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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W0942
審判 全部申立て  登録を維持 W0942
審判 全部申立て  登録を維持 W0942
審判 全部申立て  登録を維持 W0942
管理番号 1307565 
異議申立番号 異議2014-900203 
総通号数 192 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-12-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-07-22 
確定日 2015-11-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第5665105号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5665105号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5665105号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,平成25年11月29日に登録出願,第9類「業務用テレビゲーム機用プログラム,電気通信機械器具,電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,レコード,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」及び第42類「気象情報の提供,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,機械器具に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」を指定商品又は指定役務として同26年3月17日に登録査定,同年4月18日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要点)
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第8号,同項第10号,同項第15号又は同項第19号に該当するから,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証(枝番を含む。以下,枝番号のすべてを記載するときは,枝番号を省略する。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第8号について
本件商標は,アメリカ合衆国マサチューセッツ州のニーダムにおいて1994年4月に創業され,1997年8月11日に法人として設立され,2005年7月から「Turbine,Inc.」の名称を長きにわたり使用し,2010年4月?5月において,申立人のグループ会社の傘下に入り,世界に向けたオンラインロールプレイングゲームの配信ビジネスを行っている「Turbine,Inc.」(以下「タービン社」という。)の名称の著名な略称「Turbine」を含む商標であって,また,当該商標権者は,登録査定時までに他人である「タービン社」の承諾を得ていないものであるから,「タービン社」の法人たる人格権的利益を毀損するものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第8号に該当する。
2 商標法第4条第1項第10号について
別掲2に示す構成からなる商標(以下「引用商標1」という。)及び別掲3に示す構成からなる商標(以下「引用商標2」という。なお,引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは「引用商標」という。)は,本件商標の登録出願前より継続して申立人子会社である「タービン社」の業務に係る商品及び役務を表示するものとして需要者間において広く認識されている。
また,本件商標の文字部分は,欧文字「turbine」より構成され「タービン」の称呼,及び「流体の運動エネルギーを機械の回転運動のエネルギーへ変換する流体機械(原動機)」である「タービン」の観念が生じ(甲7),引用商標の欧文字部分「turbine」から本件商標と同じ「タービン」の称呼及び観念が生ずる。
本件商標及び引用商標の文字部分は,いずれもやや図案化されているが外観上相互に類似し,両者の図形部分からは,欧文字部分「turbine」と相まって,「タービン」の称呼及び観念が生じ,加えて,両者の図形部分のプロペラの枚数は,いずれも8枚と共通しているから,本件商標と引用商標とは全体として類似するものである。
さらに,本件商標の指定商品は,引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似する。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当する。
3 商標法第4条第1項第15号について
引用商標は,本件商標の登録出願前から申立人の子会社である「タービン社」の業務に係る商品及び役務を表示するものとして高い業務上の信用を獲得している。
してみれば,引用商標と類似する本件商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に,商品及び役務の出所について混同が生じるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 商標法第4条第1項第19号について
引用商標は,本件商標の登録出願前から申立人の子会社である「タービン社」の業務に係る商品及び役務を表示するものとして,日本国又は米国における需要者・取引者間に広く知られている。
また,引用商標と類似する本件商標は,引用商標に化体した高い業務上の信用に只乗りすべく登録されたものであって,いわゆる不正目的で使用するものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当する。

第4 当審の判断
1 認定事実
提出された証拠からは,以下の事実を認めることができる。
(1)甲第2号証は,全て英文表記のものであって,インターネット辞書サイト「Wikipedia」の「Turbine,inc.」の項の写し,タービン社の履歴が確認できる企業情報の写し,タービン社ホームページ「Our History」及び「LEGAL INFO」の各画面の写し並びに合併証明書の写しである。
ア 甲第2号証の1は,「Wikipedia」の本文には,「Turbine,Inc.」の表題のもと,それ以降のタービン社の説明文中に「Turbine released their most recent MMORPG, The Lord of the Rings Online.」,「“Turbine” was chosen.」のように,「Turbine」の文字が使用されていることが認められ,その右端には「Turbine,inc.」の表示の下に,引用商標2が表示されている。
イ 甲第2号証の2は,タービン社の英文表示からなるホームページであるが,その頁中,「Our History」及び「LEGAL INFO」の画面中には,引用商標1が表示されていることが認められる。
(2)甲第3号証は,「タービン社,アジアでの事業拡大に向けてオメイク・インタラクティブ社と提携;提携によりMMOG市場での戦略的ビネス関係強化を目指す」と標題された2005年7月6日付けのインターネット記事(甲3の1),「東京ゲームショウ/TOKYO GAME SHOW 2006」と標題された2006年9月22日から9月24日までの実施イベントに関するインターネット記事(甲3の2),さくらインターネット株式会社(以下「さくらインターネット」という。)の「企業概要」(甲3の3),「【4Gamer.net】さくらインターネット代表取締役 笹田亮氏インタビュー」と標題されたインターネット記事(甲3の4),「さくらインターネット,Turbineと契約してオンライングームへ進出 2015/12/28」と標題された2005年12月28日付けのインターネット記事(甲3の5),「さくらインターネットかMMOGに参入,Turbineと契約-ITmediaニュース」と標題されたインターネット記事(甲3の6),「News Release さくらインターネット株式会社 オンライングーム事業における『LieVo』との協業契約の締結」と標題された2007年1月31日付けインターネット記事(甲3の7),「さくらインターネット,『ロ-ド・オブ・ザ・リングス オンライン アングマールの影 日本語版パッケージ」の発売記念イベントを開催」と標題された2007年5月2日付けインターネット記事(甲3の8),「Forest-Cat ダンジョン&ドラゴン Dungeons & Dragons」と標題されたインターネット記事(甲3の9),「Games Turbine,Inc.」と標題されたインターネット記事(甲3の10),「Turbine CEO Jeffrey Anderson氏インタビュー」と標題された2006年9月28日付けインターネット記事(甲3の11)及び「タービン社,アジアでの事業拡大に向けオメイク・インタラクティブ社と提携;提携によりアジアMMOG市場での戦略的ビジネス関係強化を目指す」と標題された2005年7月6日付けインターネット記事(甲3の12)のそれぞれ写しである。
ア 甲第3号証のうち,「Turbine」の文字が使用されていることが認められるのは,以下のとおりである。
(ア)甲第3号証の1,甲第3号証の4,甲第3号証の5,甲第3号証の7,甲第3号証の8及び甲第3号証の12には,「タービン社」又は「Turbine,Inc.」の文字と共に,タービン社の有する商標権の説明中に,「TURBINEおよびASHERON’S CALLは,米国および/またはその他管轄区域における同社の登録商標あるいは商標です。その他全ての商標は,それぞれ所有者の財産です。」又は「Turbine及びTurbineロゴは米国及びその他の国における登録商標または商標です。」と使用されている。
(イ)甲第3号証の4の「さくらインターネット代表取締役 笹田亮氏インタビュー」と標題されたインターネット記事には,「Turbine社との契約により・・・」と,両社の契約の事実についての記事の後,代表取締役笹田亮氏のインタビューの会話において「Turbineとの契約」,「Turbineのように」等のように使用されている。
(ウ)甲第3号証の5及び甲第3号証の6の「さくらインターネット」と関係するインターネット記事には,上記(イ)の契約に関連した記事中において「米Turbineが開発した」,「Turbineと契約」,「開発元:Turbine」等のように使用されている。
イ 甲第3号証のうち,引用商標の表示が認められるのは,以下のとおりである。
(ア)甲第3号証の1及び甲第3号証の10の「Turbine,Inc.」の英文表示からなるホームページ中に,「Terms of Service: LOTRO DDO AC LegalInfo PrivacyPolicy 丸C(著作権マーク) 2012Turbine,Inc.All rights reserved.」の表示の横に,引用商標2が表示されている。
(イ)甲第3号証の10の「PRESS RELEASES Turbine,Inc.」の英文表示からなるホームページ中に,「Turbine Announces New Launch Date for Dungeons & Dragons Online・・・」等の表示の左側に引用商標1が表示されている。
(3)甲第4号証は,「The Golden Rings/LotROをプレイするには」と標題されたインターネット記事(甲4の1),「4Gamer net “ホビット庄”よ,もう一度。あの『The Lord of the Rings Online』が基本プレイ無料になってリローンチヘ」と標題された2010年6月7日付けのインターネット記事(甲4の2),「全Turbineゲームでメンテナンス-OHVITAE Forum」と標題された2008年9月21日付けインターネット記事(甲4の3),「最高興行収入映画の一覧-Wikipedeia」と標題されたインターネット記事(甲4の4),「Warner Bros.がDCマルチバースを扱ったF2PのMOBAタイトル『Infinite Crisis』を発表,開発はTurbineが担当」と標題された2013年3月26日付けのインターネット記事(甲4の5),「米フォーブス誌,09年ネットゲーム売上高トップ10を発表」と標題された2010年7月22日付けインターネット記事(甲4の6)のそれぞれ写しである。
ア 甲第4号証のうち,「Turbine」の文字が使用されていることが認められるのは,以下のとおりである。
(ア)甲第4号証の1には,ゲームを行うための操作説明文中に「Turbineから領収メールが届きます」等の記載が,甲第4号証の2には,ゲームの紹介記事中に「Turbineの別作品『Dungeon&Dragons Online』は,・・・」,「MMORPGの名門TurbineがTime Waner傘下に。」等の記載とともに,末尾には「2010 Turbine,Inc.and patents pending.All rights reserved.」の記載が,甲第4号証の3にはメンテナンスのお知らせ記事中に「全Turbineゲームでメンテナンス」,「時々行われるTurbineのゲームすべてを通じて行われるメンテナンス」,「The Turbine Game Servers」の記載が,甲第4号証の5には「開発はTurbineが担当」,「Turbineが開発を担当しており」の記載が,甲第4号証の6には「北米最大の私営ネットゲーム開発会社の一つターバイン(Turbine)社が2009年9月から課金制だったオンラインRPGを無料化したところ,売り上げが500%伸びている。」の記載がある。
イ 甲第4号証には,引用商標の表示は認められない。
(4)甲第5号証は,「ワーナーが『The Lord of the Rings Online』や『Dungeons&Dragons Online』で知られるTurbineを買収」と標題された2010年4月22日付けのインターネット記事(甲5の1),「MMORPGの名門TurbineがTime Warnerの傘下に。果たして指輪系の新作登場はあるのか」と標題された2010年4月22日付けのインターネット記事(甲5の2),「Warner Bros.『The Lord of the Rings Online』のTurbineを買収」と標題された2010年4月21日付けのインターネット記事(甲5の3)のそれぞれ写しである。
ア 甲第5号証のうち,「Turbine」の文字が使用されていることが認められるのは,以下のとおりである。
(ア)甲第5号証の1には,「TurbineがなんとWarner Bros.Home Entertainment Groupに買収された事が明らかになりました。」,「今回のTurbine買収でさらに指輪物語のゲームタイトルも手に入れた事になります。」の記載が,甲第5号証の2には,「Time Warner(タイム・ワーナー)が,独立系デベロッパとして長い歴史を持つTurbine(旧Turbine Entertainment)を買収した。」,「Turbineは今後も独立して開発を続け」,「Turbineを買収したTime Warnerは,」,「TurbineのThe Lord of the Rings Onlineは」等の記載とともに,末尾には「2010 Turbine,Inc.and patents pending.All rights reserved.」の記載が,甲第5号証の3には,「ワーナーブロスホームエンターテイメントは,『Asheron’s Call』シリーズや『The Lord of the Rings Online』などで知られる米国のMMO開発スタジオTurbineを買収したと発表しました。」の記載がある。
イ 甲第5号証のうち,甲第5号証の2及び3の記事中に,引用商標2が表示されているものであり,引用商標1の表示は認められない。
(5)甲第6号証は,「Turbineゲーム1品取り扱い,販売,ark(アーク)オンライン購入・通販サイト」と標題されたインターネット記事(甲6の1),「4 Gamernet-Turbine,SEOより『Asheron’sCall』新作2タイトルを発売」と標題された2005年1月20日付けインターネット記事(甲6の2)のそれぞれ写しである。
ア 甲第6号証のうち,「Turbine」の文字が使用されていることが認められるのは,以下のとおりである。
(ア)甲第6号証の1には「Turbine Lord of the Rings online:Mines of Moria 輸入(英語)版【特価ソフト】」(発売日2008年11月22日)の記載が,甲第6号証の2には「Turbine Entertaimentは,ファンタジー MMORPG“Asheron’s Callシリーズ”の新作を,Sony Online Entertainmentより発売すると発表した。」の記載がある。
イ 甲第6号証には,引用商標の表示は認められない。
(6)甲第7号証は,インターネット辞書サイト「Wikipedia」の「タービン」の項の写しである。
(7)甲第8号証は,タービン社の英文字表記のホームページ及びゲーム稼働ページの画面であり,画面中には引用商標が表示されていることが認められる。
(8)甲第9号証は,「GOODGAME」と標題された2006年8月29日付けの英文字表記のインターネット記事(甲9の1),「LexisNexis」と標題された2006年1月3日付けの英文字表記のインターネット記事(甲9の2),「SAKURA Internet Inc. To Distribute DDO iN Japan/Ten Ton Hammer」と標題された2009年1月2日付けの英文字表記のインターネット記事(甲9の3),「Turbine Adds Japan to Its Worldwide Deployment of DUNGEONS&DRAGONS ONLINE(TM):Stormreach(TM)」と標題された2006年3月8日付けの英文字表記のインターネット記事(甲9の4),「DDO launched with SAKURA in Japan-MMOsite News Center」と標題された2006年8月29日付けの英文字表記のインターネット記事(甲9の5),「News LOTRO :Shadows of Angmar To Be Released in Japan」と標題された2006年9月22日付けの英文字表記のインターネット記事(甲9の6),「Free Mobile MMORPG List and MMO Games」と標題された2006年9月22日付けの英文字表記のインターネット記事(甲9の7),「Turbine Selects LETSGAME to Distribute D&D Online in Korea」と標題された2006年9月6日付けの英文字表記のインターネット記事(甲9の8),「Turbine eye Japanese market for LotRo distribution」と標題された2006年9月22日付けの英文字表記のインターネット記事(甲9の9),「Turbine Launches “The Lord of the Rings Online in Russia and Korea」と標題された2009年4月22日付けの英文字表記のインターネット記事(甲9の10)のそれぞれ写しである。
ア 甲第9号証は,それぞれの大意和訳によれば,タービン社が制作したゲーム「ロード・オブ・ザ・リング・オンライン」の日本語版の製作・複製・販売の権利をさくらインターネットが取得し,ゲーム配信を行ったこと(甲9の1ないし甲9の7),タービン社が韓国での配信業者としてLETSGAMEを選択したこと(甲9の8),ロシアと韓国で「ロード・オブ・ザ・リング・オンライン」の提供を開始したなど(甲9の10),タービン社がオンラインゲームをロシア,韓国,日本向けに提供している旨が記載されている。
イ 甲第9号証には,引用商標の表示は認められない。
(9)甲第10号証は,「Company Town Warner Bros.acquires Turbine, developer of Lord of the Rings Online」と標題された2010年4月20日付けの英文字表記のインターネット記事(甲10の1),「WARNER BROS.HOME ENTERTAINMENT GROUP ACQUIRES TURBINE INC. NORTH AMERICAN,S LARGEST PRIVETELY-HELD ONLINE GAMING STUDIO」と標題された2010年4月20日付けの英文字表記のインターネット記事(甲10の2),「WARNER BROS.INTERACTIVE ENTERTAINMENT UNIVEILS INFINITE CRISIS」と標題された2013年5月25日付けの英文字表記のインターネット記事(甲10の3),「Lord of the Rings Online Free to Play Jump Double Revenue」と標題された2010年10月8日付けの英文字表記のインターネット記事(甲10の4),「Building Middle-Earth:The Lord of the Rings’Online」と標題された2007年1月24日付けの英文字表記のインターネット記事(甲10の5),「Gamspy:Turbine and Tolkien Enterprises Extend Relationship」と標題された2008年2月20日付けの英文字表記のインターネット記事(甲10の6),「Turbine Games」と標題された2014年5月13日打ち出しの英文字表記のインターネット記事(甲10の7)のそれぞれ写しである。
ア 甲第10号証は,それぞれの大意和訳によれば,申立人やそのグループ企業がタービン社の親会社になったこと(甲10の1及び甲10の2),2009年のタービン社のゲームの月額料金とバーチャルグッズの売り上げが,年間収益が3,500?5,000万ドルだったと買収に詳しい人物は話し,2010年の売り上げは5,000万ドルを超える見込みであること(甲10の1),Turbineが開発した新しいゲーム「インフィニット・クライシス」を発表したこと(甲10の3),「Turbineはロード・オブ・ザ・リング・オンラインを9月に無料化していこう収益が二倍になったと発表したこと(甲10の4),Turbine,Inc.は,ラスベガスで「ロード・オブ・ザ・リング・オンライン:アングマールの影」のリリースを2007年4月24日であると発表する予定であること(甲10の5),「ロード・オブ・ザ・リング・オンラインは,北米,欧州,オーストラリア,ニュージーランド,日本でプレイすることができること(甲10の6),Turbine,Inc.は,オンラインエンターティンメント業者である(甲10の7)旨が記載されている。
イ 甲第10号証のうち,甲第10号証の1の記事中に,引用商標2が表示されているものであり,引用商標1の表示は認められない。
(10)甲第11号証は,「Turbine Takes Home MITX Elite Technology Award;Publisher of Massively Multiplayer Online Games Honored with “What’s Next” Award for Innovation」と標題された2005年6月9日付けの英文インターネット及び関連する英文インターネット英文字表記のインターネットサイトの写しである。
ア 甲第11号証は,大意和訳によれば,
(ア)2005年6月8日にタービン社がMITXからWhat’sNew賞を受賞,また,2006年にタービン社が非上場会社のOnHollywoodトップ100に選出された。
(イ)Asheron’s Callは,1999年にゲームセンター・ベストRPG賞,ベスト・オールアラウンド・ゲーム賞,ベストオンライン/マルチプレーヤータイトル,ゲーマーズ・チョイス賞,2003年2月のベストゲーム賞,2008年6月RPG部門のベストゲーム賞を受賞した。
(ウ)ダンジョンズ&ドラゴンズ・オンラインは,2009年にフリービー賞のベストMMORPG無料ゲーム賞,ベストMMO無料ゲーム賞,ベスト無料ゲーム賞,2006年にベスト多人数同時参加型ゲーム賞,2005年に最高期待度ゲーム賞,2006年に最もやめられないゲーム賞,MMOオブ・ザ・イヤー賞のノミネート,ベストグラフィックス賞第三位,パブリック賞第三位を受賞した。
(エ)ロード・オブ・ザ・リング・オンラインは,2007年にゴールデン・ジョイスティックPCゲーム・オブ・ザ・イヤー,ゲームスパイMMOオブ・ザ・イヤー,最もやめられないゲーム賞,2008年にMMORPGの読者が選ぶベストMMOゲーム賞,MMOのベストExpansion,MMORPG.comのスタジオ・オブ・ザ・イヤー,儲かりMMOのトップ10,ベストMMORPG,ベスト無料MMORPGに選出された。
(オ)インフィニット・クライシスは,2013年のE3最優秀Expansionに選出された。
イ 甲第11号証には,引用商標の表示は認められない。
(11)甲第12号証は,本件商標の商標権者のホームページの写しである。
2 上記1認定の事実によれば,以下のとおり認めることができる。
(1)「Turbine,Inc.」の略称について
「Turbine」の文字は,申立人提出の上記証拠によれば,オンラインロールプレイングゲーム等の記事中に,タービン社を指称する語として使用している事は認められる。
しかしながら,これら「Turbine」の文字の使用は,申立人の著名な略称というよりも,タービン社に関する記事,説明文中に「Inc.」の文字を単に省略して記載しているにとどまり,これをもって,直ちに我が国において「Turbine」の文字が「Turbine,Inc.」の著名な略称として認識されているとまでは認めることはできない。
(2)引用商標の周知,著名性について
引用商標が申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標というためには,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品及び役務に引用商標を使用した期間,使用地域,売上高,業界全体の割合,広告宣伝の方法・回数・内容,新聞・雑誌等における記事掲載の回数・内容(以下「使用期間等」という。)等を証明するための客観的証拠が必要である。
上記1によれば,タービン社は,オンラインロールプレイングゲームの配信会社であり,我が国においては,「TOKYO GAME SHOW 2006」に関与し,「さくらインターネット株式会社」と契約をしてオンラインゲーム事業に進出していることが確認できる。そして,2010年に申立人のグループ会社の傘下に入り,オンラインゲームを韓国や日本向けに配信し,2005年ないし2013年の間で,タービン社の提供する製品が賞を受賞したことなどが認められる。
しかしながら,申立人の提出した上記証拠からは,オンラインロールプレイングゲーム稼働時のパソコン上の画面(甲8)に,引用商標を付していることは認められるものの,引用商標の使用の状況,タービン社の事業収益や事業規模,同社が提供するオンラインゲームの利用者数,引用商標を使用した広告宣伝の内容など,引用商標が我が国はもとより外国においても広く認識されているか否かを推し量ることができる客観的証拠は提出されていない。
なお,申立人は,タービン社が日本及び世界中でゲームを配信しているとして,当該ゲームの概算収益の金額を主張しているが,それらを立証する証拠の提出はない。
これより,引用商標が,申立人又は申立人の子会社である「タービン社」の業務に係る商品又は役務を表示するものとして,我が国又は外国において周知,著名となっているとまでは認めることができない。
(3)商標の類似性について
本件商標は,別掲1のとおり,中心部を雲のような形状に白抜きし,外周を子供の玩具の風車風に羽を8枚連続させた図形とデザイン化された「turbine」の欧文字を横書きした構成からなるものであり,「turbine」の文字部分から「タービン」の称呼を生じ,「流体を動翼列にあてて,流体の運動エネルギーを回転運動に変え,回転動力を得る原動機。」(甲7)の意味合い(観念)を生ずるものである。
引用商標1は,別掲2(1)のとおり,中心部を円にし,外周を三角錐状の羽を8枚連続させ,全体的に斜めに傾斜した形状の周囲に円弧を描いた図形の中心からやや角張った太字で「turbinE」(末尾の「E」は,小文字と同じ大きさで表している。)の欧文字を配した構成からなるものであり,また引用商標2は,別掲2(2)のとおり,黒二重枠の黒地正方形内に白抜きで,中心部を円にし,外周を三角錐状の羽を8枚連続させ,全体的に斜めに傾斜した形状の周囲に円弧を描いた図形の下に,同じく白抜きの角張った太字で「turbinE」(文字列の末尾「e」の文字は「E」は,小文字と同じ大きさで表している。)の欧文字を配した構成からなるものであるものであるから,引用商標は,いずれも「turbinE」の文字部分から「タービン」の称呼を生じ,「流体を動翼列にあてて,流体の運動エネルギーを回転運動に変え,回転動力を得る原動機。」(甲7)の意味合い(観念)を生ずるものである。
してみれば,本件商標と引用商標は,構成全体の外観において区別し得るものであるとしても,「タービン」の称呼及び「流体を動翼列にあてて,流体の運動エネルギーを回転運動に変え,回転動力を得る原動機」の観念を共通にするものであるから,互いに類似の商標というべきものである。
(4)商標法第4条第1項第8号について
上記(1)のとおり,申立人提出に係る証拠によっては,申立人の子会社であるタービン社が「Turbine」と略称される場合があるとしても,当該「Turbine」の語がタービン社を指称する略称として,我が国の需要者間一般に受け入れられているということはできない。
したがって,本件商標は,その構成中に「turbine」の文字を含むものであるが,本件商標の登録出願時及び査定時において,他人の著名な略称を含む商標と認めることはできないから,商標法第4条第1項第8号に該当しない。
(5)商標法第4条第1項第10号について
上記(3)のとおり,引用商標と本件商標とは,類似の商標であるとしても,引用商標は,上記(2)のとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,オンラインゲーム等を取り扱う我が国の取引者,需要者の間で広く認識されているということはできない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(6)商標法第4条第1項第15号について
上記(3)のとおり,本件商標と引用商標が類似の商標であるとしても,引用商標が周知・著名なものとは認められないこと上記(2)のとおりである。
してみれば,本件商標を指定商品及び指定役務に使用した場合,これに接する需要者が引用商標を想起し連想して,当該商品及び役務を申立人,あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかのように,商品及び役務の出所について混同を生じさせるおそれがある商標ということはできない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(7)商標法第4条第1項第19号について
上記(3)のとおり,本件商標と引用商標が類似の商標であるとしても,引用商標が周知・著名なものとは認められないこと上記(2)のとおりである。
さらに,本件商標の出願が申立人商標にただ乗りする意図の下に採択された等の不正の目的をもって使用をするものであるとの証左は何ら示されていないし,かつ,他にこれを認めるに足る証拠は見いだせないから,本件商標は,不正の目的をもって使用するものと認めることはできない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当しない。
3 むすび
以上のとおりであるから,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第8号,同項第10号,同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標1)


別掲3(引用商標2)



異議決定日 2015-11-09 
出願番号 商願2013-94152(T2013-94152) 
審決分類 T 1 651・ 23- Y (W0942)
T 1 651・ 271- Y (W0942)
T 1 651・ 222- Y (W0942)
T 1 651・ 25- Y (W0942)
最終処分 維持 
前審関与審査官 大橋 良成 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 前山 るり子
田村 正明
登録日 2014-04-18 
登録番号 商標登録第5665105号(T5665105) 
権利者 Coltテクノロジーサービス株式会社
商標の称呼 タービン 
代理人 特許業務法人 松原・村木国際特許事務所 
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