含有する飲料用野菜ジュース,飲料用野菜ジュース,青汁を含有する飲料用野菜ジュースのもと,飲料用野菜ジュースのもと,青汁を含有するコーヒーシロップ,コーヒーシロップ,青汁を含有するシャーベット水,シャーベット水,青汁を含有するトマトジュース,トマトジュース,青汁を含有するシロップ,シロップ,青汁を含有するビール製造用ホップエキス,ビール製造用ホップエキス,青汁を含有する麦芽汁,麦芽汁,青汁を含有するビール製造用麦芽汁,ビール製造用麦芽汁,青汁を含有する乳清飲料,乳清飲料,青汁を含有する乳清飲料のもと,乳清飲料のもと,青汁を含有するアルコール分を含まない飲料,アルコール分を含まない飲料,青汁を含有する飲料製造用調整品,飲料製造用調製品」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『健やかで活動的な毎日のために』の文字を標準文字で表してなるものであるところ、これは、『健やかで活動的な毎日のために使用する商品』程度の意味合いの広告・宣伝のための標語(キャッチフレーズ)を表示したものと認識されるにとどまるものであるから、本願商標をその指定商品に使用しても、自他商品識別機能を有しないものであって、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審においてした証拠調べ
本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、意見を申し立てる機会を与えるべく、相当の期間を指定して、平成27年7月21日付けで証拠調べの結果を通知した。

4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要点
請求人が確認した限り、証拠調べ通知に記載された全17件のインターネット情報のいずれにおいても、本願商標を構成する「健やかで活動的な毎日のために」の語と完全に一致するものは使用されていない。
また、上記インターネット情報の多くは、主語や目的語等を含めた文章全体をもって商品の特徴等を認識、理解させるものであったり、タイトルや見出しのように取引者、需要者の注意をある程度ひくような態様で使用されていないものであり、タイトルや見出しとしての使用は、わずか5件にとどまることからすれば、不特定多数の者によって一般的に使用されているとはいえない。
さらに、本願商標を構成する「健やかで活動的な毎日のために」の語は、請求人の創造によるものであって、特に、「毎日」の内容を特定し、具体化するための「健やか」と「活動的」の2語を組み合わせたことが特徴的なものであるところ、上記インターネット情報において、これら2語を組み合わせたものは1件もない。
そうすると、本願商標は、その指定商品の品質や特徴を直接的かつ具体的に表示するものではなく、また、その創造性ゆえに、本願の指定商品を取り扱う業界において、取引上、普通に使用されている事実も発見できないものであることから、一種の造語を表したものと認識、把握されるものとみるのが相当である。
してみれば、上記インターネット情報をもってしては、本願商標を構成する語が、その指定商品を取り扱う業界において、単独で宣伝文句やキャッチフレーズとして、取引上、普通に使用されているとはいえないことから、本願商標について、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標と判断することは困難である。
なお、上記インターネット情報のうち、「(16)」として示されたものは、平成27年8月28日現在、閲覧することができなかったが、仮に、その内容が証拠調べ通知書に記載されたとおりであったとしても、本願商標のように「○○で△△な××のために」の構成からなるものではないから、「活動的」、「健やか」及び「毎日」の語が共通するとしても、これをもって、本願商標がその指定商品を取り扱う業界において、単独で宣伝文句やキャッチフレーズとして使用されているとはいえず、不特定多数の者によって一般的に使用されているともいうことはできない。
したがって、本願商標は、自他商品識別機能を十分に発揮するというべきものであり、商標法第3条第1項第6号に該当するものではない。

5 当審の判断
(1)本願商標は、前記1のとおり、「健やかで活動的な毎日のために」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、「病気をせず、からだの丈夫なさま。」を意味する「健やか」、「いきいきと動くさま。」を意味する「活動的」及び「日ごと。ひび。」を意味する「毎日」の各語(各語の意味については、「広辞苑第六版」(株式会社岩波書店発行)から引用。)を主として組み合わせてなるものであって、その構成全体をもって、「からだが丈夫でいきいきと動くようなひびのために」程の意味合いを容易に想起させるものである。
ところで、本願の指定商品中には、例えば、「飲料用青汁」、「果実飲料」、「飲料用野菜ジュース」といった商品が含まれているところ、これらの商品を取り扱う業界においては、近年における健康意識の高まりとともに、需要者の興味や関心をひくべく、商品の宣伝、広告における文言等として、例えば、「元気で活動的な毎日のために」、「いきいきとした毎日のために」、「活動的でいられる健やかな毎日のための」のように、元気にいきいきとした毎日を過ごすため、あるいは、いきいきと健康な毎日とするためといった意味合いを容易に想起させる語句を用いることが広く行われている(別掲(1)ないし(17)参照)。
そうとすると、上記のとおり、「からだが丈夫でいきいきと動くようなひびのために」程の意味合いを容易に想起させる本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、本願商標について、自他商品の識別標識として認識するというよりはむしろ、それらの商品に係る宣伝文句ないしキャッチフレーズの一類型として理解、認識するにとどまるとみるのが相当である。
そして、請求人が原審ないし当審を通じて提出した各資料を総合してみても、上記理解、認識を妨げるとみるべき特段の事情は見いだせない。
してみれば、本願商標は、その指定商品との関係において、取引者、需要者をして、宣伝文句ないしキャッチフレーズの一類型と理解、認識されるものであって、自他商品の識別標識とは認識されることのないものというべきである。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であり、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人は、証拠調べ通知書において示されたインターネット情報の中には、本願商標を構成する「健やかで活動的な毎日のために」の語と完全に一致するものはなく、また、本願商標の特徴である「毎日」の内容を特定し、具体化するための「健やか」と「活動的」の2語を組み合わせたものもないこと、さらに、その情報の多くは、主語や目的語等を含めた文章全体をもって商品の特徴等を認識、理解させるものであったり、タイトルや見出しのように取引者、需要者の注意をある程度ひくような態様で使用されていないものであることからすれば、上記インターネット情報をもって、本願商標を構成する語が、その指定商品を取り扱う業界において、単独で宣伝文句やキャッチフレーズとして、取引上、普通に使用されているとはいえず、本願商標について、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標ということはできない旨主張する。
しかしながら、本件において問題となるのは、本願商標を構成する「健やかで活動的な毎日のために」の語に接した取引者、需要者が、これを自他商品の識別標識として認識するのか、それとも、宣伝文句ないしキャッチフレーズの一類型と認識するのかということであって、該語が、宣伝文句ないしキャッチフレーズとして、現に一般に使用されているか否かのみによって決せられるものではない。
そして、本願商標を構成する「健やかで活動的な毎日のために」の語は、上記(1)において述べたとおり、その構成全体をもって、「からだが丈夫でいきいきと動くようなひびのために」程の意味合いを容易に想起させるものであって、本願の指定商品を取り扱う業界の実情に鑑みれば、取引者、需要者をして、宣伝文句ないしキャッチフレーズの一類型と理解、認識されるものである。
してみれば、たとえ、証拠調べ通知書において示した事実の中に本願商標と同一の「健やかで活動的な毎日のために」の語を用いたものがないとしても、本願商標は、取引者、需要者をして、宣伝文句ないしキャッチフレーズの一類型と理解、認識されるにとどまり、自他商品の識別標識とは認識されることのないものであるから、上記請求人の主張を採用することはできない。
(3)以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 (別掲)
平成27年7月21日付け証拠調べ通知書をもって請求人に示した事実。
なお、下線は、当合議体が付加したものである。
(1)「株式会社アサヒ緑健」のウェブサイトにおいて、「青汁×グルコV(ファイブ)」について、「元気で活動的な毎日のために!」の記載がある(http://003003.jp/item.html)。
(2)「カルピス株式会社」のウェブサイトにおいて、「1日分の青汁」等について、「健やかな毎日のために」の記載がある(https://www.asahi-kenko.com/list/01.html/?colno=ob2)。
(3)「日本メディカル電子株式会社」のウェブサイトにおいて、「生搾り青汁」等を含む「取扱商品」について、「日々の健康のために」及び「健やかな毎日のために」の記載がある(http://jm-tron.co.jp/new/item/cn7/index.html)。
(4)「株式会社渡邊畳店」のウェブサイトにおいて、「いぐさ青汁」について、「ぜひ元気な毎日のために『いぐさ青汁』をご利用ください。」の記載がある(http://aijyouhonpo.com/osusume/igusa/igusa.html)。
(5)「株式会社Mizuken」のウェブサイトにおいて、「大麦若葉すっきり青汁」について、「すっきりヘルシー!健康な毎日のために!」の記載がある(http://www.mizuken-netshop.com/aojiru.html)。
(6)「株式会社おもちゃ箱」のウェブサイトにおいて、「有機クランベリーザフト」について、「美容と健康的な毎日のために」の記載がある(http://www.omochabako.co.jp/brand/beutelsbacher)。
(7)「株式会社HIC」のウェブサイトにおいて、「ベストメント」について、「快調な毎日のために、乳果オリゴ糖飲料ベストメント。」の記載がある(http://www.hic-lifescience.com/bestment)。
(8)「雪印メグミルク株式会社」のウェブサイトにおいて、「農協 野菜Days」について、「野菜と過ごす健やかな毎日のために」の記載がある(http://www.meg-snow.com/nokyo/yasai-days/)。
(9)「アボット ジャパン株式会社」のウェブサイトにおいて、「明日も元気」について、「いきいきとした毎日のためにアミノ酸習慣はじめませんか?」の記載がある(http://www.ashitamogenki.jp/)。
(10)「明治製薬株式会社」のウェブサイトにおいて、「元氣芯」について、「植物群のエキスを皆さまの健やかな毎日のためにお役立てください。」の記載がある(http://www.meijiseiyaku.co.jp/pdf/genkishin.pdf)。
(11)「薬ケンコーコム」のウェブサイトにおいて、「インティ キラプラセンタ Deep 550000EX カクタス&巨峰味」について、「美しく健やかな毎日のためにお召し上がりください。」の記載があり(http://www.kenko.com/product/item/itm_6935193472.html)、同じく、「オルト アサイー・ベレーザ アサイードリンク」について、「美しく、活力のある毎日のためにご愛飲ください。」の記載がある(http://www.kenko.com/product/item/itm_6911586972.html)。
(12)「ナチュラルパワークリエイト株式会社」のウェブサイトにおいて、「ライフチェンジ」について、「美容が気になる方にも、イキイキと動ける毎日のためにも。」の記載がある(http://www.npcinc.co.jp/wordpress/products/category02_item02.html)。
(13)「株式会社やずや」のウェブサイトにおいて、「ずぼらさんの酵素グリーンスムージー」について、「美しく健やかな毎日のために、飲む健康法『酵素グリーンスムージー』を始めてみませんか?」の記載がある(http://www.yazuya.com/useful/trouble.html)。
(14)「酵素の通販サイト紹介-酵素調査隊-」のウェブサイトにおいて、「青パパイヤをより効果的に摂るために」の見出しの下、「健康で元気にキレイな毎日のために『ピタヤと青汁のグラマラスリム・スムージー』をお勧めします。」の記載がある(http://酵素調査隊.biz/diet/blue-papaya.php)。
(15)「シナジーワールドワイド・ジャパン合同会社」のウェブサイトにおいて、「ニュートリショナル」について、「健康で幸せな毎日のために」の記載がある(http://synergyjapan.jp/Products/ProductsList.aspx?CatalogId=162)。
(16)「日東メディカル株式会社」のウェブサイトにおいて、「おたね健康飲料」等を含む「活力商品」について、「いつまでも活動的でいられる健やかな毎日のための商品」の記載がある(http://www.ntmed.co.jp/50kara/about.html)。
(17)「株式会社ファンケルヘルスサイエンス」のウェブサイトにおいて、「青汁事業」について、「生き生きとした毎日のために、ひとりでも多くの方に上質の青汁をお届けしたい。その想いから、もっと飲みやすく栄養価の高い青汁の開発に日々こだわり続けています。」の記載がある(http://www.fancl.jp/about/fancl/health.html)。



審理終結日 2015-10-19 
結審通知日 2015-10-26 
審決日 2015-11-09 
出願番号 商願2013-84356(T2013-84356) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (W32)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 箕輪 秀人 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 高橋 幸志
田中 敬規
商標の称呼 スコヤカデカツドーテキナマイニチノタメニ 

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