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審決分類 審判 全部無効 称呼類似 無効としない W03
審判 全部無効 観念類似 無効としない W03
審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効としない W03
審判 全部無効 外観類似 無効としない W03
管理番号 1303105 
審判番号 無効2014-890089 
総通号数 188 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-08-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2014-11-26 
確定日 2015-07-06 
事件の表示 上記当事者間の登録第5591492号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5591492号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、「ジェンヌコスメ」の片仮名及び「jennecosme」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成24年12月5日に登録出願、第3類「化粧品」を指定商品として、同25年4月5日に登録査定、同年6月21日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
請求人が請求の理由において引用する商標(以下、これら商標を総称して「引用商標」という。)は、以下のとおりであって、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第982172号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ジェンヌ」の片仮名を横書きしてなり、昭和46年3月4日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に掲載のとおりの商品を指定商品として、同47年9月27日に設定登録、平成15年7月2日に指定商品を第3類「せっけん類(薬剤に属するものを除く),歯みがき,化粧品(薬剤に属するものを除く),香料類」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第3243034号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ジェンヌ」の片仮名及び「JENNE」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成6年6月21日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品」を指定商品として、同8年12月25日に設定登録されたものである。
(3)登録第5289876号商標(以下「引用商標3」という。)は、「JENNE」の欧文字及び「ジェンヌ」の片仮名を二段に横書きしてなり、平成21年2月3日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き,つけづめ,つけまつ毛,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつげ用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,シャンプー,浴用化粧品,毛髪用着色剤,化粧落とし剤,脱色剤(化粧用のもの),脱毛剤,メイクアップ用化粧品,制汗用化粧品,バスソルト(医療用のものを除く。),痩身用化粧品,整髪料,ヘアコンディショナー」及び第21類「化粧用具,香炉,ろうそく消し及びろうそく立て(貴金属製のものを除く。),デンタルフロス,洋服ブラシ,靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー」を指定商品として、同21年12月25日に設定登録されたものである。
(4)登録第5641477号商標(以下「引用商標4」という。)は、「jenne」の欧文字を横書きしてなり、平成25年8月20日に登録出願、第3類「せっけん類,香料,薫料,化粧品,歯磨き,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、同26年1月10日に設定登録されたものである。

第3 請求人の主張の要点
請求人は、本件商標の登録は無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第77号証を提出した。
1 請求人の使用する引用商標の著名性
(1)請求人の「jenne(ジェンヌ)」製品の歴史
ア 請求人は、1940(昭和15)年5月に設立され(なお、請求人の前身である「長瀬商店」の創業は1887年である。)、化粧品、スキンケア・ボディケア製品、ヘアケア製品やヘアスタイリング剤、健康機能性食品・飲料、サニタリー製品、オーラルケア製品、入浴剤、衣料用洗剤や柔軟仕上げ剤等のファブリックケア製品、食器用洗剤、住居用洗剤等のホームケア製品を中心に扱う、わが国で屈指の総合日用品メーカーである(甲第11号証)。同時に、これら日用品に加えて、油脂関連製品をはじめ、それを原料とする、油脂誘導体や界面活性剤、高機能ポリマー、香料など、多岐にわたる工業用製品も扱い、幅広い事業を展開する巨大企業である。
イ 請求人の主力事業の一つとして、女性用化粧品の開発及び販売があり、その中でも請求人は特に、一般消費者層を対象とした価格設定が手頃な、ドラッグストアなどで購入できる化粧品の販売に力を入れている。そのような中で請求人は2010年9月から、20歳前後の女性をコアターゲットとした化粧品として「SOFINA jenne(ソフィーナ ジェンヌ)」を発売した。「ソフィーナ」は1980年代に請求人が発売した女性用化粧品のブランド名であり、年代別や用途別に対応して、「SOFINA beaute(ソフィーナ ボーテ)」「GRACE SOFINA(グレイスソフィーナ)」「ALBLANC(アルブラン)」などのラインが展開されながら、「ソフィーナ」ブランドは20代から50代の女性の間で安定した人気を保っている(甲第12号証)。
ウ この「ソフィーナ」ラインにおいて、特に20代の女性をターゲットとする製品として「jenne(ジェンヌ)」は新たに2010年に発売された(甲第13号証)ものであり、現在では、20代の女性が愛用する化粧品の一つとして広く知られている(甲第14号証)。
(2)「jenne(ジェンヌ)」製品の販売について
「jenne(ジェンヌ)」製品の累計出荷本数は、2010年9月から2014年1月までの期間において、389万2,732本となっている。特に請求人は、「jenne(ジェンヌ)」製品のドラッグストアでの販売を積極的に行っており、2013年下期の出荷実績は、ドラッグストアで12,331店となっている。「jenne(ジェンヌ)」製品は、ドラッグストア総合店数である1万7,144店(甲第18号証)の7割以上に出荷されていることとなる。
また、2013年下期の総合スーパーでの出荷実績は、1,117店であり、2013年下期の出荷実績は合計13,448店となっている(甲第17号証)。
加えて、請求人は「jenne(ジェンヌ)」の店頭プロモーションを定期的に行っている。
(3)「jenne(ジェンヌ)」の宣伝広告活動
請求人は、「jenne(ジェンヌ)」に関して、以下のとおり、2010年の発売以降、テレビ広告、雑誌広告等の販売促進活動に多大な資金を投入してきた。
ア テレビコマーシャル
テレビコマーシャルについては、請求人は「jenne(ジェンヌ)」に関して、2010年には約1億9千万円、2011年には約1億5千万円、2013年には約1億円の費用をテレビコマーシャルに費やしている(甲第19号証)。
イ 受賞歴
「jenne(ジェンヌ)」シリーズにおいては、「ソフィーナジェンヌ ジェル乳液」が主力製品として最も積極的に展開されており、その結果、同製品は発売約2カ月で、「2010年アットコスメ ベストコスメ大賞」の第3位を獲得した(集計期間は2009年11月から2010年10月である。)(甲第20号証)。
ウ イベント
「jenne(ジェンヌ)」の販売促進活動の一環として、2012年6月には名古屋駅構内のイベントスペース、渋谷パルコ前イベント会場及び大阪阪急ビックマン前イベントスペースにて、肌チェックなどを行いながら、それぞれ約600万円の費用をかけたイベントが行われた。イベント期間はそれぞれ半日という短時間であったにも関わらず、東京では約180名、名古屋では約120名、大阪では約150名の参加者があり、「jenne(ジェンヌ)」の注目度の高さが分かる。
エ 宣伝広告費
請求人は「jenne(ジェンヌ)」について多大な宣伝広告費用を費やしている。株式会社博報堂より、請求人が同製品に関して2010年7月から2014年3月までの期間に行った広告宣伝活動にかかる総額が6億315万2千円と報告がされた(甲第19号証)。
オ 雑誌広告
請求人は、20代の女性に人気のファッション雑誌において、「jenne(ジェンヌ)」のタイアップ広告を行っている。2010年から2013年までの間で、「NON・NO」、「SPRING」、「PRETTY STYLE」、「CanCam」、「Steady」、「Mina」、「美的」及び「マキア」の雑誌において、「jenne(ジェンヌ)」のタイアップ広告が合計28回掲載された(甲第21号証ないし甲第40号証)。
タイアップ広告の他にも、「jenne(ジェンヌ)」に関して雑誌広告が多数、掲載された(甲第41号証ないし甲第49号証)。
(4)小括
「jenne(ジェンヌ)」製品は、2010年に発売以来、請求人がテレビコマーシャル等での宣伝広告活動や、最大の販売チャンネルであるドラッグストアなどでの販売活動を積極的に行った結果、一般消費者の間で認知度の高い商品となっており、本件商標の登録出願時である平成25(2013)年12月5日当時には、引用商標は、請求人が化粧品に使用する商標として、日本において高い周知・著名性を有するものとなっていた。
2 本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標の前半部の「ジェンヌ」及び「jenne」の文字部分は、請求人が「化粧品」に使用して著名な商標と同一の文字からなり、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分であるので、当該「ジェンヌ」及び「jenne」の文字部分を本件商標の要部として抽出し、引用商標との類否判断を行うべきものと考えられる。さらに、後半部の「コスメ」及び「cosme」の文字部分は、自他商品識別力が無いか若しくはきわめて弱い語であるから、かかる観点からしても、本件商標と引用商標との類否判断においては、本件商標の構成部分の一部である前半部の著名な「ジェンヌ」及び「jenne」の文字部分を要部として抽出し、識別力の無い後半部の「コスメ」及び「cosme」の文字部分を捨象して引用商標と比較すべきである。
そこで、引用商標と本件商標との類否について検討すると、引用商標は、いずれも「ジェンヌ」の称呼が生じ、かつ、「jenne」の文字はフランス語で「娘」を意味することから、「娘」の観念が生ずる。さらに、請求人が「化粧品」に使用して周知・著名な「ジェンヌ」の観念が生じる。
他方、本件商標は、前半部の「ジェンヌ」及び「jenne」の文字部分が要部といえるから、かかる部分より「ジェンヌ」の称呼をも生じる。また、前半部の「ジェンヌ」の文字部分は、請求人らが化粧品に使用して周知・著名な引用商標「ジェンヌ」及び「jenne」と同一の文字からなることから、取引者、需要者に請求人の化粧品「jenne(ジェンヌ)」を強く連想させる。
そうすると、結合商標である本件商標は、その構成中、前半部分の「ジェンヌ」及び「jenne」の文字部分が要部となり、そこから「ジェンヌ」の称呼をも生ずるだけでなく、そこから請求人が化粧品に使用して周知・著名な「jenne(ジェンヌ)」の観念が生じることから、請求人が化粧品に使用して周知・著名な引用商標と称呼及び観念において類似する。
また、本件商標に係る指定商品中の「化粧品」は、引用商標の指定商品中の「化粧品」と同一又は類似である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は、その構成文字から「ジェンヌ」の称呼が生じ、請求人が化粧品に使用して周知・著名な「ジェンヌ」との観念が生じる。他方、本件商標は片仮名の「ジェンヌコスメ」及び「jennecosme」よりなり、「コスメ」及び「cosme」の部分の自他商品識別力が極めて弱い部分であり、前半部分の「ジェンヌ」及び「jenne」が要部となるといえるから、かかる部分より「ジェンヌ」の称呼をも生じる。また、前半部分の「ジェンヌ」の文字は、請求人らが化粧品に使用して周知・著名な引用商標と同一の文字からなることから、取引者、需要者に請求人の化粧品「ジェンヌ」及び「jenne」を強く連想させる部分でもある。
そうすると、本件商標は、請求人が化粧品に使用して周知・著名な引用商標と類似することは明らかであり、本件商標に接した需要者は、請求人が化粧品に使用して周知・著名な「ジェンヌ」又は「jenne」を容易に想起させ、「ジェンヌ」及び「jenne」の化粧品と関連のある商品であるかのごとく、その商品の出所について混同するおそれが極めて高いといえる。
なお、周知・著名な商標と同一の文字と自他商品識別機能を発揮しない文字との結合商標では、当該周知・著名商標と誤認・混同するおそれが高いということは、審決例においても認められている(甲第71号証ないし甲第77号証)。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 結論
以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号に基づき、その登録を無効とすべきものである。

第4 被請求人の答弁の要点
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第113号証(枝番を含む。)を提出した。
1 本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)引用商標4について
引用商標4は、平成25年8月20日に登録出願されているので、本件商標の登録出願日である平成24年12月5日より前の登録出願に係る登録商標ではない。
(2)商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否の判断基準について
商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否は、同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものであり(最高裁昭和39年(行ツ)第110号昭和43年2月27日第三小法廷判決参照)、複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて、商標の構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、(a)その部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、(b)それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などを除き、許されないというべきである(最高裁昭和37年オ第953号昭和38年12月5日第一小法廷判決、最高裁平成3年(行ツ)第103号平成5年9月10日第二小法廷判決、最高裁平成19年(行ヒ)第223号平成20年9月8日第二小法廷判決参照)。
すなわち、商標法第4条第1項第11号類否判断は、全体観察が原則であり、要部観察は(a)及び(b)に該当する例外的な場合のみである(乙第1号証)。
(2)本件商標について
本件商標は、その構成中、「ジェンヌ」の文字は、タカラジェンヌの略であり、元タカラジェンヌが関連する商品や役務について、「フットジェンヌ」、「ジェンヌ式マナー」、「ジェンヌ・スタジオ」、「ジェンヌVBM」など、他の語と組み合わせた造語により使用されているものである(乙第10号証ないし乙第15号証)。また、「ジェンヌ」の文字は、タカラジェンヌのみならず、パリジェンヌ(Parisienne)」(英語でパリ女;乙第16号証)の構成部分として女性を連想することから、他の語と組み合わせた造語により、「ヘアジェンヌ」、「スクールジェンヌ」、「美魔ジェンヌ」など、女性関連の商品等に使用されているものである(乙第17号証ないし乙第24号証)。
このように、本件商標の構成中の「ジェンヌ」の文字部分は、独立して観察された場合に、商品の内容を具体的に認識させることはなく、その意味合いから他の語と結合して具体的な商品の内容を表すものとして、他の語と結合しやすい性質を有しているものである。この語は、他の語と強く結合し一定の意味合いを生じるものであり、本件商標においても、「ジェンヌ」と「コスメ」の両語の強い結合により、特定の意味合いを生じるものとして一連一体となって出所識別機能を果たす語であるといえる。
また、本件商標の構成中、「jenne」の文字部分は、被請求人が上述のようなジェンヌの語感を欧文字にあてた造語であり、独立して観察された場合に、商品の内容を具体的に認識させることはなく、この語も、他の語と強く結合し一連一体となって出所識別機能を果たす語であるといえ、「jenne」の文字と「cosme」の文字は一連一体となって出所識別機能を果たす語であるといえる。
以上のとおりであるから、本件商標は、一連一体であることが明らかである。
(3)引用商標の周知・著名性について
取引者、需要者は、以下のとおり、請求人商品を、「ジェンヌ」又は「jenne」のみの語では認識しておらず、「SOFINA」又は「ソフィーナ」の文字を要部として「ジェンヌ」又は「jenne」の文字と密接不可分の語として認識していること、また、請求人商品は、被請求人の本件商標の登録出願時及び登録査定時には、需要者に浸透していなかったことから、「ジェンヌ」及び「jenne」の文字に、周知・著名性はなく、取引者、需要者に対し、請求人の商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合に該当しない。
したがって、本件商標の構成中の「ジェンヌ」及び「jenne」の文字部分を要部として取り出して類否判断すべきではない。
ア 請求人の使用商標
請求人が引用商標の著名性を立証しようとして提出している証拠方法で使用されている商標は、引用商標ではなく、「SOFINA jenne」、「ソフィーナ ジェンヌ」及び「ソフィーナジェンヌ」の商標である。
請求人がその著名性を立証しようとする甲第12号証ないし甲第14号証及び甲第20号証ないし甲第49号証においては、請求人商品を指す表示として、引用商標がそのままの形状で単独で使用されているのではなく、「SOFINA jenne」(欧文字「SOFINA」は全て大文字でフォントが大きく、欧文字「jenne」は全て小文字でフォントが小さく、「SOFINA」と「jenne」の間に間隔がある。)というように「jenne」(欧文字)のフォントを「SOFINA」(欧文字で全て大文字)のフォントよりも小さくし、「SOFINA」と組み合わせて「SOFINA」を目立たせた上で、その一体性を持たせた表示や、「ソフィーナ ジェンヌ」(全て仮名文字で同じ大きさ、「ソフィーナ」と「ジェンヌ」の間に間隔がある。)や「ソフィーナ ジェンヌ」(すべて仮名文字で同じ大きさ、「ソフィーナ」と「ジェンヌ」の間に間隔がない。)など、同じく、「ソフィーナ」と「ジェンヌ」の一体性を持たせた表示が使用されていることから、引用商標の著名性自体は立証されていない。
これらは、請求人が、請求人商品を、単なる「ジェンヌ」、「ジェンヌ/JENNE」又は「JENNE/ジェンヌ」ではなく、「SOFINA jenne(ソフィーナ ジェンヌ)」として、1980年代から「ソフィーナ」(片仮名)及び「SOFINA」(欧文字で全て大文字)と表記して発売しているシリーズの一環として、2010年9月に発売したものであることから、30年間にわたり発売している「ソフィーナ」及び「SOFINA」の商標の識別力を利用するために、「SOFINA」のフォントを大きくし「SOFINA」を要部として表記しているものである。
また、「ソフィーナ」及び「SOFINA」の識別力と上記証拠における商標の使用は、「ジェンヌ」・「jenne」がタカラジェンヌやパリジェンヌの語尾から派生した文言の意味を鑑みれば、これらの証拠で使用する「SOFINA jenne(ソフィーナ ジェンヌ)」は、「ソフィーナを使用する女性」という観念の、「ソフィーナジェンヌ」という称呼を生ずる、「ソフィーナ ジェンヌ」という一体としての商標の使用であり、仮に要部観察をするとしても、むしろその要部は「ソフィーナ」の部分であり、恣意的にこれを分解し、「ジェンヌ」という部分の商標部分が著名性を有するという請求人の主張に根拠がないことは明らかである。
なお、「SOFINA jenne」の「jenne」は、引用商標4を利用しているものと思われるが、前述のとおり、引用商標4は、本件商標の登録出願日より前の登録出願に係る登録商標ではないので、本件商標が引用商標4との関係で商標法第4条第1項第11号違反となることはない。ただし、引用商標4の周知・著名性も、後述の同法第4条第1項第15号違反に関して争点となることから、引用商標4に周知・著名性がないことは合わせて主張する。
イ 引用商標の使用実績
(ア)請求人は、請求人商品を約3年5ヵ月もかけてようやく389万2732本出荷したにすぎない。しかも、請求人商品の販売期間は、被請求人の本件商標の登録出願時である平成24(2012)年12月当時は、約2年4か月しか経ておらず、また、被請求人の本件商標の登録査定時である平成25(2013)年4月当時もまだ約2年8ヵ月しか経ておらず、各年の出荷数や売上高は明らかではない。
したがって、請求人商品は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、その取引者、需要者の間に浸透しているとはいえない状態であり、引用商標は周知、著名な商標に至っていなかった。
(イ)請求人は、請求人商品発売時の平成22(2010)年9月から、宣伝広告活動を実施してきたと主張しているが、甲第19号証(「博報堂広告統計ADS:六媒体汎用集計」)によれば、その発売時を含めた半年間(平成22(2010)年7月から同年12月)に費やした広告宣伝費は約2億4,200万円であるとはいえ、翌年の平成23(2011)年の1年間の広告宣伝費は、約2億2,400万円にすぎず、もはや前年の半年分の広告宣伝費に満たない額である。しかも、本件商標の登録出願時を含む平成24(2012)年の1年間の広告宣伝費は、約1,100万円と激減し発売時の約4%しか費やしておらず、テレビコマーシャルは皆無であり、雑誌への掲載も同年1月から6月まではわずか4頁で、同年7月から12月までは皆無である。本件商標の登録査定時を含む半年間である平成25(2013)年1月から同年6月までの広告宣伝費も、わずか約1,700万円と発売時の約7%にすぎず、テレビコマーシャルは皆無であり、雑誌への掲載もわずか6頁である。また、いずれの期間も、新聞・ラジオの出稿はなく、イベントは、2012年6月に、東京、名古屋及び大阪という限られた地域でわずか1回ずつ半日行っただけである。
したがって、請求人商品が本件商標の登録出願時及び登録査定時に需要者に浸透していないことは明らかであり、引用商標は周知、著名な商標に至っていなかった。
(ウ)請求人は、請求人商品が、「2010年アットコスメ ベストコスメ大賞」3位を受賞したと主張しているが、総合部門で受賞したわけではなく(乙第54号証)、乳液部門で受賞したにすぎず、乳液以外の請求人商品は、メイク落とし、洗顔料、化粧水などの各部門で受賞していないこと(乙第55号証ないし乙第57号証)、及び、平成23(2011)年ないし平成25(2013)年においては乳液部門でさえ受賞していないこと(乙第58号証ないし乙第60号証)から、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、請求人商品が浸透していたとは認められず、引用商標は周知、著名な商標に至っていなかった。
(エ)請求人は、審判決例(甲第51号証ないし甲第59号証)や特許庁の審査基準「第1、九、6(6)」を指摘して、本件商標の要部が「ジェンヌ」ないし「jenne」であると主張しているが、それら審判決例等は商標が周知・著名であることが前提であり、本件商標の場合は、引用商標が周知・著名商標ではないので、同一に論じることはできない。
(3)「コスメ」及び「cosme」の識別力
「コスメ」は、広辞苑第六版には、「コスメチックの略。化粧品全般を指す」として掲載されているが、岩波国語辞典第7版や日本国語大辞典には、「コスメチック」は掲載されているものの、「コスメ」は、掲載されていない(乙第65号証ないし乙第67号証)。
また、「コスメチック」さえ化粧品を指すものとして我が国において一般的に認識されているとまではいえないことから、当然、「コスメチック」の略であるコスメが化粧品を指すものとして、我が国において一般的に認識理解されているとまではいえない(乙第68号証ないし乙第70号証)。
したがって、本件商標の構成中の「コスメ」の文字部分には自他商品識別機能があり、かかる語の部分のみが捨象される理由はなく、本件商標の一部である「ジェンヌ」のみによって識別されるということはなく、「cosme」の文字部分にも自他商品識別機能がある。
(4)本件商標と引用商標との類否判断
ア 外観・称呼
本件商標は、「ジェンヌコスメ」の片仮名と「jennecosme」の欧文字とを二段に横書きしてなるものである。下段の欧文字は全て小文字であり、また、上段の片仮名及び下段の欧文字は、いずれも同じ大きさの文字で、その文字の間隔も離れておらず、同じ書体で同じ長さの幅に揃えられており、上下の間隔も近く一連に表記したものであり、その音数も7音と短く、その称呼も「ジェンヌコスメ」と淀みなく一連に称呼できるものであることから、本件商標に接した取引者、需要者は、これを一連一体に認識するものである。
また、本件商標の構成部分のうち、上段に位置する片仮名部分は、同じ書体、同じ大きさにより、一連に「ジェンヌコスメ」と表されているものであって、下段に位置する欧文字部分の読みを特定するものとして無理なく理解できることから、本件商標は、自然の称呼として「ジェンヌコスメ」の称呼のみ生じるものである。
他方、引用商標1は、「ジェンヌ」の片仮名を横書きで表記した外観であり、「ジェンヌ」の称呼を生じることから、本件商標と引用商標1は、外観及び称呼において類似しない。
引用商標2は、「ジェンヌ」の片仮名と「JENNE」の欧文字(全て大文字)とを二段に横書きしてなるものであり、「ジェンヌ」の称呼を生じることから、本件商標と引用商標2は、外観及び称呼において類似しない。
引用商標3は、「JENNE」の欧文字(全て大文字)と「ジェンヌ」の片仮名とを二段に横書きしてなるものであり、「ジェンヌ」の称呼を生じることから、本件商標と引用商標3は、外観及び称呼において類似しない。
さらに、引用商標4は、前述のとおり、本件商標の登録出願時には未だ出願されていないが、念のため、付言すると、「jenne」の欧文字(全て小文字)を横書きしてなるものであり、「ジェンヌ」の称呼を生じることから、本件商標と引用商標4は、外観及び称呼において類似しない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観及び称呼において類似しない。
イ 観念
本件商標は、大正3年(1914年)から第1回公演が始まり100年を超えて公演を続け全国にファンがいる宝塚歌劇団の生徒の愛称としてのタカラジェンヌという言葉が広く日本に浸透していることや(乙第2号証ないし乙第8及び乙第71号証ないし乙第75号証)、パリジェンヌの構成部分であるジェンヌの語感と他の語を組み合わせていることから、「タカラジェンヌに関連するコスメ又は化粧品」や「女性に関するコスメ又は化粧品」などという観念が生じる。
他方、引用商標は、「ジェンヌ」、「JENNE」又は「jenne」の文字のみであり、これらに何らかの意味を持たせるような他の語を組み合わせていないことから、特定の観念は生じない。
したがって、本件商標と引用商標は、観念において類似しない。
ウ 取引の実情等
被請求人は、本件商標の使用を他者に許諾し、該使用権者は、インターネットのホームページに本件商標を表示しているところ(乙第9号証)、上段に「ジェンヌコスメ」の片仮名を表記し、下段に「jennecosme」の欧文字(全て小文字)を表記し、二段に横書きしてなり、下段の欧文字はすべて小文字であり、また、上段の片仮名及び下段の欧文字は、いずれも同じ大きさで、その文字の間隔も離れておらず、同じ書体で同じ長さの幅に揃えられており、上下の間隔も近く、一連に表記したものであり一連一体に表記している。
他方、請求人は、引用商標をそのまま表記して使用することはなく、欧文字「SOFINA jenne」(「SOFINA」(全て大文字)のフォントを「jenne」(すべて小文字)のフォントよりも大きく表示)ないし「ソフィーナ ジェンヌ」などと表記して使用しており(甲第12号証ないし甲第14号証、甲第20号証及び甲第25号証ないし甲第29号証)、広告業界や雑誌業界においても同様に表記して使用していることから(甲第19号証、甲第21号証ないし甲第49号証及び乙第33号証ないし乙第53号証)、需要者や取引者は、より識別力がある「SOFINA」又は「ソフィーナ」の文字と分離して、引用商標のみを単独で認識することはない。
エ 小括
以上のとおり、外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象や連想等を総合し、また、商品にかかる取引実情を踏まえつつ、全体的に考察すると、本件商標と引用商標は類似しないことは明らかである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は、前述のとおり、著名性・周知性に欠けていることが明らかであること及び本件商標と引用商標が類似しないことが明らかであることから、本件商標及び引用商標に係る商品の取引者や需要者は、取引に当たり、本件商標が付された商品と引用商標が付された商品の出所を誤認混同することはないことが明らかである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当しない。
なお、請求人が指摘する審決例も、本件商標と同一に論じることはできない。
3 結論
以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当しないことが明らかである。
よって、本件審判の請求は成り立たない。

第5 当審の判断
1 引用商標の周知・著名性について
(1)請求人は、引用商標について、本件商標の登録出願時には、請求人が化粧品について使用する商標として周知・著名になっていた旨主張し、証拠を提出しているので、該証拠について検討する。
ア 甲第13号証は、請求人による2010年6月21日付「News Release」の写しと認められるところ、その内容は、「ソフィーナから、20代の肌のための新スキンケアシリーズ誕生『ソフィーナ ジェンヌ』新発売」との表題の下に新発売の商品について説明するものである。
上記説明においては、「このたび新発売の『ソフィーナ ジェンヌ』は、肌内部の不足しがちな・・・」等の記述があるほか、「商品名/内容量/価格」の項には「ソフィーナ ジェンヌ」と表示され、「商品特長」の項には<ソフィーナ ジェンヌ ジェル乳液>、<ソフィーナ ジェンヌ 化粧水>、<ソフィーナ ジェンヌ デイプロテクター>等と表示されていることが認められるものの、「ジェンヌ」、「JENNE」又は「jenne」の文字のみが単独で表示されることはない。
なお、「ネーミング」の項には、「『SOFINA jenne』(ソフィーナ ジェンヌ)の『jenne』は、パリジェンヌ(Parisienne:パリっ娘)のような、”ソフィーナの若い女の子”を意味する造語です。」との記述がみられる。
イ 甲第12号証は、2014年10月6日にプリントアウトされた請求人のウェブページの写しと認められるところ、ページの左上隅には、「SOFINA」の文字を大きく表示し、その右側に、二段に表された小さな「ジェンヌ」及び「jenne」の文字を配した構成からなる標章(以下、二段表記部分を「ジェンヌ/jenne」と記載する。)が表示され、「乳液するの好きになっちゃった!」の表題下に商品の説明がされている。上記標章と略同様の標章は、ページのやや下方の囲みの中にも表示されている。また、「ソフィーナジェンヌTOP」の表示がみられるものの、「ジェンヌ」、「JENNE」又は「jenne」の文字のみが単独で表示されていない。
ウ 甲第14号証は、請求人の発行に係る2012春夏版の商品カタログの写しと認められるところ、第1ページの左側に「潤う、20代。」、「SOFINA」、「jenne」及び「ジェンヌ」の文字が4段に表示されている。「jenne」及び「ジェンヌ」の文字は「SOFINA」の文字よりも小さく表示されている。最終ページの左側の囲み中には、「ソフィーナジェンヌは、20代の肌の特性に合わせた・・・。『SOFINA ジェンヌ/jenne』。確かな事実を、肌に。SOFINA」との記述が見られる。しかし、これら以外に「ジェンヌ」、「JENNE」又は「jenne」の表示は見当たらない。
エ 甲第17号証の請求人の担当者による陳述書、甲第19号証の株式会社博報堂による証明書には、「Jenne(ジェンヌ)」ブランド製品についてテレビ、雑誌等による宣伝広告を行ったこと、2010年7月から2014年3月までの宣伝広告費の総額が6億315万円余に達すること、などが記述されているものの、甲第19号証に添付された「博報堂広告統計ADS:六媒体汎用集計」には、「ソフィーナジェンヌ基礎化粧品、ソフィーナジェンヌリキッドメイク落とし、ソフィーナジェンヌ乳液、ソフィーナジェンヌ化粧水、ソフィーナジェンヌTゾーンさらさらムース 計」との表題が付されており、「ジェンヌ」、「JENNE」又は「jenne」のみの表示はない。
オ 甲第20号証は、「SOFINA ジェンヌ/jenne 2010年@cosmeベストコスメ大賞」と題する書面の写しと認められるところ、「『ソフィーナジェンヌジェル乳液』発売2ヶ月で、年間乳液部門“第3位”を獲得!」等の記述があるものの、「ジェンヌ」、「JENNE」又は「jenne」の文字が単独で表示されていない。
カ 甲第21号証ないし甲第49号証は、請求人の商品に係る宣伝広告が掲載された各種雑誌の写しと認められるところ、これらには「ソフィーナ ジェンヌ」、「SOFINA ジェンヌ/jenne」、「ソフィーナジェンヌ」又は「SOFINA jenne」の表示の下に商品の説明等がされると共に、「SOFINA jenne」の文字が付された商品の写真が掲載されているものの、「ジェンヌ」、「JENNE」又は「jenne」の文字自体が単独で表示されているものは一切ない。
キ その他、「ジェンヌ」、「JENNE」又は「jenne」の文字のみが単独で使用されていることを具体的に示す証左はない。
(2)以上によれば、「ジェンヌ」、「JENNE」又は「jenne」の文字からなる引用商標は、常に「SOFINA」又は「ソフィーナ」の文字と共に使用されており、単独では使用されておらず、「SOFINA」(「ソフィーナ」)を冠したブランドの一つとして認識されることがあるとしても、引用商標自体が独立して請求人の業務に係る商品を表示するものとして取引者、需要者の間に広く認識されているものとは認められない。
なお、請求人は、請求人が幅広い事業を展開する我が国屈指の巨大企業であること、我が国の化粧品市場はメーカー数が多く、多くのブランド及び商品が存在する多数乱戦業界であること、ジェンヌ(jenne)製品の2010年9月から2014年1月までの累計出荷本数が389万本であり、2013年下期の出荷実績がドラッグストア12,331店、総合スーパー1,117店であること、などを主張し証拠を提出しているものの、上記宣伝広告や商品の包装容器における引用商標の使用実態を考慮すれば、請求人が「ジェンヌ(jenne)製品」と称する商品に使用される標章は、引用商標が独立して使用されているものとはいい難く、常に「SOFINA」又は「ソフィーナ」の文字と共に使用されているものと推認されるのであり、上記出荷本数や出荷実績をもってしても、引用商標のみで請求人の業務に係る商品を表すものとして周知・著名になっているとはいえない。
2 本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、上記第1のとおり、「ジェンヌコスメ」の片仮名及び「jennecosme」の欧文字を、それぞれ同書、同大、同間隔でまとまりよく一体に表してなるものであり、その構成中、下段に比べて小さく表された上段の片仮名部分は下段の欧文字部分の表音として無理なく認識し理解されるものである。そして、その構成文字より生ずる「ジェンヌコスメ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
そうすると、本件商標は、その指定商品との関係において、「cosme」及び「コスメ」の文字部分が、「cosmetic」及び「コスメチック」の略称(略語)であって「化粧品」を意味するとしても、上記のとおり、本件商標の一体に表された構成及びこれより生じる称呼からすれば、「jenne」及び「ジェンヌ」の文字部分のみが分離抽出されて自他商品の識別標識として機能するというよりも、むしろ、その構成全体をもって不可分一体のものとして認識し把握されるとみるのが自然である。
したがって、本件商標は、「ジェンヌコスメ」の一連の称呼のみを生じ、その構成全体をもって一体不可分の一種の造語として認識し把握され、特定の観念を生じないものというべきである。
(2)引用商標について
引用商標は、上記第2のとおり、「ジェンヌ」若しくは「jenne」の文字のみ又は「ジェンヌ」及び「JENNE」の文字からなるものであるから、その構成文字に相応して「ジェンヌ」の称呼を生ずるものといえるものであり、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標の対比について
本件商標と引用商標とを対比するに、両者は、それぞれの構成に照らし、外観上、判然と区別し得る差異を有するものといえる。
また、本件商標から生ずる「ジェンヌコスメ」の称呼と引用商標から生ずる「ジェンヌ」の称呼とは、構成音数が相違するばかりでなく、「コスメ」の音の有無という顕著な差異を有するものであるから、容易に区別することができるものである。
さらに、本件商標と引用商標とは、ともに特定の観念を生じないものであるから、観念上、相紛れるおそれがあるということはできないものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標ということができる。
(4)小括
したがって、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、たとえ、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが同一又は類似のものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできないものである。
また、引用商標4は、上記第2の(4)のとおり、平成25年8月20日に登録出願されたものであり、平成24年12月5日に登録出願された本件商標の後願に当たるものであるから、本件商標は、引用商標4を理由に商標法第4条第1項第11号に該当するということもできない。
3 本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は、上記1のとおり、独立して請求人の業務に係る商品を表示するものとして取引者、需要者の間で広く認識されているということができないものであり、しかも、本件商標と引用商標とは、上記2のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標である。
そうすると、本件商標は、その指定商品に使用しても、取引者、需要者が引用商標を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項の規定に基づき、その登録を無効にすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本件商標)



審理終結日 2015-05-12 
結審通知日 2015-05-14 
審決日 2015-05-27 
出願番号 商願2012-102175(T2012-102175) 
審決分類 T 1 11・ 262- Y (W03)
T 1 11・ 263- Y (W03)
T 1 11・ 261- Y (W03)
T 1 11・ 271- Y (W03)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 中束 としえ 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 梶原 良子
林 栄二
登録日 2013-06-21 
登録番号 商標登録第5591492号(T5591492) 
商標の称呼 ジェンヌコスメ、ジェンヌ 
代理人 飯田 直樹 
代理人 中村 勝彦 
代理人 佐藤 俊司 
代理人 卜部 忠史 
代理人 田中 克郎 
代理人 村瀬 幸子 
代理人 山田 薫 
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