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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W32
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管理番号 1304221 
異議申立番号 異議2014-900192 
総通号数 189 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-09-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-07-14 
確定日 2015-04-22 
異議申立件数
事件の表示 登録第5661279号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5661279号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5661279号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(A)のとおりの構成からなり、平成25年10月22日に登録出願、第32類「フィジー産のノニ果汁入りビール,フィジー産のノニ果汁入り清涼飲料,フィジー産のノニ果汁入り果実飲料,フィジー産のノニ果汁入り乳清飲料,フィジー産のノニ果汁入り飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同26年2月5日に登録査定、同年4月4日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申し立ての理由において引用する商標は、次に掲げるとおりであり(次に掲げる商標を一括して「引用商標」ということがある。)、いずれの商標も、現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4771147号商標(以下「引用商標1」という。)は、「FIJI」の欧文字を縦長籠字風の文字によって横書きしてなり、平成15年9月24日に登録出願、第32類「ミネラルウォーター,その他の清涼飲料,果実飲料」を指定商品として、同16年5月14日に設定登録されたものである。
(2)登録第4961932号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(B)のとおりの構成からなり、平成17年10月26日に登録出願、第32類「フィジー産のビール,フィジー産のミネラルウォーター,その他のフィジー産の清涼飲料,フィジー産の果実飲料,フィジー産のビール製造用ホップエキス,フィジー産の乳清飲料,フィジー産の飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同18年6月16日に設定登録されたものである。
(3)登録第4993377号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(C)のとおりの構成からなり、平成17年10月26日に登録出願、第32類「フィジー産のビール,フィジー産のミネラルウォーター,その他のフィジー産の清涼飲料,フィジー産の果実飲料,フィジー産のビール製造用ホップエキス,フィジー産の乳清飲料,フィジー産の飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同18年10月6日に設定登録されたものである。
(4)登録第4978425号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(D)のとおりの構成からなる立体商標であり、平成17年12月14日に登録出願、第32類「フィジー産のビール,フィジー産のミネラルウォーター,その他のフィジー産の清涼飲料,フィジー産の果実飲料,フィジー産のビール製造用ホップエキス,フィジー産の乳清飲料,フィジー産の飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同18年8月11日に設定登録されたものである。
(5)登録第4417801号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(E)のとおりの構成からなる立体商標であり、平成11年10月1日に登録出願、第32類「フィジー産のミネラルウォーター」を指定商品として、同12年9月14日に設定登録されたものである。
(6)登録第4417803号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲(F)のとおりの構成からなり、平成11年10月4日に登録出願、第32類「フィジー産のミネラルウォーター」を指定商品として、同12年9月14日に設定登録されたものである。
(7)登録第4738429号商標(以下「引用商標7」という。)は、別掲(G)のとおりの構成からなり、平成15年3月28日に登録出願、第32類「フィジー産のミネラルウォーター」を指定商品として、同16年1月9日に設定登録されたものである。
(8)登録第4738430号商標(以下「引用商標8」という。)は、別掲(H)のとおりの構成からなり、平成15年3月28日に登録出願、第32類「フィジー産のミネラルウォーター」を指定商品として、同16年1月9日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由の要点
申立人は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するから、その登録は同法43条の2第1号により取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のとおり述べ、その証拠方法として甲第1号証ないし甲第37号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標は、「Fiji」の文字を含むものであって、「FIJI」の文字からなる又は「FIJI」の文字を要部とする引用商標と類似する商標であり、その指定商品も引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。
(2)本件商標は、申立人及び申立人の属する企業グループRoll Globalの業務に係る商品「ミネラルウォーター」を表示するものとして需要者に広く認識されている、引用商標1ないし4及び「FIJI」の文字からなる商標(以下、これらをまとめて「申立人商標」という。)と類似するものであり、同一又は類似の商品について使用するものである。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号の規定に違反して登録されたものである。
(3)申立人商標は、申立人及び申立人の属する企業グループRoll Globalの業務に係る商品「ミネラルウォーター」について日本国内及び外国において著名となっているところ、本件商標は、かかる著名な申立人商標と類似し、その指定商品について使用された場合には、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。
(4)申立人商標は、申立人及び申立人の属する企業グループRoll Globalの業務に係る商品を表示するものとして日本国内及び外国における需要者に広く認識されていることから、これに類似する本件商標は不正の目的をもって使用されるものと推認される。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号の規定に違反して登録されたものである。

4 当審の判断
(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標と引用商標との類否
(ア)本件商標は、別掲(A)のとおりの構成からなるところ、その構成中の「Fijian Noni」の文字部分は、「フィジー(諸島)の」を意味する英語である「Fijian」(「研究社新英和大辞典」参照。)と、「インドネシア、ポリネシア諸島に生育する薬用植物(学名モリンダ・シトリフォリア)」を指称する語である「Noni」(甲第10号証の1及び2参照。)を併記したものであって、本件商標の指定商品との関係において、「フィジー産のノニ果汁入りの商品」であること、つまり、商品の原材料、産地、品質を表示したものとして認識、把握されるとみるのが自然であるから、それ自体は自他商品の識別力がないか極めて弱いものというべきである。
加えるに、本件商標の「Fijian」の文字部分と「Noni」の文字部分とは、外観上、まとまりよく一体的に表され、観念上も、軽重の差はないものであって、それぞれを分離して観察すべき理由が見当たらないし、まして、「Fijian」の文字部分のみを分離、抽出した上で、さらに、「Fiji」と「an」とに分離して「Fiji」の部分が需要者の注意を惹く要部であるというようなことは不自然といわなければならない。
そうすると、本件商標は、全体の構成をもって自他商品の識別標識としての機能を果たすものというべきであり、「Fijian Noni」の文字部分をもって商品の出所を識別するとは考え難いものであるから、自他商品の識別標識としての観点からは、「フィジアンノニ」の称呼も、また、「フィジアン」や「フィジー」の称呼も生ずるものとは到底認めることができないものである。
そして、本件商標は、その全体をもって、特定の観念が生じるということもできないものである。
(イ)引用商標は、上記2のとおり、「FIJI」の文字からなるか、または、「FIJI」の文字を含んでなる商標であるが、一方の本件商標は、上記(ア)のとおり、全体の構成をもって自他商品の識別標識としての機能を果たすものであって、「Fijian Noni」や「Fijian」、「Fiji」の文字部分の称呼及び観念をもって商品の出所を識別するとは考え難いものであるから、仮に、引用商標から「FIJI」の文字に相応した称呼及び観念が生じるとしても、その称呼及び観念において、本件商標と引用商標とを相紛れるおそれがあるということはできない。
この点、申立人は、本件商標について、「Fiji」の文字部分が需要者の注意を惹く要部であり、該文字部分より「フィジー」の称呼を生ずることを前提に、本件商標と引用商標とが称呼上類似するものであると主張しているが、本件商標より「フィジー」の称呼が生じないことは上記(ア)のとおりであるから、申立人の主張は前提を欠くものであり、その主張を採用することはできない。
そして、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観においても、明らかに区別し得る差異を有するものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
なお、申立人は、申立人商標の周知性を考慮すべき旨も主張するが、申立人商標がわが国において周知といえないことは、後記(2)のとおりである。
イ 小括
したがって、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが同一又は類似のものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)申立人商標の周知性について
ア 申立人の提出に係る証拠によれば、申立人商標を使用した商品「ミネラルウォーター」について、米国において2004年に2500万ドルの売上があり、2008年には売上第1位を記録したこと(甲第13及び第19号証)、セレブが愛飲することで話題になっていること(甲第15及び第20号証)、高級レストランやホテルでも提供されていること(甲第15号証)、テレビドラマやハリウッド映画で小道具として登場していること(甲第16号証)、ニューヨークで開催されたファッションショーに協賛したこと(甲第17号証)、日本でも各種雑誌や著名人のブログ等で紹介されているほか、各種イベントに協賛していること(甲第22ないし第24及び第31ないし第33号証)、インターネット通販の楽天における総合ランキング(2012年8月5日時点)等で第1位を獲得したこと(甲第25及び第26号証)、などが認められるとしても、これらは「Fiji Water」又は「フィジーウォーター」として記述され紹介されているものが殆どであり、「FIJI」のみで紹介されているものは極めて少ないものである。また、日本における各種雑誌や各種イベントにおいて、申立人商標が紹介されているとしても、それら雑誌やイベントにおいて、具体的にどのように使用されているかを示す証左はないし、売上数量及び売上高や広告宣伝の事実を具体的に示す証拠もない。さらに、甲第15号証によれば、「フィジーウォーター」の説明において「日本国内ではまだ取り扱いは少なく、成城石井やPLAZA、ITS‘DEMO等の一部の店舗や通信販売での販売にとどまる。」と記述されている。
イ 以上を総合勘案すると、米国においては、申立人商標を使用した商品「ミネラルウォーター」が「FIJI Water」として需要者間に相当程度は広く認識されていることが窺える。
しかしながら、我が国においては、上記商品が「FIJI Water」又は「フィジーウォーター」として、インターネット通販に係る一部の需要者や愛好家の間においてはある程度知られているとしても、申立人商標が一般の取引者、需要者の間に広く認識されているものとまでいうことはできない。
そうすると、申立人商標は、申立人の業務に係る商品「ミネラルウォーター」を表示する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において我が国の取引者需要者間に広く認識されていたものと認めることはできない。
(3)本件商標の商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
ア 申立人は、申立人商標が申立人の業務に係る商品「ミネラルウォーター」を表示する商標として周知になっていること、本件商標と申立人商標とが類似すること、本件商標の指定商品と申立人商標が使用されている商品とが類似するものであることを理由として、本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当する旨主張している。
しかしながら、本件商標と申立人商標のうち、本件商標と引用商標1ないし4とは、上記(1)のとおり、非類似の商標であり、また、そのうちの引用商標1が「FIJI」の文字からなる商標であって、本件商標がこれとも非類似であることを踏まえるならば、これと同様に、本件商標と申立人商標のうちの「FIJI」の文字からなる商標も非類似の商標といえるものである。しかも、申立人商標は、上記(2)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間で広く認識されているということはできないものである。
そうすると、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するということはできない。
イ 申立人は、申立人商標を引用して、本件商標が商標法第4条第1項第15号にも該当すると主張している。
しかしながら、本件商標と申立人商標とは、非類似の商標であり、しかも、申立人商標が我が国の取引者、需要者の間で広く認識されているとはいえないものであるから、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が申立人商標ないし申立人を連想、想起するようなことはないというべきであり、その商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものといえる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(4)本件商標の商標法第4条第1項第19号該当性について
本件商標と申立人商標とは、非類似の商標であって、しかも、申立人商標は、我が国においては、申立人の業務に係る商品を表示する商標として取引者、需要者の間に広く認識されているものとまでは認められないこと、米国においては、申立人の業務に係る商品は、申立人商標の「FIJI」ではなく、「FIJI Water」として知られているものであること、「FIJI」の文字が「フィジー(諸島)」を意味し、指定商品との関係においては、商品の原材料、産地、品質を表示したものとして把握し得るものであることなどを勘案すると、本件商標権者が申立人商標の名声、信用、顧客吸引力等に便乗して不正の利益を得る目的等の不正の目的をもって本件商標を登録出願し登録を受けたものということもできない。
その他、本件商標が不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用するものであることを具体的に示す証左も見いだし得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(A):本件商標(色彩は原本参照)


別掲(B):引用商標2


別掲(C):引用商標3


別掲(D):引用商標4(色彩は原本参照)







別掲(E):引用商標5






別掲(F):引用商標6


別掲(G):引用商標7


別掲(H):引用商標8



異議決定日 2015-04-13 
出願番号 商願2013-82395(T2013-82395) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W32)
T 1 651・ 252- Y (W32)
T 1 651・ 222- Y (W32)
T 1 651・ 263- Y (W32)
T 1 651・ 271- Y (W32)
T 1 651・ 253- Y (W32)
T 1 651・ 251- Y (W32)
T 1 651・ 262- Y (W32)
最終処分 維持  
前審関与審査官 齋藤 貴博 
特許庁審判長 土井 敬子
特許庁審判官 中束 としえ
林 栄二
登録日 2014-04-04 
登録番号 商標登録第5661279号(T5661279) 
権利者 フレスコ ビバレッジズ リミテッド
商標の称呼 フィジアンノニ 
代理人 真保 玉緒 
代理人 福島 栄一 

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