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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
管理番号 1301769 
異議申立番号 異議2014-900092 
総通号数 187 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-07-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-04-03 
確定日 2015-06-14 
異議申立件数
事件の表示 登録第5639325号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5639325号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5639325号商標(以下「本件商標」という。)は、「Butterflylush」の欧文字及び「バタフライラッシュ」の片仮名を二段に横書きしてなり、平成25年7月13日に登録出願され、第3類「化粧品,せっけん類」を指定商品として、同年10月24日に登録査定、同年12月27日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は、商標法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第163号証を提出した。
1 引用商標
申立人が、登録異議の申立ての理由として引用する登録商標及び株式会社ラッシュジャパン(以下「ラッシュジャパン」という。)の使用に係る商標は、以下のとおりであり(以下、これらの商標をまとめて「引用商標」という。)、引用商標1及び引用商標2は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4479169号商標(以下「引用商標1」という。)は、「LUSH」の欧文字を横書きしてなり、平成8年12月6日登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、平成13年6月1日に設定登録され、その後、同年9月13日に指定商品中「香料類」について一部放棄による本権の登録の一部抹消の登録がされたものである。
(2)登録第5013148号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲1のとおり、「ラッシュ」の片仮名を書してなり、平成18年6月1日登録出願、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品」を指定商品として、同年12月22日に設定登録されたものである。
(3)ラッシュジャパンが申立人より商標の通常使用権を再許諾されて、スキンケア、ボディケア等の商品に使用し広く知られているとする商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲2のとおり、色彩の異なる二重の楕円形内に「LUSH」の欧文字を配した構成からなるものである。
2 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、全体として既成語ではないものであり、「Butterfly」又は「バタフライ」の文字部分と「lush」又は「ラッシュ」の文字部分からなる結合商標である。そして、結合商標は、結合されている一つの語がその指定商品との関係で需要者等に広く知られている場合、需要者等は、その語を強く印象付けて記憶しているから、その結合は常に強固なものではなく、強く記憶される一つの語により取引を行う。
本件商標において、その構成中の「Butterfly」又は「バタフライ」の文字部分は「蝶・泳法の一つ」等の意味で我が国においても広く使用されており(甲6)、「バタフライ」を含む名称の商品も多数存在する(甲7)。
他方、ラッシュジャパンの業務に係る商標「LUSH」又は「ラッシュ」は我が国において周知であるから(甲9?158)、本件商標に接した需要者等は、その構成中の「lush」又は「ラッシュ」の文字部分に着目する。
よって、本件商標は、構成中の「lush」又は「ラッシュ」の文字部分から「ラッシュ」の称呼を生じ、引用商標は、いずれも「ラッシュ」の称呼を生じるから、本件商標と引用商標とは、「ラッシュ」の称呼を共通にする類似の商標であり、本件商標の指定商品「化粧品,せっけん類」は引用商標の指定商品と同一のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 商標法第4条第1項第10号について
引用商標は、本件商標の登録出願時には申立人が通常使用権の再許諾を承諾したラッシュジャパンの商品を示すものとして需要者に広く認識されている商標であり(甲9?158)、本件商標は、引用商標に類似し、両商標が使用される商品は同一であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
4 商標法第4条第1項第15号について
ラッシュジャパンの商品には、多様な名称が付されているものであり、「マダムバタフライ」という蝶の形伏の商品も平成24年4月から販売されている(甲138、159、160)。
このため、需要者は「Butterflylush」又は「バタフライラッシュ」の表示に接した場合、ラッシュジャパンの商標と混同を生じるおそれがある。
また、上記のとおり、本件商標と引用商標は類似しており、引用商標はラッシュジャパンが使用する商標として周知となっていること、本件商標の商標権者とラッシュジャパンとはいずれもせっけん類、化粧品に係る商品を製造・販売しており、需要者が共通すること、本件商標は「Butterfly」の文字と「lush」の文字との間にスペースを設け「lush」の文字が分離して使用されている(甲163)ことから、本件商標に接した需要者が「LUSH」又は「ラッシュ」の表示を連想する可能性があり、需要者において普通に払われる注意力を基準とすれば、本件商標を指定商品に使用する場合には、これに接する需要者は、引用商標を連想又は想起し、その商品が、ラッシュジャパンの商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

第3 当審の判断
1 引用商標の周知性について
申立人の提出に係る証拠及びその主張によれば、申立人は、我が国において平成10年10月1日に設立されたラッシュジャパンに、商標の通常使用権を再許諾したものであり、ラッシュジャパンは、翌年3月4日にスキンケア、ボディケア、ヘアケア、浴用化粧品等の商品を販売する1号店を東京都目黒区自由が丘に開店し、その後全国に店舗数を増やし、本件商標の登録出願日前には150店を超える店舗を展開し、その売上げは、平成25年には152億円に達している(甲10、11)。また、化粧品の市場調査(富士経済研究所)等において、「ライフスタイル提案型ブランド」の代表として、「ラッシュ」が取り上げられていること(甲12、13)、ラッシュジャパンの発行するフリーペーパー「ラッシュタイムズ」が年5回、120万部発行されていること(甲14)、さらに、本件商標の登録出願日前から登録査定後においても、ラッシュジャパンの取り扱う浴用化粧品、せっけん、スキンケア・ボディケア・ヘアケア用化粧品等やその店舗が雑誌、新聞、インターネット、テレビ、ラジオ等で多数紹介されて、引用商標3及び「Lush」又は「ラッシュ」の文字が表示されていること等(甲15?158)が認められる。
これらを総合して判断すると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、ラッシュジャパンの業務に係るせっけん類、化粧品を表示する商標として、取引者、需要者の間に広く認識されていたものといえる。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
本願商標は、前記第1のとおり、「Butterflylush」及び「バタフライラッシュ」の文字を二段に横書きしてなるところ、その構成中、上段部分の「Butterflylush」及び下段部分の「バタフライラッシュ」の文字は、いずれも、同書、同大、等間隔にまとまりよく一連に表示されているものであるから、外観において、それぞれその構成全体をもって一体のものとして看取されるものであり、また、本件商標の構成全体から生ずると認められる「バタフライラッシュ」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標の構成中「Butterfly」及び「バタフライ」の文字が、「蝶」等の意味を有する平易な英語及びその表音として理解されるとしても、その指定商品との関係において、商品の品質等を表示するものとして取引上、普通に使用されている等、該文字部分からの商品の出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認めるべき実情もないから、本件商標の「lush」の文字のみが、独立して看者の注意を惹くものとはいえない。
そうとすれば、上記1の引用商標の周知性を考慮しても、本件商標は、その構成全体をもって一体不可分のものとして把握されるとみるのが相当であり、その構成文字全体に相応して、「バタフライラッシュ」の称呼のみを生じるものであり、親しまれた特定の観念を有しない一種の造語からなるものとして認識されるというべきでる。
してみると、本件商標の構成中「lush」及び「ラッシュ」の文字部分を分離、抽出し、「ラッシュ」の称呼を生ずるとした上で、本件商標と引用商標1及び引用商標2とが称呼において類似するものであるとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用商標1及び引用商標2とが類似するとすべき理由は見いだせない。
したがって、本件商標は、引用商標1及び引用商標2とは非類似の商標であるから、両者の指定商品が同一又は類似のものであるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第10号該当性について
引用商標3は、別掲2のとおり、その構成中に「LUSH」の文字が顕著に表示されているものであるから、該文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであるというべきであり、本件商標は、上記2のとおり、引用商標3とその構成文字を同一にする引用商標1とは相紛れるおそれのない非類似の商標であるといえる。
したがって、本件商標は、引用商標3と非類似の商標であるから、その指定商品が引用商標3の使用に係る商品と同一又は類似のものであり、引用商標3がその需要者の間に広く認識されていたとしても、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標と引用商標とは、上記2及び3のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、両者は、別異の商標というべきであって、引用商標がラッシュジャパンの業務に係る商品を表示する商標として需要者の間に広く認識されているとしても、本件商標をその指定商品について使用した場合に、これに接する取引者、需要者が引用商標又はラッシュジャパンを連想、想起するものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
なお、申立人は、本件商標は「Butterfly」と「lush」の間にスペースを設けて使用している旨主張しているが、登録商標の範囲は願書に記載した商標に基づいて定められるものであり、本件商標は、上記2のとおり、その構成全体をもって一体不可分のものであるというべきであるから、申立人の主張は、採用することができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
5 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(引用商標2)


別掲2(引用商標3)(色彩については原本参照。)




異議決定日 2015-06-05 
出願番号 商願2013-58458(T2013-58458) 
審決分類 T 1 651・ 25- Y (W03)
T 1 651・ 262- Y (W03)
T 1 651・ 261- Y (W03)
T 1 651・ 271- Y (W03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大井手 正雄 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 堀内 仁子
浦辺 淑絵
登録日 2013-12-27 
登録番号 商標登録第5639325号(T5639325) 
権利者 株式会社ピアッツァ
商標の称呼 バタフライラッシュ 
代理人 佐藤 恒雄 

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