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審判番号(事件番号) データベース 権利
異議2014900358 審決 商標
異議2014900163 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W43
審判 全部申立て  登録を維持 W43
審判 全部申立て  登録を維持 W43
管理番号 1301751 
異議申立番号 異議2014-900339 
総通号数 187 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2015-07-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2014-12-05 
確定日 2015-05-28 
異議申立件数
事件の表示 登録第5702665号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5702665号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5702665号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「博多中洲五臓六腑」の文字を横書きしてなり、平成25年12月16日に登録出願され、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、同26年7月9日に登録査定、同年9月19日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由として引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第3222941号商標(以下「引用商標1」という。)は、「五臓六腑」の文字を横書きしてなり、商標法の一部を改正する法律(平成3年法律第65号)附則第5条第1項の規定により使用に基づく特例の適用を主張し、平成4年9月7日に登録出願、第42類「牛内臓料理又は焼き鳥を主とする飲食物の提供,アルコ?ル飲料を主とする飲食物の提供」を指定役務として、同8年6月20日に登録査定、同年11月29日に設定登録され、その後、同18年6月13日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
2 登録第5664567号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおり、「炭火焼肉」の文字と「五臓六腑」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成25年9月7日に登録出願され、第43類「炭火焼肉を主とした飲食物の提供その他の飲食物の提供,飲食物の提供に関する情報の提供」を指定役務として、同26年3月18日に登録査定、同年4月18日に設定登録されたものである。
なお、引用商標1及び引用商標2をまとめて、以下「引用商標」という。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証(枝番を含む。)を提出している。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標の「博多中洲」の文字について
本件商標は、漢字「博多中洲五臓六腑」を横書きしてなるものである。本件商標中、前段部の「博多中洲」の文字部分は、福岡県福岡市博多の著名な地理的名称であることは、我が国需要者において一般に広く認識されているものである(甲3)。
また、例えば、「博多中洲ワシントンプラザ」、「ベッセルイン博多中洲」など福岡市博多区に現存するホテル名においては、「博多中洲」の文字は、もっぱらホテルの所在地を示す地理的名称として使用されている(甲5の1及び2)。「博多中洲」は、特定の地域を指称する地理的名称であると共に、屋台をはじめとする飲食店が数多く存在する日本有数の歓楽街としても一般に広く認識されている。
したがって、本件商標に係る指定役務「飲食物の提供」との関係においては、本件商標中、「博多中洲」の文字部分は、自他役務識別力がないか、あるいは極めて弱い部分であることは客観的に明白であり、本件商標中、「五臓六腑」の文字部分が、独立して自他役務識別標識としての機能を果たしているものである。
飲食物の提供役務においては、店舗名称における地理的名称は一般に自己の取扱に係る役務の提供の場所・地域を表すものとして随時選択使用されることが多く、例えば、「博多中洲○○」なる標章に接する取引者・需要者は、その地域(博多中洲)に存する○○の系列店と認識することが通常である。
(2)本件商標の「五臓六腑」の文字について
「五臓六腑」は、(心臓などの)五臓と、(大腸などの)六腑をいい、はらわた、内臓の意味を有する語である(大辞林第2版)。
そして、牛肉などの内臓料理が一般化した今日は格別、内臓料理を提供する飲食店においては、その提供食物を暗示する好適な標章であり、極めて顕著な自他役務識別標識としての機能を発揮する語である。
また、「五臓六腑」の語は、今日の我が国においては「五臓六腑にしみわたる」などの用法がよく知られている(大辞林第2版)。
かかる用法においては、「食物の栄養分や美味しさが五臓六腑にしみわたる」や「酒のアルコール分やうまみが五臓六腑にしみわたる」といった状況で使用されることが多く、すなわち、「五臓六腑」の語は、飲食物を摂取した際の感動表現において日常的に使用されている。
したがって、「五臓六腑」の構成文字は、飲食物の提供役務の標章として、提供される飲食物による満足感を暗示する非常に適したものであり、極めて魅力ある自他役務識別力を発揮しているものである。
(3)本件商標の全体称呼について
本件商標の構成文字全体から生ずる「ハカタナカスゴゾウロップ」の称呼は、12音と冗長になるものであり、全音数からも、「ハカタナカス」の6音と「ゴゾウロップ」の6音で分離して称呼されることが通常である。
また、本件商標の構成における漢字「博多中洲五臓六腑」を徴しても、前段4文字の「博多中洲」と、後段4文字の「五臓六腑」とに分離して看取称呼されるものである。
さらに、「博多中洲」の文字と「五臓六腑」の文字の内容上の相違から、指定役務の「飲食物の提供」における需要者・取引者は、地名である前段部「博多中洲」を省略し、自他役務識別機能を発揮する顕著性のある部分、「五臓六腑」の部分をもって、取引にあたる場合が、極めて容易に想定されるものである。
(4)商標の構成と出所識別力
本件商標は、同一書体の漢字により外観上一体的に構成されるものの、例えば、商標の称呼を認定するにあたり、かかる一体的構成をもって常に全体商標の称呼のみを生ずるとの結論に至るとは限らないものである。(最高裁昭和38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、同平成5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、同平成20年9月8日第二小法廷判決裁判集民事228号561頁参照)。
上述のとおり、本件商標の「五臓六腑」の文字部分は、指定役務との関係において、出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分である一方、「博多中洲」の文字部分は、単に地理的名称として認識され、出所識別標識としての称呼、観念が生じえない部分であるものと解されるため、本件商標中「五臓六腑」の部分を抽出し、商標の類否を判断することは、上記判例の規範に矛盾するものではない。
(5)本件商標の称呼
本件商標に接する取引者・需要者をして、その構成中「五臓六腑」の文字のみに着目し、当該文字より生ずる「ゴゾウロップ」の称呼をもって、本件商標登録に係る指定役務において取引にあたる蓋然性があるものである。
(6)本件商標と引用商標の比較
引用商標は、その構成から、「ゴゾウロップ」の称呼が生ずることは明白であるところ、本件商標と称呼及び観念において類似の商標である。
また、本件商標の構成に徴しても、商標の外観上、本件商標と引用商標相互間に、称呼・観念上の類似を凌駕する程の相違はないことも明らかであるので、本件商標と引用商標は類似するものである。
2 むすび
前記したとおり、本件商標は、引用商標と類似するものであり、また、その指定役務も同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

第4 当審の判断
1 本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、「博多中洲五臓六腑」の文字を横書きしてなるところ、その構成文字は、全体を江戸文字風の書体により同じ大きさで等間隔に表されており、視覚上も書体の特徴が強く印象づけられることで全体がまとまりよく一体的に把握されるとみるのが相当である。また、「博多中洲」の文字が福岡県福岡市博多区の地理的名称であることから、該文字だけでは自他役務の識別力が希薄であることは否定できないが、本件商標は横1行にまとまりよく記して成る外観を有し、これを構成する文字の書体によって、例えば「五臓六腑」の部分が特に強調された体裁を有するものではない。
してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して、「ハカタナカスゴゾウロップ」と一連に称呼されるものというべきである。
また、本件商標は、その構成上、全体として一種の造語よりなるものであって、特定の観念は生じないというべきである。
2 引用商標について
引用商標1は、「五臓六腑」の文字を横書きしてなるところ、該文字は、「五臓と、大腸・小腸・胆・胃・三焦・膀胱の六腑とをいう。はらわた」(大辞林第2版)の意味を有するものであるから、これよりは、その構成文字に相応して、「ゴゾウロップ」の称呼を生じ、「はらわた」の観念を生じるものである。
引用商標2は、別掲2のとおり、「炭火焼肉」の文字と「五臓六腑」の文字を上下二段に横書きしてなるところ、これらの文字は、筆文字風に表されており、上段の「炭火焼肉」の文字は、その指定役務の内容、質を表示するものであるから、自他役務の識別力がないか、あるいは極めて弱いものであって、下段の「五臓六腑」の文字部分が商標中の要部といえるものである。
してみれば、引用商標2は、該「五臓六腑」の文字部分に相応して、「ゴゾウロップ」の称呼を生じ、「はらわた」の観念を生じるものである。
3 本件商標と引用商標との類否について
(1)本件商標と引用商標1との類否について
本件商標と引用商標1を比較するに、外観においては、両者は、「博多中洲」の文字の有無によって、外観上、明確に区別できるものである。
称呼においては、本件商標からは「ハカタナカスゴゾウロップ」の称呼を生じ、引用商標1からは「ゴゾウロップ」の称呼を生じるものであるから、両者は、「ハカタナカス」の音の有無に差異があるものであって、称呼上、明確に聴別できるものである。
観念においては、本件商標からは特定の観念が生じないものであって、「はらわた」の観念を生ずる引用商標1とは、観念上、互いに類似するということはできない。
してみれば、本件商標と引用商標1とは、その構成中の「五臓六腑」の文字部分において観念が共通するものの、両者は、全体の観念において類似するとはいえず、本件商標と引用商標1とは、その外観、称呼及び観念を総合して全体的に考察すれば、互いに類似しない商標というのが相当である。
これに対し、申立人は、商標の類否の判断に関して、「博多中洲」を「地名」とした審決例(甲4)を示しているが、そこにおける引用商標5は、博多中洲の文字部分が全体から分離して観察される構成のものであり、それゆえ要部(「ふくや」)が分離観察されるといえる事例であって、全体が同書体で一連にまとまりよく表されている本件商標の場合とは事案を異にするものである。
また、甲第6号証及び甲第7号証(審決)における、当該の出願商標(「大森野田岩」及び「広島赤鬼」)は、いずれも標準文字で表されているのに対して、本願商標は、全体を江戸文字風の特徴のある書体をもって表されていることで外観上の一体性が強く印象付けられるといえるものであるから、本件が上記両甲号証の審決の判断に拘束されるということはできないものである。なお、江戸文字書体により表され、外観における書体に特徴があるとされた商標「炭都饅頭」と、ゴシック体で表された、「TANTO」と「タント」の文字が二段に表された引用商標とは類似しないとした審決取消訴訟判決(知財高裁 平成23年10月11日判決 平成23年(行ケ)第10174号)があることを附言する。
(2)本件商標と引用商標2との類否について
本件商標と引用商標2を比較するに、両者は、江戸文字風の書体と筆文字風の書体において相違し、かつ、「博多中洲」及び「炭火焼肉」の文字の有無によって、外観上、明確に区別できるものである。
称呼においては、本件商標からは「ハカタナカスゴゾウロップ」の称呼を生じ、引用商標2からは「ゴゾウロップ」の称呼を生じるものであるから、両者は、「ハカタナカス」の音の有無に差異があるものであって、称呼上、明確に聴別できるものである。
観念においては、本件商標からは特定の観念が生じないものであって、「はらわた」の観念を生ずる引用商標2とは、観念上、互いに類似するということはできない。
してみれば、本件商標と引用商標2とは、その構成中の「五臓六腑」の文字部分において観念が共通するものの、両者は、全体の観念において類似するとはいえず、本件商標と引用商標2とは、その外観、称呼及び観念を総合して全体的に考察すれば、互いに類似しない商標というのが相当である。
4 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標2)



異議決定日 2015-05-19 
出願番号 商願2013-98619(T2013-98619) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W43)
T 1 651・ 263- Y (W43)
T 1 651・ 261- Y (W43)
最終処分 維持 
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 井出 英一郎
榎本 政実
登録日 2014-09-19 
登録番号 商標登録第5702665号(T5702665) 
権利者 株式会社 神戸神仙閣
商標の称呼 ハカタナカスゴゾーロップ、ナカスゴゾーロップ、ゴゾーロップ 
代理人 須田 元也 
代理人 鳥巣 実 
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