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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z30
管理番号 1308375 
審判番号 取消2015-300006 
総通号数 193 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-01-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2014-12-26 
確定日 2015-11-09 
事件の表示 上記当事者間の登録第4476334号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4476334号商標の指定商品中、第30類「ピザ,サンドイッチ,ミートパイ」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4476334号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成12年6月28日に登録出願、第30類「ピザ,サンドイッチ,すし,べんとう,ミートパイ,ラビオリ」を指定商品として、平成13年5月25日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成27年1月21日にされたものである。

2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中の「ピザ,サンドイッチ,ミートパイ」(以下「請求に係る指定商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実がないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
(2)答弁に対する弁駁
被請求人は、答弁書において、乙第1号証ないし乙第4号証を提出し、本件商標は商標権者により、日本国内において、本件審判の請求の登録前3年以内に商品「ピザ」について使用されているため、本件審判の請求は成り立たない旨主張する。
しかし、被請求人提出のいずれの証拠も、以下のとおり、本件商標が商標権者により本件審判の請求登録前3年以内に商品「ピザ」について使用されていた事実を示すものではないことは明らかであって、本件商標の指定商品中の「請求に係る指定商品」について、本件商標の登録は取り消されるべきものである。
ア 乙第1号証について
(ア)被請求人は、本件答弁書において乙第1号証として被請求人が運営するイタリアンレストラン「TO THE HERBS」の青山本店に掲示されたメニューボードの写真を提出し、『「ニューヨーカー」の片仮名を上段に配するとともに、片仮名部分よりも大書した「Newyorker」のアルファベットを下段に配する商標(以下「本件使用商標1」という。)を、同店舗内で製造されて同店舗内で費消されるピザ(以下「本件商品」という。)の名称として、同店舗内で掲示されているメニューボードに表示している』と主張する。
(イ)しかし、商標法第50条の適用上、当該「ピザ」が「商標法上の商品」であるためには、市場において独立して商取引の対象として流通に供される物でなければならないところ、上記メニューボードに記載された「ピザ」は、市場において独立して商取引の対象として流通されている物には該当しない。
(ウ)実際に被請求人が運営する「TO THE HERBS」は、イタリア料理を提供するイタリアレストランであり、そのホームページ並びにグルメ情報サイト「ぐるなび」における青山本店のページをみても、該店舗内にて「飲食物の提供」の役務が行われている事実があることに鑑みれば(甲3の1?甲4)、乙第1号証における本件使用商標1が付されたメニューボードの写真は、「飲食物の提供」の役務との関係で「役務に関する価格表に標章を付して展示する行為」を示すものとして本件商標が使用されている事実を証明するものに他ならず、商標法上の商品「ピザ」について使用している事実を立証しているものとは認めることはできない。
(エ)さらに、被請求人は乙第1号証における写真の撮影日は不明であり、これより本件商標が、本件審判の請求登録日前3年以内に使用されていた事実を認定することはできない。
(オ)してみれば、乙第1号証が本件審判の請求登録日前3年以内に日本国内において、被請求人が本件商標を商品「ピザ」に使用していた事実を証明する証拠とは認められないことは明らかである。
イ 乙第2号証ないし乙第4号証について
(ア)被請求人は、答弁書において乙第2号証ないし乙第4号証として、被請求人が運営する「TO THE HERBS」の青山本店における営業記録が印字されたジャーナルを提出している。
(イ)しかし、上述のとおり、被請求人が運営する上記店舗内において「飲食物の提供」の役務が行われていることからすると、ジャーナルに記載された営業記録は、レストランにて注文された料理が記録されたものと考えるのが自然であり、上記役務に対する利用者からの対価を計上したものとみるべきものである。
(ウ)さすれば、乙第2号証ないし乙第4号証についても、被請求人が本件商標を商品「ピザ」に使用している事実を証明する証拠とは認められないことは明らかである。

3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のようにと述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)被請求人による「NEW-YORKER/ニューヨーカー」商標の使用
被請求人は、本件商標の商標権者であり、本件商標に関して、指定商品について以下のような使用の経緯を有している。
平成26年12月1日から現在に至るまで、被請求人は、被請求人の運営するイタリアンレストランである「TO THE HERBS」の青山本店において、「ニューヨーカー」の片仮名を上段に配するとともに、片仮名部分よりも大書した「Newyorker」のアルファベットを下段に配してなる商標(本件使用商標1)を、同店舗内で製造されて同店舗内で費消されるピザ(本件商品)の名称として、同店舗内で掲示されるメニューボードに表示している(乙1の1,乙1の2)。具体的には、このメニューボードは、同店舗内の柱の一面に掲示されており、このメニューボードのほぼ中央部分に、ピザの図案やそのキャッチフレーズ、及びピザの価格等とともに、本件使用商標1を表示している。
さらに、被請求人は、平成26年12月1日に販売を開始して以降の本件商品の取引書類に、「ニューヨーカー」の片仮名をブロック体で横書きしてなる商標(以下「本件使用商標2」という。)を表示している(乙2)。具体的には、この取引書類は、顧客の会計時に操作されるキャッシュレジスタ(金銭登録機)の操作内容が営業記録として印字されるジャーナルであって、本件商品の売上操作に応じて、本件使用商標2が印字されている。このジャーナルには、本件商品が1個、平成26年12月23日に販売されたことが示されている。
一方、1か月単位での営業記録が印字されたジャーナル(乙3)によれば、2014年12月の1か月間の本件商品の売上は1個であり、2015年1月の1か月間の本件商品の売上は9個であることが示されている。
さらに、1か月単位での営業記録が印字されたジャーナル(乙4)によれば、2015年2月の1か月間の本件商品の売上は25個であり、2015年3月1日から同月4日までの4日間の本件商品の売上は9個であることが示されている。
このように、乙第2号証ないし乙第4号証によれば、本件使用商標1及び本件使用商標2が表示された本件商品の販売総数は、平成26年12月1日から平成27年3月4日までにおいて、合計で37個にも上る。
(2)不使用取消審判による本件商標の取消しの成否
商標権者である被請求人による本件使用商標1及び2の使用は、「商品に標章を付する行為」、あるいは「商品に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために輸入する行為」、「商品に関する取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布する行為」といえることから、商標法上の「使用」(商標法2条3項1、2及び8号)に該当することは明らかである。
さらに、本件使用商標1及び2は、「ニューヨークの人」といった熟語的な観念が生じるものであって、本件商品であるピザの品質等を具体的に表示する語ではないことから、本件使用商標1及び2の使用は、指定商品について識別力を発揮する商標的な使用であると評価することができる。
ところで、本件商標のうち「NEW-YORKER」のアルファベットの部分は、全て大文字で書された「NEW」と「YORKER」とがハイフンで結合された構成となっているところ、本件使用商標1は、(a)最初の1文字だけが大文字である、(b)ハイフンや間隔を介在させずに「New」と「yorker」との間が結合されている、(c)書体が活字体ではなく手書きされている点において、本件商標と構成態様が異なっている。また、本件使用商標2は、(d)アルファベットの部分が併記されていない、(e)書体がブロック体となっている点において、本件商標と構成態様が異なっている。
この点、審判便覧の53-01において、「ローマ字の大文字と小文字の相互間の使用」は「登録商標の使用と認められる」と例示されているように(乙5)、(a)については、ローマ字の大文字と小文字とが異なることを理由として、本件商標と本件使用商標1との社会通念上の同一性が損なわれるものではない。(b)については、同じアルファベットを用いた「New」と「yorker」とが間隙を介在させずに結合している、あるいは「NEW」と「YORKER」とがハイフンを介在させて結合している場合は、審判便覧の53-01には明確な例示は存在していないものの、結合されて同一の称呼及び観念が生じる以上は、「その他社会通念上同一と認められる商標」(乙5)であると判断することができる。
また、本件商標及び本件使用商標1は、いずれも「ニューヨーカー」の同一の称呼を生じるとともに、「ニューヨークの人」といった同一の観念を生じることから、(b)の相異点にも関わらず、本件商標と本件使用商標1との社会通念上の同一性は損なわれるものではない。
審判便覧の53-01において、「活字体による書体と筆記体による書体の相互間の使用」は「登録商標の使用と認められる」と例示されているように(乙5)、(c)については、書体が異なることを理由として、本件商標と本件使用商標1との社会通念上の同一性が損なわれるものではない。
さらに、審判便覧の53-01において、「登録商標が二段併記等の構成からなる場合であって、上段及び下段等の各部が観念を同一とするときに、その一方の使用」が「登録商標の使用と認められる」と例示されているように(乙5)、本件商標及び本件使用商標2は、いずれも「ニューヨークの人」といった同一の観念を生じることから、(d)の相異点にも関わらず、本件商標と本件使用商標2との社会通念上の同一性は損なわれるものではない。審判便覧の53-01において、「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標」は「登録商標の使用と認められる」と例示されているように(乙5)、(e)については、書体が異なることを理由として、本件商標と本件使用商標2との社会通念上の同一性が損なわれるものではない。
以上のように、本件使用商標1及び2のいずれもが、本件商標と社会通念上同一と認められる商標であることから、本件使用商標1及び2のいずれの使用も、本件商標の使用と評価することができるものであり、その使用は、本件商標の商標権者である被請求人が、日本国内において、本件審判の請求の登録前3年以内に指定商品「ピザ」についてしたものであることから、商標法第50条第1項に規定の不使用取消の事由は存在しない。

4 当審の判断
(1)本件審判の請求について
商標法第50条第1項に規定する商標登録の取消しの審判にあっては、その第2項において、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、その使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れないとされている。
本件審判は、本件商標の指定商品中、第30類「ピザ,サンドイッチ,ミートパイ」(請求に係る指定商品)についての登録の取消しを請求されたものであり、これに対し、被請求人は、請求に係る指定商品中の「ピザ」について本件商標を使用しているから、本件審判の請求は成り立たない旨答弁し、乙各号証を提出している。
(2)本件商標の使用について
ア 被請求人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。
(ア)乙第1号証の1及び2は、平成26年12月1日から商標権者(被請求人)の運営するイタリアンレストランである「TO THE HERBS」の青山本店において掲示されているメニューボードの写真とするものであり(撮影日不明)、このメニューボードは、同店舗内の柱の一面に掲示されており、そのボード内の上部に「TO THE HERBS」及び「青山本店限定」の文字が書され、また、ほぼ中央部分に、「ニューヨーカー」、「Newyorker」及び「(税抜)1280yen」の文字並びにピザの図案及び「サラミとソーセージとたっぷりチーズのピザ NY風!! TTH特製モッチリ生地」の文字が書されている。
(イ)乙第2号証ないし乙第4号証は、上記(ア)のレストランにおける顧客の会計時に操作されるキャッシュレジスタ(金銭登録機)の操作内容が営業記録として印字されるジャーナルとするものであり、それぞれ「TO THE HERBS.」、「PIZZA & PASTA」、「青山本店」、「東京都港区南青山5-10-1 H2青山ビル2F」等の記載の下、乙第2号証には「2014年12月23日(火)16時31分」、「7803 ニューヨーカー」、「@1,382×1」、「¥1,382内」等の記載、乙第3号証の左欄には「2015年3月5日(木)15時10分」、「商品別[期間] 日付範囲 開始:2015年03月01日(日) 終了:2015年03月04日(水)」、「7803 ニューヨーカー」、「2点」、「¥2,764」等の記載、乙第3号証の右欄には「2015年3月5日(木)15時07分」、「商品別[期間] 日付範囲 開始:2015年02月01日(日) 終了:2015年02月28日(土)」、「7803 ニューヨーカー」、「25点」、「¥34,550」等の記載、乙第4号証の左欄には「2015年3月5日(木)15時09分」、「商品別[期間] 日付範囲 開始:2015年01月01日(木) 終了:2015年01月31日(土)」、「7803 ニューヨーカー」、「9点」、「¥12,438」等の記載、及び乙第4号証の右欄には「2015年3月5日(木)15時09分」、「商品別[期間] 日付範囲 開始:2014年12月01日(月) 終了:2014年12月31日(水)」、「7803 ニューヨーカー」、「1点」、「¥1,382」等の記載がされている。
そして、上記ジャーナルに表示された「TO THE HERBS.」及び「青山本店」の文字は、乙第1号証の1及び2におけるメニューボード内の上部に書されている「TO THE HERBS」及び「青山本店限定」の文字と符合するものである。また、上記ジャーナルに表示された「ニューヨーカー」の文字は、乙第1号証の1及び2におけるメニューボード内の中央部分に書されている「ニューヨーカー」及び「Newyorker」の文字と符合するものである。
イ 上記アで認定した事実によれば、商標権者の運営するレストランである「TO THE HERBS.」の青山本店は、2014年(平成26年)12月から営業され、該店舗において、メニューボードに書された「ニューヨーカー」及び「Newyorker」からなる名称のピザ(本件商品)が、少なくとも本件審判の請求の登録前3年以内に当たる2014年(平成26年)12月23日に顧客から注文され、提供されたことが推認される。
そして、メニューボードに書された「ニューヨーカー」及び「Newyorker」の文字からなる標章(本件使用商標1)は、本件商標と社会通念上同一のものであると認められる。
(3)「ピザ」(本件商品)に係る本件商標の使用が商品「ピザ」(第30類)についての使用に該当するか否かについて
本件商標と社会通念上同一と認められる本件使用商標1が請求に係る指定商品中の「ピザ」についての使用に該当するか否かについて検討するに、商標権者の運営する「TO THE HERBS.」の青山本店は、被請求人も認めるとおり、レストランである。そして、レストランは、通常「飲食物の提供」を行うものであり、また、請求人の提出した甲第3号証及び甲第4号証によれば、実際に商標権者が運営する「TO THE HERBS.」は、イタリア料理を提供するイタリアレストランであり、そのホームページ及びグルメ情報サイト「ぐるなび」における青山本店のページをみても、該店舗内にて「飲食物の提供」の役務が行われていることが認められる。
そうすると、本件使用商標1が使用されているメニューボードは、ピザ等の飲食物の提供を行うに当たって顧客の便宜に供するために、提供する飲食物のメニューを表示しているにすぎないものといえる。
そして、商標法第50条の適用上、上記「ピザ」が「商標法上の商品」であるためには、市場において独立して商取引の対象として流通に供される物でなければならず、また、「商品についての登録商標の使用があった」というためには、当該商品の識別標識として同法第2条第3項第1号、同項第2号又は同項第8号所定の行為がされることを要するというべきものであるところ、上記メニューボードに記載された「ピザ」は、市場において独立して商取引の対象として流通されている物には該当しないものであり、また、本件における「ピザ」について本件商標と社会通念上同一といえる商標を表示する行為は、商標法第2条第3項第8号にいう「役務に関する価格表に標章を付して展示する行為」に当たるものといえることはあっても、商品についての使用ということはできないものであるから、上記「ピザ」は、商標法上の商品ということはできないものである。
したがって、本件商標は、請求に係る指定商品中の「ピザ」について使用したということはできない。
(4)むすび
以上のとおり、被請求人の提出に係る乙各号証によっては、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品について、本件商標の使用をしていたことを証明したものとは認められない。また、被請求人は、本件商標を請求に係る指定商品について使用していないことについて、正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「結論掲記の商品」について、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本件商標


審理終結日 2015-08-31 
結審通知日 2015-09-02 
審決日 2015-09-28 
出願番号 商願2000-71832(T2000-71832) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Z30)
最終処分 成立 
前審関与審査官 寺光 幸子 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 手塚 義明
酒井 福造
登録日 2001-05-25 
登録番号 商標登録第4476334号(T4476334) 
商標の称呼 ニューヨーカー 
代理人 藤本 昇 
代理人 飯村 重樹 
代理人 松田 純一 
代理人 西村 公芳 
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