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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W0305
審判 一部申立て  登録を維持 W0305
審判 一部申立て  登録を維持 W0305
審判 一部申立て  登録を維持 W0305
管理番号 1303157 
異議申立番号 異議2014-900251 
総通号数 188 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-08-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-09-10 
確定日 2015-07-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第5677527号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5677527号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5677527号商標(以下「本件商標」という。)は、「Perfecthalal」の文字と「パーフェクトハラル」の文字を二段に書してなり、平成25年12月18日に登録出願され、第3類「口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」及び第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,乳幼児用粉乳,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」を指定商品として、同26年4月22日に登録査定、同年6月13日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、 本件商標はその指定商品中の第3類「口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,化粧品,香料,薫料」及び第5類「薬剤,乳幼児用粉乳,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」についての登録が商標法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証を提出した。
(1)商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号について
ア 本件商標について
本件商標の構成中「Perfect/パーフェクト」の文字は「理想的な、完全な」の意味を有し、「halal/ハラル」の文字は「イスラムの戒律に従って処理された宗教的に合法なもの」を意味するものである。
イ 「halal/ハラル」について
ハラルは、「イスラム法で許された項目」を意味するもの(甲2)であり、直接又は間接的にムスリムが消費・利用するものはすべてハラルの対象であることから、飲食料品、医薬品、化粧品、それらの中間原料、原材料等も対象となる(甲3,4)。
イスラム法の下では、豚肉を食べることが禁じられていることから、ハラルは主として食べ物を意味するイメージが強い。しかし、豚を禁忌とするのは、食肉に限らず、豚に由来する酵素やたんぱく質にまで及ぶため、医薬品や化粧品等にも適用されるものであって、サウジアラビア、イラン、インドネシア等では法律的に禁止されているところでもある(甲2)。とりわけ、現代の製薬や化粧品業界においては触媒等に豚由来の酵素等が用いられることが多く、ムスリムにとって、医薬品・化粧品等が、ハラルなのかハラム(口にすることを禁止されているもの)かを見極めることは極めて重要課題であり、「ハラル」の語はイスラム教に従った合法的なものか否かを表す語として、医薬品・化粧品の分野においても認識される語となっている。
ウ 医薬品業界における「halal/ハラル」の語の使用について
実際、医薬品業界において「halal/ハラル」に関する意識、認識は非常に高く、タケダ薬品工業に見られるように、ハラル対応を行う企業が存在する(甲5,6)。
エ 化粧品・せっけん類に関する「halal/ハラル」について
化粧品の分野においても「ハラル」認証の要求は高く、日本国内でも強化委員会が開かれるほどである(甲7)。また、ロート製薬が「ハラル認証を取得したリップクリームの販売を開始」(甲8)したように、化粧品の分野においても「ハラル認証」の取り組みが日本企業によっても行われている。日本国内の取引実情を鑑みても、「HALAL」の認証を受けた「ボディオイル」「乳液」「ローション」「エッセンシャルオイル」等が販売されている(甲9)うえ、「ハラル」の認証を受けた石鹸類についても取引がなされている(甲10,11)。
オ 異議申立てに係る指定商品への使用について
上述のとおり、「halal/ハラル」認証は、申立てに係る指定商品をも対象としており、又は「ハラル」の対象項目に「食べ物、飲料」が含まれるから、本件商標を申立てに係る指定商品に使用した場合には、「完全にイスラムの戒律に従って処理された商品」の意味合いを認識させるものにとどまるため、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認められる。
したがって、本件商標は、これらの商品との関係において,商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、「完全にイスラムの戒律に従って処理された商品以外の申立てに係る指定商品に使用する際には,商品の品質に誤認を生じさせるおそれがあるため、同法第4条第1項第16号に該当する。
なお、本件と同一出願人によって、本件商標と同一の態様からなる商標について、第29類及び第30類に属する商品を指定した登録出願がなされたが、特許庁にて、「完全にイスラムの戒律に従って処理された商品であることを認識させるにとどまる」ゆえ、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶査定されている(甲12)。本件とこの登録出願では、指定商品が異なるものの、いずれも食品を対象としている点において共通する。したがって、本件もこれと同様の判断がなされるべきと思料する。
(2)商標法第4条第1項第11号について
上述のとおり、本件商標が商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に該当すると確信するが、仮にかかる判断が当てはまらない場合であっても、本件商標は、別掲のとおりの構成からなる国際登録第1127699号商標(以下「引用商標」という。)と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当すると考える。
ア 引用商標の周知性について
申立人は、2005年にフランス国にて設立された薬剤を取り扱う企業であるところ、2007年より、引用商標を薬剤に付して使用しているものである。その使用は、フランス国内のみならず、欧州域内、ホンジュラス、アルゼンチンをはじめとする南米諸国及び韓国等、諸外国において広く認識された商標である(甲14)。
イ 本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標は、欧文字「Perfectha」から始まる語を有する点で共通する。引用商標は、需要者の間に指定商品「薬剤」との関係において広く認識された商標であるところ、かかる引用商標と他の文字が結合した本件商標は、引用商標と類似するものと判断されるべきものである。引用商標「Perfectha」は造語であって既成の語の一部をなすものではないことから、本件商標が引用商標と類似すると判断されるべきものであることは明らかである。
したがって、本件商標は、引用商標と類似の商標であって、その指定商品は引用商標の指定商品を含むものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 当審の判断
(1)申立人提出の甲各号証、同人の主張及び職権調査によれば次の事実が認められる。
ア 「HALAL(halal)」及び「ハラ(ー)ル」の語は、「イスラム法で認められたもの(こと)」などの意味を有し、我が国においても、イスラム法上合法であることを宣言する「ハラール認証」を行っている機関があり、飲食料品、医薬品、化粧品も「ハラール認証」の対象となっている(甲2?4)。
イ 我が国でも、ハラ(ー)ル対応の化粧品、せっけん、シャンプーが「HALAL(ハラール化粧品)」「ハラール石鹸」「美容液ハラールシャンプー」と称して販売等され、また、商品の紹介に「ハラール認証を取得しました。」と記載されたものがある(甲9?11)。
ウ 申立人が周知であるとして引用する国際登録第1127699号商標(引用商標)については、これが使用されている商品は確認できず、また該商標が使用されている商品の我が国における販売実績も販売の有無を含め確認できない。
(2)商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号の該当性について
本件商標は、前記1のとおり、「Perfecthalal」と「パーフェクトハラル」の文字からなり、各構成文字は、同じ書体、同じ大きさにより等間隔をもってまとまりよく一体に表され、これから生じる「パーフェクトハラル」の称呼も、格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標は、たとえ、その構成中の「halal」及び「ハラル」の文字が「イスラム法で認められたもの(こと)」などの意味を有し、ハラ(ー)ル対応の化粧品、せっけん、シャンプーが販売等されているとしても、本件商標の上記の構成及び称呼においては、看者をして「halal」及び「ハラル」の文字部分を分離、抽出し、上記の意味を認識されることなく、むしろ、「Perfecthalal」及び「パーフェクトハラル」の各構成文字全体をもって、特定の観念を生じない一体不可分の造語を表したものとして認識、把握されるとみるのが相当である。
さらに、職権をもって調査するも、「Perfecthalal」及び「パーフェクトハラル」の文字が、本件商標の申立てに係る指定商品の品質等を表示するものとして使用されている実情は発見できないし、商品の品質等を表示するものと認識されるというべき事情も発見できなかった。
そうすると、本件商標は、これをその申立てに係る指定商品に使用しても、商品の品質を表示するものでなく、自他商品識別標識としての機能を果たし得るものといわなければならない。
また、本件商標が申立てに係る指定商品の品質を表示するものといえないものであるから、本件商標は、これをその申立てに係る指定商品に使用しても商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものともいえない。
したがって、本件商標は、その申立てに係る指定商品について商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号のいずれにも該当しない。
(3)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、「Perfecthalal」と「パーフェクトハラル」の文字からなるところ、各構成文字は、上記(2)において認定したとおり、それぞれが全体をもって、特定の観念を生じない一体不可分の造語を表したものとして認識、把握されるとみるのが相当であり、これよりは、「パーフェクトハラル」の称呼が生じるものである。
申立人が本号に該当するとして引用する国際登録第1127699号商標(引用商標)は、別掲のとおり、「Perfectha」の文字と図形とからなり、該文字に相応し「パーフェクサ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
また、引用商標は、上記(1)ウからすれば、他人(申立人)の業務に係る商品を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
そこで、本件商標と引用商標とを比較すると、それぞれの構成は上記のとおりであり、両者は、外観において判然と区別し得るものであり、また、「パーフェクトハラル」の称呼と「パーフェクサ」の称呼においても明確に聴別し得るものである。さらに、両商標は、いずれも特定の観念が生じるものではないところ、相紛れるような特段の事情は見いだせない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
その他、本件商標と引用商標とが類似するとすべき理由は見いだせない。
したがって、本件商標は、その申立てに係る指定商品について商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、その指定商品中の本件登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第3条第1項第3号並びに同法第4条第1項第11号及び同項第16号のいずれにも違反して登録されたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
引用商標


異議決定日 2015-06-25 
出願番号 商願2013-99283(T2013-99283) 
審決分類 T 1 652・ 262- Y (W0305)
T 1 652・ 272- Y (W0305)
T 1 652・ 261- Y (W0305)
T 1 652・ 13- Y (W0305)
最終処分 維持  
前審関与審査官 津金 純子 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 手塚 義明
酒井 福造
登録日 2014-06-13 
登録番号 商標登録第5677527号(T5677527) 
権利者 オンブルー株式会社
商標の称呼 パーフェクトハラル、パーフェクトハラール 
代理人 豊崎 玲子 

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