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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W12
管理番号 1308507 
異議申立番号 異議2014-900161 
総通号数 193 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-01-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-05-26 
確定日 2015-11-12 
異議申立件数
事件の表示 登録第5651642号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5651642号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第5651642号商標(以下「本件商標」という。)は,「DAYTONA STYLE」の欧文字を標準文字により表してなり,平成25年10月22日に登録出願され,第12類「自動車の部品及び付属品」を指定商品として,同26年1月30日に登録査定,同年2月21日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,登録異議の申立ての理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証(枝番号を含む。)を提出している。
1 引用商標
申立人が,登録異議の申立ての理由として引用する商標は,以下の2件である。これらをまとめていうときは,「引用商標」という。
(1)登録第3154714号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲に示すとおりの構成よりなり,平成4年9月29日に登録出願され,第41類「自動車レース・自動車競技会の企画・運営及び開催,オートバイレース・オートバイ競技会の企画・運営及び開催」を指定役務として,同7年11月2日に登録査定,同8年5月31日に設定登録され,その後,同18年1月10日に商標権の存続期間の更新登録がされ,現に有効に存続しているものである。
(2)「DAYTONA」の欧文字よりなる商標(以下「引用商標2」という。)。
なお,申立人は,引用商標2が使用されている商品・役務については,「モーターレースのイベント,その他関連グッズ等」としている。
2 商標法第4条第1項第15号について
引用商標は,広く一般に知られているから,本件商標が,その指定商品について使用されると,申立人の業務と混同を生じさせるものである。
したがって,本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 商標法第4条第1項第19号について
本件商標は,申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている引用商標と類似の商標であって,不正の目的をもって使用をするものである。
したがって,本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。

第3 本件商標の取消理由
1 審判長は,平成27年8月5日付けで商標権者に対し,理由を示して本件商標を取り消すべき旨の通知をした。その理由は,要旨次のとおりである。
2 商標法第4条第1項第19号該当性について
(1)引用商標の周知性について
申立人提出の証拠及び同人の主張によれば,次の事実を認めることができる。
ア 申立人について
(ア)申立人である「インターナショナル スピードウェイ コーポレーション」は,米国フロリダ州に本拠を置き,モーターレースの企画・運営等を主な業務とする法人である(甲7)。
(イ)申立人は,複数のモータースポーツサーキットを管理・運営し,特に「Daytona International Speedway」(以下「デイトナIS」という。)は,米国最大級のモータースポーツ統括団体である「NASCAR(National Association for Stock Car Auto Racing,全米自動車競走協会)」が統括するモータースポーツサーキットとして建造され,1959年のオープン以来,「デイトナ24時間レース」をはじめとする,有名なモータースポーツイベントが長年継続的に開催されてきている(甲2)。
(ウ)申立人のレースイベントの中でも特に知られているのが,「DAYTONA500(デイトナ500)」,「DAYTONA200(デイトナ200)」及び「デイトナ24時間レース」である(甲3?5,7)。
イ 申立人の商標(引用商標)について(甲7)
(ア)引用商標1は,その指定役務を「自動車レース・自動車競技会の企画・運営及び開催,オートバイレース・オートバイ競技会の企画・運営及び開催」とするものである。また,引用商標2は,モーターレースのイベント,その他関連グッズ等に古くから現在に至るまで使用している。
(イ)デイトナIS施設は,世界の有名なモーターサイクルレースとして知られている「DAYTONA200(デイトナ200)」や,世界的に知られている自動車レース「DAYTONA500(デイトナ500)」を含む全米自動車競争協会によって承認された数多くの年次レースが行われているレース場である。
(ウ)1953年以来,申立人はモータースポーツ及び自動車レースイベントに関連して標章「DAYTONA」を採用し,その使用を開始した。その時以来,申立人は,デイトナIS施設,共にシンプルに「DAYTONA」としてメディアやファンによって広く言及されているDAYTONA500ストックカーレース及びDAYTONA200モーターサイクルレースを含む数多くの商品,サービス及びレースイベントに関連して,少なくとも1以上の標章「DAYTONA」を使用している。
(エ)「DAYTONA」に関するレースイベントは,何年にもわたり絶大な人気を博してきた。毎年,米国の新聞の全国紙,国際紙その他数百の地方紙は,メディアとファンから単に「DAYTONA」と広く呼ばれている申立人のレースイベントについての記事を掲載している。
(オ)デイトナIS施設及びDAYTONA500レースは,アメリカ民放テレビ局(ESPN)のドキュメンタリ放送に登場した。さらに,国際的に知られている数多くの有名人,パーソナリティや国際カーレースドライバーたちは,デイトナIS施設で開催されたイベントに登場したり,あるいは少なからず何らかの関わりを持ったりしていた。
(カ)DAYTONA500レースを含む「DAYTONA」に関連した申立人のレースイベントは,現在,テレビとラジオの両メディアで全米中に放送されている。
(キ)申立人は,標章「DAYTONA」を申立人の公式ライセンシーによって販売された数多くの商品やサービスに関連して使用するとともに,デイトナIS施設(DAYTONA500レースとその他の自動車及びモーターサイクルレース及びイベントを含む)で開催されるその他のモータースポーツイベント等に関連して使用している。
(ク)パリの裁判所は,2007年の判決において,「DAYTONAという用語は,当該サーキットの著名性の故に世界中に知られているモーターサイクル及び自動車用サーキットの名称である」と述べている。
ウ 当審における職権調査によれば,以下の事実が認められる。
(ア)「KADOYA HEAD FACTORY/Made in Japan」の2013年10月25日付けのウェブサイトには,「フロリダ州デイトナビーチにあるオーバルトラック。デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ。NASCARの統括するストックカーレースの会場です。」との記載とともに,引用商標1と図形の位置が相違する類似の商標が,レース場の観客席の屋根に表示されている写真が掲載されている。
(http://kadoya1935hf.blog25.fc2.com/blog-date-201310.html)
(イ)「MOTO USA.com」のウェブサイトには,「Daytona 450 Supercross Results 2013 March 9,2013」の見出しのもと,「The 2013 Monster Energy Supercross showdown at Daytona saw Monster Energy Kawasaki’s」の記載とともに,引用商標1と色彩が相違する類似の商標が表示された写真が掲載されている。
(http://www.motorcycle-usa.com/2013/03/article/daytona-450-supercross-results-2013/)
(ウ)デイトナISのFacebookには,引用商標1と色彩のみを異にする類似の商標が表示され,1957年11月25日に当該Facebookを開始して以来,例えば,2013年7月8日のレースの写真中にサーキットの壁面に引用商標1と図形の位置が相違する類似の商標が表示されているなど,現在に至るまで頻繁に,デイトナサーキット場での自動車等のレースの紹介やレーサー・レーシングカー等の紹介記事中に,引用商標1と色彩が相違する類似の商標が表示された写真が掲載されている。
(https://www.facebook.com/DaytonaInternationalSpeedway?fref=nf)
(エ)「Rolex」のウェブサイトには,「1959年-2013年カーレースの聖地」の見出しのもと,「1959年の落成当時,デイトナ・インターナショナル・スピードウェイはアメリカで最高速度を誇るレーシングサーキットであり,世界初の“スーパースピードウェイ”のひとつでもあった。・・・世界で最も有名な耐久レースのひとつである,ロレックスデイトナ24時間レースの前身となるレースが開催されることとなり,デイトナ・インターナショナル・スピードウェイは国際的地位を獲得した。第1回のレースは,ロレックス コスモグラフ デイトナが発表される1年前の1962年に開催された。ロレックスはデイトナ・インターナショナル・スピードウェイの公式時計となり,このアメリカのレーストラックとの関係を深めるため,その新しいモデルをコスモグラフデイトナと名付けた。」との記載がある。
(http://m.rolex.com/ja/watches/cosmograph-daytona/m116523-0047/magazine/the-place.html)
(オ)「価格.com」のウェブサイトには,「テレビ紹介情報」の見出しのもと,「世界の街道をゆく 放送内容『VOL.391』2011年4月21日(木)21:48?21:54 テレビ朝日【声の出演】 坂東三津五郎[10代目] デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ アメリカのモータースポーツの聖地である『デイトナビーチ』を紹介。『デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ』は1959年に建設されたサーキットで,ストックカーという自動車でのレースが開催されてきた。」との記載がある。
(http://kakaku.com/tv/channel=10/programID=21319/episodeID=480514/)
(カ)「All Aboutの車・バイク」(更新日:2011年02月25日)のウェブサイトには,「デイトナ500で感じたアメリカンレースの偉大さ」の見出しのもと,「デイトナ500の位置づけ」の項に「2月末から11月までの9ヶ月間,年間36戦にも渡って全米をサーカスのごとく転戦する巨大シリーズ『NASCAR』。その最も重要なビッグイベントに位置づけられるのが開幕戦の『デイトナ500』です。『デイトナ500』はリゾート地として有名なフロリダ州・デイトナビーチ近くにある『デイトナ・インターナショナルスピードウェイ(距離2.5マイル)』の楕円形レーシングコース(オーバルトラック)を使って開催される500マイル(およそ800km)のレースで,ほぼ同じレースフォーマットを維持しながら今年で53回目を数える歴史を誇ります。」との記載がある。
(http://allabout.co.jp/gm/gc/376957/)
(キ)「ON THE RODE MAGAZINE」のウェブサイトには,「CAR 2011.02.21 NASCAR 速報!『DAYTONA 500』リザルト」の見出しのもと,「NASCAR スプリントカップシリーズ 『DAYTONA 500』デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ 2011年2月20日/フロリダ州デイトナビーチ/2.5マイル・スーパースピードウェイ/200ラップ・500マイル」との記載とともに,引用商標1と色彩が相違する類似の商標がレーストラックの内側に表示されている写真が掲載されている。
(http://orm-web.co.jp/headline/nascar_daytona_500.php)
(ク)「Honda」のウェブサイトには,「ラロッコが3位に入賞 決勝日:3月11日(金)会場:デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ」の項に「2005年AMAスーパークロス第10戦は,3月11日にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで“Daytona Supercross by Honda”として行われた。」との記載があり,M.ラッコ氏が引用商標1と色彩が相違する類似の商標が表示されているボードの前に立っている写真が掲載されている。
(http://www.honda.co.jp/AMA/race2005/rd10/report/)
(ケ)「dirtnp」のウェブサイトには,「デイトナバイクウィーク期間中に開催される2010AMAスーパークロス第9戦DaytonaのMonster Energy CGトラックマップムービーです。デイトナ・インターナショナル・スピードウェイの中に作られた横長のコースが特徴的。外周のオーバルコースに面したセクションではATVカメラマンがカッコイイ併走映像を見せてくれると思われます。」との記載がある。
(http://www.dirtnp.com/?p=4732)
(コ)「トーチュウF1EXPRESS」のウェブサイトには,「スカパー!でデイトナ24時間をダイジェスト放送2008/02/23」の見出しのもと,「服部尚貴,鈴木利男など豪華な解説陣 初回は24日,Jsports ESPNで 1月26,27日に米国フロリダ州で行われたデイトナ24時間耐久レースのダイジェストがスカパー!で放送される。J-P・モントヤやD・フランキッティらの激闘を6時間にわたり放映する。服部尚貴,日本車初優勝のメンバーだった鈴木利男らが解説する豪華版。初回放送は24日午後1時?7時,『J sports ESPN』で。3月2日,9日にリピート放送あり。」との記載がある。
(http://f1express.cnc.ne.jp/index.php?cat_id=46&teiko_id=184061&now_page=42)
(サ)「Toyota Motorsports」のウェブサイトには,「2008年NASCAR 特集」の見出しのもと,「60年の歴史を持つ市販車レース」の項に「その歴史は今から60年前の1948年,フロリダ州デイトナビーチから始まりました。当初は全米を代表する保養地のデイトナビーチのまさに砂浜の上でレースが行われていましたが,1959年に1周2.5マイルのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイがオープンし,NASCARの本格的な歴史が幕を開けたのです。使用されるマシンは,一般の市販車がベースであることから,『ストックカーレース』と呼ばれ,・・・それまで最も人気があったオープンホイールレースにとって変わって一気にアメリカンモータースポーツのナンバーワンとなりました。」との記載があり,その左側には,「レース前のドライバーの紹介」と写真が掲載されており,当該写真を拡大すると,「ショーアップされたレース前のドライバー紹介も,スタードライバーたちのプライドを懸けた対決のムードを一層盛り上げる。(写真は2008年2月の「バドワイザーシュートアウト」開催時のものです)」の記載の上には,炎の下に引用商標1と色彩が相違する類似の商標が表示された写真が掲載されている。
(http://www.toyota.co.jp/ms/nascar/special_02.html)
(http://www.toyota.co.jp/ms/nascar/popup/02_01.html)
(シ)「オーランド観光」のウェブサイトには,「『デイトナ・ビーチ』?レースの町」の見出しのもと,「オーランドから東へ車で約1.5時間,フロリダ半島東海岸にあるデイトナビーチは,モータースポーツの町として知られています。デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで毎年開催される『デイトナ500』や全米からハーレーダビットソンのバイカーが集まる『デイトナ・バイクウィーク』の名は,誰でも一度は耳にした事があるはずです。」との記載がある。また,「デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ」の項には「インディアナ州のインディアナポリスと共に世界的に有名なレースコースでストックカーレースなども開催されており,日本にも上陸したNASCARの本拠地でもあります。コースのバンクは最大31度もあり,まさに壁です。ここではトラムツアーに乗車してコースを一周し,そのハイバンクを間近で見学する事もできます。」との記載の左側には,引用商標1と色彩が相違する類似の商標が表示された写真が掲載されている。
(https://www.orlandokanko.com/information/florida_cities/daytonabeach)
(ス)「グリーンバイオコーポレーション株式会社 アメリカンスポーツ観戦ツアーズ」のウェブサイトには,「デイトナ500を観に行こう!」の見出しのもと,「NASCARスプリントカップシリーズの開幕戦となり,グレート・アメリカン・レースの愛称で呼ばれるデイトナ500。このレースは,毎年2月の最終日曜日にフロリダ州のデイトナビーチにあるデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催されます。モータースポーツファンなら一度は生で観たいイベントの1つだと思います。」との記載がある。
(http://americansports-tours.com/?p=11553)
エ 小括
前記の認定事実からすれば,申立人が管理・運営するデイトナISは,米国フロリダ州のデイトナビーチにあるレース場として,1959年のオープン以来,自動車レースの「DAYTONA500(デイトナ500)」及びモーターサイクルレースの「DAYTONA200(デイトナ200)」をはじめとする,各種モータースポーツイベントが長年継続的に開催され,米国のみならず我が国においても,ウェブサイトやテレビ等を通じて広く紹介され,また,当該モータースポーツイベントには,引用商標1と類似の商標が表示されていることが認められることなどから,特に自動車レース等に関心を持つ人々の間においては,引用商標が,デイトナISで開催される「DAYTONA500」,「DAYTONA200」及び「デイトナ24時間レース」などのモータースポーツイベントやそれに関連する商品に使用している「DAYTONA」を表示するものであることは,広く認識されているものと認められる。
したがって,引用商標は,申立人の業務に係る役務「自動車レース・自動車競技会の企画・運営及び開催,オートバイレース・オートバイ競技会の企画・運営及び開催」及びこれらの関連商品について使用する商標として,本件商標の登録出願時には既に,少なくとも米国及び我が国の需要者の間に広く認識されていたものというべきであり,その状態は本件商標の登録査定時においても継続していたと認められる。
(2)商標権者が開設するウェブページについて
申立人提出の商標権者が開設するウェブサイトの写し(甲8)によれば,以下の事実を認めることができる。
ア 1頁目の最上部には,「デイトナスタイル」との見出しのもと,「純正スチールホイールをお手軽にデイトナスタイルに!ホイールキャップ,カバー専門の通販サイト。※Daytona Styleは登録商標です。」と記載があるほか,最上部の写真中に,「What’s daytona style?」と表示され,その写真の下には,「NASCAR(ナスカー,National Association for stock Car Auto Racing),全米自動車競争協会は1948年に設立されたアメリカ最大のモータースポーツ団体です。そのレースがくりひろげられるのが米国フロリダ州に位置するデイトナ国際サーキット。デイトナスタイルキャップ,スタイルリングは純正ホイールに装着するだけでサーキットフリークの雰囲気を醸し出します。」との記載がある。
イ 1頁目の下部の「DAYTONA STYLE CAP」の項には,写真中に「ブラックスチールホイールはNASCARレースを象徴する最たるもの。『デイトナクロームキャップ』は純正スチールホイールに装着するだけでデイトナサーキットフリークの雰囲気を醸し出します。」との記載の横には,黒地のホイールキャプと思しき円形中に,白でエンブレム風の二重の縁取りをした枠内に羽を広げた猛禽類を表したかの如く図を描き,その下に「DAYTONA」の文字を太字に白い縁取りを施し,当該エンブレム風の枠からはみ出して表している。
ウ 1頁及び2頁目の右端の「おすすめ商品」の項及び2頁目の「新着商品」の項には,黒地の長四角中に白抜きの太字で「DAYTONA」と表し,その上に商品を配していることが認められる。
エ 2頁目の左端の上から2番目の写真には「エンブレム DAYTONA プレゼントキャンペーン!」と白抜きで太字に表していることが認められる。
オ 2頁目の下部の「What’s daytona style?」の項と表示され,「米国デイトナ国際サーキットで行われているストックカーレースは,現在でもそのポリシーが引き継がれ市販車のフォルムを生かしたマシン作りが行われています。特に使用されているスチールホイールは長年にわたり企画を変えず,ストックカーレース特有なアメリカンスタイルを築きあげています。」との記載がある。
カ 3頁目及び4頁目には,4枚写真が掲載され,当該写真に付している説明の中には,「デイトナ仕様のスチールホイールは,その歴史に培われたイメージだけでもモーターフリークを魅了しています。カーライフにおいて,いいものは変えないと言うポリシー,流行にとらわれないアメリカンスタンダードこそが“デイトナスタイル”です。」,「米国ストックーカーレースの最高峰である“デイトナ500”は,レース期間中に20万人の観客動員数を誇り人々を熱狂させます。」との記載がある。また,4頁目の写真は申立人が管理するサーキットのものであると認められ,その中央には引用商標1と類似のマークが認められる。
キ 小括
以上の認定事実によれば,商標権者が開設するウェブサイトには,申立人が管理・運営するデイトナIS及びそこで開催される有名なモータースポーツイベントに関する記載,すなわち,「……米国フロリダ州に位置するデイトナ国際サーキット。デイトナスタイルキャップ,スタイルリングは純正ホイールに装着するだけでサーキットフリークの雰囲気を醸し出します。」,「デイトナ仕様のスチールホイールは,その歴史に培われたイメージだけでもモーターフリークを魅了しています。」及び「米国ストックーカーレースの最高峰である“デイトナ500”は,レース期間中に20万人の観客動員数を誇り人々を熱狂させます。」などの記載があること,また,商標権者の取扱商品「ホイールキャップ」に関し,本件商標と社会通念上同一の商標と認められる「DAYTONA STYLE(Daytona Style)」の文字が使用されている一方で,当該商品自体には,「STYLE」部分を省略した「DAYTONA」の文字のみが付されていることが認められるから,本件商標中の「DAYTONA」とは,申立人の業務に係る役務「自動車レース・自動車競技会の企画・運営及び開催,オートバイレース・オートバイ競技会の企画・運営及び開催」及びこれらの関連商品について使用する商標として,本件商標の登録出願時及び登録査定時には既に,少なくとも米国及び我が国の需要者の間に広く認識されていた「DAYTONA」を意図したものであることは明らかである。
(3)本件商標と引用商標との類似性の程度
ア 本件商標は,「DAYTONA STYLE」の欧文字を標準文字により表してなるものであるから,これより「デイトナスタイル」との称呼が生じる。
また,本件商標の指定商品は,「自動車の部品及び付属品」であるところ,前記(1)のとおり,本件商標中の「DAYTONA」の文字は,申立人の業務に係る役務「自動車レース・自動車競技会の企画・運営及び開催,オートバイレース・オートバイ競技会の企画・運営及び開催」及びこれらの関連商品について使用する商標として,本件商標の登録出願時及び登録査定時には既に,少なくとも米国及び我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認められるから,その需要者層とも重なることが少なくない本件商標の指定商品に係る取引者,需要者にも,そのような印象を与える語であると認められるのに対し,本件商標中の「STYLE」の文字は,「様式,型,…風の」等の意味を有する語であって,本件商標全体としても「(申立人の周知商標である)DAYTONA様式(型,風)」といった意味合いで認識されるにすぎず,指定商品との関係においては,自他商品識別力が弱い部分であると認められる。
そうすると,本件商標は,前半の「DAYTONA」部分が強く支配的な印象を与えるものと認められるから,これを要部として引用商標と比較し商標そのものの類否を判断することが許されるものである。したがって,本件商標からは,「DAYTONA」部分に相応した「デイトナ」との称呼及び「(申立人の周知商標である)DAYTONA」との観念も生じる。
イ 他方,引用商標は,いずれも「DAYTONA」の欧文字を顕著に表示してなるものであるから,「デイトナ」との称呼及び「(申立人の周知商標である)DAYTONA」との観念が生じる。
ウ 本件商標の要部「DAYTONA」と引用商標とを対比すると,「DAYTONA」のつづりを共通にし,その称呼及び観念も共通するから,結局,本件商標と引用商標は,外観において共通する部分があり,称呼と観念を共通にする類似の商標と認められる。
(4)まとめ
以上によれば,前記(1)のとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,引用商標は,申立人の業務に係る役務「自動車レース・自動車競技会の企画・運営及び開催,オートバイレース・オートバイ競技会の企画・運営及び開催」及びこれらの関連商品について使用する商標として,少なくとも米国及び我が国の需要者の間に広く認識されていた。そして,本件商標は,引用商標と類似の商標であって,かつ,前記(2)のとおり,商標権者は,引用商標の周知性を十分認識していたことは明らかであって,引用商標の有する信用又は名声に便乗する不正の目的をもって本件商標の使用をするものであると認めることができるから,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当する。

第4 商標権者の意見
審判長は,前記第3の取消理由に対して,期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが,商標権者は,何ら意見を述べていない。

第5 当審の判断
前記第3のとおり,本件商標は,その登録出願時及び登録査定時において,他人の業務に係る役務「自動車レース・自動車競技会の企画・運営及び開催,オートバイレース・オートバイ競技会の企画・運営及び開催」及びこれらの関連商品を表示するものとして,米国及び我が国の需要者の間に広く認識されている引用商標と類似の商標であって,不正の目的をもって使用をするものに該当するというべきであるから,商標法第4条第1項第19号に該当する。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものであるから,同法第43条の3第2項により取り消すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲(引用商標1)



異議決定日 2015-10-02 
出願番号 商願2013-82351(T2013-82351) 
審決分類 T 1 651・ 222- Z (W12)
最終処分 取消 
前審関与審査官 平澤 芳行 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 前山 るり子
田村 正明
登録日 2014-02-21 
登録番号 商標登録第5651642号(T5651642) 
権利者 合同会社デイトナスタイル
商標の称呼 デイトナスタイル、デートナスタイル、デイトナ、デートナ、スタイル 
代理人 秋元 輝雄 
代理人 吉澤 大輔 
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