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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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不服20152765 | 審決 | 商標 |
不服20155074 | 審決 | 商標 |
不服20153917 | 審決 | 商標 |
不服20156508 | 審決 | 商標 |
不服20156858 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W30 |
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管理番号 | 1307495 |
審判番号 | 不服2015-1755 |
総通号数 | 192 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2015-12-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-01-29 |
確定日 | 2015-11-04 |
事件の表示 | 商願2014-57152拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「日本菓子百選」の漢字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として平成26年7月8日に登録出願、その後、指定商品については、当審において、同27年1月29日付け手続補正書により「チョコレート,スナック菓子,せんべい」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、その構成文字から、『日本の菓子の中から選ばれた100のもの』ほどの意味合いを容易に認識させる。そうすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、その商品が『日本の菓子の中から選ばれた100の菓子の一つ』あるいは、『日本の菓子の中から選ばれた100の菓子』ほどの意味合いを需要者が一般に認識するものというのが相当であるから、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表したものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審における手続の経緯 当審において、請求人に対し、平成27年7月6日付けで、別掲のとおりの証拠及び理由を示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するものであるとして審尋をし、期間を指定して、これに対する意見を求めた。 4 審尋に対する請求人の回答の要点 請求人は,前記3の審尋に対して,要旨次のように意見を述べている。 (1)本願商標である「日本菓子百選」について、選定基準(例えば、誰が選ぶのか、菓子の種類は何なのか、販売数量なのか、総販売額なのか、去年の数字なのか、最近1か月の数字なのか、対象は外国人の評価も含めるのか等)が明確でない以上、「日本菓子百選」の意味内容が明確であるはずがないし、国語辞書等にも記載がないので、特定の具体的意味合いが生じるものということはできない。 (2)また、審尋におけるウェブサイト情報は、「○○百選」の使用として、「名」又は「銘」といった「優れた」という意味合いの語を伴わないものや本願の指定商品とは無関係な商品・役務に関する情報も存在しており、審尋の内容を裏付ける証拠資料足り得ないものである。 (3)してみれば、本願商標は、いまだ漠然とした意味合いを想起させるにとどまるものであり、商品の品質等を具体的かつ直接的に表したものと認識、理解させるとまではいい難いものであり、むしろ、構成全体をもって一体不可分の一種の造語として認識されるものとみるのが相当である。 5 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、「日本菓子百選」の文字を標準文字で表してなるところ、別掲の審尋で示したとおり、全体として「我が国の優れた菓子の100に選ばれたもの」ほどの意味合いを容易に認識し得るといえるものであって、さらに、審尋におけるウェブサイトの情報から、本願の指定商品と関係の深い飲食料品を取り扱う業界において、「百選」(「100選」を含む。)の語が「優れたもの100を選び出すこと」の意味で一般に使用されている事実が認められる。 してみると、本願商標は、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者に、その商品が「我が国の優れた菓子の100に選ばれたもの」であることを理解させるにとどまるもの、すわなち、商品の品質を表示するにすぎないものというのが相当である。 したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられた方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)請求人の主張 ア 請求人は、本願商標は、「百選」の選定基準が明確でない以上、意味内容が明確ではなく、「日本菓子百選」の語は、全体として国語辞書等にも記載がないので、特定の具体的意味合いが生じるものということはできない旨主張する。 しかしながら、本願商標は、全体として「我が国の優れた菓子の100に選ばれたもの」の意味合いを容易に認識させることは、上記(1)のとおりである。そして、請求人が主張するような菓子の種類、販売数量等の数字等の選定基準が分からないことをもって、需要者が該意味合いを認識しないということもできない。 したがって、請求人の上記主張は採用することができない。 イ また、請求人は、本願商標は、「名」又は「銘」といった「優れた」という意味合いに通じる語が含まれておらず、審尋におけるウェブサイト情報には、本願の指定商品とは無関係な商品・役務に関する情報も存在しており、審尋の内容を裏付ける証拠資料足り得ないものであるから、未だ漠然とした意味合いを想起させるにとどまるものであり、商品の品質等を具体的かつ直接的に表したものと認識、理解させるとまではいい難い旨主張する。 しかしながら、「百選」の語は、「優れたものを100選ぶこと。」(「広辞苑 第六版」岩波書店)、「すぐれたものを100選び出すこと。また、その選ばれたもの。」(「大辞泉 増補・新装版」小学館)及び「選ばれた100のすぐれたもの。」(「大辞林 第三版」三省堂)と辞書類に載録されているとおり、そもそも「すぐれたもの」を選び出す意味が含まれているものであって、「名」又は「銘」といった語とともに使用されることで「百選」の意味が特定されるものではないから、「名」又は「銘」の文字がなくとも本願商標の構成中の「百選」の文字は、「優れたもの100を選び出すこと」の意味で認識されるものである。また、審尋において提示した証拠は、本願の指定商品以外のものを含むものではあるが、本願の指定商品と関係の深い飲食料品の分野における実情であることを踏まえれば、本願商標は、「我が国の優れた菓子の100に選ばれたもの」であることを理解するものといえる。 そして、商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、品質表示として使用されていなくとも、需要者が品質表示と認識すれば足りると解されている。 したがって、請求人の上記主張は採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(当審においてした審尋) 本願商標は、「日本菓子百選」の文字を標準文字で表してなり、平成27年1月29日付けの手続補正書をもって、その指定商品が第30類「チョコレート,スナック菓子,せんべい」に補正されているものである。 ところで、本願商標の構成中の「日本」の文字は、「わが国の国号。」を意味し、「菓子」の文字は、「食事のほかに食べる嗜好品。」を意味し、「百選」の文字は、「すぐれたもの100を選び出すこと。また、その選ばれたもの。」を意味するもの(いずれも「大辞泉 増補・新装版」小学館)であって、全体としては、「我が国の優れた100の菓子を選び出すこと」又は「我が国の優れた菓子の100に選ばれたもの」程の意味合いを容易に認識し得るものといえる。 そして、以下(1)ないし(9)のウェブサイト情報によれば、飲食料品を取り扱う業界においては、「特定の飲食料品(料理)から優れたもの100を選び出すこと」又は「その選ばれたもの」程の意味合いを表すものとして、「○○百選」あるいは「○○100選」(「○○」は「飲食料品(料理)名」)の文字が使用されている実状がうかがえるところである。 そうとすると、「日本菓子百選」の文字からなる本願商標は、その指定商品に使用した場合、それに接する取引者、需要者に、「我が国の優れた菓子の100に選ばれたもの」であることを理解させるにとどまるものといえる。 しかも、本願商標は、標準文字で表したものであるから、その書体等に特段の特徴があるわけではなく、「日本菓子百選」の文字を普通に用いられる方法で表示したものといえる。 してみれば、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられた方法で表示する標章のみからなる商標といえるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。 なお、以下(10)によれば、請求人も「日本菓子百選」の文字を使用しているが、それは「我が国の(優れた)菓子の100を選ぶこと」程の意味合いで使用されているといえる。 (1)「環境省」に係るウェブサイト 「1.『平成の名水百選』の選定経緯」の見出しの下、「環境省では、このような社会情勢の変化も踏まえ、水環境保全の一層の推進を図ることを目的に、地域の生活に溶け込んでいる清澄な水や水環境のなかで、特に、地域住民等による主体的かつ持続的な水環境の保全活動が行われているものを、現在の『名水百選』に加え、『平成の名水百選』として選定を行いました。」及び「推薦のあった162の湧水等の中から100箇所を選定しました。」の記載がある。 (https://www.env.go.jp/press/9797.html) (2)「古賀製茶本舗」に係るウェブサイト 「銘茶百選」の見出しの下、「味と香り、水色をただひたすら追求して生まれる古賀製茶本舗の八女茶。お客様のライフスタイルに合わせた約100点をご用意いたしました。」の記載がある。 (https://www.koganoyamecha.co.jp/products/list.php?category_id=20) (3)「高島屋オンラインストア」に係るウェブサイト 「銘菓百選」の見出しの下、「日本全国から、名店の味や和菓子を集めました。季節感を取り入れ、時の移ろいに合わせて変化していく和菓子の世界をお楽しみください。」の記載がある。 (http://www.takashimaya.co.jp/shopping/food/0400001240/) (4)「農林水産省」に係るウェブサイト 「農山漁村の郷土料理百選」の見出しの下、「農林水産省では、平成19年度、全国各地の農山漁村で脈々と受け継がれ、かつ『食べてみたい!食べさせたい!ふるさとの味』として、国民的に支持されうる郷土料理を『郷土料理百選』として選定しました。」の記載がある。 (http://www.rdpc.or.jp/kyoudoryouri100/) (5)「YAHOO!JAPANショッピング」に係るウェブサイト 「日本を代表する16人の目利きがセレクト!厳選 米100選」の見出しの下、「料理研究家やごはんソムリエ、有名米店の店主など16人の『お米のプロ』が大集合!『Yahoo!JAPAN 日本の定番選定委員会』として、日本全国のあらゆるお米を『★』の数で採点しました! Yahoo!ショッピングでご購入頂けるアイテムも盛りだくさんです!」の記載がある。 (http://shopping.yahoo.co.jp/edit/rice/) (6)「静岡県」に係るウェブサイト 「ふじのくに山のお茶100選」の見出しの下、「『ふじのくに山のお茶100選』は、静岡の茶に適した気候風土と先人より引き継がれた高い技術によって生み出される、緑茶、烏龍茶、紅茶など、外観、香り、味に特徴を持った静岡にしかできない個性ある銘茶で、静岡県と静岡県100銘茶協議会が開催する銘茶コンテストの入選茶です。」の記載がある。 (http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-340/100meicha.html) (7)「公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構」に係るウェブサイト 「おにぎり100選」の見出しの下、「日本各地の特産物とむすびついた個性的なおにぎり。さらに四季折々の旬を盛り込んだ行楽おにぎりや21世紀の創作おにぎりなど、珠玉の100選をご紹介します。」の記載がある。 (http://www.komenet.jp/onigiri100/event/onigiri/) (8)「有限会社サンキット」に係るウェブサイト 「コラーゲンかりんとう」の見出しの下、「日本のかりんとう100選に選ばれました!ソフトな口当たりが美味しいかりんとう。」の記載がある。 (http://www.naturalgrove.com/item_2.html) (9)「いわき地区商工会広域連携協議会」に係るウェブサイト 「又兵衛大吟醸」の見出しの下、「酸味、旨味、ごく味の調和のとれた『又兵衛』極上の逸品です。『新日本の銘酒100選』にも選ばれました。マスコミにも取り上げられ、著名人にもファンが多数います。」の記載がある。 (http://iwakikoiki.com/sanpin/sanpin/%E5%8F%88%E5%85%B5%E8%A1%9B%E5%A4%A7%E5%90%9F%E9%86%B8/) (10)「日本菓子百選委員会(DRP株式会社)」に係るウェブサイト 「日本菓子百選」の見出しの下、「日本の菓子百選を厳正に選定、発表します。」の記載がある。 (http://www.kashi100sen.com/) |
審理終結日 | 2015-08-27 |
結審通知日 | 2015-08-31 |
審決日 | 2015-09-18 |
出願番号 | 商願2014-57152(T2014-57152) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(W30)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 内田 直樹 |
特許庁審判長 |
林 栄二 |
特許庁審判官 |
原田 信彦 高橋 幸志 |
商標の称呼 | ニッポンカシヒャクセン、カシヒャクセン、ヒャクセン |
代理人 | 佐藤 富徳 |