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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z12
管理番号 1309690 
審判番号 取消2014-300733 
総通号数 194 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-02-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2014-09-12 
確定日 2015-10-24 
事件の表示 上記当事者間の登録第4407369号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4407369号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4407369号商標(以下「本件商標」という。)は,「LAUFEN」の欧文字と「ラウフェン」の片仮名を上下2段に書してなり,平成11年7月2日に登録出願,第12類「自動車並びにその部品及び附属品,荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,動力伝導装置,緩衝器,ばね,制動装置,乗物用盗難警報器」を指定商品として,平成12年8月11日に設定登録され,その後,平成22年6月1日に,商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
なお,本件の審判請求の登録日は,平成26年10月10日である。

第2 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,その指定商品について,継続して3年以上日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)提出された証拠について
ア 乙第1号証
乙第1号証は,被請求人が2002年に作成した商品カタログであるとのことである。被請求人自身が述べるとおり,商標法第50条第1項に規定する登録使用には該当しない。本件審判の請求登録前3年以内より前の期間による使用の実績だからである。
イ 乙第2号証
乙第2号証は,中古車ないしバイク部品販売業の株式会社アップガレージ(以下「アップガレージ」という。)の福井店店長の輪田氏により提出された,証明書である。
本書面では,アップガレージ福井店に2013年12月頃に被請求人のスプリング(ばね)が入荷し,店舗およびウェブサイト(http://www.upgarage.com/index_upg.html)において販売のために展示を開始し,現在も販売のために展示し続けていると述べている。
商標法第50条第1項で規定する登録商標の使用は,商標権者,その専用使用権者もしくは通常使用権者のいずれかが行っていることを求めているところ,アップガレージは,本件商標の商標権者でも使用権者でもないことは,本件商標の登録原簿の写しから明らかである(甲2)。被請求人と何等の関係を持たない無関係者による登録商標の使用は,商標権者等による使用でないのであるから,乙第2号証は同条項で規定する本件商標の使用を証するものでない。
さらに,乙第2号証では写真が掲載されているが,いつ,どこで撮影されたものであるかが明らかでない。納品書や請求書などの証書もなく,したがって,同条項で規定する登録商標の使用の有無を認定する情報が欠けており,使用を証するものに該当しない。
ウ 乙第3号証
乙第3号証は,株式会社ブリジストンのタイヤ専門会社であるミスタータイヤマン(甲3)の小山北店の店長により提出された証明書として,被請求人から提出されている。
本書面では,2010年までに,被請求人のショックアブソーバーとスプリングが入荷し,現在も販売のために展示し続けている,と述べている。しかし,納品書や請求書など2010年までの入荷の事実を証するものは何ら示されておらず,いつ誰から入手したものかをうかがい知ることはできない。たとえば,被請求人以外の全くの第三者から人手された場合も想定できる。被請求人から直接入手していないとすれば,その流通過程において,被請求人による本件商標の使用とはいえないものと考えられる。仮に,被請求人の製品だったとしても,被請求人からいったん誰かに販売されたあと,もしくは一旦消費した者によりミスタータイヤマンヘ持ち込まれたものであるかもしれず,被請求人ないしその使用権者による使用であるかどうかを認定することができない。この点,乙第2号証で述べたとおり,本件商標の登録原簿によれば,ミスタータイヤマンらに本件商標についての使用権は設定されていない。
乙第3号証には,2枚の写真が掲載されているが,いずれも不鮮明であり,本件商標と称される表示がどのような商品との関係で使用されているのかが不明確であり,使用の実績を認定することはできない。また,本件商標は英文字とカタカナの組み合わせからなるところ,それらしき表示を確認することはできない。
さらに,商品の箱のようなものが写真が映されているが,本件商標の表示が明瞭に表されていない他,被請求人の商品であるかも判別が不可能である。したがって,被請求人による本件商標の使用にかかるものであるかの認定は困難であり,同条項に規定する使用の認定は不可能である。
なお,被請求人は,答弁書中において,知財高裁平成24(行ケ)10250平成25年1月10日判決を引用し,「商標権者が商品に付した商標は,その商品が転々流通した後においても,当該商標に手が加えられない限り,社会通念上は,当初,商品に商標を付した者による商標の使用と解されるべきである」と述べているが,これは,本決定の主旨を正しくとらえたものでなく,受け入れることはできない。なぜならば,引用された判決は,独占販売者による販売を商標権者等の使用ととらえるべきかどうか,という特定の事情のもとでの判断であるからである。本件商標に関しては,甲第2号証にあるとおり,商標権者以外の登録された使用権者は存在せず,かつ,被請求人の答弁書には独占販売者の存在も,その他特別の関係を有する者が存在することも述べられておらず,商標権者ないし使用権者以外の者による使用を想定できない。
エ 乙第4号証
乙第4号証は,ミスタータイヤマン小山北店で被請求人の商品を撮影したものと被請求人は主張する。
乙第4号証の1頁目がミスタータイヤマン小山北店であることは,建物の表示から窺えるが,被請求人の商品がそこで扱われているかどうかは,その2頁目の写真と併せても判断できない。なぜならば,2頁目の写真が仮に被告人商品を包装する箱であったとしても,商品そのものである,その中身が存在するのかが不明であるし,別の場所で撮影した商品箱の写真であるかもしれず,ミスタータイヤマン小山北店で現在もしくは,本件審判の請求登録前3年以内に販売されているかどうかを判断できる資料,例えば納品書や請求書,その他の情報も伴っていないことから,同号証は,同条項で規定する使用を認定する基礎とすることができない。
オ 乙第5号証
乙第5号証は,アップガレージの中古品販売のウェブサイトのページの写しである。
被請求人は,答弁書にて,被請求人商品が「被請求人たる商標権者が本件商標を付して市場に流通させた商品が,中古部品として,審判請求日直前及び現在においても市場で流通し続けている」と述べている。この点,被請求人が一旦市場で販売し,消費者に使用されたあとの中古品が市場で販売されているわけであるが,この中古品の販売は,被請求人や本件商標の使用権者でない無関係の第三者(アップガレージ)により行われているものであり,同条項で規定する,商標権者等による使用には該当しない。
カ 乙第6号証
乙第6号証は,「みんカラ」ウェブサイトの写しである。
「みんカラ」とは,車に関するSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)である(甲5)であり,乙第6号証は,そこから抽出されたページの写しである。
SNSのページであるということは,販売者が販売の目的で公開しているものではないことは明かであり,もって,商標権者等による商標の使用の判断の基礎とは成り得ない。
請求人が乙第6号証に記載されたURLを再検索したページによれば(甲6),乙第6号証は,本ページを掲載した個人が,被請求人の商品とも解される商品たるマフラーを,中古品として購入し,その使用についての感想を述べているものである。乙第6号証には,購入価格(¥14,900円)と入手ルート(アップガレージ東村山店)と記載があるが,これは,そのブログが記載されたと思われる2014年9月4日にマフラーが購入された履歴に相当するとは限らない。みんカラのブログの掲載日とマフラーの購入日が同日であるべき必然的関連性がないからである。また,アップガレージ東村山店は,甲第2号証にあるとおり,被請求人でも本件商標の使用権者でもない,商標権者とは無関係の者であるから,同条項で規定する,商標権者等の使用には該当しないものである。
キ 乙第7号証
乙第7号証は,アップガレージの福井店で撮影した写真とされる。
しかし,答弁書中にも,乙第7号証自体にも,撮影された日時・場所についての言及がなく,被請求人の主張は認容しがたいものである。さらに,アップガレージは,被請求人と何等の法的関係を有さない者であり(甲2),同条項に規定する商標権者等に該当しない者である。
(2)「登録商標の使用」について
商標法第50条の立法主旨について,工業所有権法逐条解説によれば,「商標法上の保護は,商標の使用によって蓄積された信用に対して与えられるのが本来の姿であるから,一定期間登録商標の使用をしない場合には保護すべき信用が発生しないかあるいは発生した信用も消滅してその保護の対象がなくなると考え,他方,そのような不使用の登録商標に対して排他独占的な権利を与えておくのは国民一般の利益を不当に侵害し,かつ,その存在により権利者以外の商標使用希望者の商標の選択の余地を狭めることとなるから,請求をまってこのような商標登録を取り消そうというのである。」とあるとおり,使用により蓄積された信用が存在する商標でなければ,商標法の保護の対象でないことが明らかである(甲7)。
この点,請求人は,本件審判請求に先だって,被請求人が本件商標を国際分類第12類で,直近の3年間で使用をした実績があるかを調査した。その調査の結果,確かに,被請求人は,10年以上前に,自動車用アルミホイール,エアロパーツ,マフラー等のブランド名として「Laufen」(ラウフェン)を用いていたことが判明したが,2005年の年内をもって,「Laufen」(ラウフェン)ブランド製品の販売を終了していること,以後,本件商標の使用実績は見当たらないこと,を確認している(甲8)。
この,使用調査報告書によれば,被請求人社内の者による証言により,本件商標にかかるブランドは,2001年から2005年まで,自社オリジナルカー用品ブランドとして,展開されていたこと,具体的には,ダウンサスペンション,マフラー,エアロパーツ(アンダースポイラー,サイドステップ)等は2003年に販売を終了し,アルミホイールも2005年の年内を以って販売を終了し,全ての展開を終えたとされている。現在では,中古以外での製品の入手は困難であろうとまで調査がされている。本件審判の請求が2014年9月12日,その登録が同10月10日(審決注:「8日」の記載は,「10日」の誤り。)であるから,2005年は,それ以前3年より前のことであり,要証期間に該当せず,取消理由を免れないものである。
本件商標の使用主体について,商標法第50条第1項は,「商標権者,専用使用権者または通常使用権者のいずれもが」と規定している。この点,本件商標の登録原簿には(甲2),いかなる使用権者の登録もないことが明かである。被請求人は答弁書及び各乙号証にて,中古の車用品販売会社や,タイヤの販売会社,SNSによる,被請求人の商品の中古品の販売と思われる写真をもって,本件商標がその指定商品「ばね,緩衝器,自動車の部品」について使用していると主張するが,いずれの者も使用権者として特許庁の商標登録原簿に登録のないものであって,被請求人とは無関係の者である。仮に,被請求人と関係があると主張されるのであれば,使用許諾契約が交わされてしかるべきところ,その証書の提示もなく,被請求人との関係がない者による活動の一端が示されているにすぎない。
よって,文理上,商標法第50条第1項で定める使用主体による本件商標の使用の実績は,本件審判請求登録前3年以内に存在しないことは明白である。
各乙号証の中には,被請求人とは無関係の第三者による被請求人製品の中古品の販売資料が提出されている。かかる中古品に本件商標を構成する文字からなる表示が付されているが,この表示は,本件商標登録にかかる商標とは同一ではない。なぜならば,本件商標にはカタカナが併記されているが,乙号証のいずれにおいても,英文字とカタカナを組みあわせた本件商標と同一の商標の使用事実は窺い知ることができない。また英文字部分も,書体も配置も本件商標とは異なっている。したがって,同条項で定める「登録商標の使用」に該当しない。
さらに,もし仮に,各乙号証で示される第三者による活動が,被請求人の本件商標の使用と認定されるとすれば,前記のとおりの商標法第50条の立法趣旨に反し,請求人を含めた第三者の商標選択の余地を狭める結果となって,到底受け入れがたいものである。なぜならば,各乙号証で示された情報は,被請求人の管理・監督の及ばない第三者の活動の情報であり,被請求人や使用権者による使用とは認定できないものであるからである。商標法の保護対象たる蓄積した信用は,相当の期間の継続した販売等の活動の結果,商標に化体するところ,審判請求登録前約9年程度の被請求人による販売実績がないとなれば,かかる化体した信用が存在しないか,2005年までに一旦化体したかもしれない信用も,現時点では消滅し存在しないと判断するのが常識である。しかも,自動車の部品であって,10年近くも前に販売されたものは,品質の劣化から,中古品として流通する数は極めて少なくなるものと考えられる。特に,自動車業界は,常に技術革新を続けており,半年や1年もすれば,各自動車部品や部分の技術の進歩はめまぐるしく,市場において,需要者が,被請求人が2005年に販売した商品をこぞって購入する意欲をかき立てられるとは考えにくい。したがって,各乙号証での第三者による中古品の販売が現実に存在したとしても,本件商標の形式的な使用にしか該当しない。そうとすれば,被請求人自身の販売の事実により2005年までに本件商標に化体したかもしれない信用は,現時点では消滅したものと考えるのが自然である。
(3)むすび
請求人は,上記のとおり,乙第1号証?乙第7号証の全てが被請求人による本件商標の使用の事実を証明する証拠としての成立性を欠くものであると考える。
したがって,被請求人の本件商標の使用の事実を認定することができず,本件商標は審判請求の登録より前,継続して3年以上不使用の状態にあり,取り消されるべきものである。

第3 被請求人の主張
被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め,答弁の理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。
1 本件商標の使用事実の要点
本件商標の商標権者である「株式会社ウェッズ」(以下「ウェッズ」という。)は,要証期間に我が国においてその請求にかかる指定商品中「ばね,緩衝器,自動車の部品」について,本件商標を使用している。
2 本件商標の使用の事実
(1)本件商標
商標の構成 「LAUFEN\ラウフェン」
指定商品 第12類「自動車並びにその部品及び附属品,荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,動力伝導装置,緩衝器,ばね,制動装置,乗物用盗難警報器」
(2)商標の使用者
乙第1号証,乙第2号証,乙第3号証には,「株式会社ウェッズ」が表示されている。
乙第1号証には,「東京都目黒区目黒本町1-12-12」(商標権者の旧居所)が表示されている。
(3)使用に係る商品
乙第1号証には,「ばね,緩衝器,自動車の部品」の品名,対応車種,価格が掲載されている。
乙第2号証には,「ばね,自動車の部品」の品名及び現物写真が掲載されている。
乙第3号証には,「ばね,緩衝器,自動車の部品」の品名及び現物写真が掲載されている。
(4)使用にかかる商標
乙第1号証,乙第2号証及び乙第3号証には,本件商標が記載されている。
(5)使用時期
乙第2号証には,「上記商品は,遅くとも2013年12月頃店舗(アップガレージ福井店)に入荷し,入荷後速やかに店舗及びウェブサイトにおいて販売の為に展示を開始し,現在も販売の為に展示し続けている。」と記載されている。
乙第3号証には,「上記商品は,遅くとも2010年迄に店舗(ミスタータイヤマン小山北店)に入荷し,入荷後速やかに店舗において販売の為に展示を開始し,現在も販売の為に展示し続けている。」と記載されている。
3 補足説明
(1)乙第1号証について
乙第1号証は,商標権者が2002年に作成した商品カタログであり,これをもって,本件審判請求登録前3年以内の期間における商標の使用を証明するものではない。あくまで,乙第2号証及び乙第3号証で示されている商品に対して本件商標を付し,市場に流通させた者が商標権者であることを証明するものである。
(2)商標の使用者について
乙第2号証及び乙第3号証から,商品を販売するために展示している者は,直接的には被請求人である商標権者ではなく,乙第2号証及び乙第3号証で示した各店舗である。
しかしながら,商標権者が商品に付した商標は,その商品が転々流通した後においても,当該商標に手が加えられない限り,社会通念上は,当初,商品に商標を付した者による商標の使用と解されるべきである(知財高裁平成24(行ケ)10250平成25年1月10日判決に同旨)。
(3)使用に係る商品について
乙第2号証及び乙第3号証に掲載されている商品は,自動車用スプリング(ばね)及びショックアブソーバー(緩衝器)である。しかしこれら商品は,街中の自動車用品店(例えばオートバックス等)やタイヤショップといった店舗を通じて市場に流通する商品であり,その流通経路及び販売経路を勘案すると,「ばね」「緩衝器」であると同時に「自動車の部品」として取引者・需要者に把握される性質をもった商品である。
また,これら商品は,自動車そのものと同様に,耐用年数の長い商品である。よって,新製品として販売されなくなったとしても,中古部品として,市場において転々流通する性質を備えた商品であって,長期間に渡って業務上の信用が化体し続ける性質を備えている。この点,被請求人たる商標権者が本件商標を付して市場に流通させた商品が,中古部品として,審判請求日直前及び現在においても市場で流通し続けている事実が,乙第5号証及び乙第6号証によって示されている。
4 むすび
以上のとおり,本件商標は,本件審判の請求登録前3年以内に日本国内において商標権者により指定商品中「ばね,緩衝器,自動車の部品」について使用していることが明らかであるから,本件審判の請求は成り立たない,との審決を求める。

第4 当審の判断
1 不使用取消審判について
商標法第50条に規定する商標登録の取消しの審判にあっては,その第2項において,「その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り,使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて,商標権者は,その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れない。」旨規定されている。
2 被請求人の提出した証拠について
(1)乙第1号証
乙第1号証は,被請求人が2002年に作成した商品カタログの抜粋である。
そして,その3枚目には,「Laufen ODYSSEY」の文字と共に,自動車の部品であるエアロパーツ,サスペンション,マフラー等について,「フロントハーフスポイラー,サイドステップ,ショックアブソーバー,スプリング,マフラー」等の商品が写真や価格表と一緒に掲載されている。
(2)乙第2号証
乙第2号証は,「アップガレージ」の福井店店長の輪田氏による2014年12月8日付けの「証明書」である。
そして,これには,「製品名:Laufen SILVIA スプリング」,「メーカー名:株式会社ウェッズ」,「上記商品は,遅くとも2013年12月頃店舗(アップガレージ福井店)に入荷し,入荷後速やかに店舗及びウェブサイト(省略)において販売の為に展示を開始し,現在も販売のために展示し続けている。」の記載があり,また,「Laufen」の文字が表示された商品の写真画像が貼付されている。
(3)乙第3号証
乙第3号証は,「ミスタータイヤマン」の小山北店店長の石川氏による2014年12月8日付けの「証明書」である。
そして,これには,「製品名:Laufen ショックアブゾーバー及びスプリング」,「メーカー名:株式会社ウェッズ」,「上記商品は,遅くとも2010年迄に店舗(ミスタータイヤマン小山北店)に入荷し,入荷後速やかに店舗において販売の為に展示を開始し,現在も販売のために展示し続けている。」の記載があり,また,「スプリング」等の商品画像の他に,商品の包装箱に「Laufen」の文字が表示された写真画像が貼付されている。
(4)乙第4号証
乙第4号証は,ミスタータイヤマン小山北店で撮影された4枚の写真である。1枚目の写真は,ミスタータイヤマン小山北店の店舗が撮影されているものである。2枚目の写真は,商品の包装箱に「COIL SPRING」及び「Laufen」の文字が表示されている。3枚目の写真は,商品の包装箱に「WedsPleasure」,「SUSPENSION」及び「Laufen」の文字が表示されている。4枚目の写真は,「スプリング」等の商品の他に,商品の包装箱に「Laufen」の文字が表示されている。
なお,これらの写真の撮影日,撮影者は不明である。
(5)乙第5号証
乙第5号証は,「アップガレージ」の中古品販売のウェブサイトである。
これには,「商品詳細」として,「マフラー」の写真が掲載され,「商品名」として,「Weds Sport Laufen セミステンマフラー」の記載がある。また,当該ウェブページには,印刷日として,「2014/12/03」の日付けがある。
(6)乙第6号証
乙第6号証は,車・自動車SNS「みんカラ」のウェブサイトである。
これには,個人のブログとして,「Weds Weds Pleasure Laufen ラウフバーンマフラー 品番:LM-T006」,「2014年09月04日」,「【総評】ウエッズとHKSが共同開発したマフラーのようです。・・・」,「購入価格¥14,900」,「新品/中古 中古」,「入手ルート 実店舗(アップガレージ)※アップガレージ東村山店」等の記載がされると共に,車に装着された「マフラー」の写真が掲載されている。
(7)乙第7号証
乙第7号証は,アップガレージ福井店で撮影された写真である。
これには,「Laufen」の文字が付された商品の他に,「Weds Laufen」,「ダウンサス」,「¥5,590(税込)」と表示された「値札」が撮影されている。
3 本件商標の使用について,上記2によれば,以下のとおりである。
(1)本件商標の使用行為等について
ア 被請求人の「Lawfen」の文字の使用については,乙第1号証の商品カタログにより,自動車の部品である「フロントハーフスポイラー,サイドステップ,ショックアブソーバー,スプリング,マフラー」等の商品についての使用が認められる。
しかし,この商品カタログは,2002年に作成されたものであって,要証期間(2011年10月10日?2014年10月9日)よりかなり古いものであって,本件商標がこの期間内に使用されたものとは,当該カタログでは認められない。
イ 乙第2号証及び乙第3号証は,「アップガレージ」の福井店店長,及び「ミスタータイヤマン」の小山北店店長による「証明書」であるところ,「製品名:Laufen ショックアブゾーバー及びスプリング(メーカー名:株式会社ウェッズ)」,「製品名:Laufen ショックアブゾーバー及びスプリング(メーカー名:株式会社ウェッズ)」について,それぞれ,「上記商品は,遅くとも2013年12月頃店舗(アップガレージ福井店)に入荷し,入荷後速やかに店舗及びウェブサイト(省略)において販売の為に展示を開始し,現在も販売のために展示し続けている。」,及び「上記商品は,遅くとも2010年迄に店舗(ミスタータイヤマン小山北店)に入荷し,入荷後速やかに店舗において販売の為に展示を開始し,現在も販売のために展示し続けている。」と記載されており,上記商品について,それぞれの店舗において,納入した事実及び販売した事実を証明しているものであるから,その証明内容は,本件商標の通常使用権者などによる本件商標の使用を証明したものではない。
また,上記証明書においては,それぞれの商品を被請求人から入荷した事実は証明されておらず,またそれを立証する証拠の提出もない。
ウ 被請求人の提出に係る乙第4号証?乙第7号証についても,被請求人が本件商標を付した商品を要証期間に販売した等の事実を確認できないことから,これらの証拠によっては,商標法第2条第3項各号における本件商標の使用の行為を認めることができない。
(2)使用に係る商標について
被請求人が提出した乙第2号証?乙第4号証の写真等の証拠において表示されている「Lawfen」の商標は,本件商標の欧文字部分の「LOUFEN」と綴りが同一であり,また,本件商標の片仮名部分の「ラウフェン」は,その欧文字部分の読みを表したものというのが自然であるから,その使用に係る「Lawfen」の商標と本件商標とは,社会通念上同一のものと認められる。
4 むすび
以上のとおり,使用に係る商標が本件商標と社会通念上同一であるとしても,被請求人が提出した証拠によっては,本件審判の請求の登録前3年以内に,本件商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが,本件取消請求に係る指定商品のいずれかについて,本件商標を使用していることを証明したものということができない。
また,被請求人は,その指定商品について,本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって,本件商標は,商標法第50条の規定により,その登録を取り消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2015-08-27 
結審通知日 2015-08-31 
審決日 2015-09-11 
出願番号 商願平11-58698 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (Z12)
最終処分 成立  
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 田中 亨子
井出 英一郎
登録日 2000-08-11 
登録番号 商標登録第4407369号(T4407369) 
商標の称呼 ラウフェン、ローフェン 
代理人 岩崎 博孝 
代理人 筒井 大和 
代理人 小塚 善高 
代理人 筒井 章子 

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