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審判番号(事件番号) データベース 権利
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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 取り消して登録 W2930
管理番号 1306556 
審判番号 不服2013-23631 
総通号数 191 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-12-02 
確定日 2015-10-13 
事件の表示 商願2012-104974拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第29類「食用油脂,オリーブ油,コーン油,ごま油,大豆油,菜種油,キャノーラ油,パーム油,ひまわり油,サラダ油,食肉,卵,肉製品,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,食用たんぱく」、第30類「調味料,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,穀物の加工品,スパゲッティの麺,マカロニ,パスタ,麺類,即席菓子のもと,ドーナツのもと,ホットケーキのもと,クッキーのもと,パスタソース,食用グルテン,食用粉類,小麦粉,菓子用粉,セモリナ粉,粉製品,天ぷら粉」及び第31類「飼料用たんぱく,飼料」を指定商品として、平成24年12月27日に登録出願、当審における同27年1月16日付けの手続補正書をもって、第29類「天ぷら油,サラダ油,ごま油,大豆油,食用たんぱく」及び第30類「小麦粉,天ぷら粉,から揚げ粉,お好み焼き粉,たこ焼き粉」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『昭和』の文字を多少デザイン化しているが、この程度のデザイン化は、特異のデザイン化とは認められず、未だ特殊の態様とはいい難く、普通に用いられている域を脱しているものとは認められないものである。そして、該文字は、現在の年号である『平成』の前の年号である昭和天皇在位期の年号(1926.12.25?1989.1.7 株式会社岩波書店 広辞苑第六版)を意味する語として親しまれたものであり、旧年号とはいえ、平成の現在においても、商取引の場においては、例えば、法人の創立時期や、商品の開発時期などを表すために当時の年号を用いてそれらの時期を表すことも普通に行われていることからすれば、これをその指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審における審尋の要点
当審においては、平成26年7月22日付けをもって、請求人に対して、審尋を行っているところ、その内容は、要旨次のとおりである。
(1)請求人は、本願商標はデザイン化されており普通に用いられる態様ではなく、既に請求人により商標として永年使用されている旨主張している。
しかし、原審において請求人(出願人)が提出した証拠によれば、請求人のホームページ(甲第1号証ないし甲第6号証)及びパンフレット(甲第7号証ないし甲第10号証)には、各ページの冒頭又は各表紙に、「SHOWA」の標章が顕著に表示されているものの、本願商標と同一の「昭和」の標章は表示されていない。そして、「昭和」の標章が見られるのは、上記パンフレット中に掲載された商品(小麦粉、天ぷら粉、天ぷら油、天つゆ、サラダ油、ごま油、から揚げ粉、お好み焼き粉、たこ焼き粉、ドゥアップ全粒小麦粉・大豆たんぱく・オリゴ)の各包装容器に表示されたもののみである。さらに、雑誌に掲載された広告(甲第11号証ないし甲第16号証)においては、主に「SHOWA」の標章が使用されており、わずかに「昭和ギフトセット」、「昭和サラダ油」、「昭和ドゥアップシリーズ」、「昭和の配合飼料」の標章が見られるのみである。
また、本願商標の使用開始時期、使用期間、使用地域、使用方法、上記以外の宣伝広告の事実、本願商標を使用した商品の販売期間、販売数量、売上高、市場占有率、宣伝広告等の具体的な取引事実等も明らかでない。
(2)請求人は、四半世紀前の元号が商品の生産時期・使用時期の表示として用いられることはなく取引上普通に使用されているとはいえないとし、昭和を冠する企業・団体で食品を取り扱うのは請求人のみであり、本願商標はある程度の独占適応性を兼ね備えている旨主張している。
しかし、本願の指定商品の取引者、需要者は、いわゆる昭和世代と呼ばれる者が未だ中心的であり、しかも、近時、昭和の時代をイメージしたレトロ調の商店街、店舗、看板等が注目を集め、例えば、「昭和レトロ」や「昭和の○○」のごとく称されている状況もあることを踏まえると、かかる状況下において、本願の指定商品の取引者、需要者にとって、「昭和」の語は元号として以外には認識し難く、商品の識別標識として認識することは少ないとみるのが自然であり、また、食品業界において「昭和」を冠する企業・団体が請求人のみであって、本願商標が独占適応性を備えていることを具体的に示す証拠もない。
(3)請求人が本願商標について使用による識別力を有するに至っている旨主張し、これまでに提出した証拠の他に、それを証するための証拠があるならば、当該証拠を提出した上で、上記(1)及び(2)について回答されたい。

4 審尋に対する請求人の対応
請求人は、前記3の当審の審尋に対して、平成27年1月16日付け手続補正書をもって、前記1のとおり、指定商品を第29類「天ぷら油,サラダ油,ごま油,大豆油,食用たんぱく」及び第30類「小麦粉,天ぷら粉,から揚げ粉,お好み焼き粉,たこ焼き粉」に補正するとともに、同日付け上申書をもって、本願商標について、請求人による長年の使用により商品の出所を表示する商標として周知性を具備するに至っており、独占適応性も有している旨主張し、その証拠方法として、それまでに提出した甲各号証のほかに、新たに第31号証ないし第59号証(審決注:請求人は、新たな証拠方法を第31号証ないし第59号証としているが、本件審決においては、甲第31号証ないし甲第59号証として扱う。)を提出した。

5 当審の判断
(1)本願商標の使用状況について
請求人による主張の全趣旨及び甲各号証並びに職権による調査によれば、以下のことが認められる。
ア 請求人について
(ア)請求人は、「昭和」及び「SHOWA」を略称とし、1936年2月に創立された食品会社であり、小麦粉の製粉、食用油の製造などを事業の中核とする企業である。(甲第1号証、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%AD%E5%92%8C%E7%94%A3%E6%A5%AD)
請求人の事業の売上高は、平成24年度は2281億5千万円、平成25年度は2464億2千万円、平成26年度は2451億1千万円であり、そのうち、平成26年度の内訳は、製粉事業(業務用)が629億8千万円、油脂事業(業務用)が592億2千万円、家庭用食品事業が212億4千万円に至っている。(「株主のみなさまへ 第114期報告書(平成26年4月1日?平成27年3月31日)」http://www.showa-sangyo.co.jp/)
(イ)そして、請求人は、商品カタログ等において、「昭和の食品ご案内」(甲第31号証)、「昭和の小麦粉・プレミックス」(甲第42号証)、「昭和ギフトセット」(甲第43号証)、「昭和オススメの組み合わせ」(甲第10号証)のように、「昭和」を略称として使用していることが認められる。
(ウ)なお、職権をもって調査するも、補正後の指定商品を製造、販売する事業者に、「昭和」を略称とする事業者を見いだすことはできない。
イ 指定商品中の「天ぷら油,サラダ油,ごま油,大豆油」について
請求人は、商品の包装、容器又は商品カタログに、遅くとも1963年には、補正後の指定商品中、「天ぷら油,ごま油」については、「昭和」の文字を、また、「サラダ油」については、商品の普通名称である「サラダ油」の文字を付加して「昭和」の文字を使用していた(甲第31号証)ことが認められ、その後、遅くとも1986年には、上記「天ぷら油,サラダ油,ごま油」のいずれについても、「昭和」の文字を使用している(甲第7号証及び甲第8号証)ことが認められる。
また、補正後の指定商品中の「大豆油」については、2010年には、比較的小さめで異なる書体による「まるごと大豆油」の文字とともに、「昭和」の文字を使用している(甲第45号証及び甲第47号証)ことが認められる。
さらに、上記商品の業務用と思しき商品についても、2014年には、「天ぷら油」については、商品の普通名称である「天ぷら油」の文字を付加して「昭和」の文字を、さらに、「サラダ油」及び「大豆油」については、商品の普通名称である「サラダ油」や「白絞油」の文字を付加して、又は単独で「昭和」の文字を使用している(甲第44号証)ことが認められる。
以上のとおり、指定商品中「天ぷら油,サラダ油,ごま油」について、本願商標と同じ「昭和」の文字が使用開始されたのは、1963年であり、約50年にわたり使用されてきており、また、指定商品中「大豆油」について、本願商標と同じ「昭和」の文字が使用開始されたのは、2010年であり、現在に至るまで5年以上使用されてきている。そして、「天ぷら油、サラダ油、ごま油,大豆油」を含む「食用植物油」に関しては、2010年が7.9%、2011年が8.0%、2012年が8.1%、2013年が8.3%で、いずれの年も第3位のシェアを獲得し(甲第52号証及び甲第53号証)、その売上高は、2010年が約8.1億円、2011年が約8.0億円、2012年が6.7億円、2013年が約5.8億円にのぼっている(甲第59号証)ことが認められる。
ウ 指定商品中の「食用たんぱく」について
請求人は、1985年には、「昭和ドゥアップ 大豆たんぱく『ニックミック』分包タイプ」の包装箱に、「昭和」の文字を使用開始した(甲第32号証、甲第7号証及び甲第8号証)ほか、業務用の「食用たんぱく」についても、「粉末状植物性たん白」(甲第48号証)及び「粒状植物性たん白」(甲第49号証及び甲第50号証)の包装袋に「昭和」の文字を使用しており、「食用たんぱく」についての「昭和」の文字の使用は、約30年にわたっていることが認められる。
そして、粒状(ペースト、繊維状を含む)乾燥の「植物性たんぱく」に関しては、2010年が25.8%で第2位のシェア、2011年が23.7%、2012年が22.8%、2013年が21.9%で第3位のシェアを獲得し(甲第52号証及び甲第57号証)、「食用たんぱく」の売上高は、2010年が約11.8億円、2011年が約10.5億円、2012年が10.1億円、2013年が約10.2億円にのぼっている(甲第59号証)ことが認められる。
エ 指定商品中の「小麦粉」について
請求人は、遅くとも、1963年には、家庭用の商品「小麦粉」の包装袋に「昭和」の文字を使用開始し(甲第31号証、甲第7号証ないし甲第10号証)、その使用期間は約50年にのぼっていると認めることができる。
また、業務用の「小麦粉」に関しては、1936年の「ネオン」を始め、1958年には「クレオパトラ」を、1967年には「星空」を、1968年には「金蘭」を、2012年には「中華のちから 剛(ごう)」を発売開始している(甲第36号証)ところ、遅くとも1986年には、これら商品の包装袋に「昭和」の文字が使用されており(甲第37号証ないし甲第41号証)、その使用期間は約30年に及ぶことが認められる。
そして、請求人のシェアは、2010年が7.9%、2011年が7.8%、2012年が8.2%、2013年が8.6%で、いずれも第3位のシェアを獲得(甲第52号証及び甲第54号証)、その売上高は、2010年が約131.3億円、2011年が約137.8億円、2012年が143.6億円、2013年が約159.2億円にのぼっている(甲第59号証)ことが認められる。
オ 指定商品中の「天ぷら粉,から揚げ粉,お好み焼き粉,たこ焼き粉」について
(ア)請求人は、1961年に「昭和天ぷら粉」の国内販売を開始して(甲第1号証)以来、その商品の包装袋や広告に「昭和」の文字を使用しており(甲第7号証ないし甲第10号証、甲第31号証、甲第33号証及び第34号証)、また、業務用の「天ぷら粉」も1962年から販売が開始され、1984年から「昭和」の文字が使用されており(甲第35号証)、それらの使用期間は約50年以上にわたることが認められる。
また、1961年の「昭和天ぷら粉」の発売と同時に、テレビ宣伝を開始し、1969年の第1号カラーCMを経て、2002年に至るまで、少なくとも19本のテレビCMが放映されており(甲第33号証)、遅くとも1986年以降のテレビCMでは、「昭和」の文字が使用されていたと認められる。
(イ)請求人は、1986年には「から揚げ粉」に(甲第7号証)、1989年には「お好み焼き粉」に(甲第8号証)、2003年には「たこ焼き粉」に(甲第9号証)「昭和」の文字の使用が開始され、現在に至っており(甲第10号証)、少なくとも、「から揚げ粉」には30年間、「お好み焼き粉」には26年間、「たこ焼き粉」には12年間、「昭和」の文字が継続して使用されてきたと認められる。
(ウ)そして、「天ぷら粉、から揚げ粉、お好み焼き粉、たこ焼き粉」を含む家庭用の無糖プレミックスに関しては、請求人は、2011年が27.6%、2012年が28.0%、2013年が28.0%で第3位のシェアを獲得している(甲第52号証)ところ、「天ぷら粉」で第1位、「お好み焼き粉」で第3位、「から揚げ粉」で第2位のシェアを占めている(甲第55号証)ことが認められる。
また、業務用無糖プレミックスに関しては、請求人は、2011年が34.3%、2012年が33.7%、2013年が33.5%で第1位のシェアを獲得している(甲第52号証)ことが認められる。
そして、「プレミックスパウダー(無糖)」全体では、2012年が22.1%、2013年が21.1%で、いずれも第1位のシェアを占めている(甲第58号証)ことが認められる。
(2)本願商標の使用による識別性について
本願商標については、上記4のとおり、指定商品が補正され、上申書をもって証拠方法が追加された後においては、上記(1)のとおり、補正後の指定商品のいずれについても、請求人は、長年、本願商標と同一と認めうる「昭和」の文字からなる商標を使用した商品の製造、販売を行ってきており、国内第1位のシェアの商品を含め、いずれも国内有数のシェアを占めるに至っていることが認められ、その結果、本願商標は、その補正後の指定商品に使用した場合、その商品の取引者、需要者をして、請求人の略称を表すものとして認識されるに至っているということができる。
してみれば、本願商標は、その指定商品に使用した場合、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものといえるから、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標ということはできない。
(3)まとめ
以上のとおりであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するとはいえないから、これを理由として本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本願商標)



審決日 2015-09-01 
出願番号 商願2012-104974(T2012-104974) 
審決分類 T 1 8・ 16- WY (W2930)
最終処分 成立 
前審関与審査官 矢澤 一幸 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 林 栄二
梶原 良子
商標の称呼 ショーワ 
代理人 松田 雅章 
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