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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201511740 審決 商標
不服201421668 審決 商標
不服201416636 審決 商標
不服20152722 審決 商標
不服20153338 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない W37
管理番号 1309650 
審判番号 不服2015-11739 
総通号数 194 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-02-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-06-22 
確定日 2015-12-18 
事件の表示 商願2014-64610拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「鍵の110番」の文字を標準文字で表してなり、第37類「自転車の修理,自動車の修理又は整備,荷役機械器具の修理又は保守,火災報知機の修理又は保守,機械式駐車装置の修理又は保守,自転車駐輪器具の修理又は保守,金庫の修理又は保守,錠前の取付け又は修理」を指定役務として、平成26年7月31日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『鍵の110番』の文字及び数字を標準文字で表してなるところ、その構成中の『110番』の文字は警察への緊急通報用の電話番号であり、トラブルや相談の内容を端的に表す語と組み合わせて、事業者が、自己の提供するサービスがそのトラブルや相談内容に対応可能であるということを表す際に、『110番』の語が普通に使用されている実情が認められ、また、近年、指定役務中『自転車の修理,自動車の修理又は整備,機械式駐車装置の修理又は保守,自転車駐輪器具の修理又は保守,金庫の修理又は保守,錠前の取付け又は修理』と関連のある鍵の開錠や取り付け、修理、交換、防犯対策等、鍵に関するサービスを提供する事業者が、鍵のトラブルや相談に関する緊急連絡の対応を行っている実情が認められることから、本願商標は、全体として、『鍵に関する緊急連絡に対応します。』程の意味合いを容易に認識させるものというのが相当である。よって、本願商標を前記役務に使用しても、これに接する需要者は、前記意味合いを認識し、販売促進等のためのキャッチフレーズを表示したものと理解するにとどまるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「鍵の110番」の文字からなるところ、その構成中の「鍵」の文字は、「錠の孔にさし入れて、これを開閉する道具。更に広く、錠。」等の意味を有し、「110番」の文字は、「警察に事件などを通報する時の電話番号。警察緊急通報用電話。比喩的に、電話での相談・要請に応ずる組織を表す接尾語としても使う。」等の意味を有する語である(いずれも「広辞苑第5版」岩波書店)。
そして、「鍵の110番」の文字については、原審で示した事実の他に、以下のとおり、「鍵の」や「カギの」、「鍵」等の文字と「110番」の文字とを組み合わせて、「○○110番」のように、使用されている実情がある。
なお、「鍵の110番」、「カギの110番」及び「鍵110番」は、「鍵」が漢字で表されているか片仮名で表されているかの違いや、格助詞「の」の有無にすぎず、いずれも同義とみるのが相当である。
<インターネット情報>
ア 「鍵のトラブル救助隊」のウェブサイトにおいて、「『鍵110番トラブル救助隊』は、鍵のトラブルにすぐに駆けつけます」の見出しのもと、「鍵の開錠や紛失等で困ってしまった・・・そんな時は鍵の110番『鍵110番トラブル救助隊』にお電話ください。お電話は通話料無料のフリーダイヤルとなっております。また、24時間対応可能となっておりますので、万が一のときはお電話1本で皆様のもとへ駆けつけます。」の記載がある。
(http://key-kumamoto.com/company)
イ 「防犯対策で困ったときの110番│安心生活のKEYポイント」のウェブサイトにおいて、「トラブルに対応する」の見出しのもと、「鍵の110番は鍵の紛失やドアが開かないなどのトラブルに駆けつけてくれるサービスです。鍵トラブルで対応してもらう他にも、鍵に関する最新知識をもった鍵の110番に防犯対策を依頼するのも1つの方法です。」の記載がある。
(http://habilidadesdegestion.com/)
ウ 「タウンページ」のウェブサイトにおいて、「カギの110番アムロック ★鍵のことなら何でもお任せください!」の見出しのもと、「鍵の交換・取り付けはもちろん、あらゆる鍵のトラブルに、鍵のプロが24時間365日すぐに駆け付けます。」及び「☆★ カギの110番アムロック ★☆ ■こんなときは、まずお電話を!●ピッキング対策、バイパス解錠対策を考えているんだけど、どんな鍵を付けたら良いか分からない。」の記載がある。
(http://nttbj.itp.ne.jp/0120411066/index.html)
エ 「鍵110番運営の鍵開けステーション」のウェブサイトにおいて、「鍵開けから鍵の取付けまでどんな鍵でも対応します!」の見出しのもと、「一軒家」、「マンション」、「車」、「原付・バイク」、「スーツケース」、「ロッカー」、「金庫」の記載及び「北海道から沖縄まで日本全国すぐに駆けつけます。」の見出しのもと、「カギ110番はカギに関する施工実績30,000件以上!鍵のトラブルなら何でも解決します!」の記載がある。
(http://wgvdl.net/)
オ 「カギの110番・城東マイホームロック」のウェブサイトにおいて、「☆カギの救急、緊急、修理、交換、鍵工事 開錠サービスを適正金額で出張致します。■シリンダーの交換・開錠・修理・取替。ピッキング、カム送り、サムターン回し。■かぎのトラブル解決やレスキューで出張 ■バンピング対策、防犯金具、錠前交換。」の記載がある。
(http://www.h7.dion.ne.jp/~kagi110/)
カ 「動く鍵屋 クイックサービス」のウェブサイトにおいて、「カギの110番!鍵のトラブルは宮崎にある当鍵屋にお任せ下さい」の見出しのもと、「『鍵を紛失した』『鍵が折れた・曲がった』『家・車のドアが開かない』といった鍵に関する緊急のトラブルなら、宮崎にあるカギの110番こと『クイックサービス』に今すぐお電話下さい。」の記載がある。
(http://ugokukagiya.com/)
キ 「鍵の緊急隊」のウェブサイトにおいて、「車 鍵 紛失 迅速 鍵屋イエロー【カギ110番】」の見出しのもと、「車 鍵 紛失 迅速 鍵屋イエローなら お車の鍵が1本もない状態から、その場で鍵を作製する事ができます。」の記載がある。
(http://www.ipalmo.com/%E9%8D%B5%E4%BD%9C%E6%88%90/%E8%BB%8A-%E9%8D%B5-%E7%B4%9B%E5%A4%B1-%E8%BF%85%E9%80%9F-%E9%8D%B5%E5%B1%8B%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%80%90%E3%82%AB%E3%82%AE110%E7%95%AA%E3%80%91/)
ク 「カギ本舗」のウェブサイトにおいて、「【24時間365日】常に迅速スピード解決!」の見出しのもと、「家やマンションの鍵」、「車・バイクの鍵」、「金庫の鍵」、「商業設備・倉庫の鍵」、「スーツケースの鍵」、「机・ロッカーの鍵」の記載及び「鍵の110番 鍵のことでお困りでしたら『カギ本舗』へご相談ください。」、「鍵開け、鍵の紛失でお困りでしたら出張鍵屋の『カギ本舗』へご相談ください。」の記載がある。
(http://keyhonpho.org/index.html)
以上によれば、例えば、上記のウェブページにおいて、「鍵の開錠や紛失等で困ってしまった・・・そんな時は鍵の110番『鍵110番トラブル救助隊』にお電話ください。」、「鍵の110番は鍵の紛失やドアが開かないなどのトラブルに駆けつけてくれるサービスです。」及び「『鍵を紛失した』『鍵が折れた・曲がった』『家・車のドアが開かない』といった鍵に関する緊急のトラブルなら、宮崎にあるカギの110番こと『クイックサービス』に今すぐお電話下さい。」の記載等があり、「鍵の110番」等の文字は、鍵の取付け又は修理等を行う役務の提供において、鍵のトラブルに緊急対応することが可能であることを表す語として一般に使用されているものである。
そうすると、本願商標をその指定役務中の、鍵の修理等が含まれる「自転車の修理,自動車の修理又は整備,機械式駐車装置の修理又は保守,自転車駐輪器具の修理又は保守,金庫の修理又は保守,錠前の取付け又は修理」について使用しても、「鍵に関する緊急連絡に対応します。」ほどの意味合いを想起させるものというのが相当である。
してみれば、本願商標は、これに接する取引者、需要者をして、鍵のトラブルについての緊急対応に関するキャッチフレーズを表したにすぎないものと理解するにとどまり、自他役務の識別標識としての機能を発揮する商標を表したものとは認識し得ないものであるから、何人かの業務に係る役務であることを認識できない商標というべきである。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「鍵に関する緊急連絡」からは一義的な意味合いが認識されるものではなく、「鍵に関する緊急連絡」としては、例えば「鍵を紛失した場合の緊急連絡」や「ピッキング等で錠を開けられ侵入された場合の緊急連絡」、「鍵が購入できる店や設置工事を依頼できる会社を知りたい場合の緊急連絡」、「鍵の仕組みを知りたい場合の緊急連絡」等が考えられ、また、本願商標からは、例えば「110番目の鍵」との意味合いも生じ得る旨主張する。
しかしながら、「鍵の110番」の文字は、鍵の取付け又は修理等を行う役務の提供において、鍵のトラブルに緊急対応することが可能であることを表す語として一般に使用されているものであるところ、「鍵が購入できる店や設置工事を依頼できる会社を知りたい場合の緊急連絡」、「鍵の仕組みを知りたい場合の緊急連絡」などの連絡は、通常は緊急性を要するものではない。さらに、上記(1)の使用例からすれば、「110番」の語についても、「110番目の鍵」と認識されるものではない。
よって、請求人の上記主張は、採用することができない。
イ 請求人は、拒絶理由で示したインターネット情報について、インターネットの掲示板やブログに記載させている情報は、インターネットの性格上、情報としては早いけれども言葉としては成熟することなく不確実で、極めて不安定な状態で使用されることがあり、インターネット情報のみによる判断は妥当とはいえない旨主張する。
しかしながら、拒絶理由通知において示したウェブサイト及び上記(1)で示したウェブサイトの掲載情報は、企業を含む複数の者により掲載されたものであり、その内容は、「鍵の110番」等の文字を普通に使用するものであって、それらの者に係る役務の紹介や宣伝等の実際の取引に該文字等が使用される実情である。
そして、商標が識別力を有するか否かの判断は、査定時又は審決時において、これらの取引の実情を勘案し、その指定役務の取引者、需要者の認識を基準として、商標とその指定役務との関係において個別具体的に判断すべきである。
よって、請求人の上記主張は、採用することができない。
ウ 請求人は、過去の登録例を挙げて、本願もこれらと同様に登録すべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標の構成や態様と指定商品・指定役務とに基づいて、個別具体的に判断されるべきものであり、過去の登録例に拘束されるべき理由はない。そして、上記(1)のとおり、本願商標は、キャッチフレーズとして認識され、自他役務の識別標識としての機能を有しないものである。
よって、請求人の上記主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであって、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2015-10-09 
結審通知日 2015-10-13 
審決日 2015-11-06 
出願番号 商願2014-64610(T2014-64610) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (W37)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 寺澤 鞠子小俣 克巳 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 榎本 政実
清棲 保美
商標の称呼 カギノヒャクトーバン、カギノヒャクジューバン、カギノイチイチゼロバン 
代理人 平野 泰弘 

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