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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1305198 
異議申立番号 異議2014-685021 
総通号数 190 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-10-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-10-21 
確定日 2015-06-12 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第1183521号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 国際登録第1183521号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件国際登録第1183521号商標(以下「本件商標」という。)は、「GIENCHI」の欧文字を書してなり、2013年7月16日にItalyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2013年(平成25年)9月16日に国際商標登録出願、第25類「Clothing,footwear,headgear.」を指定商品として、平成26年6月18日に登録査定され、同年8月1日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号又は同項第15号に該当し、その登録は同法第43条の3第2項の規定により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第31号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 申立人が引用する商標
申立人が引用する商標は次のとおり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)であり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第0739520号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 GIVENCHY
指定商品 第25類「履物」(平成19年3月22日書換登録)
出願日 昭和40年2月23日
設定登録日 昭和42年4月20日
(2)登録第0763069号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 GIVENCHY
指定商品 第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,手袋,ネクタイ,帽子」(平成20年5月14日書換登録)
出願日 昭和40年2月23日
設定登録日 昭和42年11月27日
2 具体的理由
(1)商標法第4条第1項第11号に該当すること
ア 本件商標及び引用商標の類似性
(ア)本件商標と引用商標の称呼の比較
本件商標からは「ジエンチ」、「ギエンチ」、「ジエンチー」及び「ギエンチー」との称呼が生じ、引用商標からは「ジベンチー」、「ギベンチー」及び「ジバンシィ」との称呼が生じ得る。
a 「ジエンチー」・「ギエンチー」と「ジベンチー」・「ギベンチー」との比較
そこで、まず、本件商標に「ジエンチー」及び「ギエンチー」の称呼が生じる場合、これを引用商標の「ジベンチー」及び「ギベンチー」の称呼と比較すると、本件商標と引用商標の称呼は、称呼の識別上印象の強い語頭部の「ジ」ないし「ギ」を共通にするほか、「ン」及び「チー」の音を共通にするものである。
そして、本件商標と引用商標の称呼の差異は、二音目の「エ」及び「べ」のみであるところ、「エ」及び「べ」は、母音を同じくする近似音であるほか、中間音であり比較的弱く聴覚されるものであることからすれば、その差異は極めて軽微なものにすぎない。
したがって、両者は、それぞれを一連に称呼するときは、その語調、語感は極めて近似しているものといえる。
b 「ジエンチ」・「ギエンチ」と「ジベンチー」・「ギベンチー」との比較
また、本件商標に「ジエンチ」及び「ギエンチ」の称呼が生じるとして、これを引用商標の「ジベンチー」及び「ギベンチー」の称呼と比較しても、上記二音目の「エ」と「べ」の軽微な差異のほか、四音目の「チ」と「チー」について、語尾に長音を伴うか否かの軽微な差異があるにすぎない。
したがって、両者は、それぞれを一連に称呼するときは、その語調、語感はなお極めて近似しているものといえる。
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、称呼において類似する商標である。
(イ)本件商標と引用商標の外観の比較
本件商標と引用商標の外観を比較すると、両者はいずれも通常用いられる書体、文字間隔をもって欧文字により表示されているものであり、本件商標は7文字配列であるのに対し、引用商標は8文字配列であるところ、両商標とも、書体が極めて類似するばかりか、先頭の2文字が「GI」であり、中間における4文字が「ENCH」である点を共通にする。そのため、両者は、8文字ないし7文字という冗長な欧文字のうち6文字を共通にするものである。
そして、両者が相違するのは、引用商標が3文字目に「V」の文字を含むこと、及び、語尾について本件商標が「I」であるのに対し引用商標は「Y」であることであり、いずれも全体の文字を認識するうえで比較的印象の薄い中間や語尾に位置する文字の違いであり、軽微な差異にすぎない。
したがって、本件商標と引用商標とは、その外観において、時と所を異にして隔離的に観察した場合には、互いに見誤るほどに類似しているものといえる。
以上のとおり、本件商標と引用商標は、外観において類似する商標である。
イ 小括
以上のとおり、本件商標は、引用商標と称呼及び外観の点で類似の商標であって、本件商標がその指定商品又は指定役務において使用されれば、需要者・取引者において商品又は役務の出所につき誤認混同が生じ、引用商標の有する識別機能を害することは明らかである。
したがって、本件商標は、引用商標と類似の商標を、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、商標登録を受けることのできない商標であるというべきである。
(2)商標法第4条第1項第15号に該当すること
ア 引用商標の著名性
(ア)引用商標は、申立人のブランド「ジバンシィ」のブランドネームである。
「ジバンシィ」(GIVENCHY)は、ユベール・ド・ジバンシィが1952年に設立したフランスのファッションブランドであり、服飾、装飾品、香水及び化粧品などのファッション用品を展開していることで知られる高級ブランドであり、2005年より、リカルド・ティッシがレディースウェアラインのクリエイティヴ・ディレクターに就任し、現在は同人がメンズ・レディースともにブランドを手がけている(甲10ないし甲13)。
「ジバンシィ」の商品は、高級ブランド品として世界中で著名かつ人気を博しており、欧州の主要国、北中南米の主要国、アジアの主要国等、世界中に店舗を有している(甲14)。
また、世界各国の広告宣伝状況についてみても、世界各国の雑誌(甲15、甲16)等多くの媒体においてこれが取り上げられている(甲17ないし甲21(なお、甲17ないし甲21は、各シーズン(春夏(「SS」)・秋冬(「AW」)。)ごとに、各国における、レディース(「Femmes」)及びメンズ(「Hommes」)別の、雑誌等の媒体名(「Titles」)を示した資料である。))。
そして、「ジバンシィ」は、日本国内においても、複数の店舗を有するブランド展開がなされている(甲22、甲23)。「ジバンシィ」の商品は、現在、被服、履物、バッグ、アクセサリー、その他の服飾品・宝飾品に至るまで、幅広いジャンルに及び、これらにかかる無数の商品が日本中に流通している(甲24の1ないし3)。加えて、「ジバンシィ」の商品は、日本で極めて高い人気を誇っていることから、「AneCan」(甲25)、「CLASSY」(甲26)、「GINZA」(甲27の1ないし5)、「GISELe」(甲28)、「SPUR」(甲29の1ないし4)、「VOGUE」(甲30の1ないし11)等の国内の著名なファッション誌がこれを取り上げており、多くの需要者・取引者による認識の対象となっている。
このように、申立人のブランド「ジバンシィ」が日本において極めて著名であることは、もはや周知の事実である。
(イ)引用商標は、このように世界的に周知著名な「ジバンシィ」のブランドネームである。
引用商標は、世界中で販売される「ジバンシィ」の商品に付されるだけでなく、これらの商品のパッケージ(箱、紙袋等)や店舗の外装・内装にも表示され、高い品質及びファッション性を有する「ジバンシィ」のブランドネームとして使用されているものである。
そして、上記のとおり、日本においても、引用商標が付された「ジバンシィ」の商品(パッケージを含む)が無数に販売されて、流通しているうえ(甲24)、これらの商品は多数の雑誌等に取り上げられている(甲25ないし甲30)。
また、国内の「ジバンシィ」の店舗や「ジバンシィ」の公式ウェブサイト上でも、引用商標が極めて顕著に表示されているうえ(甲10、甲11)、実際に来店する需要者だけでなく、ファッション分野の需要者・取引者一般に対し、引用商標が「ジバンシィ」の商品を表示するものであることが広く示されている。
(ウ)加えて、申立人は、そのブランド「ジバンシィ」に関して、日本国内だけでも引用商標を含む登録商標合計23個を取得しており(甲31)、遅くとも昭和40年以降の長期間にわたり「ジバンシィ」にかかる権利の保護を十分足らしめるための必要な出損と措置を、長期にわたり継続して講じている。
(エ)以上の点からすれば、引用商標は、本件商標の出願前から現在に至るまで、申立人のブランド「ジバンシィ」の商品を表示するものとして、需要者・取引者の間に広く認識されている商標であることは明らかである。
イ 本件商標と引用商標の類似性及び混同のおそれ
本件商標と引用商標とが、その称呼及び外観において、極めて類似する商標であることは、上記において述べたとおりである。
そして、本件商標の指定商品と申立人の業務にかかる商品は類似しており、本件商標の指定商品と申立人の業務にかかる商品は、その需要者・取引者を共通にする。
したがって、本件商標が、その指定商品において使用された場合、需要者及び取引者において、申立人の商品若しくは申立人と経済的あるいは組織的に関連を有する者の業務にかかる商品と誤認し、その出所について混同を生じるおそれがあることは明白である(最高裁平成12年7月11日判決・判例時報1721号141頁参照)。
ウ 小括
以上のとおりであり、本件商標は、国内外において周知著名な標章である引用商標と、称呼及び外観の点で極めて類似する商標であって、本件商標がその指定商品において使用された場合、需要者・取引者において、当該使用対象となった商品が、申立人の業務にかかる商品であると誤認し、商品の出所について混同が生じることは明らかである。
したがって、本件商標は、申立人の業務にかかる商品と混同を生じるおそれがある商標であるから、商標法第4条第1項第15号に該当し、商標登録を受けることのできない商標であるというべきである。
第3 当審の判断
1 申立人が使用する商標「GIVENCHY(Givenchy)」(以下「使用商標」という。)の周知性について
(1)申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、次の事実を認めることができる。
ア 申立人のファッションブランド「GIVENCHY(Givenchy)」(以下「ジバンシィブランド」という。)は、ユベール・ド・ジバンシィが1952年に設立したフランスのファッションブランドであり、使用商標を使用して服飾、装飾品、香水及び化粧品などのファッション用品を展開していることで知られるブランドである(甲12、甲13)。
イ ジバンシィブランドの商品は、欧州の主要国、北中南米の主要国、アジアの主要国等、世界中に店舗を有している(甲14)。
ウ ジバンシィブランドの商品の世界各国の広告宣伝状況についてみても、世界各国の雑誌等多くの媒体においてこれが取り上げられている(甲15ないし甲21)。
エ ジバンシィブランドは、東京、大阪に複数の店舗を有する(甲22、甲23)。
オ ジバンシィブランドの商品は、現在、被服、かばん類、履物などのファッション関連商品が日本において流通している(甲24)。
カ ジバンシィブランドの商品は、「AneCan」、「CLASSY」、「GINZA」、「GISELe」、「SPUR」、「VOGUE」等の国内のファッション誌が2008年4月(甲30の1)以降これを取り上げている(甲25ないし甲30)。
(2)上記(1)の事実によれば、使用商標は、本件商標の登録出願日前から、申立人の業務に係る商品(被服、かばん類、履物などのファッション関連商品)を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている商標であって、その状況は本件商標の登録査定日はもとより、現在においても継続しているものと判断するのが相当である。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、上記第1のとおり、「GIENCHI」の欧文字を書してなるところ、その綴りをもって我が国において親しまれた外国語ともいい得ないものであり、我が国において親しまれた外国語である英語読み又はローマ字読みをもって称呼されるとみるのが自然であるから、「ジエンチ」又は「ギエンチ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものといえる。
(2)引用商標について
引用商標は、上記第2 1のとおり、「GIVENCHY」の欧文字を書してなるものであるところ、上記第3 1(2)のとおり、需要者の間に広く認識されている使用商標と同一の文字構成からなるものといえるから、「ジバンシィ」の称呼を生じ、「(ブランドとしての)ジバンシィ」の観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標の称呼について比較すると、本件商標から生じる「ジエンチ」又は「ギエンチ」の称呼と引用商標から生じる「ジバンシィ」の称呼をそれぞれ一連に称呼した場合には、音調、音感が異なり、称呼上相紛れるおそれのないものといえる。
そして、本件商標と引用商標の観念について比較すると、本件商標は特定の観念を生じないのに対し、引用商標は「(ブランドとしての)ジバンシィ」との観念を生じるものであるから、観念上相紛れるおそれのないものといえる。
さらに、本件商標と引用商標の外観について比較すると、両者は、先頭から3文字目の「V」の文字の有無及び最後部の「I」の文字と「Y」の文字の2箇所に差異を有するものであり、加えて、引用商標が需要者の間に広く認識されていることからして、文字構成の相違について明確に認識されるから、両者は外観上も相紛れるおそれのないものといえる。
そうすると、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
さらに、本件商標は、引用商標との関係において出所の混同を生じるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
使用商標は、上記1(2)のとおり、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている商標であり、また、本件商標の指定商品が申立人の業務に係る商品と共通するとしても、上記2(3)と同様に、本件商標と使用商標とは別異の商標というべきものである。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして使用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その商品の出所について混同を生じるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。
4 むすび
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2015-06-08 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W25)
T 1 651・ 261- Y (W25)
T 1 651・ 263- Y (W25)
T 1 651・ 262- Y (W25)
最終処分 維持 
前審関与審査官 和田 恵美 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 大森 健司
原田 信彦
登録日 2013-09-16 
権利者 Giancarlo Grossi
商標の称呼 ジエンチ、ギエンチ、ジエンキ 
代理人 高松 薫 
代理人 鈴岡 正 
代理人 忠津 充 
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