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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
管理番号 1307574 
異議申立番号 異議2015-685009 
総通号数 192 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-12-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-03-16 
確定日 2015-10-01 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第1193894号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 国際登録第1193894号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件国際登録第1193894号商標(以下「本件商標」という。)は、「EPFORA」の欧文字を横書きしてなり、2013年(平成25年)8月28日に国際商標登録出願、2014年(平成26年)9月2日に登録査定、第3類「Make-up preparations;cosmetic preparations for baths;cosmetic preparations for the face and body;lotions for cosmetic purposes;cosmetic creams for skin care;cosmetic sun-protecting preparations;eye lotions [for cosmetic use];ethereal essences;toilet water;perfumes;hair care essences [for cosmetic use];cosmetic kits;beauty masks.」を指定商品として、同年12月19日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由において引用する登録商標(以下「引用商標」という。)は、以下の2件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第2025815号商標
商標の構成:SEPHORA
登録出願日:昭和60年6月21日
設定登録日:昭和63年2月22日
書換登録日:平成21年3月25日
指定商品 :第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料」
2 国際登録第1115480号商標
商標の構成:SEPHORA
国際商標登録出願日:2012年(平成24年)4月11日
優先権主張:France 2012年3月30日
設定登録日:2013年(平成25年)8月9日
指定商品及び指定役務:別掲のとおり
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同項第11号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標
本件商標は、「FPFORA」の欧文字を書してなるところ、該文字は、特定に意味合いを有しない造語であり、その指定商品である化粧品等の分野においては、英語とともにフランス語が使用されていることから、フランス語風読みに称呼した場合、「エフォラ」の称呼が生ずるものである。
(2)引用商標
引用商標は、「SEPHORA」の欧文字を書してなるところ、特定の意味合いを有しない造語であり、フランス語風読みで称呼した場合、「セフォラ」の称呼を生ずるものである。
(3)本件商標と引用商標の類否について
本件商標から生ずる「エフォラ」の称呼と、引用商標から生ずる「セフォラ」の称呼とを比較すると、両称呼は、ともに3音構成からなり、第2音目以下の構成音を全て共通にするものである。そして、それぞれの語頭音において、「エ」(e)と「セ」(se)の差異を有するところ、「セ」(se)は、子音(s)が母音(e)よりもやや不明瞭になりがちであって、母音(e)が聞く者の耳に、より確かに残るため、両者の音感は近似する。したがって、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が極めて近似し、相紛れるおそれがある。過去の審決をみても、語頭音の「エ」と「セ」の差異を有し、第2音目以下の構成音をすべて共通にする商標が、称呼において類似するものと判断されていることから、本件商標についても、同様に判断されるのが相当と考える。
外観についてみると、本件商標「EPFORA」は、引用商標「SEPHORA」と語頭の「S」の有無及び中間の「F」と「H」の文字に差異を有するにすぎず、これら以外の文字は配列も含めて同じであるから、両商標が別異のものとして明確に区別されるとはいえない。
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、観念において比較することはできないが、称呼において相紛らわしく、かつ、外観において構成文字の大半を共通とするものであるから、観念、称呼及び外観について総合的に考察すれば、相紛らわしい類似の商標である。
(4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品又は指定役務と、同一又は類似である。
(5)まとめ
本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
2 商標法第4条第1項第10号について
(1)引用商標の使用状況
申立人は、「世界の一流ブランドがわかる事典」に収載され、1970年に「幻想的な美しさ」をコンセプトとしてフランスで創立し、1997年に、モエヘネシー・ルイヴィトングループ(LVMH)が買収した(甲6)。世界30カ国に1750店舗を運営、約40億ドルの売り上げと推定され、世界最大のビューティショップとして成長している。2013年現在、LVMHグループの中で最も成長率が高く、ファッション&レザー、ワイン類等のカテゴリーが、0.4%?6%増にとどまっている中、申立人は16%増と最も成長率が高く、グループをリードしている(甲7)。
申立人は、1999年に日本に進出し、2001年に撤退しているが、アメリカでコスメショップといえば、「SEPHORA」というほど、世界中の女性に浸透したブランドであり、我が国においても、高い評価を得ており、今でも多くの需要者が輸入によって購入している(甲8ないし甲10)。
このように引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時を含め、遅くとも我が国に進出した1999年以降、継続して、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして、我が国又は外国の需要者間に広く認識されているということができる。
(2)商標法第4条第1項第10号該当性
以上のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品(せっけん類、化粧品、香料等)を表示する商標として、我が国の需要者間に広く認識されていたものであって、本件商標と引用商標とは、上記1(3)及び(4)のとおり、観念、称呼及び外観について総合的に考察すれば、相紛らわしい類似の商標であり、引用商標の使用に係る「せっけん類、化粧品、植物性天然香料」等は、本件商標の指定商品と同一又は類似のものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
第4 当審の判断
1 引用商標の周知性について
申立人の主張及び提出した証拠よれば、申立人は、その名称が「SEPHORA」で、1970年にフランスで創立し、1997年に「モエヘネシー・ルイヴィトングループ」に買収された会社であって、婦人用メイクアップ用品や基礎化粧品等の美容製品を扱っている(甲6)。
そして、申立人は、日本へは1999年に進出し、2001年には撤退した(甲6)が、日本未上陸の海外コスメブランドを通販している「COSME GIRLS」のウェブサイト(2015年3月20日付け写し)に、引用商標を表示した化粧品が取り扱われており、「アメリカでコスメショップといえば『SEPHORA』というほど、今や世界中の女の子に浸透したセフォラ。」の記載があり(甲8)、また、「BUYMA」のウェブサイト(2015年3月20日付け写し)に、2011年12月から2015年2月までに投稿された「SEPHORA」の商品に関する日本の購入者からの感想記事が掲載されている(甲9)。
以上のことから、申立人は、我が国において、遅くとも1999年から引用商標の使用を開始し、それ以降、主にインターネットの取引において、引用商標を使用して商品の販売を行っていることが推認される。
しかしながら、申立人の提出に係る全証拠をみても、また、職権をもって調査するも、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が使用された商品の販売数や売上高等の取引状況、広告宣伝の方法、回数、内容等、引用商標が周知性又は著名性を有していると認めるに足りる事実を把握することができない。
そうすると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、「EPFORA」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、辞書等に掲載されていない語であり、特定の語義を有しない造語といえるものであって、全体の綴り字が我が国で最も親しまれた外国語である英語の綴りからすると特異なものといえることから、全体をローマ字風に読み「エプフォラ」の称呼が生じるとみるのが自然であり、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は、「SEPHORA」の欧文字を表してなるところ、これからは「セフォラ」の称呼を生じ、該文字は、辞書等に掲載されていない語であり、特定の語義を有しない造語といえるものであるから、特定の観念は生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標の「EPFORA」の欧文字と引用商標の「SEPHORA」の欧文字は、6文字と7文字という構成文字数が異なり、語頭の「S」の有無及び中間における「F」と「H」の差異を有してなるところ、語頭の文字の有無は看者に強く印象を与えるものといえ、中間の差異である「F」と「H」の文字は明らかに異なる態様であるから、両商標は、外観上、相紛れるおそれはないものである。
さらに、本件商標より生じる「エプフォラ」の称呼と引用商標より生じる「セフォラ」の称呼は、後半の2音である「フォラ」の音を共通にするものであるが、その他の音の数及び構成が明らかに異なることから、両称呼は、明瞭に聴別し得るものである。
また、観念においては、両商標は、特定の観念を生じないものであるから、比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)まとめ
したがって、本件商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第10号該当性について
引用商標は、前記1のとおり、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、需要者の間に広く認識されていたものと認めることができず、また、本件商標と引用商標とは、前記2のとおり、非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(国際登録第1115480号商標の指定商品及び指定役務)
第3類 Perfumery;perfumes;toilet water;eaux-de-Cologne;perfume bases;essential oils;potpourris;incense;cosmetic preparations for skin care;nail care preparations;cosmetic preparations for slimming purposes;lotions for cosmetic purposes;cosmetic skin lotions;fluid-texture creams;tissues impregnated with cosmetic lotions;hand lotions;beauty masks;hand creams,skin whitening creams;lip care products;hair care creams;detangling solutions being hair care preparations;hair lotions;depilatory preparations,depilatory waxes;shaving preparations;shaving soap;shaving foams;after-shave products;sun-tanning preparations;sun-tan enhancers;self-tanning preparations;toiletries;dentifrice;cosmetic soap;soap for toilet purposes;shampoos;shower gels;bath gels;bath oils;bath salts;bath foams;bath pearls;talcum powder,for toilet use,cleansing milk for toilet purposes;baby oils;baby powders;make-up preparations;make-up removing preparations;lipsticks;mascara for eyelashes;hair mascara;nail polish;nail polish remover;rouge;make-up powder;eyeshadow;eye pencils;eyebrow pencils;blusher application pencils;hair bleaching preparations;beard dyes;hair dyes;hair styling creams and gels;hair spray;brilliantine;adhesives and decorative transfers for cosmetic purposes;wash-out body and nail tattoos.
第35類 Demonstration of goods;distribution of samples;organization of exhibitions for commercial or advertising purposes;sales promotion for others;merchandising;marketing for self-service shops;presentation of goods on all kinds of communication media for the purposes of retail sale of toiletries,perfumes,cosmetic products,make-up preparations,cosmetic products for face and body care,cosmetic products for hair care and embellishment;bringing together,for the benefit of others,of a variety of goods to enable consumers to conveniently view and purchase these goods (other than retail and/or wholesale services);retail sale services of toiletries,perfumes,cosmetic products,make-up preparations,cosmetic products for face and body care,cosmetic products for hair care and embellishment.
第44類 Beauty salons;advisory and consultancy services in connection with perfumery,cosmetics,make-up and beauty care;hairdressing salons,wellness salons,namely spa services;hygienic and beauty care for human beings or animals.
異議決定日 2015-09-24 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W03)
T 1 651・ 263- Y (W03)
T 1 651・ 262- Y (W03)
T 1 651・ 25- Y (W03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 松本 はるみ 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 高橋 幸志
梶原 良子
登録日 2013-08-28 
権利者 ARIBIO INC.
商標の称呼 エフォラ、エプフォラ 
代理人 坂上 正明 
代理人 岡田 稔 
代理人 鈴木 昇 
代理人 曾我 道治 

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