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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X33
審判 全部申立て  登録を維持 X33
審判 全部申立て  登録を維持 X33
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管理番号 1308521 
異議申立番号 異議2015-685008 
総通号数 193 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-01-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-03-10 
確定日 2015-10-15 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第1198435号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 国際登録第1198435号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件国際登録第1198435号商標(以下「本件商標」という。)は、「PAUL CHENEAU」の欧文字を横書きしてなり、2014年(平成26年)3月10日に国際商標登録出願、第33類「Alcoholic beverages (except beers),including still wines and sparkling wines.」を指定商品として、平成26年9月26日に登録査定、同27年1月23日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由において引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3049685号商標(以下「引用商標1」という。)は、「J.P.CHENET」の欧文字を横書きしてなり、平成5年1月19日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同7年6月30日に設定登録され、その後、同17年6月14日及び同27年7月7日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
(2)登録第4798505号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成16年1月13日に登録出願、第33類「洋酒,果実酒,薬味酒」を指定商品として、同年8月27日に設定登録され、その後、同26年9月2日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
(以下、引用商標1及び引用商標2をまとめて「引用商標」という場合がある。)
3 登録異議申立ての理由
申立人は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するから、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第34号証を提出した。
(1)引用商標の周知著名性について
ア 申立人は、1979年にフランスで創業されたワインメーカーであって、2007年度の売上が1,100億円を超えるフランスワイン業界のリーディングカンパニーとなっており(甲第4号証)、その高いプレステージは、フランス国内のみならず、我が国においても広く知られているところである。
特に、申立人の代表的な商品となっている引用商標を付した「J.P.CHENET」ブランドは、首を傾げたボトルネックとサイドのえくぼに特徴のあるボトルの形状とバランスの取れた味わいによって高い人気を集め、我が国を含む160か国以上の国々に輸出、販売されているワインであり(甲第14号証及び甲第16号証)、その単独ブランドとしてのフランスワイン販売量は、世界第1位である(甲第22号証ないし甲第26号証)。
イ 引用商標を付した「J.P.CHENET」ブランドの商品は、現在、我が国においては、山陽物産株式会社が代理店となって輸入販売されており(甲第16号証)、また、大手百貨店のみならず、スーパー、酒店、コンビニエンスストア、総合ディスカウント店、ホームセンター、カラオケ店、ファミリーレストラン等、幅広く販売、宣伝されている(甲第29号証ないし甲第32号証)。
ウ 「J.P.CHENET」ブランドの商品が我が国の需要者に広く普及していることは、例えば、インターネット上の通販サイトやワインの紹介サイト、需要者によるブログ等において、「世界中で愛されて?現在では全世界に波及しているJ.P.シェネ」、「単独ブランドとしてのフランスワイン販売量世界No.1」、「世界で一番売れているフランスワイン」のように評されていることからも明らかである(甲第6号証ないし甲第15号証、甲第17号証、甲第19号証、甲第20号証、甲第22号証ないし甲第26号証及び甲第28号証)。また、同商品は、各国のコンクールで金賞を受賞している(甲第17号証ないし甲第20号証)。
エ 上記アないしウにおいて述べたところによれば、引用商標は、我が国において、本件商標の登録出願前から、申立人の業務に係る商品「ワイン」を表示する商標として、その取引者、需要者において、周知著名性を獲得するに至っていたというべきである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
本件商標は、「PAUL CHENEAU」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成中の「PAUL」の欧文字は、欧米人の男性の名前として比較的多く採択され、また、「CHENEAU」の欧文字は、欧米人のファミリーネームとして理解されるものであるから、本件商標は、ファーストネームとファミリーネームとを組み合わせた商標として容易に認識されるものであり、フランス語風に発音するときは「ポールシェネオー」の称呼を生じ、フランス人の氏名であることが想起されるものである。
イ 引用商標
引用商標は、その構成中の「J.P.」の欧文字が欧米人の名前の頭文字を取ったものと理解されることが一般的であるから、欧米人のファミリーネームである「Chenet」と組み合わされた商標として理解されるものである。また、我が国では、「J.P.」を頭文字とする外国人として、「ジャン=ポール・ゴルチエ(Jean-Paul GAULTIER)」(ファッションデザイナー)、「ジャン=ポール・ベルモンド(Jean-Paul Belmondo)」(映画俳優)、「ジャン=ポール・サルトル(Jean-Paul Sartre)」(哲学家・小説家)等が有名であるから、引用商標の構成中の「J.P.」のうち、「P」の文字部分は、「PAUL(ポール)」の頭文字としての「P」の意味に理解される。
ウ 本件商標と引用商標との類否
上記ア及びイを踏まえて、本件商標と引用商標とを比較すると、本件商標の構成中の「PAUL」の欧文字は、引用商標の構成中の「J.P.」のうちの「P」と同義に理解されるものであり、また、本件商標の構成中の「CHENEAU」の欧文字は、引用商標の構成中の「Chenet」の欧文字とは、看者の注意をひきやすい前半の語頭から5文字目までの「CHENE」を共通とするものであって、見落としやすい末尾の「AU」と「t」とが相違するにすぎないから、両商標は、外観上、共通性が多い類似性の高いものである。
また、本件商標からは「ポールシェネオー」の称呼を生じるのに対し、引用商標からは「ジェイピーシェネ」の称呼を生じるほか、引用商標の構成中の「J.P.」が「JEAN PAUL(ジャン=ポール)」の頭文字であることから、「ジャンポールシェネ」の称呼をも生じるところ、両商標は、共通の「ポールシェネ」の称呼を生じるため、称呼上、互いに類似するといえる要素を有するものである。
さらに、本件商標からは「ポール・シェネオー」というフランス人の氏名としての観念が自然に生じるのに対し、引用商標からは「ジェイ・ピー・シェネ」又は「ジャン=ポール・シェネ」というフランス人の氏名としての観念が自然に生じるところ、「CHENEAU」は、我が国においては、なじみのないファミリーネームであるから、我が国民にとって、「ポール・シェネ」が共通する両商標は、同じフランス人ではないかと錯覚する可能性が高い。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念において互いに類似するといえる要素を有し、その類似性は、「P CHENE」の並びが一致していることに鑑みると否定できないものであって、特に、フランス語を公用語としない我が国においては、出所の混同のおそれがあるというべきである。そして、このような判断は、フランス語を公用語としないドイツにおいて、本件商標と引用商標との類似性が認められていることからも明らかである(甲第33号証)。
したがって、本件商標は、商標全体としての対比においても、引用商標と互いに類似する商標というべきであり、また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものであり、さらに、本件商標が引用商標の後願に当たることは、明らかであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
上記(1)において述べたとおり、申立人による引用商標を付した商品「ワイン」の幅広い販売及び宣伝並びに引用商標に化体した信用により、引用商標は、既に申立人の製造、販売に係る商品「ワイン」を表すものとして、我が国を含む世界中で周知著名に至っているものである。
また、引用商標の構成中の「J.P.」の欧文字は、申立人の創設メンバーである取締役国際部長「Jean-Paul Chanel」の「Jean-Paul」の頭文字から取ったものであるから、独創性の高いものである。
さらに、本件商標と引用商標とは、いずれもアルコール飲料を指定商品とするものであるところ、一般に、アルコール飲料は、製造者、販売者及び需要者を共通にするものであるから、両商標の取引者、需要者は共通する。
加えて、本件商標と引用商標とは、上記(2)のとおり、外観、称呼及び観念において類似する要素を有し、商標全体として、類似性の程度が高いものであるから、本件商標は、申立人の周知著名な引用商標を付した商品に関連するもの、例えば、「J.P.Chenet」シリーズの一つと錯覚されるおそれがある。
そうすると、本件商標は、我が国において、「ワイン」等の商品に関して周知著名な引用商標を容易に想起させるというべき商標であり、かつ、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが同一又は類似するものであるといった事情を考慮すると、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、あたかも申立人又は申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第19号について
引用商標は、上述のとおり、申立人による長年にわたる努力の積み重ねの結果、取引者、需要者間において広く知られ、高い名声、信用及び評判を獲得するに至っており、本件商標の登録出願時には既に、申立人の業務に係る商品に使用される商標として、極めて広く知られていた著名商標である。
他方、本件商標は、かかる著名な引用商標の構成中、「P」に該当する「PAUL」の欧文字を含み、かつ、「Chenet」の欧文字と前半部が全く同一の「CHENE」の欧文字をも含む商標であって、その指定商品が申立人の使用に係る「ワイン」と同一又は類似するアルコール飲料であることを考えると、本件商標の商標権者が、引用商標を知らず、偶然に著名な引用商標と同一のつづり及び同一の称呼を生じる「P CHENE」の欧文字を有する本件商標を出願したとは考え難く、引用商標の有する高い名声、信用及び評判にフリーライドする目的で出願、使用されているものと推認される。
したがって、本件商標の商標権者が本件商標を不正の目的で使用することは明らかであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2の規定により、その登録を取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、前記1のとおり、「PAUL CHENEAU」の欧文字を横書きしてなるところ、仏和辞典(「ディコ仏和辞典」、株式会社白水社発行)によれば、その構成中、「PAUL」は、「ポール」の称呼を生じ、「ポール(男子の名)」を意味する語であり、同じく、「CHENEAU」は、「シェノ(ー)」の称呼を生じ、「(屋根の)樋」を意味する語であって、その構成態様とあいまって、いずれかの語が看者の注意を強くひくといった事情も見いだし得ないものである。
また、当審における職権調査の結果によれば、例えば、「YAHOO!JAPANショッピング」にある「酒類の総合専門店フェリシティー」(http://store.shopping.yahoo.co.jp/e-felicity/paul-cheneau-gaudi.html)や「こだわりのワイン酒蔵グランヴァンセラー」(http://www.grand-vin-cellar.jp/shopdetail/027004000001/)といった酒類の通信販売サイトにおいて、スパークリングワインに係る「Paul Cheneau」の名称について、「ポール シェノー(ポール・シェノー)」との表示がされている事実がある。
そうすると、本件商標は、その構成全体をもって、一体的なものとして看取、把握され、一種の造語を表したものとして認識されるとみるのが相当であるから、その構成文字に相応して、「ポールシェノー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
(ア)引用商標1は、前記2(1)のとおり、「J.P.CHENET」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成中、「J.P.」の欧文字は、「J」及び「P」の各文字に「.」(ピリオド)が付されていることから、何らかの略語を表したものと看取される可能性はあるものの、特定の略語を表したものと認めるに足る事実は見いだせない。
また、引用商標1の構成中の「CHENET」の欧文字は、仏和辞典(同「ディコ仏和辞典」)によれば、「シュネ(シェネ)」の称呼を生じ、「(暖炉の火床に対にして置く)薪のせ台」を意味する語である。
さらに、申立人の提出に係る甲各号証によれば、スパークリングワイン等に係る「J.P.CHENET」の欧文字は、酒類の通信販売サイトにおいて、「J.P.シェネ」と表示されることが一般的といえる。
そうすると、引用商標1は、その構成態様とあいまって、その構成全体が一体的なものとして看取、把握され、一種の造語を表したものとして認識されるとみるのが相当であるから、その構成文字に相応して、「ジェーピーシェネ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(イ)引用商標2は、別掲のとおりの構成からなるところ、その構成中、上方に位置する「J.P.CHENET」の欧文字と下方に位置するモノグラム様の図形との間には黒色の横線が配されていることから、両者は、視覚上、分離して観察され得るものである。
また、引用商標2の構成中のモノグラム様の図形は、特定の称呼及び観念を生ずるものとは認められない。
そうすると、引用商標2は、自他商品の識別に当たり、その構成中の「J.P.CHENET」の欧文字が看者の注意を強くひくとみるのが相当であるから、該欧文字部分が要部となり、その構成文字に相応して、「ジェーピーシェネ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との比較
本件商標と引用商標とは、それぞれ上記ア及びイのとおりの構成からなるものであって、その文字のつづりにおいて明確な差異が存するほか、本件商標と引用商標2との比較においては、図形の有無といった差異もあることから、両商標は、外観上、容易に区別し得るものである。
また、本件商標は「ポールシェノー」の称呼を生ずるのに対し、引用商標は「ジェーピーシェネ」の称呼を生ずるものであるところ、両称呼は、音の構成を明確に異にするものであるから、それぞれを一連に称呼しても、語調、語感が相違し、容易に聴別し得るものである。
さらに、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、両商標を比較することはできない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないものであり、外観及び称呼においては相紛れるおそれのないものであるから、これらを総合勘案すれば、両商標は、非類似の商標というべきである。
エ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標と引用商標とは、たとえ引用商標が、本件商標の登録出願時において、申立人の業務に係る商品「ワイン」を表示する商標として、取引者、需要者の間に広く認識されていたものであるとしても、上記(1)のとおり、非類似の商標であって、十分に区別し得る別異の商標というべきものであり、ほかに商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとすべき特段の事情も見いだし得ない。
してみれば、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用商標ないし申立人を連想、想起して、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように認識することはなく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)商標法第4条第1項第19号該当性について
本件商標と引用商標とが相紛れるおそれのない非類似の商標であることは、上記(1)のとおりである。
また、申立人の提出に係る甲各号証のいずれをみても、本件商標の商標権者が本件商標を不正の利益を得る又は他人の著名商標に蓄積された信用若しくは名声にフリーライドするなどの不正の目的をもって使用すると認めるに足る具体的な事実は見いだすことができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものとは認められないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 【別記】

異議決定日 2015-10-08 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (X33)
T 1 651・ 222- Y (X33)
T 1 651・ 262- Y (X33)
T 1 651・ 271- Y (X33)
T 1 651・ 263- Y (X33)
最終処分 維持 
前審関与審査官 薩摩 純一 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 田中 敬規
原田 信彦
登録日 2014-03-10 
権利者 GIRO RIBOT, S.A.
商標の称呼 ポールシェノー、ポール、シェノー 
代理人 佐藤 俊司 
代理人 池田 万美 
代理人 田中 克郎 
代理人 稲葉 良幸 
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