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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W091635
審判 全部申立て  登録を維持 W091635
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審判 全部申立て  登録を維持 W091635
管理番号 1308511 
異議申立番号 異議2014-900341 
総通号数 193 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-01-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-12-05 
確定日 2015-12-11 
異議申立件数
事件の表示 登録第5711868号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5711868号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5711868号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成25年10月9日に登録出願された商願2013-78823号に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として平成26年5月9日に登録出願され、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具(「ガイガー計数器・高周波ミシン・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータートロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。),電子管,半導体素子,電子回路(「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路」を除く。),電子計算機用プログラム,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル,録音済みの磁気カード・磁気シート及び磁気テープ,録音済みのコンパクトディスク,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」、第16類「紙類,文房具類,印刷物,写真,写真立て」及び第35類「インターネットによる広告,その他の広告業,インターネットにおけるホームページ上の広告スペースの貸与,インターネットによる電子商取引に係る事業の運営・管理,商品の売買契約の仲介又は媒介,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,インターネットウェブサイトにおける商品販売に関する情報の提供,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として平成26年10月24日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標及び登録出願中の商標は、次に掲げるとおりである。
(1)登録第4946025号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:(別掲2のとおり)
登録出願日:平成17年8月1日
設定登録日:平成18年4月21日
指定商品・役務:第16類、第35類及び第36類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
(2)登録第5227157号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:(別掲3のとおり)
登録出願日:平成20年7月2日
設定登録日:平成21年5月1日
指定役務 :第35類及び第36類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
(3)登録第5245955号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:(別掲3のとおり)
登録出願日:平成20年7月2日
設定登録日:平成21年7月10日
指定役務 :第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
(4)商願2014-26829号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:(別掲3のとおり)
登録出願日:平成26年4月7日
指定役務 :第35類に属する願書記載のとおりの役務
申立人は、上記引用商標1ないし4に加え、「Tモール」の文字からなる標章(以下「引用商標5」という。)及び「T-MALL」の文字からなる標章(以下「引用商標6」という。)を引用している。以下、これらを一括して単に「引用商標」ということがある。

第3 登録異議申立ての理由の要点
1 本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性
本件商標は、引用商標1ないし3と類似し、その指定商品及び指定役務の全てにおいて引用商標1ないし3の指定商品及び指定役務と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 本件商標の商標法第4条第1項第10号該当性
申立人は、引用商標を2008年7月より使用して「T-MALL」ウェブサイトを運営しており、引用商標は申立人の業務に係る商品又は役務について使用する商標として需要者の間に広く認識されている。本件商標は、引用商標と類似する商標であり、その指定商品及び指定役務は、引用商標の使用に係る商品及び役務と同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。
3 本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性
引用商標は申立人の業務に係る商品又は役務について使用する商標として需要者の間に広く認識されており、これと同一又は類似の本件商標が引用商標と関連性が高い本件商標の指定商品及び指定役務に使用された場合、申立人の業務に係る役務と混同を生ずるおそれがある。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 本件商標の商標法第4条第1項第19号該当性
引用商標は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標であり、本件商標は引用商標と同一又は類似である。本件商標権者は、申立人のインターネットショッピングサイト「T-MALL」と同様のインターネットショッピングモール「淘宝網(タオバオネット)」を中国で運営すると共に、中国輸入サイト「Aliibaba Japan」を日本で運営しており、申立人の上記「T-MALL」が日本において著名であることを知りながら本件商標の登録を受けたものであり、申立人の信用にフリーライドし不正の利益を得る目的等不正の目的をもって本件商標を使用するものである。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。
5 本件商標の商標法第4条第1項第7号該当性
本件商標権者は、申立人と同業のインターネットショッピングモールサイトの運営者であり、申立人の著名な引用商標と同一又は類似の本件商標の採択・使用は、公の秩序、善良の風俗を害するものであって、また、インターネットショッピングサイトの利用者の取引秩序をも害することとなることは明らかである。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当する。

第4 当審の判断
1 本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標は、別掲1のとおり、文字の大きさが異なる「天猫」の漢字及び「TMALL.COM」の欧文字からなる構成であるところ、「.COM」の文字は、インターネット上におけるトップレベルドメインを理解させるものであり、ドメイン名において、「.com」部分自体は、識別標識としての機能を果たし得ず、しばしば省略して表示され称呼されることが少なくないものであって、その前の部分が自他識別の要部となるものといえる。また、「天猫」及び「TMALL」の文字は、その大きさが異なるものの、同一のデザイン文字からなるものであり、かつ、両文字は特定の意味合いを理解させない造語であり、いずれかの文字部分が捨象されて取引されるというべき特段の事情はない。
そうすると、本件商標は、「天猫TMALL」の文字部分が独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たすものというべきであり、全体から生ずる「アマネコティモールドットコム」又は「テンビョーティモールドットコム」の称呼のほか、「アマネコティモール」又は「テンビョーティモール」の称呼をも生ずるものというのが自然であり、親しまれた既成の観念を有するものとは認められない。
(2)引用商標1は、別掲2のとおりの構成からなるところ、左側部分の図形は橙色地の変形四角形内に白抜きの「T」の文字を表したものとして看取されるといえるから、右側部分の変形四角形内に書された「MALL」の文字部分と併せて「ティーモール」の称呼をも生ずるものというべきである。また、全体としては親しまれた既成の観念を有するものとは認められない。
引用商標2及び3は、いずれも別掲3のとおりの構成からなるところ、左端に配された図形(以下「T図形」という。)とその右側に配された「T-MALL」の文字とは、常に不可分一体にのみ認識されるべき格別の理由は見いだし難く、それぞれが独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たすものというべきであり、読み易い「T-MALL」の文字部分を捉え、これより生ずる称呼をもって取引に資される場合が決して少なくないといえるから、「ティーモール」の称呼を生ずるものである。また、引用商標2及び3は、親しまれた既成の観念を有するものとは認められない。
(3)そこで、本件商標と引用商標1ないし3とを対比するに、両者は、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものである。
また、本件商標から生ずる「アマネコティモールドットコム」、「テンビョーティモールドットコム」、「アマネコティモール」又は「テンビョーティモール」の各称呼と引用商標1ないし3から生ずる「ティーモール」の各称呼とは、構成音数が相違するばかりでなく、「アマネコ」、「テンビョー」又は「ドットコム」の音の有無という顕著な差異により、それぞれを一連に称呼するときは全体の音感、音調が著しく相違し明瞭に区別することができるものである。
さらに、本件商標及び引用商標1ないし3は、共に親しまれた既成の観念を有しないものであるから、観念上、比較することはできない。
してみれば、本件商標と引用商標1ないし3とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのないものであるから、非類似の商標である。
(4)したがって、本件商標の指定商品及び指定役務が引用商標1ないし3の指定商品及び指定役務と同一又は類似のものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
2 本件商標の商標法第4条第1項第10号該当性について
(1)申立人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(ア)申立人は、1985年に設立され、書店事業を中心としたエンタテインメント事業、Tポイントを中心としたデータベース・マーケティング事業等を行っている企業であるところ(甲20)、2003年10月に共通ポイントサービスである「Tポイント」を開始し、Tポイントを利用する会員(以下「T会員」という。)数は徐々に増加し、2007年2月に2000万人、2008年8月に3000万人、2012年5月に4000万人となり、2014年9月には5000万人に達した(甲16)。
(イ)T会員が利用するカード(以下「Tカード」という。)にはT図形が付されているほか、「T-POINT」の文字も共に用いられているものであり(甲16、17)、2008年7月にはT会員向けのインターネットショッピングモール及びインターネットポイントモールとして、申立人によるTポイントとTカードの総合ウェブサイトである「Tサイト」に「T-MALL」が開設され、今日まで継続運営されている(甲13、14、16)。
(ウ)T-MALLでは、参加店舗から商品・役務を購入することができ、参加店舗は、百貨店、家電量販店、服飾品量販店、レコード店、電子書籍店、食品店、化粧品・薬店等多岐に亘り、2012年12月時点で全1067店舗に達していることが認められるものであり(甲12)、T-MALLを紹介するウェブサイトには冒頭に引用商標2と同一の標章が常に表示されている(甲12)。また、T会員向けにメールマガジンが発行・配信され、情報提供が行われ、その冒頭には引用商標2と同一の標章が表示されている(甲18)。
(2)上記(1)の事実によれば、T図形は、本件商標の登録出願時には既に、申立人の業務に係る役務を表示するものとして取引者、需要者間に広く認識されていたものというべきである。しかしながら、引用商標1は使用された事実が確認できないし、申立人のウェブサイト、ニュースリリース等では、T図形は常に表示されているものの、「T-SITE」、「T-POINT」、「T CARD」、「T-MALL」等の文字が使用されていることからすると、引用商標2ないし6は、T会員やT-MALLの利用者には広く認識されているとしても、T図形自体に比較すると、一般の需要者間における認知度は低いものといわざるを得ない。
(3)本件商標と引用商標との類否について検討するに、引用商標4は引用商標2及び3と同一の構成からなるものであり、引用商標5及び6は「Tモール」又は「T-MALL」の文字からなるものであって、いずれも「ティーモール」の称呼を生じ、かつ、親しまれた既成の観念を有するものではない。
そして、前述のとおり、本件商標と引用商標1ないし3とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は引用商標4ないし6とも相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、引用商標の周知性を考慮したとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものではない。
3 本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
上記のとおり、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異のものであること、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の役務を表示する商標として取引者、需要者の間に広く知られていると認められないことからすると、本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の使用に係る商品・役務とが事業者の範囲、流通経路、需要者等を共通にし関連性が高いものであることを考慮したとしても、本件商標をその指定商品及び指定役務について使用した場合、これに接する取引者、需要者が引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品又は役務が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
4 本件商標の商標法第4条第1項第19号該当性について
申立人は、本件商標権者は中国で「淘宝網(タオバオネット)を運営し、日本で中国輸入サイト「AlibabaJapan」を運営しており、同サイトは申立人が引用商標を使用して運営する「T-MALL(Tモール)」と同様のインターネットショッピングモールサイトであり、本件商標権者が申立人サイト「T-MALL(Tモール)」を知っていることは明らかであるから、本件商標は申立人の信用にフリーライドし不正の利益を得る目的等の不正の目的をもって使用するものである旨主張する。
しかしながら、本件商標権者が申立人サイトと同様のインターネットショッピングサイトを運営し、申立人及び申立人サイトの存在を知っているとしても、そのことのみにより本件商標が不正の目的をもって使用されるものであるということはできない。
本件商標と引用商標とは相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異のものであること、引用商標はT図形ほどには広く知られていないことは前示のとおりであり、また、本件商標が申立人や引用商標の信用にフリーライドし、不正の利益を得る目的、申立人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用をするものであることを具体的に示す証左はない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。
5 本件商標の商標法第4条第1項第7号該当性について
本件商標権者と申立人が同業のインターネットモールサイトの運営を行っているとしても、本件商標と引用商標とは、前述のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異のものであるから、本件商標の採択・使用が直ちに公の秩序、善良の風俗を害するものとはいえないし、インターネットショッピングサイトの利用者の取引秩序を害するものともいえない。
もとより、本件商標は、その構成自体が矯激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字及び図形からなるものではない。また、本件商標をその指定商品及び指定役務について使用することが、社会公共の利益に反し又は社会の一般的道徳観念に反するものではなく、他の法律によって禁止されているものでもないし、特定の国若しくはその国民を侮辱するものでもなく、一般に国際信義に反するものともいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。
6 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標1)(なお、色彩は原本参照)



別掲3(引用商標2ないし4)(なお、色彩は原本参照)



異議決定日 2015-12-03 
出願番号 商願2014-36640(T2014-36640) 
審決分類 T 1 651・ 252- Y (W091635)
T 1 651・ 251- Y (W091635)
T 1 651・ 262- Y (W091635)
T 1 651・ 271- Y (W091635)
T 1 651・ 22- Y (W091635)
T 1 651・ 261- Y (W091635)
T 1 651・ 222- Y (W091635)
T 1 651・ 263- Y (W091635)
T 1 651・ 253- Y (W091635)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山本 敦子矢澤 一幸 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 藤田 和美
堀内 仁子
登録日 2014-10-24 
登録番号 商標登録第5711868号(T5711868) 
権利者 アリババ グループ ホウルディング リミテッド
商標の称呼 ティエンマオテイモールドットコム、ティエンマオテイモールコム、ティエンマオテイモール、アマネコテイモールドットコム、アマネコテイモールコム、アマネコテイモール、ティエンマオ、アマネコ、テンビョー、テイモールドットコム、テイモールコム、テイモール 
代理人 福田 伸一 
代理人 田辺 恵 
代理人 田辺 敏郎 

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