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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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不服20153918 | 審決 | 商標 |
不服20153967 | 審決 | 商標 |
不服20153917 | 審決 | 商標 |
不服201411133 | 審決 | 商標 |
不服201513171 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W29 |
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管理番号 | 1309655 |
審判番号 | 不服2015-1398 |
総通号数 | 194 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2016-02-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-01-26 |
確定日 | 2015-12-14 |
事件の表示 | 商願2014-22431拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第29類「キムチ」を指定商品として、平成26年3月25日に登録出願されたものである。 第2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、右側より赤で縁取りした『ごはんが』の文字、『おいしい』の文字及び『旨キムチ』の文字を縦書きに書してなる別掲の構成からなるところ、全体として『ごはんが美味しい旨いキムチ』の意味合いを容易に認識させるものであり、本願商品の分野において、未だ普通に用いられる方法の域を脱しない態様であるから、これを本願指定商品に使用しても上記意味合いを認識させるにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 第3 当審における証拠調べ通知書(要旨) 当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、下記の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、証拠調べの結果を通知し、相当の期間を指定して意見を述べる機会を与えた。 記 1 本願の指定商品を取り扱う分野における「ごはんがおいしい○○」の文字の使用例について (1)「楽天市場」のウェブサイトにおいて、「有限会社土江本店」の見出しのもと、「ごはんがおいしい漬物セット」の項に、その商品について「ごはんがおいしい千切り大根キムチ」、「ごはんがおいしいきゅうりキムチ」の記載、及び「お酒のおつまみにあつあつのご飯にも良く合います。」の記載がある。 (http://item.rakuten.co.jp/tsudakko/sp-2/) (2)「amazon」のウェブサイトにおいて、「よしの味噌 からし高菜[250g袋入り]」の見出しのもと、その商品について「ごはんがおいしい からし高菜」の記載、及び「辛いもの好きをうならせる『からし高菜』ごはんがススム!!チャーハン、ラーメンとの相性も◎」の記載がある。 (http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00JGN2V6S/hamsonic-22/ref=nosim/) (3)「イトク食品株式会社」のウェブサイトにおいて、「食べる生姜(ビンタイプ)」の見出しのもと、その商品について「ごはんがおいしい生姜」の記載、及び「ごはんがおいしい訳 風味の良い高知県産生姜を細かく刻み、・・・アツアツのご飯にぴったりの逸品です。」の記載がある。 (http://itokufood.info/products/detail.php?product_id=39) (4)「紀州南高梅 勝喜梅」のウェブサイトにおいて、「かつお仕立て 【心くばり】160g ごはんがおいしい味梅干!」の見出しのもと、その商品について「最高級の紀州南高梅のみを使った勝僖梅自慢のお味を手軽に味わえるシリーズ【心くばり】。かつお仕立てはかつおぶしと紫蘇の香りのハーモニーが絶妙で、一粒でごはんがおいしくなる梅干しなんです。」の記載がある。 (http://www.shoki-bai.co.jp/SHOP/E20041.html) (5)「みやもと食品 津田かぶどっとこむ」のウェブサイトにおいて、その商品について「ご飯が美味しい はりはりキムチ 250g」の記載がある。 (http://www.tsudakabu.com/SHOP/k003-01.html) 2 本願の指定商品についての「旨キムチ」の文字及び「○旨キムチ」の文字の使用例について (1)「東京都の街中ドットコム MACHINAKA.COM」のウェブサイトにおいて、「『いちの旨キムチ』株式会社アイキューブICHIフーズ」の見出しのもと、その商品について「いちの白菜旨キムチ」、「深みとコクが違う、酸味の少ない日本人好みの旨キムチ」の記載がある。 (http://www.47-machinaka.com/~C0000204) (2)「株式会社石田商店」のウェブサイトにおいて、「キムチ」の見出しのもと、その商品について「商品名 みんなの旨キムチ」の記載がある。 (http://www.ishida-s.co.jp/goods2) (3)「鉄板焼・お好み焼【田なか】」のウェブサイトにおいて、「お品書き」の見出しのもと、メニュー名として「鶴橋産旨キムチ 350円」の記載がある。 (http://eating-maekawa.com/food/index.html) (4)「おうちでイオン イオンネットスーパー」のウェブサイトにおいて、その商品について「デリカ食品 うま旨キムチ 50g」の記載がある。 (https://www.aeonnetshop.com/shop/g/g130000000432104975223595175/) (5)「秋本食品株式会社」のウェブサイトにおいて、「商品情報」の見出しのもと、その商品について「オモニの極旨キムチ タレにりんご・オキアミ塩辛・かつおエキスなどを用いることで、コクと深みのある後引く辛さに仕上げました。乳酸発酵により、酸味と風味が徐々に増して更においしくなります。」の記載がある。 (http://www.akimoto.co.jp/theme56.html) (6)「エバラ食品工業株式会社」のウェブサイトにおいて、「本技 凄旨キムチ」の見出しのもと、その商品について「8種海産物の旨みと2種唐辛子のほど良い辛さが特徴の濃厚旨辛な贅沢キムチの美味しさを楽しむことができるプレミアム韓国キムチです。」の記載がある。 (http://www.ebarafoods.com/products/syouhin_details.php?hbkid=1&briid=5&shgid=96&shnid=231) 第4 当審における証拠調べ通知に対する請求人の意見 上記第3の「証拠調べ通知書」に対して、請求人からは、何らの意見、応答もなかった。 第5 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、別掲のとおりの構成からなるところ、その構成文字は、右側に「ごはんが」の文字を赤色の縁取り文字で縦書きし、中央に、「おいしい」の文字を、その左側に、「旨キムチ」の文字(「旨」の文字は、他の文字よりも2倍程度大きく表されている。)を黒色で縦書きしてなるものである。そして、これらの文字は、全体としてまとまりよく表されているものと看取される構成からすれば、「ごはんがおいしい旨キムチ」として、一体に把握されるものである。 また、本願商標は、その構成中のそれぞれの文字の書体や大きさに異なる部分があり、多少デザイン化されているものの、その表し方は、格別に特異であるといえるものではなく、普通に用いられる方法といえる程度のものとして表されたものである。 そして、本願の指定商品に関する業界において、「ごはんがおいしい」の文字と食品名「○○」とを組み合わせた「ごはんがおいしい○○」は、「ごはんがおいしくなる○○」、「ごはんをおいしく食べられる○○」程の意味合いを表すものとして、また、「旨キムチ」の文字は、「旨いキムチ」の意味合いを表すものとして、普通に使用されており、その実情については、「証拠調べ通知書」に示した事実からも裏付けられるところである。 そうすると、「ごはんがおいしい○○」の文字は、「ごはんをおいしく食べられる○○」程の意味合いを表すものとして一般的に理解されるものであって、白米と供に摂取される食品などについて使用されているものであり、また、「旨キムチ」、「○旨キムチ」の文字は、仮に、「○」の部分があったとしても、「旨いキムチ」の意味合いやそれを強調するものとして、一般的に理解されるものであって、キムチについて使用されているものであるから、「ごはんがおいしい旨キムチ」の文字全体からは、「ごはんをおいしく食べられる旨いキムチ」程の意味合いを理解するものというのが相当である。 してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、取引者、需要者は、「ごはんを美味しく食べられる旨いキムチ」程の意味合いを表したものとして認識するにすぎないものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 2 商標法第3条第2項の該当性について 請求人は、甲第6号証ないし甲第9号証(枝番を含む。)を提出し、本願商標は、請求人により使用された結果、請求人が販売する商品を表示する商標として、需要者の間で広く知られているものであるから、自他商品識別力を有するものである旨主張しているので、本願商標が商標法第3条第2項に該当するに至ったものであるかについて以下、判断する。 請求人は、本願商標が需要者の間に広く知られているとして、漬物の商品分野において全国第5位のシェアを誇る企業であること、本願商標の使用開始時期は平成25年8月であり、平成27年1月までに、本願商標を使用した商品が累計約385万パック販売されたこと(甲8)、スーパーにおける漬物の販売ランキング(平成26年10月)の上位にランクインしたこと、本願商標を使用した商品の広告が旬刊紙「帝国タイムス」に掲載されていること(甲9の1?3)を述べている。 しかしながら、本願商標を付した商品の販売数量は、請求人が作成した資料に記載があるものの(甲8)、漬物商品分野全体における市場占有率等を把握することができず、スーパーの販売ランキングについては、対象の店舗数も不明であり、販売ランキング自体を確認できる証拠が提出されていない。さらに、広告を掲載した旬刊紙(甲9の1?3)については、全国的な一般紙であるとはいい難く、発行部数や発行地域も明らかでない。 そうすると、請求人が提出した証拠によっては、本願商標が長期間にわたって、全国的に、継続的に使用されていることを確認することができず、また、これらの証拠のほかに、本願商標の使用開始時期、使用期間、使用地域、指定商品の生産・販売の数量、並びに広告宣伝の方法及び回数等を確認することができる証拠の提出はない。 してみれば、本願商標が需要者の間に全国的に広く知られているということはできないというのが相当であり、本願商標は、使用された結果、需要者が出願人の業務に係る商品であることを認識するに至っているということができない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するということはできない。 3 請求人の主張について (1)請求人は、「原査定において認定されている『ごはんが美味しい旨いキムチ』という表現は、本願商標の『ごはんがおいしい旨キムチ』の構成文字をほとんどそのまま流用しているに過ぎず、また、その表現自体も日本語として不明瞭かつ抽象的なものであることから、本願商標から上記意味合いを認識させることのみを根拠として本願商標が商品の品質を表示するものに過ぎないとは決して認められるべきものではない。・・・そして、本願商標における『ごはんが美味しい旨いキムチ』の表現をみると、『ごはん』は『(旨い)キムチ』とは全く別異の商品であって、その特徴的な部分を表す語でも含まれている材料を表す語でもないことから、該表現より直接的かつ具体的な意味合いが認識されることはない。してみれば、『ごはんが美味しい旨いキムチ』の表現自体が、日本語として不明瞭でかつ抽象的なものであることは明らかであり、このような曖昧な表現を用いて認定したに過ぎない原査定の認定は失当といわざるをえない。」旨の主張をしている。 しかしながら、「証拠調べ通知書」における証拠からは、「ごはんがおいしい○○」の文字は、「ごはんをおいしく食べられる○○」程の意味合いを表すものとして一般的に使用されているものであり、また、「旨キムチ」の文字は、「旨いキムチ」の意味合いやそれを強調するものとして、一般的に使用されているものであるから、「ごはんがおいしい旨キムチ」の文字全体からは、「ごはんをおいしく食べられる旨いキムチ」程の意味合いを理解するものというのが相当であって、「ごはんが美味しい旨いキムチ」の表現自体が、日本語として不明瞭でかつ抽象的なものであるということはできない。 よって、請求人の主張は、採用することができない。 (2)請求人は、「本願商標は、『ごはんが』、『おいしい』及び『旨キムチ』の文字を右側から順に縦3段に配置された構成からなり、上記構成中の『ごはんが』の文字部分が赤色で縁取りされた明朝体で表示されているのに対し、『おいしい』及び『旨キムチ』の文字部分は黒色の手書き風の特徴のある書体を用いているとともに、『旨』の漢字が他の文字と比較しても大きく記載されている等、一つの商標において複数の色、複数の書体及び大きさの文字を用いている点並びに特徴のある書体を用いている点で創造的な印象を与えるものである。また、各文字部分の構成をみても、『おいしい』における『し』の部分及び『旨キムチ』の『ム』の部分は、他の構成文字と比較して大きく外側に配置されている点で特異な手法が用いられているものといえる。さらに、『旨』の漢字の複数の意味の一つに『おいしい』という意味があるのは原査定でも述べられているが、本願商標の構成において、『おいしい』と『旨』の文字部分のような同様の意味合いが生じ得る2つの文字を近接する位置に並列に配置することで、『おいしい』といった意味合いをより強調させるような手法をとっており、その点においても本願商標に接する需要者、取引者に対して創造的な印象を与えるものといえる。以上の点を考慮すると、本願商標は原査定において認定されているように、普通に用いられる方法の域を脱しない態様のものであるとは到底いえず、むしろ、全体として創造的に図案化された構成からなるものとみるのが相当であり、本願商標は、その構成態様からみても自他商品識別力を十分に発揮しうるものである。」旨の主張をしている。 しかしながら、本願の指定商品である「キムチ」については、その商品のパッケージ等において、筆書きのような書体の文字を使用したり、構成の一部である「旨」の文字を強調して表すことは、取引上、普通に行われていることであり、また、本願商標の全体の構成態様についても、複数の書体や大きさの異なる文字を用いているものの、これらは、商品の特徴や特性などの商品の品質を強調するために行われていることであり、全体として創造的に図案化された構成からなるというよりは、普通に用いられる方法といえる程度のものであるから、自他商品の識別力を発揮しうるものではない。 よって、請求人の主張は、採用することができない。 4 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、かつ、同法第3条第2項の要件を具備するものではないから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願商標 (色彩は原本を参照) |
審理終結日 | 2015-10-15 |
結審通知日 | 2015-10-16 |
審決日 | 2015-10-29 |
出願番号 | 商願2014-22431(T2014-22431) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(W29)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 大渕 敏雄 |
特許庁審判長 |
井出 英一郎 |
特許庁審判官 |
清棲 保美 榎本 政実 |
商標の称呼 | ゴハンガオイシイウマキムチ、ゴハンガオイシーウマキムチ、ゴハンガオイシー、ウマキムチ、ウマ、ムネ、シ |
代理人 | 藤本 昇 |