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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201411133 審決 商標
不服201513171 審決 商標
異議2013900255 審決 商標
異議2013900259 審決 商標
異議2013900096 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W0532
管理番号 1304207 
異議申立番号 異議2014-900275 
総通号数 189 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-09-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-09-26 
確定日 2015-07-15 
異議申立件数
事件の表示 登録第5680633号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5680633号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第5680633号商標(以下「本件商標」という。)は、「レッドスムージー」の文字を標準文字で書してなり、平成25年11月12日に登録出願、第5類「スムージー状のサプリメント」及び第32類「スムージー,スムージーのもと,スムージーを混入してなる清涼飲料,スムージーを混入してなる乳清飲料,スムージーを混入してなる果実飲料,スムージーを混入してなる飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同26年6月10日に登録査定、同年6月27日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由(要旨)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標が、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の3第2項により取り消されるべきものである旨申し立て、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第9号証(枝番号を含む。)を提出した。
そして、申立人は、その理由として、本件商標について、「赤、赤色」を意味する「レッド」の文字と、商品(飲み物の一種)の普通名称である「スムージー」の文字を結合してなるものであって、全体として「赤色の(赤い果実・野菜を原材料とする)スムージー」であることを容易に理解させるものであるから、その指定商品に使用するときは、単に商品の品質、色彩、原材料等を表示するにすぎず、自他商品の識別機能を有しないものである旨主張している。

3 本件商標に対する取消理由
当審においては、本件商標の登録について、平成27年2月2日付けをもって、商標権者に対して取消理由を通知したところ、その理由は、要旨次のとおりである。
(1)申立人の提出に係る証拠によれば、次の事実が認められる。
ア 「広辞苑(第六版)」(岩波書店 2008年(平成20年)1月11日発行)の「スムージー」の項目には「(口当りが滑らか(スムーズ)の意)凍らせた果物・野菜などを牛乳・ヨーグルトとともにミキサーで攪拌してとろりとさせた冷たい飲物。」と記載され、また、「レッド」の項目には「赤。赤色。」などと記載されている(甲2)。
イ 「現代用語の基礎知識2014」(自由国民社 2014年(平成26年)1月1日発行)の「スムージー」の項目には「果物や野菜に氷片を加えてシェークのような滑らかな飲み心地にしたジュース」と記載されている(甲3)。
ウ 「商品・サービス国際分類表」(第10-2014版)の第32類には「smoothies(スムージー)」が商品名として掲載され、また、「商品・役務名リスト」(国際分類第10-2014版)には「スムージー」のほか、「スムージーのもと」、「果実を使用したスムージー」、「果実及び野菜を使用したスムージー」等が商品名として掲載されている(甲4)。
エ Webページにおける使用例
「レッドスムージー」の語をYahoo!検索により検索した結果、約68,300件ヒットし(甲6の1)、そのうちのいくつかの使用例を挙げると以下のとおりである(以下の(ア)ないし(カ)は甲6の2)。
(ア)「ジワジワ人気上昇中!美肌作りの大本命“レッドスムージー”」のウェブサイトには、「美容・健康に効果的なグリーンスムージーがブームになりましたが、ここ最近はレッドスムージーが注目されています。何と言っても特徴的なのは飲みやすさ。赤い食材には美容・健康にも大きく貢献するほか、アンチエイジングにも大きな効果を発揮します。」、「おいしいレッドスムージーのレシピ/苺とトマトのスムージー、赤パプリカとトマトのレッドスムージー」などの記載がされている。
(イ)「レッドスムージーレシピ・作り方 ダイエット&美肌に効果的 はなまるマーケット7月2日」のウェブサイトには、「2012年7月2日放送のTBSはなまるマーケットのとくまるのコーナーでは、美とやせ体質ゲット!『健康スムージー』ということでレッドスムージーとグリーンスムージーのレシピ・作り方が紹介されていました。」、「順天堂大学大学院医学研究科・白澤卓二教授によるとレッドスムージーはダイエット&美肌に効果的だそうです。」などの記載がされている。
(ウ)「Woman Insight」のウェブサイトには、「管理栄養士が教える美味しすぎて美肌効果抜群のグリーン&レッドスムージー最新レシピ10」の見出しの下、「今大ブームの『スムージー』。美容意識の高い女性の間では朝スムージーはもう鉄板です!野菜をベースにしたグリーンスムージーや、ベリーやアサイーなどをベースにした新顔のレッドスムージーなど種類も豊富!」、「レッドスムージーレシピ/にんじん+マンゴー、赤パプリカ+オレンジ+ごま、トマト+ぶどう、ブルーベリー+カリフラワー+グレープフルーツ、アサイー+バナナ+豆乳」などの記載がされている。 (エ)「スムージーダイエット 自分に合ったダイエット方法の選び方」のウェブサイトには、「痩せ体質と免疫力アップに効果大のグリーンスムージーは、緑の生の葉野菜と果物と水をミキサーやブレンダーで混ぜ合わせたドリンク(飲み物)のことです。・・・赤い野菜と果物で作るレッドスムージーは、紫外線から皮膚細胞を守る作用が強く、コラーゲンを作るときに必要なビタミンCも豊富に含んでいます。レッドスムージーは、痩せ体質と美肌・アンチエイジング効果に優れています。レッドスムージーの食材でオススメは、ベータカロテンの多いニンジンや、ポリフェノールが多いリンゴ、このほかカボチャは、抗酸化作用が高くビタミンA・B・C・Eも豊富です。」と記載されている。
(オ)「今日から始めたい!美肌にいい『レッドスムージー』の効果と作り方」のウェブサイトには、「少し前に流行したグリーンスムージー。今でも続けている!という人もいるでしょうが、とにかく大人気でした。・・・そういう女性に注目されているのが、「レッドスムージー」だそう。名前の通り、甘い野菜・果物を使用したスムージーです。」などの記載がされている。
(カ)「週末にリセット!レッドスムージーで健康的な食事をする方法 OKGuide[OKガイド]」のウェブサイトには、「『レッドスムージー』とは?・・その名前の通り、レッド(赤い)食品を使ったスムージーで、赤い色が特徴です。この赤い色を持つ野菜や果物には抗酸化作用を持っているものが多く、飲むだけで健康になるとか。」などの記載がされている。 その他、赤い色の果物や野菜を使用した“レッドスムージー”のレシピ等に関するブログが多数存在する。
(キ)クックパッド株式会社の運営するレシピコミュニティサイトにおいて「レッドスムージー」のレシピ等に関する記事が多数掲載されている(甲7の1及び2)。
オ 新聞、雑誌における使用例(甲8)
(ア)2012年(平成24年)8月22日付け西日本新聞には、「佐賀県/う・ま・か・ば・い=淡い青みの味と香り グリーンスムージー(ゆとりカフェicoi・小城市)/かささぎ通信@SAGA」の見出しの下、「グリーンスムージーは緑の葉野菜と果物を混ぜた飲料で・・同店では・・『レッドスムージー』も提供。こちらはニンジンとリンゴ、バナナにレモンを加え『美白効果が期待できます』・・グリーン、レッドとも500円」との記事が掲載されている。
(イ)2014年(平成24年)3月3日付け北國新聞には、「快適生活プラスワン はやりのスムージー 葉物野菜入れて若返り 常温で、かんで食べる」の見出しの下、「野菜や果物をミキサーでかきまぜた『スムージー』。・・・小松菜やホウレンソウなどの葉物野菜と果物を4対6の体積割合でまぜたグリーンスムージー。葉物野菜は体内の老化を抑える『クロロフィル』を含む。・・・美肌を目指すなら赤パプリカとトマト、リンゴをまぜ合わせたレッドスムージーがお薦め。トマトに含まれるリコピンは抗酸化作用に優れ、パプリカに含まれるビタミンPが毛細血管を強化して、肌の血行を良くする。」との記事が掲載されている。
(ウ)「NIKKEI WOMAN」(2014年(平成26年)3月)には、「私のパワーチャージ/ドリンク&レシピ大公開」の見出しの下、「スムージーで女性ホルモンをサポート」、「『レッドスムージー』/抗酸化物質や食物繊維が豊富な野菜や果物を手軽に取りたくて、2年前から飲み始めました。」と記載され、その下には、作り方として、パプリカ、トマト、ざくろ、いちご、りんごなどの使用食材とその量が記載されている。
(エ)「日経テレコン21」(2013年(平成25年)8月12日)には、「タキイ種苗、夏の果物の代表『スイカ』についての調査結果を発表」の見出しの下、「『スイカ』が好きな人は約85% 夏の悩み、夏バテ・熱中症・日焼けには『スイカ』が効果的!?夏にピッタリ!スイカの新しい食べ方『レッドスムージー』もご紹介?」として、「スイカと桃のレッドスムージー」、「スイカとトマトとレモンのレッドスムージー」の作り方が紹介されている。
カ テレビ放送においても、本件商標の登録出願日(平成25年11月12日)前より、赤色の野菜や果物を主原料にしたレッドスムージーの作り方が紹介されている(甲9)。
(3)上記(2)で示した事実によれば、本件商標の登録査定日(平成26年6月10日)の時点には既に、「スムージー」の語は、「主として果物・野菜などをミキサーで攪拌して滑らかな飲み心地にした飲み物(ジュース)」を意味するものとして、我が国の一般の消費者の間に広く知られていたこと、健康志向が高まっている我が国の国民の間で、健康によいと人気の高い、葉もの野菜を主原料としたスムージーを「グリーンスムージー」と称し、これに対し、健康によいこともさることながら、美肌やダイエットの効果をも有し、かつ、飲みやすいとされる、赤色の強いニンジンやトマト、赤パプリカなどの野菜や赤色の強いりんご、いちご、スイカなどの果物を主原料としたスムージーを「レッドスムージー」と称していたこと、インターネット、新聞、雑誌、テレビ等で、様々な赤色の野菜や果物を使用したレッドスムージーのレシピを紹介していたこと、などを認めることができる。
(4)商標法第3条第1項第3号該当性について
本件商標は、前記1のとおり、「レッドスムージー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「スムージー」の文字が「主として果物・野菜などをミキサーで攪拌して滑らかな飲み心地にした飲み物」を、また、「レッド」の文字が「赤色」を意味するものであるから、全体としては「赤いスムージーという飲み物」の意味合いを理解し得るものである。
加えて、本件商標の指定商品は、第5類「スムージー状のサプリメント」、第32類「スムージー,スムージーのもと,スムージーを混入してなる清涼飲料,スムージーを混入してなる乳清飲料,スムージーを混入してなる果実飲料,スムージーを混入してなる飲料用野菜ジュース 」とするものである。
そして、上記(3)のとおり、赤色の野菜や果実を使用したスムージーを「レッドスムージー」と称している事実があることよりすれば、本件商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「赤色の強い野菜や果物を主原料としたスムージー」ないし「赤色の強い野菜や果物を主原料としたスムージーを原材料に使用した商品」なる意味合いを表したと直ちに理解、認識するとみるのが相当である。
してみると、本件商標は、商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。
したがって、本件商標は、その登録査定時において、商標法第3条第1項第3号に該当する商標であったといわなければならない。

4 商標権者の意見
商標権者は、本件商標についてした前記3の取消理由に対し、指定した期間内に何ら意見を述べるところがない。

5 当審の判断
本件商標は、前記1のとおり、標準文字で表したものであるから「レッドスムージー」の片仮名を普通に用いられる方法で表したものといえる。
そして、前記3の取消理由は、妥当なものと認められる。
そうすると、本件商標は、その指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者によって、「赤色の強い野菜や果物を主原料としたスムージー」ないし「赤色の強い野菜や果物を主原料としたスムージーを原材料に使用した商品」なる意味合いを表したと直ちに理解、認識されるとみるのが相当であり、その商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといえる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2015-06-05 
出願番号 商願2013-88403(T2013-88403) 
審決分類 T 1 651・ 13- Z (W0532)
最終処分 取消  
前審関与審査官 津金 純子 
特許庁審判長 林 栄二
特許庁審判官 梶原 良子
中束 としえ
登録日 2014-06-27 
登録番号 商標登録第5680633号(T5680633) 
権利者 アサヒフードアンドヘルスケア株式会社
商標の称呼 レッドスムージー 

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