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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X30
管理番号 1303083 
審判番号 取消2013-300801 
総通号数 188 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-08-28 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2013-09-19 
確定日 2015-06-29 
事件の表示 上記当事者間の登録第5218406号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5218406号商標の指定商品中「はちみつを主原料とする液状・粉状・カプセル状・錠剤状又は顆粒状の加工食品」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5218406号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成20年9月16日に登録出願、第30類「はちみつ,はちみつを主原料とする液状・粉状・カプセル状・錠剤状又は顆粒状の加工食品,はちみつを使用した菓子,はちみつを使用したトローチ(菓子)」を指定商品として、同21年3月27日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成25年10月8日にされたものであり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、同22年(2010年)10月8日ないし同25年(2013年)10月7日である(以下「要証期間」という場合がある。)。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、請求の理由、答弁に対する弁駁書、口頭審理陳述要領書及び上申書(平成26年9月4日付け及び同年10月9日付け上申書及び上申書(2))において要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第8号証(枝番号を含む。以下、枝番号を省略する場合がある。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中、「はちみつを主原料とする液状・粉状・カプセル状・錠剤状又は顆粒状の加工食品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)乙第2号証の1は、被請求人のホームページ(以下「HP」という。)であり、ニュージーランドで作成されたもので、全て英文で記載されている。
HPの商品の2番目、3番目、4番目の外箱には、「Airborne」という英文字と、その右横に、黄色の丸を背景にした蜂図形が見える。
これらの「Airborne」という文字と蜂図形は横に離れていて、上下に接近して並べた本件商標の図形商標と同一ではないし、同一性があるともいえない。
(2)乙第2号証の2は、Wayback Machineで、ニュージーランドのHPを検索したものである。その最下行に「2014/01/09」という日付が記載されていることから明らかなように、乙第2号証の2は、要証期間経過後の2014年1月9日に作成したものである。
乙第2号証の1のHPと同じものが要証期間内にとニュージーランドで作成されたかどうか、明らかでないし、乙第2号証の1のHPによって、日本国内における商標の使用事実が明らかになったともいえない。
(3)乙第3号証は、被請求人のBookletであり、ニュージーランドで作成されたもので、全て英文で記載され、さらに、発行日が不明であるから、これにより要証期間内の商標の使用を証明したとはいえない。
(4)乙第2号証及び乙第3号証は、全てニュージーランドのHPやBookletであり、全て英文で、ニュージーランドで作成されたものであり、これらの証拠が日本で使用されたことを示すものはない。
(5)英和辞典によれば「Lozenges」とは、「薬入り糖菓(元はひし形であった),甘味入り錠剤」(甲1)或いは「《もと菱形に作られた》飴「錠剤」トローチ剤《咳止めドロップなど》」(甲2)を意味する。
乙第2号証の1の外箱にある商品は、いずれも、「はちみつのど飴」或いは「はちみつ入りトローチ」である。レモン入り、黒すぐり入り、サクランボ入りなどがあるが、多少「抗菌剤入り」であっても、一般需要者・当業者から見ると、いずれも「のど飴」ないし「トローチ(菓子)」の範ちゅうを出ない、と思われる。
(6)特許庁では、「Lozenges」に関する商品取扱について、医薬用の場合は指定商品第5類(類似群コード01B01)に分類し、医療用のものを除くその他の場合は指定商品30類(類似群コード30A01)の菓子に分類している(甲3)。
被請求人は、その指定商品に「はちみつを使用したトローチ(菓子)」を指定しており、乙第2号証の1の「Lozenges」を指すものと思われる。
乙第2号証の1に表示された各商品は、いずれも「はちみつのど飴」ないし「はちみつ入りトローチ」であって「はちみつを主原料とする液状・粉状・カプセル状・錠剤状又は顆粒状の加工食品」(いわゆるサプリメント、栄養機能食品)ではない。日本における栄養機能食品は、ビタミンやミネラルが一定量以上含まれていることを要する。乙第2号証の1の「Lozenges」が、栄養機能食品であるとの証拠はない。
3 口頭審理陳述要領書における陳述
(1)乙第1号証ないし乙第37号証について
ア 乙第1号証ないし乙第37号証のうち、要証期間内の証拠は、乙第6号証ないし乙第9号証の3及び乙第17号証ないし乙第19号証のみである。
イ 乙第4号証の使用時期は不明であり、緑色の外箱のLozengesであり、右下隅に90%Honeyの表示がある。
そして、乙第11号証の3、乙第13号証、乙第21号証の2、乙第22号証の2、乙第27号証の4、乙第29号証の4の右下隅には、いずれも80%の表示があるので、両者のパーセンテージの数字は齟齬する。
乙第4号証は、いつどこで使われたものか確たる裏付けがないし、乙第6号証ないし乙第8号証には、乙第4号証を使用したことが明確に記載されていない。
また、ニュージーランドで販売されている乙第2号証の商品と乙第4号証とは齟齬する。
ウ 乙第5号証は、日本語の商品説明であり、「お召し上がり方」や「乳幼児」の部分が、乙第31号証の1及び2にあるとおり、山梨県中北保健所の指摘通りに訂正されている。
乙第5号証は、2014年1月10日以降のものである。
エ 乙第6号証は、2013年9月26日付けのエクスポート・インボイスで、被請求人会社が、日本のJCI CO LIMITED(以下「JCI社」という。)に送ったとするものであり、Rata Honey 250g 3個、Floral Honey Kamahi 250g3個、Honey Lozenges9個を送って総額73.8 NZ$(日本円で約6420円相当)とあり、その13欄には、輸出の理由として、Sample-Not for Resale(サンプルであり転売しない)とある。
また、乙第7号証は、ニュージーランド郵便局の航空貨物運送状であって、いずれの証拠にも、被請求人会社Airborne Honey Ltd.の輸出担当係のKay Samsonなる人物のサインはあるが、New Zealand Post のConsignment Note (航空貨物運送状)のNo.の記入や、受取のサインがなく、オフィシャルな記入事項は全て空欄で、何の記入も見あたらず、乙第6号証及び乙第7号証からニュージーランド郵便局が、当該郵便物を受理し搬送した事実は、確認できない。
オ 乙第8号証は、被請求人自身が作成したタックス・インボイスであり、「2013年9月24日」という日付が記載されていても、要証期間内の使用が証明されたとはいえない。
さらに、乙第8号証のタックス・インボイスのClient Order#欄にも、Samplesの表示がある。
被請求人は、その口頭審理陳述要領書5頁において「本件商標は、商標法第2条第3項第8号に規定する『商品に関する取引書類に標章を付して頒布する行為』に該当する使用行為も本件審判の請求の登録の前に、既に、日本国内で行っていたものです。」と主張するが、サンプルは商品として販売するかどうか当事者が検討するためのもので、本来、一般消費者に閲覧可能な状態におくものではないから、乙第8号証をJCI社に送ったとしても、「商品に関する取引書類」に標章を付して「頒布」したことにはならない。
したがって、乙第8号証は、商標法第2条第3項第8号の「商品に関する取引書類に標章を付して頒布する行為」を、要証期間内に日本国内で行ったことを証明するものとはいえない。
カ 乙第9号証の1ないし3は、被請求人の印刷会社の、ブックレット印刷の請求書であり、ニュージーランドで、ブックレットが印刷されたかどうかを示すだけで、日本のブックレットの使用を証明するものではない。
キ 乙第17号証は、被請求人の取締役ジョン・スマート氏とJCI社Bruce Roscoe氏の間の2013年5月29日付けの件名が「Airborne Trade mark」とするGmailである。
しかし、メールに「Airborne Trade mark」という件名があっても、「Airborne商標」に関する記述が一切ない。
乙第18号証及び乙第19号証は、Tabby氏への翻訳依頼であり、翻訳に関連して、添付ファイルで、Lozenge Range Poster A4 V3-4.pdfを送っているようだが、これがどのようなものかは不明である。
また、翻訳は商品として使用するための準備行為で、当事者間書類である。上記の添付ファイルを送ったとしても、商標法第2条第3項第1号或いは第2号の「商品」の使用にはあたらない。
このように、乙第17号証ないし乙第19号証は、一種の商談の記録であり、商品の輸入や販売の実績を証明するものではない。
(2)健康食品の表示について
ア 類似群コード32F15について
健康食品の表示について、特許庁の慣行(内規)では、「?を主成分(主原料)とする?状の加工食品」という記載の仕方は、「健康食品」を表すものである。
甲第5号証から分かるように、商品・役務名リストにおける「錠剤状の加工食品」のような表示による指定商品は、全て類似群コード32F15という特別なコードになっていることから、本件商標の指定商品「はちみつを主原料とする液状・粉状・カプセル状・錠剤状又は穎粒状の加工食品」は、第10版で「サプリメント」と改正される以前の、「健康食品」に関する記載の仕方に則している。
イ 健康食品は、特定保健用食品及び栄養機能食品に限られる。
甲第6号証の朝日新聞2014年7月19日記事、「体によい」食品/無審査表示へ」によれば、健康食品については、従来の特定保健用食品、栄養機能食品などの現行2制度に加えて機能性表示が検討されており、「来春の導入を目指す」と記載されている。
しかしながら、本件取消審判は、その審判の請求の登録の日を基準にして、その内容を判断すべきである。
そうとすると、甲第6号証にあるとおり、現在の健康食品に関する基準は、まだ旧制度に基づくものであって、無審査表示にはなっていない。
したがって、乙第2号証の1及び乙第11号証の3の「Lozenges」及び乙第5号証の「はちみつ加工食品」は、「健康食品」にはあたらない。
ウ 乙第2号証の1及び乙第11号証の3は、「はちみつを主原料とする錠剤状の加工食品」とはいえない。
乙第2号証の1及び乙第11号証の3の、「Lozenges」は、「錠剤」には大きすぎるから、「トローチ」或いは「のど飴」である。
4 平成26年9月4日付け上申書
甲第7号証は、「Airborne Manuka And Honeydew」外箱とその中身のLozengesの写真でり、Lozengeは、直径1.8cm厚み0.7cmで、大きく硬いため、飲み込むこともかみ砕くこともできない。
乙第2号証の1のLozengeと同等品と思われる甲第7号証の被写体からすると、被請求人のLozengesは「錠剤」とは到底言えないから、被請求人の主張は誤りである。
また、甲第8号証の送り状には「ハニーキャンディ」という表示かあることからも、乙第2号証の1は、「はちみつを主原料とする錠剤状の加工食品」ではなく「はちみつを使用した菓子」ないしは「はちみつを使用したトローチ(菓子)」であることが明らかである。
5 平成26年10月9日付け上申書(2)
(1)サンプルの輸入は商標法上の輸入行為に当たらない。
被請求人は、その上申書(2)で、サンプルの輸入は商標法第2条第3項第2号に規定する輸入行為に他ならない、と主張している。
しかし、サンプルは、商品として販売するかどうかを当事者間で検討するための資料であって、一般消費者に販売するためのもの、すなわち「商品」ではない。被請求人の乙第6号証にも、輸入したサンプルは「Not for Resale」(非売品)であると明記されている。
商品でないものを輸入しても「使用」の一態様としての輸入行為にはならない。
また被請求人は、サンプルの輸入はその後の販売行為に結び付いたものだから、商標法第2条第3項第2号に規定する輸入行為そのものに他ならない、と主張している。
しかし、被請求人も自認するとおり、その後の販売行為は要証期間外であり、サンプルの輸入時点では、将来それが販売行為に結び付くかは不明である。あくまでもサンプルの輸入はその時点では非売品の輸入でしかない。被請求人の主張は、要証期間外の事実により要証期間内の事実を脚色するものである。そのようなことは要証期間を限定した法の趣旨に反することは言うまでもない。
(2)請求人の日本における子会社は、本件取消審判の請求の約半年前に、本件商標について不使用取消審判を請求した。
請求人の日本における子会社は、商標出願4件を出願したところ、2013年3月21日に、本件商標登録第5218406号に対し不使用取消審判(取消2013-300227 以下「第1次取消審判」という。)を請求した。
(3)サンプルの輸入は本件取消審判がされることを知った後でのことである。
本件取消審判2013-300801の請求は2013年9月19日で、取消請求の商品は、「第30類 はちみつを主原料とする液状・粉状・カプセル状・錠剤状又は穎粒状の加工食品」である。本件取消審判の商品は第1次取消審判の商品に含まれている。
被請求人は、第1次取消審判の請求がされた時点で、本件取消審判の商品が取消請求をされていることを知っていたことになる。
サンプルの輸入は2013年9月30日だから、その輸入時期は、第1次取消審判の請求の後(すなわち本件取消審判の商品が取消請求をされることを知った後)であり、かつ、本件審判の請求前3月で請求の登録の日までの期間に相当する。したがって、被請求人のサンプルの輸入は、商標法第50条第3項により、同条1項の登録商標の使用には該当しないことになる。
これらのことから、本件サンプルの輸入が、たとえ被請求人の主張する商標法第2条第3項第2号に規定する輸入行為に該当するとしても、その登録商標の使用は、商標法第50条第1項に規定する登録商標の使用には該当しない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求める、と答弁し、その理由、口頭審理陳述要領書及び上申書(平成26年2月10日付け、同年9月25日付け上申書(2)及び同年10月21日付け上申書(3))において要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第38号証(枝番号を含む。以下、枝番号を省略する場合がある。)を提出した。
1 答弁の理由
本件商標の商標権者は、本件審判請求の登録前3年以内に我が国においてその請求に係る指定商品中「はちみつを主原料とする液状・粉状・カプセル状・錠剤状又は顆粒状の加工食品」について、本件商標を使用している。
2 本件商標の使用の事実
(1)商標の使用者
乙第2号証の1には、2枚目に商標権者の名称「エアボーン ハニー リミテッド」が表示されている。
また、乙第3号証には、26頁に「エアボーン ハニー リミテッド」「ニュージーランド国,リーストン,ペニントン ストリート 41」が表示されている。
(2)使用に係る商品
乙第2号証の1、乙第3号証には、使用に係る商品「lozenges」(トローチ)の写真が掲載されている。ここで、当該トローチは、乾燥させた抗菌効果の高いはちみつを含有し、自然健康食品としての側面を有している(乙3)。このため、乙第2号証の1、乙第3号証に表示された商品は、トローチであるとともに、いわゆる健康食品であり、指定商品「はちみつを主原料とする液状・粉状・カプセル状・錠剤状又は顆粒状の加工食品」に該当するものである。
(3)使用に係る商標
乙第3号証の表紙、裏表紙、26頁には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が表示されている。また、乙第2号証の1、乙第3号証の17-18頁には、商品の包装に本件商標と社会通念上同一と認められる商標が記載されている。
本件商標では、みつばちの図形部分の下に「Airborne」の文字部分が配置されているのに対し、乙第2号証の1、乙第3号証の17-18頁に表示された商標は、みつばちの図形部分の左側に「Airborne」の文字部分が配置されている点で相違するものの、社会通念上同一と認められる範ちゅうの商標である。
(4)使用時期
乙第2号証の1は、要証期間内である、2010年12月5日に収集されたアーカイブデータである。
3 平成26年2月10日付け上申書
(1)使用に係る商品について
答弁書に記載したとおり、乙第2号証の1、乙第3号証に掲載された商品「ロゼンジ」(Lozenges)は、乾燥させた抗菌効果の高いはちみつを含有し、自然健康食品としての側面を有している(乙3)。このため、乙第2号証の1、乙第3号証に表示された商品は、トローチであるとともに、いわゆる健康食品であり、指定商品「はちみつを主原料とする液状・粉状・カプセル状・錠剤状又は顆粒状の加工食品」に該当するものである。
また、乙第2号証の1に商品の写真が表示されているように商品の形状は錠剤状である。
商品は、乙第2号証の1に「Airborne HEALTH」と記載され、乙第2号証の1、乙第3号証、乙第4号証に表示された商品の外箱にも、「HEALTH」の文字が表示されている。すなわち、当該商品は、健康を目的とした商品である。
また、乙第5号証は、商標の使用に係る商品の日本国内販売用ラベルの表示内容を示す。当該表示内容の名称欄に「はちみつ加工食品」と記載されている。
すなわち、当該商品は、「トローチ(菓子)」であるとともに、指定商品「はちみつを主原料とする液状・粉状・カプセル状・錠剤状又は顆粒状の加工食品」に含まれる「はちみつを主原料とする錠剤状の加工食品」に該当する。
(2)使用に係る商標について
乙第4号証には、箱の表側に相当する側に、乙第2号証の1、乙第3号証の17-18頁と同様の、本件商標と社会通念上同一の商標が表示されている。また、箱の裏側に相当する側に、みつばちの図形部分の下に「Airborne」の文字部分が配置された、本件商標と社会通念上同一の商標が表示されている。
(3)使用時期について
乙第6号証は、被請求人が、JCI社に「ロゼンジ」を含む商品を輸出した際の、エクスポート・インボイス(Export Invoice)である。当該書類の左下に、署名日として「2013年9月26日」の記載がある。
乙第7号証は、乙第6号証のエクスポート・インボイスに記載の取引と同一取引に係る、航空貨物運送状(Consignment Note)である。項目「1.TO(Receiver)」および項目「2.FROM(Sender)」内の日付欄に「2013年9月26日」の記載がある。
乙第8号証は、乙第6号証のエクスポート・インボイス、乙第7号証の航空貨物運送状に記載の輸出の、タックス・インボイスであり、発行日が「2013年9月24日」の記載がある。
乙第9号証の1は、乙第3号証のブックレットの構想、デザイン等の制作に係る費用について、ブックレットを制作したLuxon Advertising Limitedが被請求人に対して発行した請求書の写しである。請求書の日付は、2011年3月31日と記載されている。したがって、乙第3号証のブックレットは要証期間内に制作されたものといえる。
乙第9号証の2、乙第9号証の3は、ブックレットの印刷に係る請求書であり、乙第9号証の2は2011年3月31日付け、乙第9号証の3は2011年4月30日付けである。これらの証拠から、乙第3号証のブックレットは要証期間内に発行されたものといえる。
4 口頭審理陳述要領書における陳述
(1)乙第2号証ないし乙第4号証及び第6号証ないし乙第9号証(枝番号を含む。)については、被請求人の主張が確認できるように、今般、添付に示すように、翻訳文を提出致する。
(2)審判長は、乙第2号証の1及び乙第3号証によって表示された商品「ロゼンジ」並びに乙第5号証で表示された「はちみつ加工食品」は、乾燥させた抗菌効果の高いはちみつを含有することのみをもって、いわゆる健康食品と認めることはできないと主張する。
しかしながら、厚生労働省・日本医師会並びに独立行政法人国立健康・栄養研究所が発行した標題「健康食品による健康被害の未然防止と拡大防止に向けて」の小冊子(乙10)の1頁において示されるように、一般に、健康食品とは「健康の保持増進に資する食品全般」が、また、サプリメントとは、「特定成分が濃縮された錠剤やカプセル形態の製品」がそれぞれ該当すると考えられているとされるが、明確な定義が無いのが現状であり、一般の消費者が認識している健康食品やサプリメントは、通常の食材から菓子や飲料、医薬品と類似した錠剤・カプセルまで極めて多岐に亘るとしている。
また、乙第10号証の2頁には、「いわゆる健康食品と呼ばれているもの」として、機能性食品、栄養補助食品、健康補助食品、栄養強化食品、栄養調整食品など並びにいわゆるサプリメントと呼ばれるものまで含まれるとされている。
しかるに、乙第4号証の外箱に示されるように、その外箱に本件商標が使用され且つその外箱に収納された被請求人の製造販売に係る「マヌカとプロポリスのロゼンジ」(以下「本件商品」という。)は、被請求人から「このマヌカとプロポリスのロゼンジ」を日本において輸入しているJCI社のaホームページの抜粋(乙11の1ないし3)、bこの商品が新商品として市場に出た時に、この商品を販売した店内で使用されたJCI社の宣伝の資料としてのお知らせ(乙12)並びにcJCI社の製品紹介(乙13)の記載から明らかなように、携帯に便利な固形のマヌカ・ロゼンジであり、喉の渇き・イガイガを和らげ、喉の健康をサポートする健康食品であり、この商品には砂糖が全く使用されておらず、フリーズドライ製法によって製造されたものであるから、まさしく字句通りの「はちみつを主原料とするカプセル状・錠剤状の加工食品」に他ならず、上記の乙第10号証における「いわゆる健康食品」の定義にも含まれるものと考える。
請求人が、弁駁書4頁において、「乙第2号証の1に表示された各商品は、いずれも「はちみつのど飴」ないし「はちみつ入りトローチ」であって「はちみつを主原料とする液状・粉状・カプセル状・錠剤状又は顆粒状の加工食品」(いわゆるサプリメント、栄養機能食品)ではないと主張するが、かかる主張は失当である。
乙第10号証の2頁に示されるように、栄養機能食品とは、身体の健全な成長、発達、健康の維持に必要な栄養成分の補給・補完を目的に利用する製品であり、12種類のビタミン、5種類のミネラルの含有量が国の基準を満たしている製品に、定められた栄養機能表示を付け、国への届け出や審査を受けなくても販売することができるものであるので、本件商品は、請求人が主張するような栄養機能食品に該当するものではないことは明らかである。 しかしながら、上記したように、健康食品とは、幅広い内容を含んだ広い概念であり、被請求人は、本件商品が、サプリメントや栄養機能食品と主張しているのではなく、先にも述べたように、健康食品としての「はちみつを主原料とする錠剤状の加工食品」としてのロゼンジであると主張しただけであり、乙第2号証の1に表示された各商品は、乙第5号証及び乙第11号証ないし乙第13号証の記載から分かるように、はちみつを主原料として、プロポリス、ビタミンCなどを含んだ蜂蜜原料を錠剤状に固めてたものであり、読んで字のごとく、健康食品としての「はちみつを主原料とする錠剤状の加工食品」そのものを意味している。
また、乙第14号証(英和辞典Weblio辞書)の「クロスラングージ37分野専門語辞書」においては、「Lozenges」を「口内錠、舐剤、菓子錠剤」を意味するとしており、かならずしも、「のど飴」ないし「トローチ(菓子)」を意味するものでもなく、このようなものと同様の効能を有するとしても、その成分並びに製造方法等から鑑みれば、まさしく、健康食品としての「はちみつを主原料とする錠剤状の加工食品」そのものであり、本件商品のこのような実質に即して考えると、本件商品は、複数の商品類似群に属する多面性を有する商品と考えられ、具体的に述べるならば、本件商品は、1つの側面からみれば「菓子」(類似群コード:30A01)と捉えられるが、他の側面からみれば、「健康食品としての加工食品」(類似群コード:32F15)とも捉えられる商品と考えられ、本件商品が、このような多面性を有する商品と考えるならば、当該複数の商品類似群に属する商品ついて、本件商標が使用されているものと取り扱って差し支えないのであって、このように解しても、不使用取消審判の趣旨に反することにはならないものというべきである。
(3)本件商品の日本の輸入元であるJCI社より提出された乙第15号証(宣言書:販売経緯説明書)から理解できるように、JCI社が、乙第6号証のエクスポート・インボイスに基づいて、2013年9月26日付で日本国内に被請求人の販売に係る商品を輸入した際の商品は、正しく、乙第4号証に示される包装箱に収納されてニュージーランドから日本へ輸送されてきた本件商品そのものである。
本件商品の包装箱及びインボイスに表示された本件商標と社会通念上同一と考える商標を付した本件商品は、乙第6号証ないし乙第8号証に示されるように、本件審判の請求の前の遅くとも2013年9月30日には、日本国内に到着(すなわち、輸入)されたことは明らかであり、本件商標は、商標法第2条第3項第2号に規定する「商品の包装に標章を付したものを輸入する行為」に該当する使用行為を、本件審判の請求の前に、既に、日本国内において行っていたものである。
また、日本国に所在するJCI社宛ての乙第8号証のインボイスの右上隅には、本件商標と社会通念上同一とされる蜜蜂の図案と「AIRBORNE」の文字が縦方向に整列した商標が表示されており、このインボイスも間違いなく2013年9月30日には、日本国内において頒布されたものであることから、本件商標は、商標法第2条第3項第8号に規定する「商品に関する取引書類に標章を付して頒布する行為」に該当する使用行為も、本件審判の請求の登録の前に、既に、日本国内において行っていたものである。
さらに、乙第4号証に示された外箱には、この外箱の表側に相当する側及びその裏側に相当する側の夫々に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が付されており、また、乙第8号証の2013年9月24日付のインボイスの右上隅にも、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が付されている。
商標法が不使用取消審判の要件として、「審判請求に係る登録商標と社会通念上同一認められる商標について使用をしていないこと」を要件としているのは、登録商標の使用で有るか否かは、商標が自他商品の識別機能をその本質的機能としているので、単なる物理的な同一ではなく、取引社会の通念にてらして判断される必要が有り、構成態様において異なる点があるとしても、自他商品の識別標識として実質的に差異がなければ、登録商標と同一とみなすことが、実際の取引態様に応じた具体的妥当性に適合するものだからである。
しかるに、本件商標と、乙第4号証に示された外箱の表側に付された商標(以下「aの場合」という。)、その裏側に付された商標(以下「bの場合」という。)並び乙第8号証のインボイスに表示された商標(以下「cの場合」という。)とを比較すると、大きな相違点は、aの場合、蜜蜂の図案の背景に金色の円形(乙4において、プリンターの発色に関係で茶色のように見える)が配され、「Airborne」の文字は、この蜂の図案の左脇に横書きで配されている点であるのに対し、本件商標は、背景に金色の円形は無い蜜蜂の図案と、その下に「Airborne」の文字が縦書きで配されている点にある。
両方の蜜蜂は、ほほ笑んだ印象を与える子供の蜜蜂のような図案であり、その図案構成は、多少の相違(例えば、翅の色など)は有るものの、ほぼ同一であり、また、「Airborne」の文字の形状は、ほぼ同一と考えられる。
したがって、本件商標とaの場合の商標との大きな違いは、図案と文字の配置が、横位置に有るか、縦位置にあるかの違いであり、このように、縦位置有る登録商標の構成要素を、パッケージ等に表示するに当たって、デザインの見栄え等を考慮して、横位置に変えるようなことは、良く行われる程度のデザイン変更であり、aの場合の商標は、本件商標の構成において基本となすものを変更するものではなく、その識別性を明確に維持している同一の範ちゅうに属するものであり、自他商品の識別標識としての実質的な差異は無く、蜜蜂の図案と「Airborne」という文字は、一体視可能であって、本件商標と社会通念上同一と認められるものと考える。
背景の金色の円形は蜜蜂を一層際立たせるためのデザインに過ぎず、社会通念上の同一性を毀損するものとは考えられない。
また、bの場合は、蜜蜂の背景に金色の円形が有る以外は、蜜蜂の図案に多少の違いはあるものの、ほぼ同一といえる。したがって、先にも述べたように、背景の金色の円形は蜜蜂を一層際立たせるためのデザインに過ぎず、bの場合も、社会通念上の同一性を毀損するものとは考えられない。
さらに、cの場合は、蜜蜂の図案は、本件商標とほぼ同一であり、また、蜂蜜の図案と「Airborne」の文字とは、本件商標と同様に、縦位置に2段に配置されており、唯一の相違は、「Airborne」の文字が、黒色の矩形を背景として、幾分波打つように記載されている点に有るが、このような変更は、良く行われる程度のデザイン変更であり、本件商標の構成において基本となすものを変更するものではなく、その識別性を明確に維持している同一の範ちゅうに属するものであって、自他商品の識別標識としての実質的な差異は無く、cの場合の蜜蜂の図案と「Airborne」という文字から成る商標も、本件商標と社会通念上同一と認められるものと考える。
そして、蜂の図案と「Airborne」の文字は、「Airborne」という文字の意味が、「花粉・種などが空気伝達する」ことを意味しているのであり、蜜蜂は、巣から外へ出て、花から花に飛び回ることによって蜜や花粉を採ってくるのが役目であり、このことは、まさに「Airborne」と蜜蜂の図案とが意味的にも密接な関係を有していることを示唆するものであり、少しくらいの隔たりは、商標的に見て其の一体性を毀損するものではなく、昨今、英語が広く日本国内に普及していることに鑑みるならば、蜜蜂の図案と「Airborne」という文字は、観念的にも統一性・一体性を有するものであり、蜂の図案と「Airborne」の文字とから構成されたaの場合ないしcの場合の商標は、観念的、意味的にも一体であり、本件商標と社会通念上同一と認められるものと考える。
(4)本件商品の日本の輸入元であるJCI社より提出された乙第15号証(宣言書:販売経緯説明書)から理解できるように、2013年9月30日に日本国内に輸入された本件商品の包装箱が、英文のみで記載されているため、JCI社がこの商品を日本国内において広く販売する為には、本件商品に貼着する和文表記ラベルを作成する必要があり、所管官庁の農林水産省や山梨保健所と連絡を取り合って最終的に作成されたものが、この乙第5号証であり、このラベル表示を乙第5号証として提出した理由は、その使用時期を明らかにするためではなく、1つには、本件商品が、どんな成分から構成されているか、どんな使用方法のものなのか、その注意事項は、などを明らかにして、どの商品区分のどの指定商品に該当するかを明確にする為であり、2つ目には、JCI社が、本件商品を輸入した後、どれだけ真摯に本件商品を日本国内において、販売しようと努力していたのかを示す証拠として提示したものである。
(5)乙第6号証ないし乙第8号証に記載された「JCI Co Limited」とは、JCI社を意味するものであり、これらの各号証に記載された「Shimoshakujii 1-3-10-404 Nerima-ku Tokyo」の住所は、JCI社のホームページの会社概要(乙16)に示す住所と同一であり、「JCI Co Limited」が、JCI社であることを裏付けるものである。
先に示した乙第15号証(宣言書:販売経緯説明書)及び乙第6号証ないし乙第8号証から明らかな如く、JCI社は、本件商品を2013年9月30日に日本国内に輸入した日本法人であり、乙第16号証の会社概要に示すように、その創業は、2007年7月25日であり、所在地は、先にも述べたように、東京都練馬区下石神井であって、事業内容は、ニュージーランド産の天然ハチミツ及び関連商品の輸入・卸業であり、その卸販売先は、自然食品店、フレッシュ・ベーカリー、珈琲豆店、高級スーパー他と幅広く、その仕入れ先には、被請求人も含まれており、更に、取扱商品の中には、本件商品である「マヌカとプロポリスのロゼンジ」が含まれていることから、JCI社が、明らかに、本件商品を含めた被請求人の商品を扱う日本の輸入元であることを明示している。
5 被請求人の口頭審理における陳述
平成26年9月4日の口頭審理において、被請求人は、「本件審判の請求の登録前3年以内に本件商品の販売をしていない。」旨陳述をした。
6 平成26年9月25日付け上申書(2)
(1)本取消審判の請求の登録前の2013年9月30日に、サンプルとして、被請求人より日本法人であるJCI社が、本件商標が付された被請求人の製造・販売に係る本件商品を日本国内に輸入した行為の意義について
商標法第50条に規定された不使用取消審判の立法趣旨は、「商標法上の保護は、商標の使用によって蓄積された信用に対して与えられるのが本来的な姿であるから、一定期間登録商標の使用をしない場合には保護すべき信用が発生しないか、或いは、発生した信用も消滅してその保護の対象がなくなると考え、他方、そのような不使用の登録商標に対して排他独占的な権利を与えておくのは国民一般の利益を不当に侵害し、かつ、その存在により権利者以外の商標使用希望者の商標の選択の余地を狭めることになるから、請求を待ってこのような商標登録を取り消そうというのである。いいかえれば、本来使用をしているからこそ保護を受けられるのであり、使用をしなくなれば取り消されてもやむを得ないというのである。」(特許庁編工業所有権法(産業財産権法)逐条解説[第19版]より抜粋)
本件商品の場合、要証期間内の本件商品のサンプル輸入に起因し、その後(要証期間外ではあるが)、JCI社の企業努力によって日本国内における販売行為に発展し、それは現在も継続している。したがって、実際の販売行為が要証期間から外れたものであっても、要証期間内のサンプル輸入行為はその後の販売行為に結び付く、重要な出発点であり、請求人が、口頭審理において主張したように、単にサンプルを輸入したという形骸的な行為とは異なり、商標法第2条第3項第2号に規定する輸入行為そのもの他ならない。 すなわち、外国製品を輸入して国内においてそれを販売する通常の取引形態においては、当初は、その外国製品が国内において売れるか否かを判断する為に、幾つかのサンプルを輸入して、それを得意先に頒布して、その反応を見るのが通例であって、最初から、かなりの個数を輸入することは稀であり、商標法第2条第3項第2号における輸入行為も、その個数やサンプル購入か否か等の外形的な内容に依拠して、輸入行為か否かが判断されるのではなく、そのサンプルの輸入によってそれが最終的には、その商品が日本国内において譲渡、引き渡しなどの対象となり、それに付されている標章が、現時点において、商品識別機能を発揮して、顧客の信用が化体されたものとなっているか否かを以って判断されるべきであり、このように考えることが、上記に述べた不使用取消審判の制度趣旨、ひいては、「商標法上の保護は、商標の使用によって蓄積された信用に対して与えられる」とする商標法の法目的に合致するものであると思慮する。
しかるに、本件商標が付された本件商品は、乙第3号証の1ないし乙第33号証の8、乙第34号証の1ないし乙第34号証の3、乙第35号証及び乙第36号証の1ないし乙第36号証の2に示すように、要証期間内のサンプル輸入から発展して、現在、株式会社安全すたいる、株式会社北野クリエーション、早稲田自然食品センター等において広く販売され、本件商標に対して顧客の信用が蓄積されているものであり、要証期間内の本件商品のサンプルの輸入行為は、単なる形骸的な行為では無く、商標法上の使用行為に該当する上述した内容を持った商標法第2条第3項第2号に規定する輸入行為であって、販売行為が要証期間外だからとの理由によって、現在、商標として機能している本件商標を取消すのが、不使用取消審判の立法趣旨であるとは到底考えられないと思慮する。
(2)乙第6号証のエクスポートインヴォイスに記載されたロゼンジの数(9個)と乙第8号証のTax Invoice(請求書相当)に記載されたロゼンジの数(6個)とが相違する点について
乙第6号証のエクスポートインヴォイスは、2013年9月26日付の航空郵便運送状の中に本件商品と共に同封されて日本へ送付されたものであり、乙第8号証は、JCI社からの依頼に基づいて、日本へ送付する前の2013年9月24日付で作成され、JCI社に事前に送付されたタックスインヴォイスである。
したがって、通例ならば、乙第6号証に記載されたロゼンジの数と乙第8号証のTax invoiceに記載されたロゼンジの数とは一致すると考えるのが普通である。
しかるに、この時は、JCI社は、本件商品の日本国内における販売可能性を探るためには、もう少しサンプルを輸入する必要性を感じ、注文した数を3個増やすように被請求人に依頼したものであり、それを受けて、被請求人は、乙第38号証に示すように、本件商品を3個無料で送付することをJCI社に約束し、乙第38号証のTax Invoiceに追加注文を手書きで記録して、それを再度JCI社に送付したものであり、現実に日本に送付されたロゼンジの数は、通関のためのエクスポートインヴォイス(乙6)に記載された9個である。このような注文個数の変更は、貿易業務においては、度々行われる事である。
7 平成26年10月21日付け上申書(3)
請求人は、新たな争点として、商標法第50条第3項により、本件商品(マヌカとプロポリスのロゼンジ)のサンプル輸入行為は、同条第1項の登録商標の使用には該当しない、と主張する。
しかしながら、請求人が、平成26年10月9日付け上申書(2)において主張する、2013年3月21日付で請求された第1次取消審判の請求人は、ジョーウイダーオリンピアンズ株式会社(以下「ジョーウイダー社」という。)であり、本件取消審判の請求人は、ジェイダブリュオーコープであり、全く異なる請求人である。
また、本件審判の請求登録の時点(2013年10月4日)で、被請求人及び本件商品の日本における輸入元であるJCI社は、ジョーウイダー社が、本件請求人の子会社であることは知らなかった。
さらに、本件審判の請求登録の時点で、被請求人及び本件商品の日本における輸入元であるJCI社は、ジョーウイダー社が、請求人の上申書(2)で述べられた4件の商標出願を日本において申請していたことも知らなかったし、ジョーウイダー社から請求人にこの4件の商標出願が名義変更されていたことも知らなかった。
したがって、第1次取消審判の取消対象の商品が、第30類「はちみつ,はちみつを主原料とする液状・粉状・カプセル状・錠剤状又は穎粒状の加工食料品,はちみつを使用した菓子,はちみつを使用したトローチ(菓子)」であり、これらの商品について第1次の取消審判を請求されたことを以って、本件審判の請求登録の時点(2013年10月4日)前に、第1次取消審判の請求人と異なる請求人が、その後、「はちみつを主原料とする液状・粉状・カプセル状・錠剤状又は穎粒状の加工食料品」について、再度、取消審判を起こすと、被請求人が知り得る余地は無い。
本件審判の請求登録の時点(2013年10月4日)前に、被請求人が知り得た事実は、第1次取消審判が、2013年3月21日付で、本件取消審判の請求人とは異なるジョーウイダー社によって不使用取消審判が請求されたこと、その取消請求対象の商品が、第30類「はちみつ、はちみつを主原料とする液状・粉状・カプセル状・錠剤状又は穎粒状の加工食料品、はちみつを使用した菓子、はちみつを使用したトローチ(菓子)」であること、だけであり、その事実のみを以って、本件審判の請求登録の時点前の被請求人のサンプルの輸入行為(2013年9月30日)が、本件取消審判の請求がされることを知ってなされた行為であると、請求人が証明したことにならない。

第4 当審の判断
1 商標法第50条第1項の規定に基づく商標登録の取消の審判が請求された場合には、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消を免れないことは、同条第2項の規定から明らかであるところ、被請求人は、「商品の包装に標章(商標)を付したものを輸入する行為」(商標法第2条第3項第2号)及び「商品に関する取引書類に標章(商標)を付して頒布する行為」(商標法第2条第3項第8号)をもって、本件商標の要証期間内の使用を証明しているというので、以下検討し、判断する。
(1)商品の包装に標章(商標)を付したものを輸入する行為について
被請求人は、要証期間内にサンプルを輸入し、該サンプルを商談に用い、その後、商談が成立し、該サンプルと同等の商品の販売を現在も行っていることから、単にサンプルを輸入したという形骸的な行為とは異なり、商標法第2条第3項第2号に規定する輸入行為そのものに他ならない旨を述べているので、該サンプルが、本件取消審判に係る登録商標の使用の対象としての商品であるといえるか否かについて検討する。
商標法は第2条第3項で「使用」の定義をしているところ、その対象は、商標を含む「標章」についてであり「商標」についてではない。そして、「商標」については、同条第1項で、「標章」のうち「業として、商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用するもの」(同項第1号)と、さらに「登録商標」については、「商標登録を受けている商標をいう。」(同項第2号)と定義されているところである。
そうすると、商標法上、登録商標の使用は、業として、生産し、証明し、又は譲渡する対象となる商品(以下「商標法上の商品」という。)についてされるものと解するのが相当であって、これは、商標法第50条における登録商標の使用の対象となる商品についても同様に解して差し支えないというべきである。そして、このことは、「商標法第50条における商品とは、市場において独立して商取引の対象として流通に供される物でなければならないと解すべきである。」旨の判決(東京高裁 平成16年(行ケ)第337号判決)に照らしても相当といえるものである。
そこで、これを本件についてみるに、本件商品(マヌカとプロポリスのロゼンジ)のサンプルは、被請求人も自認するように、商談のために輸入されたものであるところ、これは、業(業務)としての生産、証明、又は譲渡の対象となる物とはいえないから、これを商標法上の商品ということはできない。
してみれば、本件商品のサンプルを輸入した行為は、「商品の包装に標章(商標)を付したものを輸入する行為」に該当しないから、商標法第2条第3項第2号に該当するということはできない。
(2)商品に関する取引書類に標章(商標)を付して頒布する行為
上記(1)のとおり、本件商品のサンプルは、商標法上の商品ということはできないものであるから、本件商品のサンプルを輸入したインボイスは、それ自体、「商品に関する取引書類」に該当しないから、商標法第2条第3項第8号に該当するということはできない。
(3)まとめ
上記(1)及び(2)のとおり、被請求人が主張する商標法第2条第3項第2号及び同第8号に該当する行為を行っていると認めることはできない。
したがって、本件商標が、その指定商品中の「はちみつを主原料とする液状・粉状・カプセル状・錠剤状又は顆粒状の加工食品」について使用されたと認めることはできない。
2 結論
以上のとおり、本件商標は、その指定商品のうち「結論掲記の商品」について、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれによっても、使用をされていないものであり、かつ、使用をされていないことについて正当な理由があることも認められないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本件商標)



審理終結日 2015-02-02 
結審通知日 2015-02-04 
審決日 2015-02-19 
出願番号 商願2008-75570(T2008-75570) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (X30)
最終処分 成立 
前審関与審査官 早川 真規子赤澤 聡美 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 前山 るり子
大森 健司
登録日 2009-03-27 
登録番号 商標登録第5218406号(T5218406) 
商標の称呼 エアボーン 
代理人 牧 レイ子 
代理人 伊丹 辰男 
代理人 原 一敬 
代理人 水野 清 
代理人 吉川 俊雄 
代理人 牧 哲郎 
代理人 浅井 和子 
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