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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W2528
審判 全部申立て  登録を維持 W2528
審判 全部申立て  登録を維持 W2528
審判 全部申立て  登録を維持 W2528
審判 全部申立て  登録を維持 W2528
管理番号 1303160 
異議申立番号 異議2014-900311 
総通号数 188 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-08-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-11-07 
確定日 2015-07-09 
異議申立件数
事件の表示 登録第5691507号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5691507号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5691507号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1に示すとおりの構成からなり,平成25年12月3日に登録出願され,第25類「履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第28類「運動用具,関節及び筋肉のための運動用プロテクター」を指定商品として,同26年6月27日に登録査定,同年8月8日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下のとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである。
ア 引用商標1
国際登録第788833号商標は,別掲2(1)のとおりの構成よりなり,平成14年7月9日に国際商標登録出願,第18類「Leather and imitation leather, goods made thereof not included in other classes; animal skins and hides; handbags; trunks and suitcases; umbrellas, parasols and walking sticks; whips and saddlery.」,第25類「Clothing for women, men and children and shoes (excluding orthopaedic shoes), headwear.」及び第39類「Transport services; warehousing and distribution of goods in general, particularly ready-made items, shoes, leather articles, parts of clothing, eau-de-Cologne, toys, sports articles.」を指定商品及び指定役務として,同15年5月2日に設定登録されたものである。
イ 引用商標2
登録第4963828号商標は,別掲2(2)のとおりの構成よりなり,平成17年5月16日に登録出願,第18類「人工皮革,獣皮,セーム革(清浄用のものを除く。),なめし皮,毛皮,その他の皮革,革製肩掛けベルト,革製又はレザーボード製の容器,革製肩掛けひも,トランク,旅行かばん,ハンドバッグ,ショルダーバッグ,リュックサック,ブリーフケース,ポートフォリオ,その他のかばん類,財布,がま口,その他の袋物,日傘,その他の傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,携帯用化粧道具入れ」,第25類「帽子,その他の被服,履物,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」及び第35類「輸出入に関する事務の代理又は代行,輸出入に関する事務の代理又は代行に関する情報の提供,広告,広告に関する助言・情報の提供,市場調査,市場調査に関する助言・情報の提供,皮革及び人工皮革並びにこれらの材料からなる商品(皮革・原革・原皮・なめし皮・毛皮・革ひも・かばん類・袋物・携帯用化粧道具入れ・かばん金具・傘カバー・傘用柄・洋傘袋・ステッキ・つえ・つえの柄・乗馬用具・馬用毛布・くら・くら敷き・遮眼帯・た綱・はみ・むち・むながい・愛玩動物用被服類・犬の靴・犬の首輪・犬の胴着・犬の胴輪)・獣皮・トランク・旅行かばん・ハンドバッグ・ショルダーバッグ・リュックサック・ブリーフケース・財布・がま口・ポートフォリオ・傘・日傘・つえ・むち・乗馬用具・被服・履物・帽子・雑誌・出版物・食品・飲料の品揃え・陳列,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,商品の販売に関する情報の提供,事業の管理,財務書類の作成,職業のあっせん,競売の運営,新聞の予約購読の取次ぎ,速記,筆耕,書類の複製,文書又は磁気テープのファイリング,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与,求人情報の提供,自動販売機の貸与」を指定商品及び指定役務として,同18年6月23日に設定登録されたものである。
ウ 引用商標3
国際登録第925554号商標は,別掲2(3)のとおりの構成よりなり,2006年(平成18年)9月12日にスペインにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,平成19年3月1日に国際商標登録出願,第18類「Leather and imitation leather; animal skins, hides and other leather (worked or semi-worked); handbags, trunks and suitcases; rucksacks, bags, attache cases, briefcases, wallets, coin purses, umbrellas, parasols and walking sticks.」及び第25類「Socks, and other clothing (other than "sleep masks, aprons [clothing], collar protectors [for wear], stockings, puttees and gaiters, fur stoles, shawls, scarves [scarfs], Japanese style socks [Tabi], Japanese style socks [Tabi covers], gloves and mittens [clothing], babies' diapers of textile, neckties, neckerchieves, bandanas [neckerchiefs], warmth-keeping supports, mufflers, ear muffs [clothing]") ; footwear (other than "shoe dowels, shoe pegs, tongue or pullstrap for shoes and boots, hobnails, protective metal members for shoes and boots, boots for sports"); headgear.」を指定商品として,同21年7月31日に設定登録されたものである。
エ 引用商標4
登録第4374072号商標は,別掲2(4)のとおりの構成よりなり,平成10年8月3日に登録出願,第3類「せっけん類,香料類,化粧水,その他の化粧品,歯磨き,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤」及び第9類「理化学機械器具,測定機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡」を指定商品として,同12年4月7日に設定登録されたものである。
オ 引用商標5
登録第3270094号商標は,別掲2(5)のとおりの構成よりなり,平成6年3月17日に登録出願,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」を指定商品として,同9年3月12日に設定登録されたものである。
なお,上記引用商標1ないし引用商標5をまとめていうときは「引用商標」という。

3 本件異議の申立て理由の要旨
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号,同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであると申し立て,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第105号証を提出した。
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人について
申立人は,今から130年以上前にスペインで開業した皮革製の靴メーカーである(甲7)。1975年に靴ブランド「CAMPER」を立ち上げ,1981年にはバルセロナで初の直営店をオープンさせ,申立人のシンボルともいえる横長の長方形で下辺を弧状に湾曲させた図形標章(引用商標1に相当。以下「申立人図形標章」という。)はその頃に誕生した。その取扱商品は「靴」を中心としながら,「かばん」や「財布」といったファッション雑貨類にも及ぶ。
申立人は,世界各国で店舗を展開しており,世界30ヶ国以上に300店以上の直営店が存在する(甲8)。我が国においては1996年の初出店以降,全国で43店の直営店を経営している(甲9)。
イ 引用商標の使用状況等について
(ア)申立人は,引用商標を「靴」等のファッション雑貨に継続的に使用している。(甲10ないし甲30)。
(イ)日本における2010年から2013年までの引用商標にかかる商品の売上高は以下のとおりである。
2010年 31億円
2011年 41億円
2012年 40億円
2013年 41億円
また,2010年から2013年までの全世界における雑誌・TV等を通じた広告活動の宣伝広告費は以下のとおりである。
2010年 2,091万ユーロ(約28億円)
2011年 6,101万ユーロ(約82億円)
2012年 6,961万ユーロ(約94億円)
2013年 7,187万ユーロ(約97億円)
引用商標又は申立人に関する記事は,新聞及び各種雑誌等に掲載され(甲31ないし甲81)。
(ウ)結果,引用商標は需要者の間で相当程度知られるに至っており,事実,引用商標を「スペイン発の人気のある靴・かばん類のブランド」として紹介するような記事は多数見受けられる(甲82ないし甲95)。
(エ)小括
以上の事実から,我が国において,引用商標が申立人の製造,販売にかかる「靴」等を表すものとして周知性を獲得していたものと優に推認できる。
(2)商標法第4条第1項第11号の該当性について
引用商標は,横長の長方形の下辺を弧状に湾曲させた図形を伴う。一方,本件商標も,横長の長方形の下辺を弧状に湾曲させた図形からなるところ,四隅がやや丸みを帯びているものの,両図形を比較したときには,上辺と左右辺の長さ比のバランス,下辺が弧状に湾曲する角度,左右辺が等しい点などが極めて類似しており,両図形は軌を一にする。
特に,引用商標1は,赤い着色がなされているが,日本の商標法においては,色彩の点を除外してみるときには同一である商標はすべて登録商標に含まれると規定されている(商標法第70条)。すると,引用商標1と本件商標とは,「DEFIER」(「E」にはアクサンテギュが付されている。以下同じ。)の文字の有無の差異に過ぎないところ,「DEFIER」が特段意味を持たない語であって,ラテン文字を用いる言語の表記に用いられるアクセント符号であるアクサンテギュがあるため容易には称呼し難い我が国の需要者にとっては,申立人のものとして周知な引用商標1を色彩の点を除外してもほぼそっくり含んだ本件商標の態様は,外観上極めて類似するものである。
また,引用商標2と本件商標とは,同じ6文字からなり,末尾の2文字(「ER」)が共通する「CAMPER」と「DEFIER」が外観上も類似するものである。
一方,本件商標の指定商品のうち「履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」は,引用商標の指定商品と抵触または関連するものである。
すると,本件商標と引用商標は,軌を一にした類似の商標であって,引用商標が,指定商品の分野においてすでに広く周知性を獲得している点を考慮すれば,本件商標はその文字と図形との間に強い関連性があるとはいえないから,むしろ,需要者は,本件商標から申立人の周知な出所表示標識を認識し,申立人の商品を想起して混同を生じる。
以上より,商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(3)商標法第4条第1項第15号の該当性について
前記(1)のとおり,引用商標は,「靴」等ファッション雑貨の分野において申立人の業務を表すものとして需要者に広く知られたものといえる。本件商標は,申立人の周知商標を含んでおり,引用商標とは関連付けて認識される可能性があるもので,両商標の類似性の程度は決して低いとはいえない。また,実際に,申立人は図形のみからなる商標を使用している(甲96ないし甲103,甲10及び甲11,甲13ないし甲16,甲19ないし甲22)。
本件商標の登録を認めることは,申立人が,引用商標に化体した業務上の信用へのただ乗り行為(フリーライド)を許すことになり,商標法の精神に反する。
したがって,本件商標はその指定商品に使用された場合,出所について混同を生じるおそれがあり,よって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
(4)商標法第4条第1項第19号の該当性について
前記(1)のとおり,引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表すものとして,一定の周知性を獲得している。また,本件商標は,「DEFIER」の文字を伴うところ,当該文字は,申立人の「CAMPER」の文字とは同じ6文字からなり,末尾の2文字(「ER」)が共通するという点て,申立人の商標を想起させるような構成からなっており,申立人の商標を意識した悪質な行為といえる。
前記に述べた事実を鑑みれば,引用商標と軌を一にした図形からなり,しかも,申立人の商標「CAMPER」に類似する文字を用いて,外観上紛らわしい商標を採択,出願した本件商標の権利者には,引用商標の有する周知,著名性へのフリーライドの意図,出所表示機能の稀釈化の意図という不正の意図があったと考えざるを得ない。そして,商標権者も,同様の商品を扱う業界人として引用商標の周知性は十分認識しうる立場にあったことは明らかである。よって,本件商標は商標法第4条第1項第19号の規定に違反して登録されたものである。
(5)結語
以上のとおり,本件商標は,指定商品「履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」との関連においては商標法第4条第1項第11号,同第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから,その登録が取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)申立人の使用に係る標章の周知性について
ア 申立人が提出した証拠によれば,以下の事実が認められる。
(ア)申立人は,130年以上前にスペインで開業した靴メーカーであり,1975年にブランド「CAMPER」を創立し,1981年にはバルセロナで初の直営店を開店したこと(甲7)。
(イ)申立人は,スペインのほか世界各国で店舗を展開しており,世界30か国以上に300店以上の直営店が存在し(甲8),我が国においては1996年からその販売を開始し(甲91),以降,全国で43店の直営店を経営していること(甲9)。
(ウ)申立人は,本件商標の登録出願日前の平成23年3月9日及び同24年4月20日を取り扱い開始日として,「CAMPER」の欧文字及び「カンペール」の片仮名(以下「申立人文字標章」という。)並びに黒色とした申立人図形標章の中に,「CAMPER」の欧文字を白抜きの太字により,文字の上部及び下部を,申立人図形標章の上辺及び下辺に沿うように等間隔で配した商標(引用商標4と同様の商標。以下「申立人結合標章」という。)が靴の写真とともに掲載していること(甲17及び甲23)。
(エ)本件商標の登録出願日前の2010年(平成22年)から2011年(平成23年)に発行されたと認められる雑誌等(甲53,甲62,甲67及び甲69)には,申立人結合標章又は申立人文字標章とともに,申立人図形標章と同様の形状を有するタグが付されている靴の写真の広告が掲載していること。
(オ)前記(エ)の雑誌を含め,本件商標の登録出願日前の2010年(平成23年)から2013年(平成25年)に発行されたと認められる雑誌等(甲44,甲46ないし甲56,甲67ないし甲72)には,申立人文字標章又は申立人結合標章とともに,靴の写真,靴を履いたモデルの写真,鞄の写真が掲載していること。
(カ)本件商標の登録出願日前に申立人結合標章又は「CAMPER」の欧文字を帆等に掲げたヨットの写真とともに当該ヨットがレースに参加する記事が掲載していること(甲58,甲62,甲76ないし甲78,甲80及び甲81)。
(キ)本件商標の登録出願日前の2008年(平成20年)から2013年(平成25年)に発行又は掲載されたインターネット上の記事等には,申立人文字標章は,スペインの靴に関する人気ブランドであり,我が国においても全国の有名百貨店及びショッピングセンター等において申立人の商品「靴」が販売されていることが紹介されていること(甲82ないし甲88,甲90,甲92及び甲93)。
(ク)なお,甲第31号証,甲第75号証,甲第96号証ないし甲103号証及び甲第105号証は,外国で発行されたものと認められ,訳文の提出がなく我が国で掲載又は発行されたものとはいうことができないから,これらの証拠からは,申立人の使用する商標が我が国で周知であることを証明するものとは認められない。
(ケ)また,申立人が提出するその余の証拠についは,その情報の掲載日が本件商標の出願日以降のものか,又は,不明なものであることから,これらの証拠からは,本件商標出願前に,申立人の使用する商標が我が国で周知であることを証明するものとは認められない。
イ 小括
以上,前記アで認定した事実によれば,申立人は,スペインで開業した靴メーカーであって,我が国においては,本件商標の登録出願前の1996年から販売を開始し,申立人の使用に係る申立人文字標章及び申立人結合標章は,商品「履物」について,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,本件商標の出願及び登録査定時において需要者の間に広く認識されていたというべきである。
しかしながら,申立人図形標章については,本件商標の出願日以前に我が国において当該標章が使用されているとする証拠は,靴の足の甲の部分に赤色の申立人図形標章の使用が認められる甲第23号証及び2010年(平成22年)から2011年(平成23年)に発効された雑誌(甲53,甲62,甲67及び甲69)が認められるが,これらについても,申立人文字標章又は申立人結合標章と併せて掲載されている靴の写真にタグとして使用されているにすぎず,また,写真に掲載された靴の撮影の角度によっては申立人図形標章の形状を細かく認識することができないものであるから,これらの証拠によっては,申立人図形標章が,本件商標の登録出願前に,商品「履物」について,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,本件商標の出願及び登録査定時において需要者の間に広く認識されていたということはできない。
(2)商標法第4条第1号第11号の該当性について
ア 本件商標について
本件商標は,別掲1に示すとおり,黒塗りの横長の長方形の下辺を弧状に湾曲させた図形内に白抜きで「DEFIER」の欧文字を横書きしてなるところ,その構成中の図形からは称呼,観念を生じるものとは認められない。
そして,本件商標の構成中の「DEFIER」の文字は,本件商標の指定商品であるファッション製品を取り扱う分野においては英語及びフランス語が比較的多く使用されていることから,英語読みの「デファイア」及びフランス語の読みの「デフィエ」及の称呼を生じるものと認める。
次に,観念については,構成中の「DEFIER」の文字は「反抗者,挑戦者」の意味を有する英語であり,「挑む」の意味を有するフランス語でもあるが,いずれも我が国において広く知られている語とは認められないことから,本件商標に接する取引者,需要者が,これより直ちに特定の観念を看取するものということはできない。
したがって,本件商標は,その構成より「デファイア」及び「デフィエ」の称呼を生じ,特定の観念は生じないものである。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1は,別掲2(1)に示すとおり,赤塗りの横長の長方形の下辺を弧状に湾曲させた図形からなるところ,その図形からは称呼,観念を生じるものではない。
(イ)引用商標2は,別掲2(2)に示すとおり,赤塗りの横長の長方形で下辺を弧状に湾曲させた図形内に「CAMPER」の欧文字を白抜きの太字で文字の上部をそろえ,文字の下部を申立人図形標章の下辺の弧状の湾曲に沿うように等間隔で配した構成からなるものである。そして,引用商標2は,その構成中の図形部分からは称呼,観念を生じるものではなく,その構成中の欧文字部分に相応して,スペイン語読みの「カンペール」及び英語読みの「キャンパー」の称呼を生じるものである。さらに,引用商標2の構成中の「CAMPER」の文字は,スペイン語としての「農夫」の意味を有するとしても(甲14,17,82など),我が国において広く知られている語とは認められず,むしろ当該文字は「キャンプする人」等の意味を有する英語として広く知られていることから,引用商標2は,その構成中の欧文字部分に相応して,「キャンプする人」の観念を生じるものである。
(ウ)引用商標3は,別掲2(3)に示すとおり,黒塗りの横長の長方形の下辺を弧状に湾曲させた図形内に「CAMPER」の欧文字を白抜きの太字で文字の上部をそろえ,文字の下部を申立人図形標章の下辺の弧状の湾曲に沿うように等間隔で配し,その下に「TWINS」の欧文字が横書きした構成からなるところ,図形及びその内部に表された「CAMPER」の文字は,引用商標2と同じ理由により「カンペール」及び「キャンパー」の称呼,「キャンプする人」の観念を生じ,さらに,「双子,対」などの意味を有する英語「TWINS」の欧文字を有することにより,前記「CAMPER」の文字より生じる称呼及び観念に加え,「カンペールツインズ」,「キャンパーツインズ」及び「ツインズ」の称呼並びに「双子」の観念を生じるものである。
(エ)引用商標4は,別掲2(4)に示すとおり,引用商標2の図形が赤塗りで表されているのに対し黒塗りで表されている点が相違するのを除き引用商標2と同一の構成からなるものであるから,「カンペール」及び「キャンパー」の称呼を生じ,「キャンプする人」の観念を生じるものである。
(オ)引用商標5は,別掲2(5)に示すとおり,引用商標2の図形が赤塗りで表されているのに対しハーフトーンで表されている点が相違するのを除き引用商標2と同一の構成からなるものであるから,「カンペール」及び「キャンパー」の称呼を生じ,「キャンプする人」の観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否について
(ア)外観について
本件商標は,図形内に「DEFIER」の欧文字が顕著に配されており,しかも,本件商標の図形部分は横長の長方形の下辺を弧状に湾曲させた比較的単純な構成よりなり,文字部分と結合し,これに接する看者に一種の輪郭的図形との印象を与えるものと認められることから,当該図形部分が看者に強い印象を与えるとはいえないものであって,取引者,需要者が「DEFIER」の欧文字を除外してその図形部分のみを分離抽出して取引に当たるとすべき特段の事情は認められない。
そうすると,本件商標と引用商標1とは,文字の有無において顕著な差異を有するから,外観上において互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。
本件商標と引用商標2,4及び5の外観とを対比すると,本件商標は図形内に「DEFIER」の欧文字が顕著に配しているのに対して,引用商標2,4及び5はいずれも図形と一体的に「CAMPER」文字を配しているものであり,これらの文字はいずれも6文字構成で末尾の2文字「ER」が共通するのみであって,語頭部において「DEFI」(「E」にはアクサンテギュが付されている。)と「CAMP」の4文字の明かな差異を有するから,外観上,互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。
本件商標と引用商標3の外観とを対比すると,両者は,引用商標3が商標全体として「TWINS」の欧文字顕著に有する点において,本件商標とは明かに差異を有するから,外観上において互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。
(イ)称呼について
本件商標から生じる「デファイア」及び「デフィエ」の称呼と引用商標から生じる「カンペール」,「キャンパー」,「カンペールツインズ」,「キャンパーツインズ」及び「ツインズ」の称呼とは,両者の構成音は明確な差異を有するから,称呼上において互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。
(ウ)観念について
本件商標と引用商標とは,本件商標が観念を生じないものであるから,観念上においては非類似の商標である。
(エ)小括
以上よりすると,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点においても,非類似の商標というべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1号第15号の該当性について
申立人文字標章及び申立人結合標章は,前記(1)イのとおり,本件商標の出願及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,需要者の間に広く認識されていたというべきであるから,本件商標が申立人文字標章及び申立人結合標章と出所の混同が生じるおそれがあるかどうかについて検討する。
本件商標と申立人文字商標とは,本件商標が図形を有し,かつ,その構成中の「DEFIER」の文字は申立人文字商標「CAMPER」又は「カンペール」の文字とは文字構成が異なるから,外観上,明確に区別可能であり,本件商標から生じる「デフィエ」及び「デファイア」の称呼と申立人文字商標から生じる「カンペール」及び「キャンパー」の称呼とは,両者が明確な差異を有するから互いに相紛れるおそれはない。そして,本件商標からは観念が生じないから,本件商標と申立人文字商標とは,観念上,類似しない。
そうすると,本件商標と申立人文字商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点においても,非類似の商標といわざるを得ない。
次に,本件商標と申立人結合商標とを比較するに,申立人結合商標は引用商標2,4及び5と同様の態様であるところ,本件商標と引用商標2,4及び5が非類似の商標であることは,前記(2)ウのとおりであるから,本件商標と申立人結合標章とも同様に,非類似の商標というべきである。
そのほか,申立人が提出する全証拠によっても,取引者,需要者が,本件商標と引用商標,申立人文字標章及び申立人結合標章とで具体的に出所の混同が生じるおそれがあると認めるに足りる証拠はない。
してみれば,本件商標をその指定商品に使用した場合,これに接する需要者が引用商標,申立人文字標章及び申立人結合標章を想起,連想して,当該商品を申立人の業務に係る商品,あるいは,同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤信するとは認められず,本件商標の出願時及び査定時において,商品の出所について混同するおそれがあるとすることはできない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)商標法第4条第1号第19号の該当性について
本件商標は,引用商標,申立人文字標章及び申立人結合標章とは,非類似の商標であることは,前記(2)ウ及び(3)のとおりであるから,本件商標が不正の目的をもって使用されるものであるか否かに論及するまでもなく,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当するものということはできない。
(5)結論
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号,同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものではない。
したがって,本件商標は,商標法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 本件商標(登録第5691507号)


別掲2 引用商標
(1)引用商標1(国際登録第788833号)
(色彩については原本参照)


(2)引用商標2(登録第4963828号)
(色彩については原本参照)


(3)引用商標3(国際登録第925554号)



(4)引用商標4(登録第4374072号)



(5)引用商標5(登録第3270094号)



異議決定日 2015-06-29 
出願番号 商願2013-98667(T2013-98667) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W2528)
T 1 651・ 261- Y (W2528)
T 1 651・ 271- Y (W2528)
T 1 651・ 262- Y (W2528)
T 1 651・ 222- Y (W2528)
最終処分 維持 
前審関与審査官 藤村 浩二 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 早川 文宏
前山 るり子
登録日 2014-08-08 
登録番号 商標登録第5691507号(T5691507) 
権利者 須貝 等
商標の称呼 デフィエール、デフィエ、デファイヤー、デファイアー 
代理人 佐々木 美紀 
代理人 勝見 元博 
代理人 田中 光雄 
代理人 鮫島 睦 
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