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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201411225 審決 商標
不服201424397 審決 商標
不服201423847 審決 商標
不服201422861 審決 商標
不服20152866 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W09
管理番号 1304198 
審判番号 不服2014-20643 
総通号数 189 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-10-10 
確定日 2015-08-07 
事件の表示 商願2014-10332拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成26年2月13日に登録出願、その後、本願の指定商品については、原審における同年3月19日付け手続補正書により、「紫外線を防ぐ眼鏡用レンズ」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、オレンジ色と青色の色彩を施した円形内に『SPF 50+』及び『PA++++』の各文字を白抜きで表してなるものであり、全体として紫外線を防ぐ効果のあることを容易に認識させるものである。さらに、円形内に色彩を施し、その中に商品の説明を表示することは広く一般に行われている。してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、単に商品の品質、機能を普通に用いられる方法で表示するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、円の上から3分の2程度を水平に分割して、上段を橙色、下段を青色で彩色し、上段部分に「SPF」及び「50+」の白抜き文字を、下段部分に「PA++++」の白抜き文字を表してなるものである。
そして、化粧品や繊維製品等においては、紫外線による健康への影響を防ぐ観点から、紫外線の防止を目的とする商品が広く取り扱われているところ、近時、本願の指定商品の分野においても、紫外線を防止する機能を有する商品が一般に取引されている実情が認められるものであり、「SPF(Sun Protection Factor:紫外線B波の防止指数)」又は「PA(Protection Grade of UVA:紫外線A波の防止指数)」の文字が、それらの程度を表す「50+」の数字や複数の「+」記号と共に、別掲2(1)ないし(7)の例のように、紫外線B波及び紫外線A波の防止指数を表示するものとして使用されている事実が認められる。
また、本願の指定商品の分野においては、別掲2(6)ないし(10)の例のように、2色の彩色を施した円形内に「SPF50+」及び「PA++++」の文字を表した標章が、商品の品質を表示するものとして使用されているものであり、また、その他の商品の品質等を表示する際に、内容の強調又は説明を視覚的に訴えるために単色又は2色の彩色を施した円形を用いることが普通に行われている。
してみれば、本願商標は、彩色を施した円形を背景図形として、紫外線A波及び紫外線B波の防止指数を、指数ごとに分けて表示したにすぎず、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者が、紫外線A波及び紫外線B波を防ぐ効果を有する商品であることを理解、認識するにとどまるというのが相当であって、商品の品質を普通に用いられる態様の域を脱しない方法で表示するものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)商標法第3条第2項該当性について
請求人は、本願商標は、これを付した商品についてのテレビCMを放映したことにより、需要者が特定の商品であることを認識することができるに至ったものである旨主張し、テレビCMの画像(資料1及び2)、該CMの平成26年5月23日から同年6月28日までの放映量(資料3)及び政府広報テレビスポット広報効果測定(資料4)を提出するところ、資料1及び2のテレビCMは、眼鏡の小売店である「眼鏡市場」の業務に係る「新UV対策メガネ」又は「UVサングラス」の宣伝広告であり、本願商標を付した商品が、請求人の業務に係るものであることを確認することはできない。また、資料3に表示されたGRP(延べ視聴率)値のみによって本願商標についての需要者の認識を客観的に把握することはできない。
加えて、請求人は、商品パンフレットの写しとして資料5を提出し、店頭を訪れる需要者に手渡される商品パンフレットには請求人の名称等が明示されている旨主張するが、該パンフレットには、本願商標と共に「最高ランク『SPF50+/PA++++』/パーフェクトUVブロックは、・・・において、規定されたSPF及びUVA測定方法に従い臨床実験を実施した結果、上記に相当する結果を得ました。」の文字が表示されており、これに接する需要者は、本願商標は、商品の品質を表したものと認識するというのが相当であって、請求人の業務に係る商品であることを表示する商標として認識されるものということはできない。
このほか、本願商標が使用された「紫外線を防ぐ眼鏡用レンズ」についての生産・販売数量又は販売額等に関する資料の提出はなく、商標の使用状況に関する事実を量的に把握することができないものであり、本願商標についての需要者の認識の程度を把握することができない。
そうすると、請求人の提出に係る証拠からは、本願商標がその指定商品について使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものであると認めることはできない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するということはできない。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は円形部分が2色の印象的な配色により構成されたものであり、それのみで十分な識別力を有するものであるとして、2色を用いた国旗及び図形を2色で彩色した登録商標を示して、本願商標が識別力を有するものである旨主張する。
しかしながら、本願商標は、上記(1)のとおり、普通に使用されている彩色を施した円形の背景図形を用いて商品の品質を表示したものとみるのが相当であるから、本願商標において、2色の彩色を施された円形そのものが、自他商品の識別標識として機能し得るものであるとはいい難い。
イ 請求人は、紫外線を防ぐ効果が化粧品ほどには重要視されない眼鏡業界において、「50+」の部分は強く印象に残るものであるから、識別力をもって看取される旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願の指定商品の分野においては、紫外線を防止する機能を有する商品について、紫外線B波の防止指数を表す「SPF50+」の文字の使用が認められるところ、本願商標の構成上、「50+」の数字は、同色の背景内に表された「SPF」の文字と一体のものとして看取されるものであり、全体として紫外線B波防止指数を表したものと容易に認識されるものといえるから、「50+」の文字部分が識別力を発揮するということはできない。
ウ したがって、ア及びイの請求人の主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、かつ、同法第3条第2項の要件を具備するものではないから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 本願商標(色彩については原本参照)



2 本願の指定商品の分野において、紫外線を防止する機能を有する商品について「SPF50+」及び「PA+++」又は「PA++++」の文字が使用されている事実並びに彩色した円形内に商品の品質が表示されている例
(1)「GLASSONLINE」のウェブサイトにおいて、「いつまでも美しい瞳と肌を保ちたい女性のための紫外線対策、美白、美肌用サングラスとして、SPF50+ PA+++のUVカットレンズが付いた完璧なUVケアサングラスをオススメします。」との記載があり、また、「SPF表示、PA表示とは?」の見出しの下、「UVケアサングラス」について「『SPF』と『PA』は製品が持つ紫外線防止効果を数値化・記号化したもので、国際的に定められている試験法で測定した値です。使用されるシーンに合わせて紫外線防止用品を選ぶ際の目安となります。」との記載がある。
(http://www.glassonline.jp/spf50/)
(2)「GLASSFACTORY」のウェブサイトにおいて、「EYEWEAR LIBRARY」の項に、「p・de・m/GLASSFACTORY LADIES p・de・m SS713」として、「いつまでも美しい瞳と肌を保ちたい女性のための紫外線対策、美白、美肌用サングラスとして、SPF50+ PA+++のUVカットレンズが付いた完璧なUVケアサングラスです。」との記載がある。
(http://www.glassfactory.co.jp/eyewear-library/index.php?select_brand_id=24)
(3)「メガネのまつい」のウェブサイトにおいて、「乾レンズ」の見出しの下、「特にUVカット技術については、厳密な規定のある最高クラスの日焼け止め化粧品と同等な高い評価を眼鏡レンズとして受けております。(SPF50+ PA+++)」との記載がある。
(http://www.e-glasses.jp/uv-hyde.htm)
(4)「acoustics」のウェブサイトにおいて、「Buddy Optical(バディー/オプティカル)/STANFORD(STANFORD UNIVERSITY)-BLACK-」として、「レンズ性能/よりナチュラルな印象をという方に最適な反射を抑えたマルチコートクリアレンズを使用しています。 このレンズにも“SPF50+ PA+++“の紫外線カット機能が備わっています。」との記載がある。
(http://www.mens.acoustics-web.com/?s=1449&pg=shopping&id=11131)
(5)「株式会社 トレミーフォーティエイト」のウェブサイトにおいて、「お客様の声」の見出しの下、「紫外線の強い日は目から日焼けをするので、アクセサリーとペアーで紫外線対策万全のトレミー48のサングラス(SPF50+PA+++表記)も常に愛用しています。」との記載がある。
(http://ptolemy48.jp/smart/review/4/)
(6)「メガネの田中チェーン株式会社」のウェブサイトにおいて、「ALUCHE UV」の見出しの下、商品特徴として、「ハイドレンズが眼から入る紫外線を最強ブロック」との記載があり、2色の彩色を施した円形内に「SPF50+」と「PA++++」の文字が表示されており、「SPFとは/Sun Protection Factor(サンプロテクション ファクター)の略で紫外線防御指数です。UVB波の影響からくる皮膚の赤い斑点を防ぎます。SPF50+は現在の日本で表記できる最も強い効果を表す数値となります。」及び「PAとは/Protection Grade of UVA(プロテクショングレードオブUVA)の略でUVA防御指数です。UVA波の影響からくる皮膚の黒化を防ぎます。PA++++は最大の防御効果を表す数値です。」との記載がある。
(http://www.tanaka-megane.co.jp/sunglasses/products/aluche/index.html)


(7)「GLASS ONLINE」のウェブサイトにおいて、「美しい瞳と肌を保つために。」の見出しの下、「紫外線対策、美白、美肌用UVケアサングラス」の記載があり、青色の円形内に「SPF50+」と「PA+++」の文字が表示されている。
(http://www.glassonline.jp/spf50/)



(8)「日本直販オンライン」のウェブサイトにおいて、「目元を守るUVカットサングラス」の見出しの下、サングラスの画像と共に、彩色を施した円形内に、背景色を分けて「UVカット率」及び「約99%」の文字が表示されている。
(https://www.666-666.jp/products/detail.php?product_id=5361)



(9)「Kittos」のウェブサイトにおいて、「【あらゆるものから目を守る】特殊設計フレームで花粉カット粉塵防止UVカットブルーライトカットの万能メガネ」の見出しの下、「アイリル プロテクト」の文字の右に、2色からなる4つの円形を配置し、それぞれの円形内に「粉塵防止」、「花粉カット」、「UVカット」及び「ブルーライトカット」の文字が表示されている。
(http://kobe-kiitos.shop-pro.jp/?pid=71514686)



(10)「ポンパレモール」における「マツカメショッピング」のウェブサイトにおいて、「PC専用オーバーグラス OVER GLASSES for PC」の見出しの下、メガネの画像と共に、赤色の円形内に「ブルーライト45%カット」の文字及び灰色の円形内に「紫外線99%カット」の文字が表示されている。
(http://store.ponparemall.com/matsucame/goods/shi0155/)




審理終結日 2015-06-01 
結審通知日 2015-06-05 
審決日 2015-06-17 
出願番号 商願2014-10332(T2014-10332) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岩崎 安子 
特許庁審判長 堀内 仁子
特許庁審判官 浦辺 淑絵
手塚 義明
商標の称呼 エスピイエフゴジュープラスピイエイフォープラス、エスピイエフゴゼロプラスピイエイフォープラス、エスピイエフゴジュープラスピイエイプラスプラスプラスプラス、エスピイエフゴゼロプラスピイエイプラスプラスプラスプラス、エスピイエフゴジュープラス、エスピイエフゴゼロプラス、エスピイエフゴジュー、エスピイエフゴゼロ、エスピイエフ、ピイエイフォープラス、ピイエイプラスプラスプラスプラス 
代理人 上田 千織 
代理人 安藤 敏之 
代理人 江間 路子 
代理人 飯田 昭夫 

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