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審決分類 審判 全部無効 外観類似 無効としない W30
審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効としない W30
審判 全部無効 称呼類似 無効としない W30
審判 全部無効 商4条1項19号 不正目的の出願 無効としない W30
審判 全部無効 観念類似 無効としない W30
管理番号 1308426 
審判番号 無効2015-890051 
総通号数 193 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-01-29 
種別 無効の審決 
審判請求日 2015-06-10 
確定日 2015-11-25 
事件の表示 上記当事者間の登録第5501666号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第5501666号商標(以下「本件商標」という。)は、「三柑」の漢字を標準文字で表してなり、平成24年1月21日に登録出願、第30類「調味料」を指定商品として、同年5月22日に登録査定、同年6月15日に設定登録されたものである。

2 引用商標
請求人が本件審判の請求において引用するのは、以下の4件の登録商標(以下、これらの登録商標を総称して「引用商標」という場合がある。)である。
(1)登録第1461725号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ミツカン」の片仮名を横書きしてなり、昭和47年5月23日に登録出願、第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同56年5月30日に設定登録され、その後、平成13年11月14日に、指定商品を第1類「人工甘味料」、第5類「乳糖,乳児用粉乳」、第29類「食用油脂,乳製品」、第30類「調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」、第31類「ホップ」及び第32類「ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第1838403号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ミツカン」の片仮名を縦書きしてなり、昭和58年2月3日に登録出願、第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同61年1月24日に設定登録され、その後、平成18年12月6日に、指定商品を第1類「人工甘味料」、第5類「乳糖,乳児用粉乳」、第29類「食用油脂,乳製品」、第30類「調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」、第31類「ホップ」及び第32類「ビール製造用ホップエキス,乳清飲料」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第4018082号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ミツカン」の片仮名を横書きしてなり、平成7年4月27日に登録出願、第30類「コーヒー及びココア,茶,みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く),米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」を指定商品として、同9年6月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(4)登録第4814374号商標(以下「引用商標4」という。)は、「mizkan」の欧文字及び「ミツカン」の片仮名を二段に横書きしてなり、平成15年8月21日に登録出願、第30類の「調味料」を始め、第16類、第19類、第21類、第30類、第32類、第33類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同16年10月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録は無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を、本件商標が商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するとして、要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第16号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
本件商標は、甲第1号証に示すように「三」及び「柑」の2つの漢字より構成されている。この構成文字全体から見るに、辞書等に掲載が見られない一種の造語であり、一般に親しまれた意味を有する成語とはいえない。
「三」は、よく知られた漢字であり、音読みで「サン」のほか、訓読みで「み」、「み(つ)」、「み(っつ)」の称呼が出る(甲6)。一方、「柑」は「柑橘類」、「蜜柑」、「金柑」といった熟語で使われるが、漢字検定準1級の配当漢字であり、一般に親しまれている語ではない。音読みで「カン」、訓読みで「みかん」の称呼が出るが(甲7)、通常「みかん」を漢字で表す際には「蜜柑」の文字が用いられており(甲8)、「柑」一文字では「みかん」が自然な称呼とはいい難いことから、「柑」の語からは「カン」の称呼が自然に発生する。
この「柑」の前に「三」の漢字が付された本件商標においては、「三」も音読みをして「サンカン」の称呼が出ることがあるかもしれないが、漢字二文字の熟語で始めに来る「三」を「ミツ」と称呼することは、稀なことではない。例えば、「三鱗(ミツウロコ)」、「三扇(ミツオウギ)」、「三柏(ミツガシワ)」のような紋所の名前を始め、「三井(ミツイ)」、「三菱(ミツビシ)」のような姓氏や、「三相(ミツアイ)」、「三頭(ミツガシラ)」、「三栗(ミツグリ)」といった名詞も辞書に掲載されている(甲9)。
また、特に、本件では、本件商標の商標権者の名称が「ミツイシ株式会社」であることから、「三柑」の商標を現実に使用する場合、そのラベル中又は近傍に「ミツイシ」の社名が記載されることも多く考えられ、このことからも、需要者は「ミツカン」の称呼を容易に想起し得る。
したがって、本件商標からは、「ミツカン」の称呼が生じるというのが自然である。
イ 引用商標
引用商標は、いずれも「ミツカン」の文字を片仮名で書してなるところから、「ミツカン」の称呼が生じるものである。
請求人は、江戸時代文化期(1804年?)創業家初代の中野又左衛門が愛知県知多半島で本格的に酢の製造を始め、現在では「ミツカングループ」として事業を展開し、家庭用・業務用を含め、食酢を含む調味料の分野において、日本国内のみならず、世界的にも有名な企業である(甲10及び11)。
第四代の中埜又左衛門の時代(1867年?)、明治17年に商標条例が施行されたことから、四代目社長が、中埜家の家紋である「丸に三つ算木紋(○の中に三本線)」を元に、易学の理念「天下一円にあまねし」の意味を込めて、○を三本線の下に付けたマークを考案し、1887年に商標登録を受けている(登録第1646号:甲12?14)。このマークを「三ッ環」、つまり「ミツカン」と称し、以来、現在に至るまで120年以上もの間、請求人はミツカンロゴ商標を含む「ミツカン」商標を使い続けている。
ウ 小括
したがって、本件商標と引用商標は、明らかに称呼が同一の商標であって、両商標は類似し、しかも、本件商標の指定商品「調味料」と引用商標の指定商品とは同一であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号及び同項第19号について
引用商標は、上記(1)イで述べたように、請求人の製造及び販売に係る調味料の商標として周知著名であることから、同じ商品「調味料」に本件商標が使用されたときは、商品の出所混同を生ずるおそれがあるといえる。
ミツカンロゴ商標は、1887年に登録を受けたが、片仮名の「ミツカン」商標も、1919年に「みそ、こしょう」といった調味料を含む食品分野において商標登録を受けている(甲15)。
片仮名の「ミツカン」商標が登録を受けてから数えても100年近く経過しており、ミツカンロゴ商標が「ミツカン」と称されて120年もの長きに亘って、請求人は、「ミツカン」商標を使用してきたという歴史がある。
その結果、引用商標1及び3に至っては、多数の防護標章登録を伴っており、特許庁による「日本国周知・著名商標検索」においても表示されている。
また、「ミツカン」といえば「食酢」が挙げられるが、「味ぽん」を始めとする「ぽん酢」商品や「追いがつお」ブランドを含む「つゆ」商品、「金のつぶ」ブランドを含む「納豆」商品等、幅広い食品分野に商品展開を行っている。
これらの商品が製造・販売される際には、常にミツカンロゴ商標を含む「ミツカン」商標が使用されていることから、1,642億円にも上るグループ全体の業績(2013年度:甲16)をかんがみると、「ミツカン」商標が広く深く取引者・需要者の間に知れ渡っているか容易に推察できる。
したがって、仮に本件商標から「ミツカン」以外に「サンカン」の称呼が出ることがあったとしても、調味料業界に携わる取引者及び店舗で調味料を購入しようとしている需要者が、「三柑」の文字を目にする際には、請求人が「ミツカン」商標を漢字で表すことにした、つまり、請求人による新しい「ミツカン」ブランドが展開されることになったと、誤って認識するおそれが十分あると考える。
そのため、本件商標をその指定商品に使用した場合、請求人又は請求人と経済的・組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品ではないかと、その出所について混同を生ずるおそれがあることから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
さらに、商標権者が本件商標を登録出願する際に、「サンカン」の称呼を考慮し、漢字を当てたとすると、その指定商品中に「食酢」が含まれていることにより、「ミツカン」と読むことが可能な「三柑」の漢字を採択することは不正の意図が明らかである。他方、「三柑」の漢字を考慮し、「サンカン」の読みを付したと考察したとしても、明らかに不正の意図を隠蔽する手段といわざるを得ず、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(3)まとめ
以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当し、同法第46条第1項第1号によって、その登録を無効にすべきである。

4 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように答弁し、証拠方法として乙第1号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標について
本件商標は、「三柑」の文字を、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で一連に横書きしてなり、全体としてまとまりよく一体不可分に表現されており、既存の熟語とはみられず、被請求人が創造した漢字2文字の造語である。
そして、熟語については、それぞれの漢字を、通常、中国から入ってきたままの読み方である「音読み」で読むか、日本で作られた読み方である「訓読み」で読むのがほとんどである。
そうすると、第1文字目の「三」は、音読みで「サン」と読まれ(甲6)、第2文字目の「柑」は同じく音読みで「カン」と読まれる(甲7)ので、全体としては「サンカン」と読まれるのが自然である。
請求人は、「『三』を『ミツ』と称呼することは、まれなことではない。」と述べ、甲第9号証(辞書)を提出しているが、第1文字目の「三」を「ミツ」と称呼することは、請求人が提出したものと同じ辞書(「広辞苑第六版。岩波書店発行」。乙1)に、例えば、「三愛(サンアイ)」、「三悪(サンアク)」、「三位(サンイ)」といった名詞が掲載されている。
また、本件商標を構成する両方の文字を訓読みで読む場合には、第1文字目の「三」は「ミ」又は「ミ(ツ)」と読まれる(甲6)が、第2文字目の「柑」は「ミカン」と読まれる場合もある(甲7)とのことであるが、「みかん」は「蜜柑」の漢字が使われる(甲8)ことが普通であるので、第2文字目の「柑」の漢字が「ミカン」と読まれることは自然ではないから、本件商標については、漢字2文字の熟語を訓読みで読むことは自然ではない。
熟語の読み方については、例外的に音読みと訓読みを組み合わせて、「重箱読み」や「湯桶読み」というような読み方があるが、このような読み方は例外的で、特定の意味合いを有する語に漢字をあてて熟語を作ったような場合に用いられる読み方であるので、熟語についての自然的な称呼としては、「音読み」+「音読み」か、「訓読み」+「訓読み」となる。
請求人は、紋所の名前や、姓氏や名詞の例を挙げ、さらに被請求人の名称を用いて、本件商標から「ミツカン」の称呼を生ずるのが自然であると主張しているが、漢字2文字の熟語についての読み方については、訓読み又は音読みで読まれることが自然であり、例外的に音読みと訓読みの組み合わせた称呼が生ずるのであり、本件商標の場合には、紋所でも姓氏でも名詞でもないことから「ミツカン」(審決注:被請求人の前後の主張から、「サンカン」の誤記と考えられる。)の称呼が生ずるとするのが自然である。
イ 引用商標について
引用商標は、いずれにも「ミツカン」の片仮名があるので、「ミツカン」の称呼が生ずることは認める。
ウ 本件商標と引用商標の類否について
本件商標については、上記のとおり、「サンカン」の自然な称呼が生じる。
他方、引用商標からは、「ミツカン」の称呼が生じる。
そして、本件商標と引用商標とを比較した場合、外観においては明らかに相違し、また、称呼においても明らかに相違し、さらに、観念においても比較することができないものである。
したがって、本件商標と引用商標とは類似するものではないので、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとの請求人の主張は、成り立たない。
(2)商標法第4条第1項第15号及び同項第19号について
本件商標は、上記(1)のとおり、「サンカン」の称呼のみを生ずるのに対し、引用商標からは「ミツカン」の称呼のみを生ずるから、本件商標と引用商標とは、称呼上非類似である。
そして、本件商標は、上記(1)のとおり、造語であるから、引用商標とは、観念上比較することができない非類似の商標である。
さらに、外観においても、本件商標と引用商標とは、明らかに非類似である。
そうとすると、本件商標と、請求人の使用する引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からも非類似であり、両商標は非類似の商標である。
そして、請求人が使い続けている商標については、「丸に三つ算木紋(○に三本線)」を元に、「○を三本線の下に付けたマークを考案し、1887年に商標登録を受けており、このマークを『三つ環』、つまり『ミツカン』と称し、以来現在に至るまで120年以上もの間、ミツカンロゴ商標を使い続けている。」と請求人が述べているとおり、請求人は、ミツカンロゴ商標を使い続けている。
してみれば、本件商標は、その指定商品について使用した場合、請求人又は請求人と何らかの経済的、組織的に関係のある者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるということはできないから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるとの請求人の主張は、成り立たない。
さらに、本件商標は、上記(1)のとおり、被請求人の造語であり、請求人が主張するような「ミツカン」とも読むことが可能な「三柑」の文字を採択したものではないので、不正の意図があるということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するとの請求人の主張は、成り立たない。
(3)まとめ
以上のとおりであるから、本件商標について、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は無効とされるべきであるとの請求人の主張は理由がない。

5 当審の判断
(1)本件商標について
ア 本件商標は、「三柑」の漢字を標準文字で表してなるところ、該文字は、広辞苑第六版」(岩波書店)、「大辞泉」(小学館)、「大辞林第三版」(三省堂)等の既存の辞書には掲載されていることは見いだし得ないものであるが、以下の新聞やインターネットの情報を勘案すれば、「サンカン」の称呼及び「桃(もも)、橘(みかん)及び柘榴(ざくろ)」の観念が生じるものといえる。
(ア)ウーマンコムのウェブサイトには、「風水で人気のモチーフ、三柑」の見出しの下に、「風水で人気のモチーフ、三柑(さんかん)をリースにしました。Amazonで販売しています。三柑とは、桃、橘、柘榴。桃は縁結び・恋愛運。橘は金運・財運。柘榴は子宝・安産祈願。」と載されている(http://womancom.jp/blog/entry-719.html)。
(イ)妊活ツールのウェブサイトには、「三柑で、気分もリフレッシュ」の見出しの下に、「三柑(さんかん)とは、桃(もも)・橘(みかん)・柘榴(ざくろ)。桃は縁結び・恋愛運、橘は金運・財運、柘榴は子宝・安産の象徴。」と記載されている(http://ninsin-march.jp/ninkatu_fusui.html)。
(ウ)2014年12月5日付け毎日新聞(地方版)には、「香りの根付・三柑の実:やまとたちばな果皮、香料に 鳥羽商議所開発、7日から販売/三重」の見出しの下に、「鳥羽市の鳥羽商工会議所は、同市の木『やまとたちばな』の果皮を香料にした『香りの根付 三柑(さんかん)の実』を開発し、7日から同市相差町の『海女の家 五左屋』で販売を始める。三柑は、風水でモモ、タチバナ、ザクロのことを指し、三つそろうと全体運がアップし幸運を導くとされる。」と記載されている。
イ 「三柑」の漢字について、看者が上記アの意味合いの語を知らない場合において、たとえ、特定の観念を生じることのない造語として認識されるとしても、漢字2文字の熟語の読み方は、原則として、最初の漢字を音読みで読んだら次の漢字も音読みで、また、最初の漢字を訓読みで読んだら次の漢字も訓読みで読むのが一般的といえることを踏まえるならば、本件商標からは、甲第6号証及び甲第7号証の各漢字の読みに従えば、音読みの場合は「サンカン」の称呼が生じるというのが相当であり、訓読みの場合は「ミミカン」、「ミツミカン」、「ミッツミカン」の称呼が生じることになるものである。
なお、漢字の読み方については、例えば、「漢字の音読みと訓読みの区別(3)|受験国語の目安箱」のウェブサイトには、「漢字の音読みと訓読みの区別(3)」の見出しの下に、「熟語の読み方は原則的に 上の漢字を音読みで読んだら下の漢字も音読み(音+音の法則) 上の漢字を訓読みで読んだら下の漢字も訓読み(訓+訓の法則)で読みます。」と記載されているところである(http://plaza.rakuten.co.jp/xenophobia/diary/200505150001/)。
(2)引用商標について
引用商標は、上記2のとおり、引用商標1ないし3が「ミツカン」の片仮名を、また、引用商標4が「mizkan」の欧文字及び「ミツカン」の片仮名を書してなるものであるところ、その構成文字に相応して、「ミツカン」の称呼を生じるものである。そして、観念においては、引用商標は、甲第10号証ないし甲第13号証をも勘案するならば、請求人を含め、我が国有数の食品関係の事業者としての「ミツカン」を表すいわゆる著名なハウスマークといえるから、食品関係の事業者としての「ミツカン」の観念を生じるものといえる。
(3)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、「三柑」の漢字を表してなり、引用商標は、引用商標1ないし3が「ミツカン」の片仮名を、また、引用商標4が「mizkan」の欧文字及び「ミツカン」の片仮名を書してなるものであるところ、本件商標と引用商標を比較するに、外観においては、明らかに区別し得るものである。
次に、称呼においては、本件商標より生じる「サンカン」と引用商標より生じる「ミツカン」の称呼とは、語頭部の「サン」の音と「ミツ」の音を異にするものであるところ、該差異音は、4音という簡潔な音構成にあって、称呼において重要な語頭部に位置する2音であることから、その称呼全体に与える影響は小さくなく、明らかに聴別し得るものといえる。また、本件商標より生じる「サンカン」以外の称呼と引用商標より生じる「ミツカン」の称呼とを比較しても、これを相紛れるおそれがあるとすべき事情を見いだすことはできない。
さらに、観念においては、本件商標は、上記(1)のとおり、「桃(もも)、橘(みかん)及び柘榴(ざくろ)」の意味合いを認識されるか、一種の造語として認識されるものであるところ、他方の引用商標は、上記(2)のとおり、食品関係の事業者としての「ミツカン」の観念を生じるものであるから、両商標が観念において相紛れるおそれはないものといえる。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、取引者、需要者をして、別異の商標として認識されるものといえる。
したがって、本件商標は、その指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似のものであったとしても、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。
(4)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は、上記(2)のとおり、請求人を含め、食品関係の事業者としての「ミツカン」を表す著名なハウスマークといえるものではあるが、その著名性を勘案しても、本件商標と引用商標とは、上記(3)のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、取引者、需要者をして、別異の商標として認識されるものであるから、本件商標は、その指定商品に使用しても、食品関係の事業者としての「ミツカン」の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じるおそれはないものといえる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するということはできない。
(5)本件商標の商標法第4条第1項第19号該当性について
本件商標と引用商標とは、上記(3)のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標である。しかも、請求人は、本件商標が商標法第4条第1項第19号に該当するとの理由について、「商標権者が本件商標を登録出願する際に、『サンカン』の称呼を考慮し、漢字を当てたとすると、その指定商品中に『食酢』が含まれていることにより、『ミツカン』と読むことが可能な『三柑』の漢字を採択することは不正の意図が明らかである。」と主張しているが、商標権者に図利加害の目的など不正の目的があったことを具体的に裏付ける理由を明らかにしているわけでもない。
そうすると、本件商標は、引用商標とは非類似であって、不正の目的をもって登録出願されたものということもできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するということはできない。
(6)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項の規定に基づきその登録を無効にすべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2015-09-29 
結審通知日 2015-10-01 
審決日 2015-10-16 
出願番号 商願2012-3464(T2012-3464) 
審決分類 T 1 11・ 262- Y (W30)
T 1 11・ 271- Y (W30)
T 1 11・ 263- Y (W30)
T 1 11・ 261- Y (W30)
T 1 11・ 222- Y (W30)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 冨澤 美加 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 林 栄二
中束 としえ
登録日 2012-06-15 
登録番号 商標登録第5501666号(T5501666) 
商標の称呼 サンカン、ミカン 
代理人 特許業務法人松田特許事務所 
代理人 田代 茂夫 
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