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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない W3043
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W3043
審判 査定不服 外観類似 登録しない W3043
管理番号 1302963 
審判番号 不服2014-3000 
総通号数 188 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2015-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-02-18 
確定日 2015-06-10 
事件の表示 商願2013-40998拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第30類「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,茶」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、平成25年5月30日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録第5447302号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成23年4月28日に登録出願、第35類「菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同年10月28日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、前記1のとおり、「FAVORI」の欧文字とその上に黒塗りの図形を配した構成からなるものである。
そして、本願商標の構成中の「FAVORI」の欧文字は、「お気に入り」の意味を有し、「ファボリ」と称呼される仏語であるところ、我が国における仏語の普及程度は、英語のそれに及んでいないとしても、例えば、洋菓子などの商品を取り扱う業界においては、仏語が多用されている実情があり、そうとすると、本願商標をその指定商品である「菓子,パン」などに使用するときは、その構成中の「FAVORI」の文字部分が上記意味を有する仏語からなるものと理解される場合があるとみることができるものである。
しかし、一般の需要者などにおいては、仏語になじみが少ないことから、該文字が仏語からなるものと理解することができない場合もあり、その場合、造語からなるものとみることもあるものである。
また、本願商標の構成中の図形は、横に間延びした凹の右側の突起した部分の上に三角形の底辺を伏した様な図形であって、全体を黒塗りした特定の観念を想起することのない図形といえるものである。
しかして、本願商標は、その構成において、文字部分と図形部分とは視覚的に分離して把握されるものといえるものであり、また、図形部分と文字部分とが常にー体不可分のものとして把握されるというべき特段の事情も見いだすことができないものであるから、それぞれが独立して自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たすものとみるのが相当である。
してみると、本願商標は、その構成中の「FAVORI」の欧文字部分が仏語と理解した場合には「お気に入り」の観念が生じ、また、造語からなるものと理解した場合には特定の観念が生じないとみるものであるが、いずれの場合であってもその構成文字に相応して「ファボリ」の称呼を生じるとみるのが相当である。
(2)引用商標
引用商標は、前記2のとおり、「Le FAVORI」の欧文字とその上段に小さく「ル・ファヴォリ」の片仮名を付した構成からなるところ、「Le」の欧文字を冠した「Le FAVORI」の欧文字と該欧文字の表音を表記したものと認められる「ル・ファヴォリ」の片仮名が併記されていることから、これに接する需要者をして仏語における定冠詞「Le」を冠していると理解されるものと認められ、該欧文字部分が仏語からなるものと容易に看取され得るものである。
そして、該「FAVORI」の欧文字部分は、本願商標を構成する欧文字部分とその綴り字及び全て大文字で表した点を同じくするものであり、また、仏語の定冠詞として認識される「Le」は、それ自体に格別の意味がないものであるから、これを除外して、「FAVORI」の欧文字部分を出所を示す識別標識として顕著な部分と認識し、これより生ずる称呼をもって、商品及び役務の取引に当たる場合も少なくないとみるのが相当である。
そうとすると、引用商標は、上記(1)における本願商標の認定と同様、その構成中の「FAVORI」の欧文字部分の意味合いを「お気に入り」と理解した場合には「お気に入りの」の観念が生じ、また、造語からなるものと理解した場合には特定の観念が生じないとみるものである。そして、いずれの観念が生じる場合であっても「ルファボリ」及び「ファボリ」の称呼を生じるとみるのが相当である。
したがって、引用商標は、その構成全体より「ルファボリ」の称呼が生じるとともに、役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える「FAVORI」の文字部分に相応して、単に「ファボリ」の称呼をも生じるものであり、「お気に入り」の観念が生じ得るものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標とを比較するに、両者は、前記(1)及び(2)に示した構成のとおり、外観上区別し得るものであるが、引用商標の構成中、要部と認められる「FAVORI」の欧文字と本願商標とは、その構成する綴り字を共通にし、近似したものといえるものである。
次に、本願商標から生じる「ファボリ」の称呼と、引用商標から生じる「ルファボリ」及び「ファボリ」の称呼を比較すると、「ファボリ」と「ルファボリ」とにおいては、その構成する音及び音数の相違により相紛れるおそれはないものの、「ファボリ」の称呼において、両者は称呼を共通にするものである。
また、観念において、両者は、共に「お気に入り」の観念を共通にする場合のあるものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において近似し、「ファボリ」の称呼及び「お気に入り」の観念を共通にする類似の商標といわなければならない。
(4)本願の指定商品及び指定役務と引用商標の指定役務の類否
本願の指定商品及び指定役務中、第30類の「菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」は、引用商標の指定役務の第35類「菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と類似する商品である。
(5)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標中の「FAVORI」の文字が英語の「Favorite」から「te」を除いたものと同一であるから、「フェーバリ」の称呼をも生ずるものであり、我が国において「FAVORI」の言葉が周知であるとはいい難く、これより特定の観念は生じない旨主張する。
確かに、英語における「Favorite」の文字が「フェーバリット」と称呼されるものであるが、本願商標中の「FAVORI」の文字が仏語における成語であり、これより生ずる「ファボリ」の称呼も構成文字に相応して自然に称呼されるものであるから、英語における「Favorite」の文字が「フェーバリット」と称呼されることをもって、本件商標が「フェーバリ」のように称呼されるべき根拠とはいえず、この点の請求人の主張は採用できない。
また、本願商標の指定商品及び指定役務を取り扱う業界においては、英語とともに仏語よりなる商標も少なからず使用されているのが実情であり、該文字は「お気に入り」の意味を有する仏語と認められることから、「お気に入り」の観念が生じ得るものである。
イ 請求人は、過去の審決例を提出し、引用商標は、定冠詞を除いて称呼するよりも一連一体として「ルファボリ」の称呼が生じるとするものである旨主張する。
しかしながら、請求人が挙げた審決例は、本件とは、使用する商品又は役務が異なるものであるばかりか、商標の構成態様においても異なるものであるから、事案を異にするものというべきであり、また、本件においては、本件商標と引用商標との類否を判断すれば足りるのであるから、過去の審決例が存在することをもって、本件商標と引用商標との前記類否判断が左右されるものではない。
したがって、請求人の上記主張は理由がない。
(6)むすび
以上のとおり、本願商標と引用商標とは類似する商標であり、また、本願の指定商品は引用商標の指定役務と類似するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標)




別掲2(引用商標)





審理終結日 2015-03-06 
結審通知日 2015-03-10 
審決日 2015-04-24 
出願番号 商願2013-40998(T2013-40998) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W3043)
T 1 8・ 263- Z (W3043)
T 1 8・ 261- Z (W3043)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 齋藤 貴博北口 雄基 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 今田 三男
手塚 義明
商標の称呼 ファボリ、フェーバリ 
代理人 榎本 一郎 

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