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審決分類 審判 査定不服 商品と役務の類否 取り消して登録 W29303543
審判 査定不服 商品(役務)の類否 取り消して登録 W29303543
管理番号 1305148 
審判番号 不服2015-8262 
総通号数 190 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-05-01 
確定日 2015-09-25 
事件の表示 商願2014-31527拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「幸せBOX」の文字を標準文字で表してなり、第30類「スナック菓子,せんべい」及び第35類「スナック菓子・せんべいの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む、第29類、第30類、第35類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成26年4月22日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録第4346372号商標(以下「引用商標」という。)は、「しあわせBOX」の文字を横書きしてなり、平成10年6月8日に登録出願され、第30類「穀物の加工品,べんとう,サンドイッチ,すし」を指定商品として、同11年12月24日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、前記1のとおり、「幸せBOX」の文字からなるものであり、引用商標は、前記2のとおり、「しあわせBOX」の文字からなるものであるところ、本願商標は、引用商標の構成中の「しあわせ」の平仮名部分を「幸せ」の漢字に変更したにすぎないものであり、それらから生ずる称呼及び観念は、同一であると認められるから、本願商標と引用商標とは、同一又は類似する商標である。
(2)本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品との類否について
原査定は、本願商標に係る指定商品及び指定役務中の「スナック菓子,せんべい」(第30類)及び「スナック菓子・せんべいの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(第35類)と引用商標に係る指定商品中の「サンドイッチ」とが類似するものである旨認定、判断して本願を拒絶したものである。
そこで、商品「スナック菓子,せんべい」と商品「サンドイッチ」との類否について、まず検討し、次に、役務「スナック菓子・せんべいの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と商品「サンドイッチ」との類否について検討する。
ア 本願商標の指定商品中の「スナック菓子,せんべい」と引用商標の指定商品中の「サンドイッチ」との類否
これらの商品は、例えば、株式会社岩波書店発行「広辞苑第六版」によれば、「スナック菓子」が「ジャガイモや穀物などを主原料とした、手軽につまめる菓子。ポテトチップ・ポップコーンなど。」、「せんべい」が「(a)塩煎餅(焼物菓子の一種。粳米の粉を水でこねて蒸し、餅のように搗いて薄くのばしたものを型で打ち抜き、乾燥させて焼いた後、醤油だれで付け焼きにする。)のこと。(b)干し菓子の一種。小麦粉または粳米・糯米の粉に砂糖などを加えて種を作り、鉄製の焼型に入れて焼いたもの。古来、大衆的な菓子として好まれ種類も多い。米菓。おせん。」、「サンドイッチ」が「薄く切ったパンの間にハム・卵・野菜などを挟んだ食物。」の意味を有するものとして、それぞれ説明されており、いずれも日常一般に食されているものであって、親しまれた食品といえるものである。
しかしながら、これらの商品の取引の実情をみるに、商品として販売される「サンドイッチ」は、市中のパン製造販売店、喫茶店等の飲食店において販売されるほか、百貨店、スーパー、コンビニエンスストア等の各種小売店において、弁当、おにぎり、総菜等と並んで主にチルド食品として販売され、 主に主食として食されるものであるのに対して、市場に流通している「スナック菓子,せんべい」は、袋入り菓子がほとんどであり、常温で保存でき、携帯することも容易であって、主におやつとして食するものであるから、両商品は、食品である点において共通するものの、その種類、性質において何らの関連性があるといえるものではなく、用途においても少なからず相違する点を有する。
また、原材料についてみるに、「サンドイッチ」は、パンの間にハム、卵、野菜等を挟んでなるものであって、パンを更に加工したものであるのに対し、「スナック菓子」は、えび、じゃがいも等の原料を、スライス後フライヤーで油揚げしたり、混捏後加圧膨化装置により膨張させたりして製造するものであり、また、「せんべい」は、粳米若しくは糯米の粉又は小麦粉を原料にして、型で打ち抜いたもの又は焼き型に入れたものを焼いて製造するものであるから、これらの主たる原材料において共通性があるものではない。
さらに、商品の生産過程についてみるに、「サンドイッチ」は、パン製造業者及び弁当、総菜を取り扱う業者により生産されるのが主であるのに対し、「スナック菓子,せんべい」は、菓子専門の製造業者により生産されるのが主であり、また、商品の販売過程にあっては、「サンドイッチ」は、パン及びサンドイッチ専門の製造業者が直営店で製造小売りするか、あるいは卸売業者を通して百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の各種小売店若しくはテイクアウト方式の喫茶店等の飲食店におけるパン類売り場又は弁当、総菜等のチルド食品売り場に置かれて販売されるものであるのに対し、「スナック菓子,せんべい」は、菓子の製造業者が直営店で製造小売りするか、卸売業者を通して百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の各種小売店のスナック菓子、せんべい、あられ売り場で販売されるものであって、これらについて共通性を見いだせない。
加えて、需要者の範囲について、「サンドイッチ」も「スナック菓子,せんべい」も一般に親しまれた食品である以上、需要者が大きく異なるものではないが、飲食料品の需要者は、酒類や余程特殊な嗜好品の需要者を除けば、全て共通性を否定できないことからすれば、商品の類否判断においてこれのみを重視することは適切でなく、また、上記商品の種類、性質、用途の相違から、サンドイッチを求める需要者と菓子を求める需要者とは、商品購入の目的が異なるといえる。
そうすると、本願商標に係る指定商品中の「スナック菓子,せんべい」と引用商標に係る指定商品中の「サンドイッチ」とは、その生産部門、販売部門、原材料及び用途等からみて、別異のものであり、これらに同一又は類似の商標が使用されたとしても、その出所について混同を生じるおそれはないといえるものであり、互いに非類似の商品であるというのが相当である。
イ 本願商標の指定役務中の「スナック菓子・せんべいの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と引用商標の指定商品中の「サンドイッチ」との類否
役務「スナック菓子・せんべいの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「スナック菓子・せんべいの小売等役務」という場合がある。)における役務の対象となる商品である「スナック菓子,せんべい」と商品「サンドイッチ」との類否については、上記アのとおり、非類似の商品である。
そして、上記アの認定、判断と同様に、「スナック菓子・せんべいの小売等役務」の提供と「サンドイッチ」の製造、販売とが、同一事業者により行われることが一般的であるとはいえないものであり、また、両者の用途、提供場所と販売場所についても、一致する点は見いだせない。
さらに、需要者の範囲が一致するかについても、上記アの認定、判断と同様のことがいえる。
そうすると、本願商標に係る指定役務中の「スナック菓子・せんべいの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と引用商標に係る指定商品中の「サンドイッチ」とは、その商品の製造及び販売と役務の提供を行う事業者、用途、商品の販売場所と役務の提供場所等からみて、別異のものであり、これらに同一又は類似の商標が使用されたとしても、その出所について混同を生じるおそれはないといえるものであり、互いに非類似の商品及び役務であるというのが相当である。
ウ 小括
上記ア及びイのとおり、本願商標に係る指定商品及び指定役務中の「スナック菓子,せんべい」(第30類)及び「スナック菓子・せんべいの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(第35類)と引用商標に係る指定商品中の「サンドイッチ」とは、類似するものであるといえない。
(3)まとめ
以上からすれば、本願商標は、引用商標と類似の商標ではあるが、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品及び役務について使用をするものではないから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2015-09-10 
出願番号 商願2014-31527(T2014-31527) 
審決分類 T 1 8・ 265- WY (W29303543)
T 1 8・ 264- WY (W29303543)
最終処分 成立  
前審関与審査官 鈴木 雅也 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 堀内 仁子
藤田 和美
商標の称呼 シアワセボックス、シアワセ、ボックス、ビイオオエックス 
代理人 岡村 信一 

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