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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 登録しない W30 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W30 審判 査定不服 観念類似 登録しない W30 |
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管理番号 | 1301739 |
審判番号 | 不服2013-10282 |
総通号数 | 187 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2015-07-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2013-06-04 |
確定日 | 2015-06-25 |
事件の表示 | 商願2012-43563拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第30類「缶・びん・ペットボトル・紙容器入りのコーヒー・アイスコーヒー・コーヒー飲料,缶・びん・ペットボトル・紙容器入りの香りづけしたコーヒー・アイスコーヒー・コーヒー飲料,香りづけしたコーヒー・アイスコーヒー・コーヒー飲料,コーヒー,アイスコーヒー,コーヒー飲料」を指定商品として、平成24年5月31日に登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5114122号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成19年7月13日に登録出願、第30類「コーヒー,コーヒー豆」を指定商品として、同20年2月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、上段に大きくやや図案化して表された「PEACE」の欧文字(以下「上段文字」という。)、下段に大きく表された「COFFEE」の欧文字(以下「下段文字」という。)及びこれらの文字の外形に沿うように表された薄灰色の背景図形(以下「背景図形」という。)並びに上記欧文字の間に小さく白抜きで表した「ICED」の欧文字(以下「白抜き文字」という。)からなる結合商標であると看取、把握されるものであり、その全体構成において、上段文字部分及び下段文字部分は、同じような書体及び態様で大きく表されていることから、外観上、看者に強い印象を与える部分であるといえる。 そして、本願商標における各構成部分についてみるに、上段文字部分は、語頭の「P」の文字の一部を円で描き、その内部に同じ太さの描線をもって四分割された図形を表したものであるが、その下半分に表された「EA」の欧文字及びこれらに続いて表された「CE」の欧文字がそれぞれの文字として明確に把握できる態様で表されていること、また、「PEACE」の欧文字が、「平和」の意味を有する英語として一般に親しまれているものであることから、該部分が「PEACE」の文字を表したものであることは、取引者、需要者をして容易に看取、理解されるものである。 また、下段文字部分は、上述のとおり、該文字が上段文字と同じような書体、大きさ及び態様で表されていることから、上段文字部分とまとまりある文字部分と看取される一方、本願の指定商品の普通名称そのものを表したといえる部分であって、独立して商品の出所識別標識としての称呼、観念を生ずることのないものと認められる。 さらに、白抜き文字部分は、その態様や位置するところに照らせば、外観上、さほど強く印象づけられるともいい難く、かつ、「ICED」の文字は、「氷で冷やした」の意味を有する英語であって、本願の指定商品の品質を表示するものであるから、商品の出所識別標識としての機能を有しないものといえる。また、背景図形は、構成文字の外形に沿うように表されたにすぎないものであるから、独立して商品の出所識別標識としての機能を有するものとはいえない。 以上を踏まえれば、本願商標は、その構成中の上段文字及び下段文字の両文字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められるものであるから、該両文字部分を分離、抽出し、該部分をもって取引に資されるといい得るものである。また、本願商標において、白抜き文字、背景図形及び下段文字部分は、独立して商品の出所識別標識としての称呼、観念を生ずることのないものであることからすれば、本願商標は、その構成中の上段文字部分を分離、抽出し、該部分をもって取引に資されることも十分にあり得るということができる。 したがって、本願商標は、その構成中、上段文字及び下段文字の両文字に相応して、「ピースコーヒー」の称呼及び「平和のコーヒー」の観念が生ずるものであり、また、上段文字部分に相応して、「ピース」の称呼及び「平和」の観念をも生ずるというのが相当である。 (2)引用商標について 引用商標は、別掲2のとおり、「ピースコーヒー」の片仮名を上段に表し、「PEACE」及び「COFFEE」の欧文字を下段に表してなるところ、その構成文字全体に相応して、「ピースコーヒー」の称呼及び「平和のコーヒー」の観念が生ずるものである。 また、引用商標の構成中の「コーヒー」及び「COFFEE」の文字は、その指定商品中「コーヒー」の普通名称を表示したものといえるから、独立して商品の出所識別標識としての称呼、観念を生ずることのないものと認められる。 してみれば、引用商標は、その構成文字全体に相応して、「ピースコーヒー」の称呼及び「平和のコーヒー」の観念が生ずるものであり、また、その構成中の「ピース」及び「PEACE」の文字に相応して、「ピース」の称呼及び「平和」の観念をも生ずるものである。 (3)本願商標と引用商標との類否について 本願商標と引用商標とは、全体の外観において差異を有するものの、「PEACE」及び「COFFEE」の両文字部分の比較においては、外観上、その文字のつづりを共通にし、「ピースコーヒー」の称呼及び「平和のコーヒー」の観念を共通にするものである。また、「PEACE」の文字部分の比較においても、外観上、その文字のつづりを共通にし、「ピース」の称呼及び「平和」の観念を共通にするものである。 そこで、両商標について、上記の外観、称呼、観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察してみれば、両商標は、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当であり、ほかにこれを左右する取引の実情は見当たらない。 そして、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (4)請求人の主張について 請求人は、本願商標の構成における「P」の文字は、その内部に図形を組み込んだ形に巧みにデザインされているものであり、その圧倒的な大きさと斬新な外観がこれに接する取引者、需要者の目をひきつけ、強く印象づけられることなどから、本願商標と引用商標とはその外観において著しく相違し、互いを容易に見分けることができるものである旨主張する。 しかしながら、「P」の文字の構成中に、平和運動等のシンボルとして世界中で使用されているいわゆる「ピースマーク」あるいは「ピースシンボル」と呼ばれるシンボルマークのデザインに対応する図形が表されているとしても、該図形が需要者の間に広く認識されているとまではいえず、その意味合いを知っている需要者にあっても、上段文字部分から生ずる「平和」の観念を強く印象付ける役割を果たすにすぎないものというのが相当である。また、本願商標の背景図形を含めた外観においても、文字商標を図案化することが広く行われている現在においては、これがそれほど強い印象を与えるものとはいえず、本願商標が常に一体不可分のものとして取引に資されるとはいえないこと上記(1)のとおりであり、両者の比較に当たって、商標全体の外観における差異が、商品の出所識別標識としての機能を有する文字部分から生ずる称呼及び観念の類似を凌駕するものとはいい難い。 また、請求人は、既登録例を挙げて、本願商標と引用商標とは非類似の商標である旨主張するが、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、上記登録例は、結合商標における小さく表された文字部分が顕著な出所識別機能を有するなど、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、本願商標については、上記(3)のとおり判断するのが相当であるから、ほかの登録例がその判断を左右するものではない。 したがって、これらの点についての請求人の主張は、いずれも採用できない。 (5)まとめ 以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1(本願商標) 別掲2(引用商標) |
審理終結日 | 2013-11-14 |
結審通知日 | 2013-11-19 |
審決日 | 2013-12-02 |
出願番号 | 商願2012-43563(T2012-43563) |
審決分類 |
T
1
8・
261-
Z
(W30)
T 1 8・ 263- Z (W30) T 1 8・ 262- Z (W30) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 北口 雄基、安達 輝幸、齋藤 貴博 |
特許庁審判長 |
酒井 福造 |
特許庁審判官 |
浦辺 淑絵 原田 信彦 |
商標の称呼 | ピースアイスドコーヒー、ピースコーヒー、ピース |
代理人 | 中熊 眞由美 |
代理人 | 佐久間 剛 |
代理人 | 柳田 征史 |