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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W3543
管理番号 1307569 
異議申立番号 異議2015-900126 
総通号数 192 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-12-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-04-17 
確定日 2015-11-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第5733654号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5733654号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5733654号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,平成26年3月14日に登録出願され,第35類「広告業,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,レストランの事業の管理,他人の商品及びサービスのライセンスに関する事業の管理,小売事業及び卸売事業の管理,フランチャイズ事業の管理及びそれらに関する指導・助言,フランチャイズ事業の運営及び支援,在庫管理,物流に関する事業の管理,職業のあっせん,輸出入に関する事務の代理又は代行,文書又は磁気テープのファイリング,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第43類「レストラン・カフェ・カフェテリア・簡易食堂・軽食堂・セルフサービス式レストラン・ファーストフード店・パーティー・イベント会場における飲食物の提供,ケータリング(飲食物),その他の飲食物の提供,飲食物の提供に関する情報の提供,ホテル・モーテルにおける宿泊施設の提供,旅行者への宿泊施設の提供,ホリデイキャンプ用宿泊施設の提供,その他の宿泊施設の提供,ホリデイキャンプ場の提供,宿泊施設の提供に関する情報の提供,保育所における乳幼児の保育,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。)」を指定役務として,同26年11月26日に登録査定,同27年1月16日に設定登録されたものである。

第2 引用商標及び使用商標
1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下の8件であり,その商標権はいずれも現に有効に存続しているものである(以下,これらをまとめていうときは「引用商標」という。)。
(1)登録第5643189号商標(以下「引用商標1」という。)は,「TEAVANA」の欧文字を標準文字で表してなり,平成24年12月26日に登録出願,第5類,第11類,第21類,第29類,第30類,第32類,第35類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同25年12月6日に登録査定,同26年1月17日に設定登録されたものである。
(2)登録第5649334号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,平成25年5月13日に登録出願,第5類,第21類,第30類,第35類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同26年1月29日に登録査定,同年2月14日に設定登録されたものである。
(3)登録第5685810号商標(以下「引用商標3」という。)は,「ティーバナ」の片仮名を標準文字により表してなり,平成25年9月24日に登録出願,第30類,第32類,第35類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同26年6月12日に登録査定,同年7月11日に設定登録されたものである。
(4)登録第5685811号商標(以下「引用商標4」という。)は,「ティーヴァナ」の片仮名を標準文字により表してなり,平成25年9月24日に登録出願,第30類,第32類,第35類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同26年6月12日に登録査定,同年7月11日に設定登録されたものである。
(5)登録第5701383号商標(以下「引用商標5」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,平成25年11月8日に登録出願,第11類,第29類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同26年8月18日に登録査定,同年9月12日に設定登録されたものである。
(6)国際登録第840436号商標(以下「引用商標6」という。)は,別掲3のとおりの構成からなり,2004年(平成16年)11月8日に国際商標登録出願,第35類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の役務を指定役務として,平成17年10月21日に登録査定,同18年2月10日に設定登録されたものである。
(7)登録第5701384号商標(以下「引用商標7」という。)は,別掲4のとおりの構成からなり,平成25年11月8日に登録出願,第5類,第11類,第21類,第29類,第30類,第32類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同26年8月18日に登録査定,同年9月12日に設定登録されたものである。
(8)国際登録第948948号商標(以下「引用商標8」という。)は,別掲4のとおりの構成からなり,2007年(平成19年)12月10日に国際商標登録出願,第35類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の役務を指定役務として,平成21年5月27日に登録査定,同年7月31日に設定登録されたものである。
2 申立人が海外において使用する商標は,以下の2件である(以下,これらをまとめていうときは「使用商標」という)。
(1)申立人の業務に係る主として商品「茶」,役務「茶の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び「茶の提供」に使用されている「TEAVANA」の欧文字からなる標章(以下「使用商標1」という。)。
(2)申立人の業務に係る主として商品「茶」,役務「茶の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び「茶の提供」に使用されている別掲5のとおりの構成からなる標章(以下「使用商標2」という。)。

第3 登録異議の申立ての要点
本件商標は,申立人が日本で登録し,また世界的に使用している著名な「TEAVANA」(使用商標1)やこれと使用商標2を組み合わせた商標と極めて類似している。
よって,本件商標をその指定役務に使用した場合,これに接する取引者・需要者は,普通に払われる注意力において,著名な申立人の商標を連想,想起する結果,その役務が異議申立人又は異議申立人と組織的,経済的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように,役務の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

第4 当審の判断
1 本件商標と引用商標及び使用商標との類否について
(1)本件商標
本件商標は,別掲1のとおり,黒塗りの長方形状の図形内に「teayana」の欧文字を白抜きしてなり,その長方形状の図形の中央上部に3つのしずく型の形状からなる図形を配置してなるところ,その上部の図形部分と「teayana」の文字部分とを,常に一体のものとして捉えなければならない特段の事情も見出せない。
そうとすると,本件商標は,その構成中の文字部分自体も独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであるから,本件商標に接する取引者,需要者は,該「teayana」の文字部分に着目し,これより生じる「ティーヤナ」の称呼をもって取引に資する場合も少なくないものである。
なお,該「teayana」の文字は,何らの意味合いを有しない一種の造語と認められるものであるから,特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標及び使用商標
一方,引用商標1,引用商標6及び使用商標1は,「TEAVANA」の欧文字を書してなり,また,引用商標3は,「ティーバナ」及び引用商標4は,「ティーヴァナ」の片仮名を書してなるから,その構成文字に相応して「ティーバ(ヴァ)ナ」の称呼を生ずるものである。
そして,引用商標2及び引用商標5は,別掲2のとおり,一見して直ちに何を表したのかが判然としない抽象的な図形と「TEAVANA」及び「HEAVEN OF TEA」の欧文字を二段に書した構成からなるところ,図形部分と文字部分とを,常に一体不可分のものとして捉えなければならない特段の事情も見出せず,「TEAVANA」の文字部分は,「HEAVEN OF TEA」の文字部分に比して大きく顕著に表されていることから,この「TEAVANA」の文字部分が分離,独立して観察され,該文字部分をもって取引に資する場合も少なくないとみるのが相当である。
してみれば,引用商標2及び引用商標5は,「TEAVANA」の文字部分より「ティーバナ」の称呼をも生じ得るものである。
なお,上記した「TEAVANA」,「ティーバナ」,「ティーヴァナ」の文字は,何らの意味合いを有しない一種の造語と認められるものであるから,特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標及び使用商標との類否についての検討
ア 本件商標と引用商標1ないし引用商標6及び使用商標1
本件商標と引用商標1ないし引用商標6及び使用商標1との類否について検討するに,外観においては,本件商標と引用商標1,引用商標2,引用商標5,引用商標6及び使用商標1は,上記(1)及び(2)のとおりの文字構成よりなるところ,「teayana」と「TEAVANA」とは,共に欧文字7文字よりなるが,小文字と大文字の相違及び第4字目において字形を異にする「y」と「V」の文字の差異を有するから,通常の注意力をもってすれば,外観上相紛れるおそれはないものである。
また,本件商標と引用商標3及び引用商標4は,上記(1)及び(2)のとおりの文字構成よりなるところ,「teayana」と「ティーバナ」及び「ティーヴァナ」とは,欧文字と片仮名の相違を有するものであって,相互の表示変更にもならないから,外観上相紛れるおそれはないものである。
そして,称呼においては,本件商標より生ずる「ティーヤナ」の称呼と引用商標1ないし引用商標6及び使用商標1より生ずる「ティーバ(ヴァ)ナ」の称呼とを比較するに,本件商標と引用商標1ないし引用商標6及び使用商標1は,「ティー」と「ナ」の音を共通にするが,長音を含めて4音という短い称呼にあって,「ヤ」と「バ(ヴァ)」の音の顕著な差異を有するものであるから,これらを一連に称呼した場合,全体としての音感が異なり,相紛れることなく充分に聴別し得るものである。
さらに,観念においては,本件商標と引用商標1ないし引用商標6及び使用商標1は,いずれの商標も格別意味のない一種の造語と認められるから,観念上比較すべくもないものである。
イ 本件商標と引用商標7,引用商標8及び使用商標2
本件商標と引用商標7,引用商標8及び使用商標2との類否について検討するに,外観においては,引用商標7,引用商標8及び使用商標2は,それぞれ別掲4及び別掲5の構成からなるところ,これらは一見して直ちに何を表したのかが判然としない抽象的な図形であり,上記(1)のとおりの構成からなる本件商標とは,明らかに異なった印象を受けるものであるから,本件商標と引用商標7,引用商標8及び使用商標2は,時と処を異にして接した場合でも外観上相紛れるおそれはないものである。
また,引用商標7,引用商標8及び使用商標2からは,特定の称呼及び特定の観念が生じるともいえないから,本件商標と称呼及び観念において相紛れるおそれはない。
ウ 小括
その他,本件商標と引用商標及び使用商標とが類似するものであるとすべき理由は見出せない。
してみれば,本件商標と引用商標及び使用商標とは,称呼,観念及び外観のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
なお,申立人は,本件商標と使用商標1とは,外観,称呼において互いに紛らわしい類似の商標であり,本件商標と使用商標2とは商標の構成要素に仏教的な要素を含んでいるという共通点がある旨主張しているが,上記のとおり,本件商標と使用商標1及び2とは非類似の商標であって,別異のものというべきものである。
2 引用商標及び使用商標の著名性について
申立人は,「2012年,世界的なコーヒーチェーンであるスターバックス・コーポレイション(以下,「スターバックス」という。)の買収により申立人は,スターバックスの傘下に入った。スターバックスの重要なマーケットである日本でも,このニュースは大々的に報道された。加えて,その影響で,日本の需要者(海外在住又は海外旅行中の日本人を含む)には申立人の商標『TEAVANA』等は,『スターバックスが次ぎに日本で展開するブランド』として広く興味を引くところとなった。」旨,及び「申立人は使用商標1と使用商標2を組み合わせて使用することも多い。ブログ等で需要者が申立人の事業を写真も掲載と併せて紹介する場合には,使用商標1だけではなく,同時に写真に写された使用商標2も表示される,したがって,使用商標2も需要者の印象に残るものである。以上より,使用商標2についても広く日本の需要者に認識されているものと言える。加えて,日本上陸が噂されるようになり,これについても非常に多数の報道・紹介がなされている。」旨主張する。
しかし,異議申立人が提出した証拠(乙6,乙7:枝番号を含む。)は,その多くが米国のコーヒーチェーンのスターバックスによる紅茶専門店「ティーバナ」の買収と日本への出店に関する記事にとどまり,それらが複数の新聞や雑誌等に掲載されてはいるものの,引用商標及び使用商標が申立人の業務に係る商品「茶」,役務「茶の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び「茶の提供」等について,実際に広告宣伝された時期,回数及び宣伝費等が客観的に把握できる取引実績の証明書や広告業者,新聞業者又は印刷業者等の請求書,領収書等の取引書類又は証明書の提出がないものであるから,引用商標及び使用商標が申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして,本件商標の登録出願時において需要者の間に広く認識されていたことを証明する証拠としては不十分なものといわざるを得ない。
そうすると,引用商標及び使用商標は,本件商標の登録出願時において申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして,需要者の間に広く認識されていた商標ということはできないものである。
3 出所の混同について
本件商標と引用商標及び使用商標とは,上記1のとおり,非類似の商標であって,別異のものというべきものである。
そして,引用商標及び使用商標は,その周知性が認められないものであるから,本件商標をその指定役務について使用しても,これに接する取引者,需要者は,引用商標及び使用商標を想起,連想することはなく,該役務が申立人又は申立人と経済的,組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く,その出所について混同を生じさせるおそれはないものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第15号に違反してされたものでないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本願商標)


別掲2(引用商標2:登録第5649334号商標)
(引用商標5:登録第5701383号商標)


別掲3(引用商標6:国際登録第840436号商標)


別掲4(引用商標7:登録第5701384号商標)
(引用商標8:国際登録第948948号商標)


別掲5(使用商標2)



異議決定日 2015-11-10 
出願番号 商願2014-19917(T2014-19917) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W3543)
最終処分 維持  
前審関与審査官 矢澤 一幸 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 榎本 政実
井出 英一郎
登録日 2015-01-16 
登録番号 商標登録第5733654号(T5733654) 
権利者 アーメッド モハメッド サレ バエシェン アンド カンパニー.
商標の称呼 ティーヤナ、テアヤナ 
代理人 山田 朋彦 
代理人 西浦 ▲嗣▼晴 
代理人 広瀬 文彦 
代理人 ▲高▼見 良貴 
代理人 出山 匡 

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