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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X05
管理番号 1305065 
審判番号 取消2014-300996 
総通号数 190 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-10-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2014-12-10 
確定日 2015-08-10 
事件の表示 上記当事者間の登録第5401076号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5401076号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5401076号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成22年12月10日に登録出願、第5類「入浴剤」を指定商品として同23年3月25日に設定登録されたものである。
そして、本件審判請求の登録日は、平成27年1月5日である。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を審判請求書及び審判事件弁駁書において、要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきである。
2 弁駁の理由
(1)被請求人答弁の理由(1)について
被請求人は、本件商標に対する請求人からの無効審判事件の審決書(請求不成立)を参照するよう主張しているが、先の無効審判事件と本件審判事件とは別の事件であって、それぞれ異なる無効理由又は取消理由の有無が問題になるのであり、両事件に何らの関係もない。
(2)被請求人答弁の理由(2)ないし(4)について
被請求人は、請求人が本件商標を使用している事実を示すのみで、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが使用している事実を示すものではない。
また、被請求人は、本件商標を剽窃出願、登録したうえ、請求人に対して、本件商標の使用を取りやめるよう通告をしていることからも明らかなように、請求人が被請求人の許諾を受けて使用しているものではない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、審判事件答弁書において要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証の1ないし11を提出した。
1 答弁の理由
(1)請求人からの本件商標の登録無効審判事件(無効2012-890113)に対する審決(平成26年3月20日)(以下、「先の審決」という。乙1の1及び2)を参照されたい。
(2)請求人は、先の審決以前から審決後も、そして、現在も本件商標を使用した商品を販売中である。
(3)被請求人は、請求人に対して数回の和解案(面談)等を提案したが、具体的な回答はなかった。
(4)請求人が先の審決において、販売先として提出した証拠証明(甲第86号証の5及び甲第105号証の74)もあり、しかるに継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないということは認め難い。

第4 当審の判断
1 本件商標の使用について
(1)商標法第50条第1項による商標登録の取消しの審判の請求があったときは、同条第2項本文は、「その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れない。」と規定されているところ、被請求人は、前記第3のとおり、先の審決以前から現在においても、請求人が当該商品を販売中であると主張する。そこで、以下検討する。
(2)被請求人の提出した証拠によれば、以下の事実を認めることができる。
ア 乙第1号証の1及び2は、請求人を「アサヒ晶脳株式会社」、被請求人を「井上誠」とする審決(無効2012-890113)の第1頁目及び最終頁であり、該審決の結論の欄には「本件審判の請求は、成り立たない。」の記載がある。
しかしながら、該証拠をもって、商標法第50条第2項の証明を被請求人がしたということはできない。
イ 乙第1号証の3は、「2013年05月分 品目集計」(「甲第86号証の5」の記載がある。)であるところ、商品名の欄に「にごり湯分包登別5P」、「美しの湯分包5P(有馬)」、「バスメロディー 癒しの旅7包」等の記載とともに、ケース数、個数、合計金額等が記載されているが、当該商品名欄にある商品が具体的にいかなる商品であるのかは明らかにされておらず、本件商標が付された商品については不明である。また、該品目集計が誰によって作成されたものであるかも不明である。
なお、「甲第86号証の5」の記載が、仮に先の審決の審判事件で請求人が提出した甲第86号証の5を意味しているならば、該証拠は請求人の商品の販売数量等を示すものとして提出されたものであって、被請求人や被請求人が許諾した使用権者の商品を表すものではない。
ウ 乙第1号証の4は、2012年10月04日を受付日とする、請求人であるアサヒ晶脳(株)から中日物産(株)にあてた「送り状(荷送主様控票)」(「甲第105号証の74」の記載がある。)である。
エ 乙第1号証の5は、請求人であるアサヒ晶脳株式会社が発行する「ASAHI ALL GOODS CATALOGUE(総合カタログ)」の表紙であり、乙第1号証の6は、「入浴剤 洗濯のり」の見出しの下、「7日間 癒し の旅」(以下「使用商標」という。)の表示が付された商品が掲載されている。
オ 乙第1号証の7及び8は、被請求人の主張によれば、請求人の代理店である中日物産が販売店向けに作成したカタログの表紙及び商品が掲載された頁であり、表紙には「2014 BEST CHOICE」、「VOL,19」の記載及び「バスメロディ有名温泉7日間癒しの旅分包30g×7包箱入」の記載とともに、使用商標が付された商品の写真が掲載されている。
しかしながら、該カタログの作成者、作成日は不明である。
カ 乙第1号証の9は、平成26年6月17日の郵便認証印が付された、被請求人から請求人にあてた「通知書」である。
しかしながら、該通知書には「被請求人側としては、代理請求人弁護士には良い提案があれば前向きに考えますと連絡をしましたが6月16日現在で何の連絡も有りませんので請求人に直接、通知書を送付いたします。」の記載が認められるものの、被請求人又は使用権者による本件商標の使用についての記載はなされていない。
(3)本件商標の使用者について
上記(2)によれば、入浴剤について、請求人である「アサヒ晶脳株式会社」が業務として取り扱っていることは認められるものの、商標権者(被請求人)が、請求に係る指定商品について本件商標を使用していることは認められない。
また、被請求人が、本件商標の使用について、請求人に対して使用許諾をしていたとする証拠も提出されていないことから、請求人は本件商標の専用使用権者又は通常使用権者ということもできない。
(4)小括
そうとすると、被請求人は、本件審判の請求に係る指定商品「入浴剤」について、本件審判の請求の登録(平成27年1月5日)前3年以内における商標権者、専用使用権者又は通常使用権者による本件商標の使用を証明していないから、商標法第50条第2項に係る要証事項を証明したものということはできない。
また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由がある旨主張をしているものでもない。
2 むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、請求に係る指定商品について、登録商標(社会通念上同一の商標を含む。)の使用をしていたことを証明したということはできないし、また、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本件商標)




審理終結日 2015-06-16 
結審通知日 2015-06-19 
審決日 2015-06-30 
出願番号 商願2010-96157(T2010-96157) 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (X05)
最終処分 成立  
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 梶原 良子
中束 としえ
登録日 2011-03-25 
登録番号 商標登録第5401076号(T5401076) 
商標の称呼 ナノカカンイヤシノタビ、シチニチカンイヤシノタビ、ナノカカン、シチニチカン、イヤシノタビ、イヤシ、ノタビ 
代理人 恩田 博宣 
代理人 恩田 誠 

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